atypical flower

あいかわらず暑い日が続いていて、せっかく休みがとれても長い時間の屋外作業はかなり堪えます。
植物たちも夏ばて気味なのか、カメラを携え勇んで栽培場に入っても、花数が春に比べてぐっと少なくなってます。
なので、今回はこの春から撮りためた写真のなかから、幾葉かをご紹介。
atypical flower。異型の花、非定型の花というところですが、変わりだねにも色々なパターンがあります。


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          Copiapoa aureispina (KK654 Margarita,Atacama),unusual redish flower for genus Copiapoa


なにが変わっているかわからないって?
そうですね。たいした違いがないかも知れません。でもおおむね黄花オンリーのコピアポア属のサボテンとしては、
この花色はちょっと珍しいのです。
コピアポア・アウレイスピナ(Copiapoa aureispina KK654 Margarita,Atacama,Chile)で入手の株。
黒王丸などとは異なる、いわゆる青肌系のコピアポアで、育てやすい種類です。
花はごらんのように曖昧に暈けた赤のストライプが入り、遠目にはピンク色にも見えます。
濃色の肌や刺とのコントラストが綺麗。
コピアポア属では他にルペストリス(C.rupestris)の地域タイプとして赤花タイプがあるのが知られています。


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          Tephrocactus bonniae pinkish flower with white stigma,rare form in Japan


小さな玉を重ねたような姿が人気の南米オプンチア、テフロ・ボンニアエ(Tephrocactus=Puna bonniae)です。
で、何が違うかというと、まずは柱頭の色を見てください。
国内で見かけるこの種の花は、大半が白い花弁に真っ赤な柱頭で、そのコントラストが見所なのですが、
このクローンは雌しべが白。なおかつ花色もピンクが強くてうっすらとストライプもあります。
日本に入って来ている大半のボンニアエは、欧州経由で入ってきた野生株由来のもののようですが、この株はアメリカ由来。
おそらく在米の植物学者Fergason氏が導入した株がオリジナルではないかと思われます。
ネットで検索すると、このタイプの花は自生地株含めて沢山見つかりますから、ボンニアエにも産地違いの顔違いが
あるということなんでしょうね。ちなみに球体の刺も気持ち長めで、クモがはりついたような印象で面白い株です。

このボンニアエ、かき仔すれば倍々ゲームで増えていくので、あっというまに普及種になりました。
高価なサボテン=良いサボテンと感じる向きの方には、早々に駄モノ扱いされてしまいそうですが、
姿、花、育てやすさ、と三拍子揃った実に鑑賞価値のあるサボテンです。こうした顔違いも楽しめますしね。


最後は、本格的な変わり花。


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               Echinocereus palmeri (SB185 Chihuahua) with filamentous petals


去年も紹介した花ですが、エビのパルメリ=春高楼(Echinocereus palmeri SB185 Chihuahua)です。
兜ではむかしから沢山出現して「昭和咲き」なんて呼ばれていますね。花弁が糸状になる変異です。
美しい、というのとはちょっと違いますが、その異様さで温室内でもとても目立ちます。いろんなサボテンを
実生していますが、この型の変異が出たことは何度かあり、特定の遺伝子に変異が起こるとこうなるのでしょう。
花のないときはノーマルな株とまったく変わらず、区別がつきません。
この株は雌しべがなく、花粉もちゃんと出来ない。なのでこの形質を次代に残すことは困難なようです。

今年は正常な株と一緒に撮影してみました。


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こうして並べてみると異様さが際立ちますね。もう一方も同じロットの種から出た兄弟株です。
ノーマル個体の花は、美花揃いのエビサボのなかでもとりわけゴージャスでくどいくらいの桃色大輪なので、
なんだか昭和咲きの株は分が悪く貧相に見えてしまいますが、ノーマル株より大事にされています。
私にも、変異株をありがたがる園芸人気質があるということですね。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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美しすぎるサボテンの花に吸い込まれんばかりの気持ちになりました!ため息~ハ~ぁww感動です!
エビのシャワシャワ変り花もう最高ー~首っ丈です。ため息ハ~ぁww

アウレイスピナのお花が可愛いです…がそれより更にテフロのbonniaeがすごく可愛いです!!テンションあがりますね~。でも種まきからですね…

Copiapoa aureispinaの花に感動しました。コピは黄花ばかりで花の観賞価値はそれほど高くないと思っていましたが・・・これはいつか育ててみたいですね。花だけでなく刺もステキです。蝦サボは、正直普通の花の方が・・・^^;

bonniae、普及してきて、今年はあちこちで開花の報を聞きましたが、我が家のどの株も期待はずれでした。その上、こちらでタイプ違いの花を見させられたとあっては、嫉妬と羨望がいや増しになっております。

Copiapoaの赤花、なんだか艶っぽさというか、色気さえ感じますね。良い色です。今年はチリのスピニさんからCop. taltalensis "Rubriflora" JA264 というのを送ってもらいましたので、数年後が楽しみです。

Punaもやっぱりよいですね。今年は機会を逃したので、来年こそは!と決意を新たにしました。...と、まるでこの記事に合わせるかのように、今日は Puna mandoragora の発芽を確認! よりによってこの暑い時期に発芽しなくても...暑さに弱いと聞き及びますし、はてさて、無事に夏を越せるかなぁ。
こちらでは球形ウチワも徐々にコレクションが増えてます。この仲間も産地ごとのタイプ違いがいろいろあって楽しそう。あまり深みにハマらぬようソロリそろりと付き合ってます。

おはようございます!
この春高楼にはほんとうに雌しべが無いんですね!残念です。
色がこれなので初めはちょっと引くかもしれませんが、
この感じは品のある嵯峨菊に通じるものがありますね。

コピにも赤花があるんですね~初めて知りました。
パルメリからは種が採れそうにないんですか、それは残念ですね。サボテンを育ててると変異株は嬉しいですね^^

園芸家たるもの、やはり変り種への憧れは止められません^^
産地種子でこのような「昭和咲き」が出たら驚きでしょうね~。大事にしたくなる気持ち、よく分かります。
bonniaeも素敵です。この2年で私もすっかりウチワ好きになってしまいました。

>takoyashikiさん
サボテンの花はホントに綺麗ですよね。今さらながら思います。どれもこれも野生種そのままで、園芸的に改良したものじゃない、野の草ですから。生き物の密度が低いサバクで虫たちに寄ってもらうには、このくらい目立たないといけないのかも知れませんが、花弁の光沢感は他になかなかないものだと、いつも思います。

>zilzianaさん
ボニアエは、実生からやるのも良いですがタネがなかなか手に入りないのが難。拙ブログをご覧になっておられるなかには、タネを輸入して蒔いておられるマニアックな方も結構おられますが。もっともウチワ類なので、カキ子繁殖も簡単です。そうした苗から育てるのもアリですよ。写真の株も元はカキ子苗だったと思います。

>roka79さん
コピの花は確かにどれも似たり寄ったりで、姿は離れていても実は近い種類なのだなと感じさせられます。私も好みはこの手の赤混じりのと、あとは小型種ラウイの、雄しべが長くて黄色い梅の花みたいな風情のもの。ラウイにはちょっとオレンジがかった花色もありますね。エビ珍花は、珍であっても美ではない、と私も思います。

>queiitiさん
ウチワ類は、クローンによって開花しやすい、しにくいが結構あるようですね。うちのボンニアエにも頑固に咲かないやつがあります。このタイプ違い花、最初はけっこう珍しいのかなと思いましたが、ググると似た花がいっぱい出てくるので、さほど珍しいわけではなさそうですよ。綺麗さは一段落ちる気もしますし・・・^^;。

>noriaさん
わたしもJAさんからタネ、取り寄せましたが、Rubriflora" JA264 はなかったと思います。彼のタネはだいたいいつも発芽好成績です。名前から察するにもっと赤い花が咲きそうですね。Puna mandoragora の発芽、おめでとうございます。
日本ではボンニアエ以上の希少種だと思います。これも白花、赤花と産地タイプがいろいろあるようで、そこも楽しみですね。この仲間をコレクションに加える時点で、すでに深みにはまっておられると思いますが^^。

>saeさん
春高楼、正確には雄しべはあるのです。しかし花粉がほとんどつかない。あるいは着いている花粉とおぼしきものを他花にかけても結実しません。昭和兜などでもそういう株が多いと聞きますね。あまり仔も吹かない様子なので、これ一代限り、と思って愛でてあげようと思っています。

>yoyonさん
黄色い花ばかりのサボテンといえば、コピのほかに有星類、コリファンタ、ノトカクタス・・・などが思い浮かびますが、いずれも多少は赤い花の種(または変異種)があって、喜ばれますね。別段たいした花ではなくても、「花色違い」というとなんだか素敵に思えてきたりするから不思議です。

>きくぞうさん
仰るとおり、産地別に管理されたようなタネからは、なかなか斑入りなどの変異は出ません。うちはそんなのばかり蒔いていますので、変わりものの出現率は極く低いです。ギムノなど、国内で手に入れたタネはかなり高率で斑入りが出ますが、産地種子からは皆無です。逆にいうと、国内のものは色んな血が混じっているんでしょうね。ウチワ道、楽しいですよ。手に入れにくいものも多いですが、それを探すのもまた楽し、です^^。

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沙漠植物、栽培、探究。

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