だけどパロジア好きさ。

パロジアがコレクションの中心!そんなサボテンマニアは、国内にはたぶんひとりもいないんじゃないでしょうか。
間違いなく天の邪鬼の部類である私のところにだって、そう沢山はありませんから。
でも、真夏の暑い盛りに、へこたれずに次々咲いてくれるとっても殊勝な植物です。



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最近はこの属に、かつてのNotocactus(青王丸や、雪晃など)やWigginsia(地久丸など)といった属も
含める考え方が主流となり、近縁のフライレア(Frailea)やブロスフェルディア(Blossfeldia)などもあわせると
結構な大家族になるグループ。そういう意味では、どこの栽培場にも一本くらいはこの仲間が棲んでいそうです。
「統合派」の分類は、一般的に愛好家受け(さらに業者受け)が悪いですが、この統合についていえば、
実物を並べて見る限り頷ける部分が多いと感じます。

うちにはこの大家族のなかで、古くからのパロジア属とされてきた仲間が多いですが、
いずれもよく私が言うところの、花の綺麗な野草系サボテンという感じ。特徴が曖昧で、種と種の境界が不明確です。
よって名前(和名・学名とも)と実物の対照が混乱しています。
昔から花ものとして普及してきた種のほか、70年代頃には、トゲの強い魔神丸の仲間などは野生株がたくさん輸入され、
かつてはそれなりに人気を集めたようですが、存外栽培が難しい(美しく維持するのが困難)ことや、皆が納得して共有できる
タイプの善し悪しというのが見出し難いので、現在ではかなりマイナーな存在です。

まずは、美花サボテンとして古くから親しまれてきたこのサボテン。



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               Parodia albo-fuscata B81 Sierra de Guasayan,Argentina


めらめらと燃える炎のような花。これだけ強烈な赤花のサボテンは、そうありません。
パロジア・アルボフスカタ(Parodia albo-fuscata B81 Sierra de Guasayan,Argentina)で入手した苗ですが、
古くから 緋繍玉(P.sanguiniflora=microsperma)と呼ばれてきたサボテン、そのものです。
まあ、ちょっとずつの違いで、色々な名前がついちゃってるわけですね。
緋繍玉は、昔のサボテン本ではだいたいカラー口絵のコーナーで紹介されていた種類。
ちょうどノトカクタスの青王丸あたりでサボ道に入門して、その次くらいに買うのがこのサボテンでしたね。
トゲは、ひよひよした白刺と、痛くない短めのカギ刺。目立つものではありません。
これだけ派手な花が咲いても、野草の風情を失わないのは、植物本体の自己主張が控えめだからかも知れません。



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                Parodia roseoalba (plant from KK)


こちらは、十数年前に買った輸入株です。Parodia roseoalba (plant from KK)という名前がついていました。
しかしこの仲間、先にも書いたように特徴が曖昧で確かに同定することは難しい。
写真のように球体一部をトリミングするといい感じにも見えますが、実は高さ40cmくらいまで伸び上がってしまって、
ちょっとした柱サボテンのような風体です。あまり見栄えがしない。
豊かな綿毛、先端だけ赤く染まった白い刺、ディテイルは美しいのですが。
栽培が難しくないところが難しい、という例でして、輸入株もすぐ発根して水を吸ってどんどん育つ。
それで、あっというまに持ち味の引き締まった感じが損なわれてしまう。
このあたりロビビア(Lobivia)などの花サボテンの栽培でも言えることで、枯らすのが難しいくらい丈夫な一方で、
美しい姿に育てる(保つ)ことはなかなかどうして難しいものです。



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               Parodia ayopayana L961 Santa Rosa,Inquisivi,Bolivia


赤だけでなく、黄色い花のパロジアもいろいろあります。
なかでも、このアヨパヤナ(Parodia ayopayana L961 Santa Rosa,Inquisivi,Bolivia)の花は、
ちょっと山吹色がかっていて、そこが美しい。でも、植物体はじつにとらえどころがない。
この姿を言葉で形容して、この種だと分かるように説明するのはほぼ不可能かと。
簡単に「こんな姿」と説明できそうなランポー玉や兜あたりとはまったく異なる、とらえどころのなさです。
やはりパロジアは雑草的。私はそこが好きなんだけど。



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               Parodia carrerana KK1130 Las Carreras,Bolivia


最後は、パロジア・カレラナ(Parodia carrerana KK1130 Las Carreras,Bolivia)。
見慣れない名前がついていますが、有名な魔神丸(Parodia maassii)の一タイプのように見えます。
この仲間は、パロジアの一群のなかで、もっとも刺姿がかっこいいサボテンです。
アメ色のカギ刺の具合が、ちょっとスクレロカクタスみたいでしょ?
栽培も、この仲間のなかでは一番クセがあり、といって難物とかそんなことじゃないのですが、やっぱり丈が伸びる。
肌も瑞々しい分だけ汚れやすい。などなどの理由で、立派で美しい標本株を育て上げるのはこれもなかなか難しい。

この仲間、品評会のベンチではまるで見ることがないのは、不人気のせいばかりじゃなくて、彼らの気むずかしさ、
アンデスの雑草ならではの気高さゆえでもあるのかな。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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うちのハウスにも何株か昔ながらのパロディアがあります。

その中にParodia ayopayanaらしきものもありますが、今まで名称不明でしたのは、種の境界が不鮮明だったせいも、あったんですね。

難物

駄物パロジア?いやいやそんな物ではありません。最近、私も播きはじめました。ところが上手く育ってくれません。親株は安泰ですが幼苗はうちには難物です。

暑い夏に、それを苦ともせずに咲くサボテンは色も負けてはいないですね。
素晴らしい色だと思います。
サボテンの花は大きさに関係なくどの花も綺麗だと思います。

こちらでもこの暑い中、真っ黒カギ刺の P. subterranea FR 731 La Cueva, Chuquisaca, Bolivia が初めて咲いていました。赤でもなくオレンジ色でもない不思議な金属光沢の花です。魔神丸、武神丸も魅力的ですね。この仲間、今の時期は水やり控えめ、一番涼しい風の抜ける場所に収まっています。

それにしても、超大型台風の進路が気になりますね。猛暑のせいでしょうか、昨日はツクツクボウシが鳴いていたし…こんなことは初めてです。今年はやっぱり何かおかしい。

野草の風情のパロディアたち良いですね。
園芸的に珍重される種にも興味はありますが、あまり顧みられない属の中にも様々なバリエーションがあって奥深いものですね。
そんな素敵なサボたちの紹介を毎週楽しみにしています。

確かに南米のサボと言えば日本ではコピとギムノばかりが通?に好まれていて(好み方は違うでしょうが)、偏っているような気がします。そういう私もまだ魔神丸しか育ててないあたりベタなのですが^^;
一部をトリミングしてるから美しく見えると仰っていますが、Parodia roseoalbaはその名の通り花も刺も美しく見えます。これ、ググルとほとんど画像がヒットしないんですね。

魔神丸欲しくて今年は種播きましたがなかなかうまくいかずです。次年度もチャレンジします。他にもパロディアを数種類巻きましたが発芽しないのもあり悪戦苦闘です。パロジア・カレラナかっこいいですね。

西日本は台風で相当な雨風になっているようです。
私も職場から家内に頼んで、あけていた栽培室の扉を閉めてもらったりしました。


>queiitiさん
パロジア、いまは結構稀少品です。以前は関東近在の愛好会にはよく出ましたが、競りにかかったのを殆ど見たことがないですし、売ってるのこともめったにない。うちのは輸入種子実生ばかりです。魔神丸あたりならともかく、ayopayanaとなると、殆んど国内に数本の世界かも知れません。お互い変わり者ということで・・・^^;。

>sileriさん
海外では、ノトカクタス系も含めて結構好きな人がいるようで、種もいろいろ売られていますね。でも、パロジア系は種がやたら小さいので、実生には気を遣いますね。最初の1年によく枯らします。その時期は寒いのや激しい乾燥も苦手みたいです。ピートモス蒔きで、半日陰で常時適湿ってな環境が作れれば良いのですが・・・。

>saeさん
ロビビアやエリオシケなど、南米サボテンの花色は実に多彩で楽しませてくれます。パロジアの花は、なかでは健全かつ鮮やかで、万人に喜ばれる美しさですね。花びらの絹のような光沢感もあいまって、温室のなかで咲いていると実に目を惹きます。花着きもよく、春~秋にかけ断続的に何度も咲いてくれるのも良いところです。

>noriaさん
サブテラネア、パロジアの中でも特に魅力的ですね。P.MafhamのCactus and Succulent in Habitat という
本にP.occultaという別名で登場するのですが、砂利敷きみたいな場所に完全に埋没して生えているのがとてもかっこよく、種を探して実生しました。うちのは残念ながら丸々した姿に育ち、埋まっていませんが・・・。
栽培上では、この仲間ロビなどに比べると暑さには比較的強い気がします。

>アイハルさん
マイナーなサボテンのなかに、自分の眼力?で魅力を発見するのは楽しいモノです。市場価値(お値段)に
とらわれず、ほかの誰が良いと言わずとも、好きなモノは好きで突き進めるのが道楽ですから^^。
私の写真技術では、なかなか本来の良さが伝えられないなあと思うのですが・・・。ちなみに、パロジアの
場合はみるい野菜みたいな肌感がなかなか写真に出ません。

>roka79さん
コピやギムノも人気があるのは一部の種類ではありますね。魔神丸でもそうとうマニアックな部類ですよ^^;。
roseoalba、画像でググってみたら、なんのことはない自分のブログが出てきてしまいました。でも、チェコサイトでhttp://www.cact.cz/noviny/2011/02/Bolivie_22.htm にも自生写真を発見。うちにあるの、まさにこの植物です。ちょっと感動しました。

>guritogureさん
先にも書きましたが、種が極小なのが厄介ですね。あと、古いと発芽しにくいみたいで、売っている種はダメな
こともしばしばあります。魔神丸系では、muhriiと呼ばれる種が、刺の密生度が高くて美しいおすすめです。
あと、太短い黒カギ刺の種類でhorridaというのがあり、これが欲しくて何度も蒔いているのですが、残念ながらいまだ発芽したことがありません。

Shabomaniac!さんこんばんは。

私もパロディアは花も姿も綺麗で好きなんですが、ちょっとトラウマというか、手を出しずらいです。


初パロディアはホームセンター出身の錦繍丸だったんですが、刺も花も綺麗で気に入ってました。

錦繍丸の花は他のサボテンのように日が当たると開くのではなく、時間が来ると開くようでした。
(当時は知識が無く窓辺に置いていて雨戸を開けない真っ暗な状態で咲いてました。夜は閉じてました。)

その後、ちょっと前にやはりホームセンターで魔神丸を購入したのですが元から痛んでいたのかダメでした。

どうも私の所ではパロディアは発根が悪いようです。

何か栽培下手自慢みたいになりましたが、画像を見てやっぱりパロディアはいいなと思いました。

>Skysensorさん
錦繍丸の花が太陽の光なしでも咲くのは初めて知りました。同じ仲間の雪晃(ブラジリカクタス→ノトカクタス)も夜でも閉じないので、なるほど!という感じです。また、この仲間はたしかに根が細くて繊細なものが多いですね。でも、比較的過湿には強い気がします。

パロジアって確かに捉え処がないというか、悪く言えば地味なんですが、特定の人気種がない代わりに栽培家それぞれの琴線に触れる種がどれかある、ような気がします。(なんか表現しにくいですが、伝わるかな^^;)

かく言う私もdextrohamataに惚れてしまい、種を蒔いたのですがなかなか…。どうにも種が細かいのは苦手です。

>きくぞうさん
パロジアみたいな捉えどころのない植物は、幾度も眺めているうち、だんだんと「見えて」きて、なんとも味わい深いなぁと思ったりします。違いのわかる大人のサボテン??
dextrohamata=horrida、カッコいいですよね。種が細かいのばかりはどうしようもないですが、せめて新しい良い種が手に入るといいですね。

遅れてお礼のご挨拶です。
玉サボテンの自生地の状況が知りたくて、紹介されていたP.MafhamのCactus and Succulent in Habitat を購入しました。ボリビアが半分占めていて、実生をしているロビビアの自然の姿に感嘆してます。どうもありがとうございました。
この種の本の紹介もよろしく!

>さぼらんさん
Cactus and Succulent in Habitat は良い本ですよね。栽培株ではなく、野生下での姿が見たいと思っていたので、入手したときは何度も読みかえしました。ニューカクタスレキシコンも自生地写真が大半なので良い本ですが、ちょっとtoo muchかも知れませんね。

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