種蒔く人は、

2月も後半になると、「早春」って言葉が似つかわしい、
ぽかぽか暖かい日がありますね。

あー、春が近づいてきたなぁ!と思うと、とたんに実生・・・種蒔きがしたくなります。。

とかいって、こないだ真冬に種を蒔く話を書いたばっかりだけど^^;。

いま、私の栽培場には、ずいぶんいろんなサボテン、多肉植物、その他もろもろの植物があるけれど、
そのうちの7割、いや8割は、じぶんで種を蒔いて育てたもの。
たまーに業者さんから、種が手に入らない種類とか、園芸的に改良された特殊なものとか、気まぐれで
買うこともあるけれど、基本は自分で種から育てる。


seedlingsS.jpg


野菜でもサボテンでも、ともかく植物を育てるときに、実生にまさる楽しみなし。ちっぽけな、ゴマ粒みたいな
ものから(ゴマ粒も種ですが^^;)、電柱みたいにデッカイ柱サボテンや、岩石みたいなアリオカルプスが
それぞれちゃんと育ってくる不思議!

サボテンの場合、発芽したばかりの時にはどれも似たりよったりですが、2年、3年と経つうちに、それぞれの
種類の「らしさ」が出てきて、個性が伸びてきます。この時期を見るのが、なにより楽しい。

たとえばこれは、


IMG_5384S.jpg


フェロカクタスのジョンストニアヌス(Ferocactus johnstonianus)というサボテン。
そもそもは、ビア樽みたいに大きくなる金色の刺サボテンで、とても美しい植物ですが、メキシコの
バハ・カリフォルニア半島沿岸のアンヘル・デ・ラ・グアルダ島(Isla Angel de la Guarda)という無人島にしか
生えておらず、めったに種が出回りません。その名前で種を見つけて買って蒔いても、違うものが育ったり。

おととし、十数年ぶりに産地データのついた種が手に入ったので、蒔いたものがこれ。
2年経ちました。どうやらホンモノのようです。
このサボテンの生える島を、いつか訪ねてみたいと思うんだけど、ヘリをチャーターして上陸し、そこから数日間
キャンプしながら岩山を登らないと会えないそう。種まきで、そんなワイルドな気分をちょっとだけ味わえるかなと。


IMG_5383S.jpg


これは、日本の愛好家にもお馴染みの、テロカクタスの紅鷹(Thelocactus bicolor ssp. heterochromus)。
ふつう見かけるものは、園芸的に色々な産地のものを交配し、改良されたもの。すんごいゴッツイ刺の
ものが出回っていますが、これは自生地で野生株から採取した種を戴き、蒔いてみたものなので、おっきく
なっても刺はナチュラルな感じでしょう。でも、刺の太さもまちまちだし、黄刺~赤刺まで色々あるのが
面白いなと。

だいたい、自生地で採ってきた種は、蒔くとバラエティ豊かに育ちます。というのも、蜂(だいたいはね。
ときにはハチドリだったり蛾だったりもするけど)ががんばっていろんな親株を飛んでまわって、いろんな親の
花粉で結実するので、遺伝的多様性が高い、ということなんだそうな。


IMG_5382S.jpg
IMG_5387S.jpg


このふたつはなんとなく綺麗だから載せてみた。
上は、日本ではあまり知られていないけど、エビサボテン(Echinocereus)のなかで、とびきり綺麗な金色の
刺をもつ、ルーサンタス・ウィーデニィ(Echinocereus russanthus fa. weedenii) 。
画像検索してもなかなか出てこないよ。珍しいんだから。

なんでもむかしテキサスのデービス山のてっぺんで見つかった個体がオリジンだとかで、親株は目が覚める
くらい綺麗なんです。その昔、ニューメキシコのサボテン師匠に「種とって増やすから!」といって親株×2
をわけてもらって、それをなんとか結実させて、蒔いて、ここまで育ちました。

うーん雰囲気出てきたな。滅多にないぞ。珍しいぞ。
とおもったら、最近、師匠の種リストに載ってましたけど^^;。


で、下の白い髭モジャみたいなサボはこれも最近は見かけなくなった、翁丸(Cephalocereus senilis)。
海外では、オールドマン・カクタス、なんて言いますね。実は、高さ15mとかに育つ巨大な柱サボテンで、
でっかくならないと花も実もつかないから、自生地で種を拾って蒔くしかないらしい。種も滅多に出回ら
ないから、カタログで見つけたら、即買うべし。

この苗は実生して2年で、高さ3-5cmくらい。

おし。電柱みたいにデッカクしてみせよう。


ということで、楽しいことずくめの、実生ですが、恐ろしい落とし穴もあります。
はまったら、二度とはい上がれない、最悪の落とし穴です。

怖いよ。家族も犠牲になるからね。

種はみな、どれも、ごく小さい。
その上、そーとーに珍しいものでも、値段はそれほど高くない。
1粒100円なんて言えば、ビックリするほどの高級品ですな。ふつうはそれで20粒買えます。
だものだから、あれも、これも、そいでもって、そっちのあれも、てな具合でどんどん買って蒔くわけです。
20粒30粒と蒔いても、7cm角の鉢に収まるから、場所もたいしてとらない。最初のうちは。

そう、最初のうちは・・・。
最初のうちだけだけなんだけどね。

そのうち、大変なことになってくるわけです。
7cm角の鉢が1年でいっぱいになった時は、15cm角の鉢に植え替えて、次の春には、それもいっぱいになって、
30cmのバットに植え替えて・・・。
あとは、ああもう、信じられない! 
ってなことになりますな。
そりゃもう、ジンバブエの財政赤字と同じくらいの天文学的な勢いで、栽培スペースは破綻に向かうことになります。

それなのに、この春も、えーと、蒔く予定の種がたぶん300種類くらいあるな。どーするんだ??
















コメント

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すごい実生群( ・_・;)しかも皆綺麗。私とかけ離れています。実生後は粗末な管理のため、ポツポツ枯れていき、丈夫な苗だけが残る天然間引き。でもどうせ実生するなら他にないものをと、世界中の種屋を検索してみては目にとまった種を買っています。アウストロもその一つ。試行錯誤で発芽したときは喜びもひとしお。なので、私の種選びの基本:ネット検索でもお目にかかれないサボ=ゆうなれば自分自身も見たこと無いサボ=成長過程でどうなるか分からないサボ=へんてこりんなサボ、です。その為、スタイル度外視。、と言うことです。
しかしサボテンを愛する心は同じなはず。今後ともよろしくお願いします。
長文言いたい放題。すみません_(_^_)_。

リンク大歓迎。

どーするんだとお困りの時は、ご放出願いますね。変なもの(特に団扇系)大歓迎です。

私も種まきの準備として、テフロの種の発泡スチロール状のものを一粒づつ取り除いていました。
今回は新しい(筈)種を入手しましたから、密かに発芽を期待しています。

>sileriさん
うちもたまに気まぐれで植え替えてもらえた植物以外は、蒔きっぱなし、植えっぱなし、ぱなしばかりでサボテン悲し♪という状況ですよ。アウストロカクタス、ことしはmajorさんから種が届いてるので、過去10年なんども試して発芽ゼロ!の壁を破りたいと思っていますが・・・。
>queiitiさん
で、発芽しないっていう意味では、これは団扇系もそう。実は苗で買っているのは殆どこの類です。「発泡スチロール」っていうのは、コルク質のガビガビした部分ですよね?なるほど、これをとっちまうのか・・・。結果状況、期待しています。私もやってみよ。
てなわけで、団扇系はないんですが、その他草っぽいサボテン(プシスとかマミとか非銘品系ギムノとか・・・こういうのばかり蒔いてるので)アソートでよければ、時間の出来た時にお送りしますよ。





やはりShabomaniac!さんのようなベテランにとっても団扇を発芽させるのは容易ではないんですね。カクタス2000の主宰者さんに伺ったところでは、何はともあれ新しい種を播くことに尽きるとのことでしたので、昨年のカタログと今年のを見比べて注文したんですが、さてどうなることでしょう。
私の周りには私を含めShabomaniac!さんのファンがいますので、アソートであれなんであれ喜んで放出品を引き受けます。御気の変わらぬうちに当方の住所をメールします。
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沙漠植物、栽培、探究。

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