げんこつサボの子どもたち。

オプンチアといえば、もっとも不人気の類であって、およそサボテン園芸の範疇から除外されており、
せいぜい接ぎ台か、屋外植裁用くらいのもの・・・長年そんなふうに理解し、だからこそ天の邪鬼な愛着も感じてきました。
でも、最近はそうでもないようで、変わったモノ、珍しいモノを求めて、海外から種をとりよせて蒔いている方も
結構おられるようです。世に変人、我独りにあらず。
私は数年前からウチワサボをあれこれ蒔いてきましたが、今年はブーム到来?に気をよくして南米種を中心に
数十種類を播種。やりすぎです。もっとも、芽が出たのは数えるほどでしたが・・・。


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この類は周知のとおり発芽率がとっても悪い。新しい種ならよく生えるかといえば必ずしもそうではなく、
数年経って突然一斉に芽を出したりするけど、その理由はわからない。
そんなわけで、ウチワ類の実生バッドは、いまの季節になっても屋外に置いたままです。

今回は去年蒔きの苗からいくつか、南米テフロなど、げんこつ系サボの小苗を紹介します。


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               Tephrocactus alexanderi ssp.geometricus JN513 Loro Huasi,Catamarca,Arg.
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               Tephrocactus alexanderi ssp.fiambalensis KP612 Fiambalá 1684m,Catamarca,Arg.


今年あたり、国内各地の栽培場で「コロニー」が形成されつつある、南米ウチワ・テフロカクタスの仲間、
ゲオメトリクス(Tephrocactus alexanderi ssp.geometricus JN513 Loro Huasi,Catamarca,Arg.)。
これは去年蒔きなので、発芽1年数ヶ月経っていて、すでに親株の雰囲気が出てきています。
同じロットの種ですが、刺の具合には個性があるようで、2枚目の写真の株はほぼ無刺。
大きくなってもこのままでいくのかどうか、興味が湧くところです。
ちなみにこの種については性懲りもなく今年もまた蒔いてしまいました。発芽も良いんですよ、なぜか。

ちなみにいちばん下の写真、刺ツンツンのは同じアレクサンデリ系の産地違い、フィアンバレンシス。
Tephrocactus alexanderi ssp.fiambalensis(KP612 Fiambalá 1684m,Catamarca,Arg.)。
刺ありのアレクサンデリも、なかなか鑑賞価値は高いのですよ。

つづいてもテフロ。


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               Tephrocactus papyracanthus xinermis intermediade KP622 La Rioja 952m Arg.


こっちは十数粒蒔いたんだけど、出たのは一本きりでした。
Tephrocactus papyracanthus x inermis intermediate (KP622 La Rioja 952m Arg.)
って記載なので、昼のミサ×松笠団扇のインターメディアフォームってことになる。なるほど。
たしかに両者の中間的な姿をしてます。この極短の紙状刺がこの先どのくらい長くなるかで、印象がかなり変わるけど、
出来るなら松笠っぽい、刺ナシな感じが残るといいなぁと思ってます。
あと、これ1本しかないから、枯らさないようにしないとね。

次のは何か、わかりますか?


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               Tephrocactus bonnieae=Puna bonnieaeIMG_5734S.jpg
                Maihueniopsis mandragora Piltz-5490 yellow flower                              
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               Miquelopuntia miquelii (=Comulopuntia miquelii KP789 W Coquimbo,Chile)


この3株は別種です。それぞれ1本ずつしか発芽しなかった。
上の写真のやつは、なんとなく親株の雰囲気が出てきてるので、わかる人にはわかるでしょう。
テフロ(旧プナ)・ボンニアエ(Tephrocactus bonnieae=Puna bonnieae)です。
最近とっても人気があって、ゲオメトリクス同様、国内で急速に分布域を拡大中の南米ウチワサボ。
ボール状で刺が痛くないところはゲオメトとよく似てるけど、それってポピュラリティ獲得の条件なのかも。
こいつはまだ1歳なので、ひょろひょろしてますが、茎節に張りついた刺の感じは、親株と一緒です。

真ん中の写真はマイウエニオプシス・マンドラゴラ(Maihueniopsis mandragora Piltz-5490 yellow flower)。
なんだかおどろおどろしい名前ですが、こちらも大きな塊根を持ち、刺の痛くない丸っこい茎節がポコポコ群生する。
面白い姿なので人気が出て良さそうですが、似た種でヤマコケシと呼ばれるサボテンが流通しています。
いまのとこ、細長くてなんのサボテンか判らないけど、たぶんあってるんじゃないかと。

いちばん下は、おそらく最もマイナーな南米ウチワのでしょう。ミクエロプンチア・ミクエリィ。横文字で書くと、
Miquelopuntia miquelii(=Comulopuntia miquelii KP789 W Coquimbo,Chile)。和名たぶんなし。
姿は粗雑、トゲ凶悪、しかも丈が伸びてデカくなる。およそ栽培向きではありませんが、珍しいことは珍しい。
発芽しにくく、これまで何度か蒔きましたが、苗が得られたのは初めてです。
まだ小さいので恐怖を感じるまではいきませんが、密生した芒刺(glochid)が将来の凶暴さを予感させるね。


最後はちょっと綺麗めのやつ。


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               Austrocylindropuntia floccosa Puno Peru


南米ウチワ最高の美種のひとつ、フロッコサ(Austrocylindropuntia floccosa Puno Peru)です。
去年、発芽したものですが、成育が比較的早く、大きいものは高さ5cmくらいに育ってます。
すにでフワフワの白い毛髪状刺が出てきて、雰囲気が出てきました。
この種は、南米アンデス山麓の標高3500-4000mの高地に分布し、寒さには強いけれど夏の高温多湿時期には
とっても徒長しやすい。丈低くがっしり、白毛豊かに仕上げるのはなかなか困難なサボテンなのだ。

また、発芽も困難で、これまで何度も蒔いては挫折。この株の種は3年前業者から購入したもので、
どうやっても出ないから諦めて外に放りっぱなしにして忘れていたら、11月の末になって突然ゾロゾロと
芽が出てきました。それから冬のあいだいっぱいぐんぐん育って、夏は休ませた。
経験では、大株を夏に動かすとデローっと間延びして見苦しくなります。
発芽時期からみても日本では初冬~春に育てるのが良いサボテンなのかも知れません。

実はこのフロッコサについては、貴重な産地採取の種をある方から戴いてこの春蒔いたのですが、発芽せず。
新鮮なら発芽するというものでもないことが分かります。これから寒くなる時期、外に放置して霜にあてれば
芽が出るのでは・・・と期待しているところです。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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こんばんは!
またまた超~良い感じのボール型テフロに釘付けですww検索してみたらオレンジの花の咲くボールがいっぱいのがありました。ああ~Tephrocactus bonnieae憧れま~す~ぅww形がヘンテコなの・・・大好き~です!

発芽って何年か待ってもいいのですね・・・また!勉強になりました!

いいですねー!こういうサボも魅力感じてしまいます。でも…手を広げるとおき場所が…。今年はエリオシケや難物たちに手をつけてしまいましたので当分はこいつ等とやって行こうと思います。発芽しないと言えば…グラウカスで試してみた方法で発芽率が上がっていると思える方法が2つあります。一つ目は種子を中性洗剤で洗う方法で(お酢を混ぜてますので酸性洗剤ですかね?)中性洗剤を指先にぺとっとつけた程度にお酢大さじ一杯ぐらいを50ミリ程度の水で溶いてペットボトルに種と一緒に入れて30分くらいシャカシャカ振る、と言う物です。(攪拌用に小石を数個入れてます)その後で水で洗ってからそのまま蒔きます。もう一つがなるべく温度の高い日に2時間程度冷蔵庫に入れる方法で、1週間に一度程度で効果があるようです。これ、夏場に毎日やると効果があまり無かったので夜が涼しい時期には向かないかもしれません。同じ方法で天浪と白紅山で残った種で2度目の種まきをしたのですが…白紅山は現在4/7ですが天浪は一個も発芽なし。やっぱり気まぐれな連中ですね。

此が面白い

北米難物種も良いですが、違った意味でげんこつこサボテンにはまってます。此でもサボテン?信じられない風貌、実生すると難しかったり。”必死に生きてるんだなぁ”

可愛らしいですね。私も影響されて幾つか蒔いてみたんですが、
Tephrocactus molinensis2本、Grusonia bradtiana3本(おそらく)だけで、
アウストロキリンドロオプンチアはまったく発芽しませんでした。実生床はそのままにしてあります。
これら南米系は最近人気があるようですが、北米のキリンドロオプンチアの実生はどうなのでしょう?
ウチではこれもまったく発芽しませんでした。

私も「コロニー」とは言えないまでも、この手の団扇サボテンに魅了され、実生にいそしんでいて、あげくに「大日本団扇団小型部会」なるものを自称する始末です。
今年は例年に無く、発芽状況がよいようで、いくつかは手元に残るのではないかと、ほくそえんでいます。
南米物に限らず、団扇サボテンに加えて柱サボテンにも興味を示す人が増えることを願っています。

今年はテフロの当たり年なんでしょうか?あちこちで大量発芽しているようですね。

私はTK-Oneさんの低温刺激法を参考にし、冷蔵庫に入れる代わりに難発芽種子の播種床に‘氷水’を夕暮れ時に灌水する‥ハウスに電気が来ておらず冷蔵庫が使えません‥というのを何回か繰り返したら、効果絶大!テフロ、アウストロ、トウメアなどいくつかが発芽しました。各1、2粒ですが全くのゼロより一大進歩です。TK-Oneさん、ありがとうございました。来年は‘酢水シャカシャカ法’も試してみます。

ところでShabomaniac!さんの屋外の実生パッド、常時腰水状態なんでしょうか?いま一つ「戸外雨ざらし実生」のコツがつかめません。私は腰水なしで雨降りに外に出し、あがればハウスに取り込むというのを繰り返していますが、いま一つ発芽には結びつかないようです。

こんばんは。
Maihueniopsis mandragoraの実生苗は、この夏にあえなく消滅してしまいました。
他にMaihueniopsis glomerataの実生苗もダメに・・・多少、大きな苗になれば安定するのですが。
極小から育てあげるのに、何かコツはありませんか?

いやー、うちわサボ、もはやマイナーではありませんね。この反響!
もっとも、日本のオプンチア好きは、皆さんで全員かも知れませんケド・・・^^;。

>takoyashikiさん
オレンジ色の花の咲く、ボール型団扇サボって、なんでしょう?アイランポア(Airampoa)とかでしょうか?ボンニアエあたりよりさらにどマイナー、よく言えば珍品希少種ですね。でも、姿の完成度で言ったら、ボンニアエやゲオメトが頂点でしょう。一般のサボ好きの人でも、これを見ると面白がりますよね。

>TK-Oneさん
団扇類は、なかなか芽が出ませんが、出たあとはさほど難物ではなく、育ってくれるのが良いところです。いつもいつもペディオ・スクレロで泣かされている身としては、育ってくれる植物もあるといいなと。発芽を促進する方法としては、濃塩酸浴、なんていう方法もありかも知れませんね。太平丸などでは良い結果が出ているそうです。

>sileriさん
団扇類、なかなか発芽しないのが良いところ?かも知れませんね。わりと大きくなるし、じゃんじゃん出たらあっという間に栽培場が埋まってしまいます。南米のマイウエニオプシスやプテロカクタスなんかの寒冷地産のものは、栽培上の感覚がペディオなんかにとても近い気がします(動く時期とか)。だけど比べれば格段に丈夫ですね。あと北国でもトゲ座の黒カビは出るんですね。温度低くても湿度があれば、ということなんでしょうか。

>roka79さん
Grusonia は、むかしは輸入株も入っていてそこそこ人気種だったそうです。トゲが痛すぎるけど、自生地の写真など見ると見事なサボテンですよね。この属もそうですが、北米のキリンドロ・・・は、何度か蒔きましたが実に発芽しにくいです。おそらくは種が古い・・・。最近の南米ウチワ、チェコ種はわりと新しい産地採りの種が多いので、そこそこ発芽してくれるのでは、と推察してます。

>queiitiさん
「大日本団扇団小型部会」で検索したら、凄く立派なOpuntia azureaが出てきました。ものすごく、痛カッコイイです。私も関東在住のシンパサイザーということで^^。きらわれるこの仲間の「芒刺」ですが、これも慣れがあります。私など、この類のお世話のあとは、手先指先がミクロの針山のようになってますが、水を流しつつタワシでゴシゴシ、てなやり方でほとんど除去できます。多少は皮膚内に残りますが^^;。

>noriaさん
種子を冷蔵するのは有効な方法と、多くの人が記していますね。私も蒔く前のしばらくの間、冷凍庫に入れてたりします。私の屋外実生腰水バッドですが、水が1cmくらいだけ溜まるよう、発泡トロ箱の側面に穴を穿ってあります。ずっとベチョベチョだと腐りますし、ある程度の保水も必要という考えで・・・。雨のあと4、5日は水が残り、晴れが続くと乾く、という環境にしています。

>利野塚さん
mandragoraはわりと育てにくいと感じますね。glomerataも含め、寒さに強く暑さに弱い、という印象です。
ただ実生苗は水切れはさせるとヘタるので、多少遮光した風通しの良い場所に置いて、常時灌水しています。
あとは蒔く時期で、梅雨明け頃は発芽しやすいのですが、夏を越えられないことも多々。夏の終わりに発芽した苗がいちばん具合よく育ちますね。

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