ペタンコズ。

さむいさむい。

晴れの日はともかく、お陽さまがちょっとでも翳ると、温室の中にいても、さむいさむい。
これが猫なら炬燵で丸くなるところだけど、もともと丸いサボテンたちは鉢土のなかに潜り込む。
まるまった猫も可愛いけど、ペタンコになって身を縮めてるサボテンたちも、これまた可愛い。



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                  Astrophytum asterias


まずはサボテンの王さま、兜(Astrophytum asterias)。
こんなんが私のところにあるのが意外かも知れませんが、じつは小学生の息子が、
古くからある腰の曲がったような大株を勝手に授粉して、種とって、蒔いたものです。
私も少年時代、兜が大好きで、清水の舞台から滑落して輸入株を買いました。
それらは既に絶えましたが、その子から種をとったということですね。
野生兜の孫たるこやつらは、白点も毛疣も完全無添加無改良の素朴もんです。

園芸カブトの世界でも、扁平な株は評価が高いようですが、ここまでペタンコだとどうなんだろう?
地面レベルより上に出てる株はありません。頂面は真っ平で、お煎餅を並べたみたいな感じですな。
もちろんこのサイズだから・・・ということもあるわけですが、直系10cm超えでもグラウンドレベル以下・・・
みたいなペタンコ兜が育てられたらカッコいいと思う。自生地ではそんな風に育ってるわけだから、
出来ないことはないと思うんだけど、見たことないんだよなぁ。
踏まれても平ちゃら、こそ兜の真骨頂か。

大メジャーサボテンの兜さまでも潜るのだから、マイナーな南米サボなんかは当然の如く、



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                 Eriosyce occulta JA81 Las Breas,Antofagasta,ChileIMG_7956S.jpg
                 Eriosyce sp.FK62(Quebrada Alcodona,Chile)


まずはエリオシケ・オクルタ(Eriosyce occulta JA81 Las Breas,Antofagasta,Chile)。
隠されたもの、潜在的な、という種小名のとおり、このひとは夏冬に限らずほぼ一年じゅう地面に潜ってます。
水やり失敗すると肉まんみたいに盛り上がってしまい、肌色も甘くなり、この種の良さが損なわれる。
この属では、豹頭(E.napina)玉姫(E.'reichei')なども同じような地中サボテンですが、
より出たがりの傾向があるみたいで、地中に埋没させたまま大きくするのはなかなか難しい。

下はまだ名無しのEriosyce sp.FK62(Quebrada Alcodona,Chile)。上のオクルタに近い種でしょう。
実はこれでも秋の水やりで「浮上」した後の写真。夏場は完全に消滅してました。
エリオシケの自生写真なんか見ると、潜りすぎて地面に穴ボコがあいたみたいになってることもありますね。
でも、潜る性質のあるサボテンでは、潜ることが根の健康な証です。'contracting root'なんて言いますが、
ガッチリ張った細根を足がかりに、太い主根がぎゅうっと収縮して、球体を地面に引きずり込む仕組み。
根が傷んでいると踏ん張れないから、潜ることが出来ないという訳です。


最後は、こんなの。



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                    ???


なんもない。土しかない。
このプランターに植わってた植物は枯れちまったのか・・・と早合点して捨てちゃいそうになりますが・・・



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                Ariocarpus fissuratus ssp.lloydiiIMG_7981S.jpg
                 Ariocarpus kotschoubeyanus ssp.kotschoubeyanus


地上から消滅していたのは、北米地中サボテンの代表格、アリオカルプスの面々。これもよく潜ります。
土をはらってやると、ようやく姿が見えてきた。

上は連山(Ariocarpus fissuratus ssp.lloydii)です。基本種の亀甲牡丹(ssp.fissuratus)に比べると
塊根が小さいのですが、それでもしっかり潜る。
直系3cmくらいの苗ですが、これでも実生4、5年くらい経っている。成長が遅すぎるって?
うちではなんでもそうなんだけど、でも、こういう具合に潜らせておくことに面白さを感じるので、
水やりはどうしても少なくなる。年に10回はやらないでしょうね。

下は黒牡丹(Ariocarpus kotschoubeyanus ssp.kotschoubeyanus)。
上の連山よりさらに歳喰ってるかな。写真撮るために、土を払ってます。実際はアンダーグラウンドなので見えない。
水切ってると、地上マイナス2cm付近までいきます。見えないくらい潜ったまま花だけ咲くこともある。
自生地の写真では、粘土質のカピカピの地面などに、化石みたいに表面だけうっすら見える、みたいな状態で
生えている姿を見たことがある方も多いでしょう。それで花だけ咲いていると、ほとんど球根植物のようでもある。
そのうち、赤玉なんかじゃなくて、乾くとひび割れするような白い粘土みつけてきて、植えてみたいと思ってます。
それでもって、カチカチに固まってたら、踏んづけてみよう。



IMG_7403S.jpg



刺、花、姿・・・サボテンの魅力を語るための指標はいろいろあるけど、私にとっては、いかにペタンコに、
いかにハードに地面に潜ってくれるか、というのも、重要な審美基準で、栽培の目標だったりします。
でも、まだまだ道は遠い。地面より低いスルコ・ラウスキーやエピテ・小人の帽子の大群生、
なんて自生地ならあたりまえだけど、いざ作ってみようとすると、なかなかどうして実現は難しい。
ペタンコサボを極めるための道も、また険しく遠いのです。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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モグリペタンコかぶと!土に隠れて潜った部分の色は?黄緑?白?アスパラのように地下に潜っている部分は・・・日焼けしていないのでしょうか?ペタンコって・・・月餅みたく直径よりも厚みが1~2cmの朱肉入れ見たいな形になっているのでしょうか?1ケ掘り出して・・・そのうちお願い致します!・・・見たいで~すw!

へー!!
かぶちゃんはこれ扁平なのですね。
ただ潜ってるんじゃないんだぁ。
掘り起こしたら(イモ?^^;)丸いのかと思ってたのですが。
これは面白くていいですね、見た目的にすごく。
はめ込まれた感が何とも可愛いなぁ(^^)

ところでお子様、親の姿見てるんですね~(^^)
我が家の姫達は誰一人としてサボに興味もたないです。
不思議星人二女ちゃんなどは自分が買ったサボちゃんだけには興味があるようで「大きくなった?みせてー!」と、気が向くと(←ここ大事)言ったりしますけど。。。
ということは私は見られてないんだなぁ。
超自由人なだけにそれも仕方ないのだろうけどw

親子で一緒の趣味があるというのはいいですよね(^^)

球体を地面に引きずり込む仕組み、そうだったんですね。
大変面白いです。

ペタンコズ・・ペタンコって言い方懐かしい!大昔に使っていたような(笑)
今の子はペッタンコとかペチャンコっていいませんか?それでもペタンコでも通じるかな?(笑)

サボテンですが、いつか私の実生サボテンもこんな風に潜ったところを見れたらいな!そう思いました。

Shabomaniac!さん、-marshさん、こんばんは。

>我が家の姫達は誰一人としてサボに興味もたないです

なんと!家と一緒!

婆ちゃんは
「そんなもん育てて、何の役に立つんや。
食べられへんし。」

嫁は「また同じもの買って来てどうすんの~。」と言うし
→金鯱と鯱頭は全然違うやろ!(^^; ....

娘たちは
「御父さんはホンマにサボテン好きやねんな~」
と感心してくれますが、関心は一切持ってくれません(涙)

これはいかん、いかん!と嘗て一番下の娘に
可愛い小さな兜に「○○兜」→○○は娘の名前
のラベルを付けて
「これは○○ちゃんの兜なんやでえ~。大切にするんやで~
お水もあげるんやで~」と教えていたのですが
三日坊主でした(涙)

でも良く考えると、多肉は兎も角、刺好きな女の人は
ちょっと怪しいかも?

(孤独をサボテンで癒す岩田バキッ!!☆/(x_x)

我が家の実生苗、Shabomaniac!さんのところとは大違い。
飼い主が植え替えサボったせいもあり、ひしめき合って鉢からはみ出し、
とても地面に潜り込むどころではありません。

場所もないのに「来年こそはもっとゆったり暮らせるようにしてあげるから・・・」
なんてこと 口が裂けても言えないし・・・
「もっと甲斐性があったらなぁ」とサボ達も思っている事でしょう。
まったく穴があったらもぐりたい、いや入りたい。寒さに身を切られる思いの年の瀬です。

だれか年末ジャンボの当り券くれん? 前後賞でよいから。
そしたらここに集まるみなさんで山分けしましょうね。

来年もよろしくお願いします<(_ _)>

>いわたさん

wwww!!!
やはりそうですかww
私の父も

>「御父さんはホンマにサボテン好きやねんな~」

と同じ感じで我が家にやってくるとベランダ見て

「やってますな」と二マ二マしてくれるのですが。
父もサボ好きなので。
母はあれですね、開花しているサボには興味持つのですけど、って感じ。
サボの開花ってほぼ短命だから
年間でいうとほっとんどの日は興味ないww
酷い話ですw


>嫁は「また同じもの買って来てどうすんの~。」

私の場合は旦那、になりますが。。。
同じですね。やはり興味がない人には
「サボテンでしょ、一緒でしょ」の一言なのですよねぇ。
言ってる私も興味がないことにはそれ対応なので言えたものではないですけど(^m^;)

三日坊主の話、パソコン前で笑ってしまいました。
笑顔で必死ないわたさんww

エ!玉姫も地中サボテンですか。家のは購入した時から瓶を逆さにしたようなノッポ姿でした。もうペッタンコにはなれません。花は申し分ないので、これだけでも楽しみます。

l-marsh さん、こんばんは。


>言ってる私も興味がないことにはそれ対応なので言えたものではないですけど(^m^;)

成程!私がAKB48のメンバーの顔が
一緒に見えるのと同じなんですねバキッ!!☆/(x_x)

はじめまして。
いつも楽しく拝見させてもらっています。地面より潜るとはすごいですね!エピテ小人の帽子の大群生が地中に…想像するだけでワクワクします!前回、オークションで分けていただいた月世界も、なるべく扁平にと頑張っております。やはり自生地の様に育てて、サボテンの故郷を想像するのは楽しいですね!

玉姫(E.'reichei')、3本あるんですが、地中サボテンだったんですか!
連山(Ariocarpus fissuratus ssp.lloydii)の実生株、年に10回水やりしないって・・・その徹底ぶりがステキです。勉強になります。

暮れもいよいよ押し迫ってまいりました。
いろいろあった一年でしたが、お付き合いありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

>takoyashikiさん
兜なんかは、裏側は、なまっ白い緑色ですね。ホワイトアスパラ、とまではいかないけど。エリオシケ類なんかは、
球体部分は地下部も同じ色です。大根みたいな根っこは当たり前だけど、白い。でも、このペタンコサボたちも、成長期で水をやっているときは、多少盛り上がってくるんですよ。

>l-marshさん
うーむ扁平といってもコインみたいに扁平ではないです。兜で言えば、平べったい逆円錐形というのかな。球形の
1/3くらいの高さはあります。大きくなるにつれて、立ち上がりやすく、いちど立ち上がった苗は、水切りすると胴からくびれやすくなるので、このあたりが難しいところです。うちの倅はサボテンに限らず植物動物魚類昆虫なんでも好きみたいです。ただ、サボテンは小さい時から身近にあるので、珍しいとか変わってるとか、思わない模様。

>queiitiさん
潜るべきサボテンが潜らない時・・・秋になってもペディオのウインクレリあたりが、瑞々しく膨らんでいる場合、だいたいその後で、良くないことが起こります。というか、たぶん潜れない時点で、根っこがダメになっているってことなんでしょうね。なので、ぎゅーっと縮むと安心します。

>saeさん
そーか、最近はペタンコって言わないんですねー。ペタンコ靴とか、ペタンコ鞄とか、言ってたのは遠い昔か。それと、実生から育てたサボテン、潜る種類はふつうに育てて、休眠期に水切りすれば、自然に潜りますよ。リトープスなんかも、潜った姿にはまた別の味わいがあります。というかそれが本来の姿ではあるんですが。

>いわたさん
うちでも、小さい女性お二方はサボテンよりも多肉派です。といっても、それも「嫌いじゃない」くらいの話で、メセンのプニプニしたのをいじくって遊んでるくらい。かみさんは、かつては自生地のサボテンを見て素晴らしい、

>noriaさん
うちにも、植え替えしないまま、まん中がごもーっと盛り上がってるような鉢も沢山ありますよ。というか、それ
がほとんどで、常態です・・・。最近ようやく、片道2時間かかる田舎に栽培場をつくりましたが、もともと過酷労働者なので、面倒見の時間がとれない(通えない)問題にぶちあたってます。よって植え替え不能、水切れで扁平サボ増産となる次第で・・・^^;。年末ジャンボ、買い忘れたのが悔やまれる年の瀬です^^;。

>さぼらんさん
玉姫や豹頭の場合、地上に出ている姿の写真も見たことがあります。ですが、小型のエリオシケはほとんどみな、
半分以上、潜って育つようで、花がなければ見つけることも困難、という感じです。そのぶん、花は大きく、目立つ
色合いで、そのあたりも球根植物と通じるところがありますね。

>maritimaさん
コメント、ありがとうございます。エピテの小人の帽子は、自生地ではまず、群生しません。十円玉くらいの単頭が
最大です。もちろん地面レベルまで潜ってます。栽培下では、群生するのが魅力なので、なおかつ野生株の扁平さも・・・と欲張りたいのですが、この種も栽培下では円筒形になりがち。野生株は、頂面真っ平らで、厚みは径の1/3くらいしかありません。どうしたらそんな姿に育つのか、試行錯誤中です。

>roka79さん
栽培下では、玉姫はとくに丈が伸びやすく、扁平に育てるのは難しいですね。ナピナあたりまではなんとかそれらしく育つんですが・・・。水やり年10回、実は最多の部類です。そもそも、自宅から遠い栽培場に行ける回数が、年に十数回しかないので。サボテン多肉の類じゃなかったら耐えてくれないから、そもそも趣味が成立しませんね^^;。


Shabomaniac!さんの素晴らしい記事には経験、知識がない私はなかなかコメント出来ずただ見てるだけが多かったんですがとても楽しませて頂きました。来年もまた楽しみにしています。
今年一年ありがとうごさいました。
良いお年をお迎えください…。

有難うございました。

色々な育て方楽しみ方が有るものだと感心させられた一年でした。
来年の更新も楽しみです。

>zilzianaさん
こちらこそ、マニアックというかオタク度が高すぎるというか、そんな拙文におつきあい戴き感謝です。気楽な感じでツッコミ、来年もよろしくお願いしますm(_ _)m。

>cooパパさん
サボテンでも多肉でも、育て方、楽しみ方は色々あっていいですよね。品評会向けのゴージャスサボにはない、沙漠の風情を楽しむのが、私にはあってるようです^^;。
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沙漠植物、栽培、探究。

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