信州にて①

もうふた月くらい過ぎてしまいましたが、夏の終わりに信州へ出かけたおり「西沢サボテン園」さんを訪ねました。
私の栽培場は、ほとんど自分で種から育てたものばかりで、業者さんから購入したものは殆どないのですが、
それでも、小さい頃からのならいで業者さんの通販カタログや、ネット販売を眺めるのは楽しいもの。
時には実生からの育成が待ちきれなかったりして、衝動買いもします。西沢さんのところは、日本の業者さんでは珍しく
フィールドナンバーのついた苗を扱っていたり、面白い輸入苗が入ることもあったりでよくお取引させてもらっています。


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サボテン屋さんを訪ねて、いちばん楽しいのは、こんなふうにカラフルなサボテンたちが賑やかにひしめく空間を歩くこと。
私の場合、同じ種類ばかり整然と並んでいる栽培場よりも、あれこれとりまぜてディスプレイされている方が
楽しい気持ちになります。こちらでは信州の園だけあってフェロカクタス(Ferocacatus)の色鮮やかな刺がまっさきに
目に飛び込んできました。赤、オレンジ、鮮黄色…どの刺も濁りなく、どの個体も根元まで鮮やかな色あい。


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私の住む関東沿岸部では、湿潤な気候ゆえフェロカクタスの刺座を黒いカビで汚さないように育てるのは至難の技。
それでも、サボテンの王たる「強刺類」をなんとかして綺麗に育てられないか、20年近くあれこれ試みてはきました。
刺の強さ(長さ太さ)は強い光線や昼夜の温度差などである程度実現できます。
しかし、刺座の黒いカビ…こればかりはどうにも。屋上温室など、地面の湿気から隔絶した場所で育てるしかない、
というのがただいまの結論。これについては、いつかまた書いてみたいと思いますが、サボテン栽培では環境要因が
いかに決定的か、思い知らされました。特別の装置を使わずとも、ふつうのビニールハウス栽培で、こんなに美しく
刺ものが育てられる信州は羨ましい限りです。


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刺モノだけではなく、ギムノの人気種、光琳玉(Gymnocalycium spegazzinii ssp. cardenasianum )の
刺の良いタイプや、真っ白な兜(Astrophytum asterias)など、選ばれた綺麗な株がところどころ集結しています。
兜にしても、私が栽培をはじめた頃には考えられなかった凄い白点密度、アレオーレの大きさですが、今やこのくらいが
平均的なんでしょう。中学生のころ、大決心をして購入した「テキサス兜」というのが、この写真の右側に写っている
白点が少なめで蕾の出ている兜みたいな、ほんわか顔でした。それでも、当時は「特濃白点」なんて但し書きが
あり、凄い個体だと思ったものです。・・・懐かしいなあ。思わず欲しくなる(もちろん右側の「テキサス風兜」)。
でも、こういう白点の少ないのはうちでも実生してたっけね。真っ白兜軍団の中にあるから、目を惹いたんだわな。


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この園ではネットのカタログにも時々出ますが、いわゆる難物サボテンの姿も。見知らぬ大都会の雑踏で友だちに
出会ったみたいな、少しほっとした気持ちになりました。この環境なら接ぎ木せずとも元気に育ちそうですが、
そこまで手はかけられないということでしょう、黒虹山ブライネイ(Sclerocactus spinosior ssp.blainei )、
綺麗な刺が出ていました。英丸やラウイなどのエキノマスタス(Echinomastus)は正木で育てられているようでした。


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最後に目にとまったのは、これも刺モノに入るのかな?テロカクタスの赤刺園芸種です。
緋冠竜(Thelocactus hexaedrophorus ssp.fossulatus)や紅鷹(T.bicolor ssp. heterochromus )は、
関東でも綺麗に育つ刺サボテン?として人気があります。我が家にも色々な産地の種子を実生した苗がありますが、
それら野生種は、ど派手なメイクで着飾った園芸改良種に比べると、いかにも楚々としていて、あっさりした感じ。
物足りなく感じる人が多いのもわかります。かくいう私も、この日はド派手メイクのキャバクラ嬢軍団?に惑わされて、
ひと鉢お持ち帰り。といっても、これ見よがしに太い刺とか、不自然に長すぎる刺とかは食傷気味で、
目にとまったのはこんな株。数ある中で、↓この子にいちばん惹かれました。


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刺と姿のバランスも悪くないのですが、気に入ったのは刺のいろ。
この種のもうひとつの和名である「多色玉」ということばを思い起こしました。紫がかった赤と、象牙色のグラデーションが
素敵です。とくに、色が移り変わっていくあたりのニュアンスが絶妙。
西沢園の親爺さんは「綺麗なの見つけましたね」と言ってくれましたが、こういう私の好みが一般的かどうかわかりません。
値段は並だったと記憶。でも、好きでやってる道楽なんだから、世間の好みに左右される必要もないと思っていて、
自分が気に入れればそれが最上の品です。まあ、わざわざ白点の少ない兜のタネを取り寄せて実生している変人の
言ってることですけど…^^;。


というわけで、サボテンはこのくらいで、来週は多肉植物を。実はこの園、塊茎植物や蘇鉄の品揃えも素晴らしいのです。


コメント

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うわぁ~~~~!(^0^)
いいなーーーーーーーー!信州っ!
素晴らしいですね。
私もいろいろな種類がいっぱいあるのが好きです。
これだけたくさんあるとあれもこれも欲しくなって
なかなか帰れなさそうw


素敵なヒトデちゃんがいますね(^m^)

こちらはクラブの見学会で2度ほど、お邪魔したことがあります。
毎回、1時間半ほどの間に目当てのもの(私にとっては団扇類と南米物なんですが)を探し、他の会員さんと競争でお勘定を済まさなくてはならず、ゆっくりと温室を見て廻れずに残念な思いをしています。
そんな訳で、今回こちらに紹介されたものは私の目には入ってなかったと思います。
いつかは、個人でゆっくりと温泉旅行も兼ねて行きたいと思っています。

偶然にも

 私はまだお邪魔したことはありませんが、美しい苗が多いようですね。そうですか、美しい棘を作り出すには信州はよい環境なのですね。

 偶然ですが、数週間前に鶴仙園さんで緋冠竜を購入しました。親爺さんが丹精込めて育てたと言っていた緋冠竜の棘は、shabomaniac!さんが購入されたものと似ていて白から赤のグラデーションがとても美しかったです。かなり欲しかったのですが、予算が合わず安いほうの赤棘の苗を購入してしまったんですけれどね。やっぱり無理して買っておけば良かった。あはは。

私は西沢さんお邪魔したことがないので行って見たいです。
黒紅山素敵です。

赤刺は園芸種なんですね。
最近、大方白い刺の緋冠竜をクラブの方が作られた子を
いただいたんですがこの子は園芸種ではないのかな。

お持ち帰りされた子の刺、グラデーションがとても
綺麗だと私も思いますw。*^^*

信州の業者でトゲものを好きになるが、信州の趣味家訪問でトゲものをあきらめる...という話を何度か聞きました。

素晴らしいサボテンばかりですね~
私もいつか信州に行ってみたいです!!

フェロカクタスの刺座を綺麗に保つのは難しそうですね~除湿器でも入れれば大丈夫ですか?さすがにそこまでは出来ません^^;

>l-marshさん
信州、家族サービスだったので訪ねたのは西沢園だけでしたが、けっこうあれこれ持ち帰りました^^;。サボテンでは、ほかに同じく刺ものフェロ神仙玉(どこまで刺を維持できるか試練)と王冠竜。後者は子どもが所望したため。駄もの扱いされて最近見ませんが、青肌黄刺の素敵なサボテンですよね。多肉は今度のエントリーで紹介しますね。

>queiitiさん
というわけでウチワも南米ものも買わずじまいだったのですが、以前結構あったと思った、テフロ、プテロなどの南米ウチワ系、今回はあまり見あたりませんでした。すでにqueiitiさんが、めぼしい苗は持ち帰った後だからかも知れませんね^^。今年はメサからウチワの小指大チビチビ苗を輸入しました。

>バリューさん
鶴仙園、むかし行きましたね^^。緋冠竜といえば、我が家には30年ものの輸入株があります。今の園芸改良種のように長刺ではありませんが、青肌と深い赤の刺が綺麗な株です。柱サボみたいに伸びたので胴切りして再生。家宝のように大事にしてます。長くつきあうと愛着が増しますね。

>zilzianaさん
赤刺=園芸種、という訳出もなくて、野生株にも赤刺、茶刺、色々あります。緋冠竜や紅鷹の国内実生苗は、刺の強い色鮮やかな個体を各産地の個体から選んで交雑、選抜したものなので、こちらも赤や白、いろいろあります。私は懐古趣味なのか?昔買った輸入球に似た色あいに惹かれました^^;。

>阪急土漠さん
信州の刺に打ちひしがれる・・・よくわかります。30年サボテンをやっていて、刺ものだけは納得いく出来になりません。しかしまだ諦めきれず・・・最近、テラスに高いやぐらを組んである程度作れるようになりましたが、物理的にスペース極小ゆえ少ししか育てられないのが残念です。

>yoyonさん
てなわけで、除湿機なしの通風直射高ヤグラでなんとか少数の刺モノを維持してます。大阪の名人から学んだ手法ですが、そのうちここでご紹介するつもりです。信州西沢園、親爺さんは元愛好家で、ビジネスライクに過ぎることのない人です。ぜひ一度訪ねてみてください^^。

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Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

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