一日だけの春。

サボテンの花が咲いたら、サクっとアップ出来るといいな、と思ってブログを開いたんですが、
いままで一輪もアップしてないことに気づきました。

きのう、一瞬の晴れ間に開花してくれたアンシストロカクタス。この日は午後から仕事だった幸運もあって、
花を見ることが出来ました。今週末も恨めしい雨で、植物は元気出ないし作業は出来ないしで最悪だけど、
きのう切り取った一瞬の春をご紹介します。


ancpdsS.jpg


このアンシストロ、棘も花もアイボリーで、なかなか美しいと思いませんか?
でも実は長いあいだ、名無しの権兵衛だったんス。

メサガーデン(Mesa Garden)という、アメリカのサボテン専門の種子業者のカタログで「M.13.35」という整理番号
に「テキサス州テレル郡産」とだけ添えられて、売られていました。
写真の株は「名無し」当時に種を蒔いて育てたもの。でも、美しいので人気があって、いわば「名無しの名品」
状態だった。

大きい方の株で実生6-7年。レモンくらいのサイズだけど、隣の小さい親指サイズの株でも、毎年この時期に
かわいい花を咲かせてくれます。象牙色の棘も色褪せにくいし、花も上品で、なんとも早春らしい風情を感じさせて
くれる素敵なサボテン。


ancpds2S.jpg


それが最近ようやく、誰かがどこかに種として記載したらしく、ことしはメサガーデンのカタログで正式名がついて
いるのを発見!
Ancistrocactus brevihamatus var.pallidus となってました。
アンシストロカクタス・玄武玉の変種パリダス、っていうことになりますが、ラテン名パリダスは色が淡いとか
蒼白いとか、そんな意味の筈だから、基本種より薄い棘色のことを指しているのか、同じく淡い花色を指している
ものと思われますな。
最近では、アンシストロカクタスをスクレロカクタス(Sclerocactus)に統合する考え方が主流なので、
Sclerocactus brevihamatus ssp.pallidus の方が正確な表記かも知れません。
私はアンシストロはアンシストロのほうがしっくりくるけどね。
この種は形態的には、同じ玄武玉の亜種とされるトブスキー(A.brevihamatus ssp.tobuschii)によく似てます。
ただ、トブスキーが扁平なのに対し、こちらは球形に育つ分、綺麗な棘色が映えます。
産地もテキサスの同じようなあたり。どちらもとっても美しいサボテンで、栽培する上では、寒さには強いけれど、
蒸し暑い季節の過湿は、太い根を傷めることになるのでNGです。

とかなんとか、ややこしい説明が長くなってしまった。
だけど、こういうややこしい分類とか説明とかが実は大好きだったりするんですな。あるタイプの男子は。

野原で風にそよぐ草花に出会っても、

「わ~きれ~い!なんて真っ白なお花なんでしょう」

では、どーしても納得できず、図鑑に首ったけで必死で同定して、「うおお、あった!これだ!」とか、
そこまで識ってはじめて腑に落ちる気がしたり。なんつうか、男子って小さい頃から図鑑ばっかり眺めてて、
車とか昆虫とか、なんでも名前を覚えたがる生き物でしょ。先天的オタク体質っつうか。

おっと脱線。春の訪れを切り取るのだった。
つづいてはこれ。なんだかわかります?


maipoepS.jpg


これ、サボテンの新芽。
前に種まきの項でチロっと紹介した、南米パタゴニアの寒冷地産サボテン「笛吹」(Maihuenia poeppigii)です。
もちろん、真冬も軒下で寒風にあてていますが、2月早々には春を感じたらしく、若緑色の新芽を出してきました。
このサボテンは、いわゆる玉型のサボテンよりは、一般の樹木に近い形をしていて、こんなふうに枝から直接葉っぱ
を出してくるわけです。生育最盛期は4月くらいで、葉っぱがもっと増えます。
夏はグッタリしちゃうので、山草育ててるような感じですな。



simpseedloing1003S.jpg


それでこっちの写真は、前の前の回に書いた「寒中野ざらし実生」で紹介した北米高地サボテンの
ペディオカクタス・月華玉(Pediocactus simpsonii)です。
よくみると、わかるかな?既に発芽がはじまってるでしょ。種から白っぽい根が顔を出しているの見えますか?
先日蒔いたうち、3-4割が発芽を開始しています。
この月華玉は、ユタ中西部の標高2000m以上ある林のなかがふるさとで、付近の道路は冬季凍結で通行止めに
なるところ。ちょうどいまくらいが雪解けなんだろな。
溶けた雪のしたから芽を出すサボテン、なんて、ちょっとイメージが違って面白いでしょ?

ただ、一緒に蒔いたほかのスクレロカクタスや、アウストロカクタス等はいまのところ発芽なし。とりあえずは、
発芽第一波ということで、ご報告する次第。


きのうは春らしいお陽さまを拝めたけど、きょう土曜もあす日曜も雨模様で、サボテンたちに水やれず。
来週再来週は休みがとれるかどうかわからないし・・・そうなると3月中には水がやれないのか、などと、
こういう時には勤め人やってることがツラクなります。
ほかに食い扶持ないから仕方ないけど。





コメント

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Ancistrocactusはマゼンタ色が多いと思いましたがアイボリー色は珍しいんではないでしょうか? brevihamatus var.pallidus今年実生しました。開花に至るまで枯れないように(__) Pediocactus simpsoniiの発芽、早いですね~。此方では5月下旬頃に発芽するので2ヶ月半遅いですね、羨ましい。ところで今年はお天道様のご機嫌宜しくないようで…‥。マスタス属等花芽を付けてはいますがまだまだ小さいです。

うちの笛吹も通年軒下に置くようにしたら、温室の中よりも居心地が良いらしく、シワシワながらも新芽を吹いてきました。雪の中から福寿草のように顔を出している現地写真を見たことがありますが、まさにcold-hardyなサボテンなんですね。

>sileriさん
アンシストロは、スクレロに分類されるだけあって球体も根も質がもろくて、腐りやすいです。でも、風情のいい種類が多いですね。ちょっと毛色がちがう羅紗錦なんかも好きですが、こいつは棘坐がススカビだらけになります(うちのような多湿地域では)。マスタスはぼちぼち咲き始めましたよ。
>quiettiさん
笛吹、圧倒的に屋外栽培が良いですね。ただどうもヒョロヒョロ伸びてマット状とはほど遠いなぁと思っていましたが、大きくなるにつれて、次第に伸びた枝の中途からも芽吹いてきて、少しは詰まった感じになってきています。
実は今週末は休みなしで、植物の世話もろくすっぽ出来ず。例の件、いましばらくお待ち下さい。。

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沙漠植物、栽培、探究。

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