蓬莱宮の夏、去りぬ。

この3連休は、ひさしぶりにきちんと休みがとれました(といっても金曜は翌午前3時までの勤務でしたが(--;)。
天気も良かったので、遠方の栽培場まで出かけて水やりに植え替えにオークションの出品準備と、植物の世話に
明け暮れました。日中はもうすぐ10月というのが信じがたい暑さですが、秋春に動くメセンや球根などが
いつのまにか芽を出していたり、夜ともなればひんやりした風が渡り、秋の虫たちが夜露に濡れた草むらで合唱しています。


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いまの時期サボテンの花は少ないのですが、夏の終わりに咲くマミラリア属の蓬莱宮が、今年は今頃満開になっていました。
この蓬莱宮(Mammillaria schumannii)は、メキシコ・バハカリフォルニア半島の南部に分布し、
かつては他のバハ産マミとともに、バルチェラ属(Genus Bartschella) に分類されていた、とても特徴のあるものです。


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大輪のピンク花を群開させるので、花ばかり注目されますが、この種のほかにない特徴は肌です。
ミントグリーンと言えばいいのか、氷のような透明感とツヤがある、素敵なブルー。
この感じはオルテゴカクタス属マクドゥガリー(Ortegocactus macdougallii)や、ネオロイディア属の
魔笛(Neolloydia matehualensis)に通じるもので、一種独特の風合いです。
あんまり文学的な例えじゃないですが、コンビニで人気のアイスキャンデー「ガリガリ君」みたいな感じで、
ひやっと涼しそう。・・・せっかくなので、青白肌のお仲間?の写真も紹介しておきましょう。


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ひんやりブルー肌のサボテンとしては、なぜか上の2種のほうが蓬莱宮よりも有名ですが、それはたぶん、
蓬莱宮はしっかりしたカギ刺で球体がかなり覆われているせいかも知れません。刺色は白~赤茶~黒褐色、
それらのグラデと、産地違いでさまざまです。でも、美しい素肌をトゲで覆い隠すなんて、奥ゆかしくて涙が出る。

実は、私がこの蓬莱宮に愛着を感じる理由のひとつは、今から20年近くまえ、はじめてサボテンの自生地なる場所を本格的に訪ねようと旅したとき、出会った種類だからでもあります。


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まだ若ものだった私は、「沙漠にサボテン見に行くぞ」といっても女の子が靡かないので、
「カリフォルニア湾の真っ白なビーチで泳ごうぜ」などと騙って旅に出ました。
行き先はバハ半島南端のリゾートCabo San Lucas。
たどり着いてみると、綺麗なビーチと、自分の同伴者を霞ませるブロンド美女はうようよいるんだけど、
サボテンなんか生えてない。で、「こんな観光客のいないビーチで泳ごうぜ」とさらに騙り、
燃料タンクのキャップがなくなったおんぼろレンタカーで何の情報もないまま町から出ました。
少し走ると、武倫柱(Pachycereus pringlei)の林がところどころにあらわれ、斜面にはフェロカクタスの
紅珠丸(Ferocactus townsendianus)などもちらほら。・・・子どものようにワクワクしましたね。


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柱サボテンの茂みに誘われるように、メインの舗装路からダートの脇道に車を進めて走ること暫し。
真っ青な海が見えてきたあたりで砂に足をとられて車は立ち往生してしまいました。
しかし、あたりはサボテンだらけ。私は動かない車と同伴者を迷いなく放置してサボテンの丘へ飛び出しました。
その時みつけたのが、蓬莱宮の群落だったのです。
当時の私にとって、小型の玉サボテンを自生地で見るのはほぼはじめて。
花時は過ぎていましたが、何枚も写真を撮り、種も収穫しました。


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その場所は、Cabo Pulmmo と呼ばれる小さな集落の付近でした。でも、もう一度訪ねようと思っても、
道順がわかりません。その後、どうやって車を脱出させたのかあまり覚えていないのですが、
今ここにいるということはなんとかなったんでしょう。苦労は忘れる性分です。
写真が古いうえに、たった一枚しか残っていないので、いまひとつ感動が伝えきれないのが残念ですが、
誰かに教わった所ではなく自力で行きあたった自生地だったということも大きな感激でした。
この発見に気をよくした私は、このあと漁船をチャーターして無人島までフェロカクタスの巨人、
紫禁城(Ferocactus diguettii)の探索に赴くという暴挙にも及んだのですが、その話はまたの機会に。


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・・・もはや遠い思い出ですが、サボテンと一生縁が切れなくなったきっかけの旅でした。
ちなみに同伴者との縁はこのあと程なく切れてしまいましたが…^^;。



追記:ヤフーオークション、引き続き追加出品中です^^。






コメント

非公開コメント

神様は見捨てなかったですね、立ち往生、ラッキーだったですね~(^^)b

やっぱり自生地サボですよね~(^m^)
いいなぁ。
私ができることと言えば
サボを共有地にこっそりと地植えにして楽しむことぐらい(--;
アロエはこっそりやってるんですが(といっても大きいので目立つw)
サボも隣にやってしまおうかなw


ところで。相変わらず写真がきれいですね(^^)

>l-marshさん。

>神様は見捨てなかったですね、立ち往生、ラッキーだったですね~(^^)

はい・・・^^;でも、たぶん砂からの脱出そうとう大変だったと思うんですが、覚えていないだけかも。でも、自生地のサボテンは永遠の憧れで、栽培の究極目標です。共有地の沙漠化?いいですね^^。サボテンなら、プシスやオプンチアなら丈夫ですよ。

>共有地の沙漠化?

なんかここだけ雰囲気違うぞってなことにww

オプンチア地植え!一番やりたいです~(^^)v
地植えじゃないと花咲かないんですよね?
花みたいなぁ~と思いながら共有地の隣にオプンチアふた~っつ
置いてるんですよ(--;

自生地でハウス持ちたいですよね?
自生サボと、ハウスサボ、、、なんて豪華~♪

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