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ブラキステルマ・竜卵窟の開花。

  
温室に一歩足を踏み入れた瞬間、目をつぶっていてもわかりました。
すべての植物のなかでも、最も不可思議なその花が咲いていることが。




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             Brachystelma barberae in full blooming



ブラキステルマ・バーベラエ(バルベラエ・・・Brachystelma barberae)。
和名は、竜卵窟(龍卵窟・・・りゅうらんくつ)。
ガガイモ科、最近の分類ではパキポなどと同じキョウチクトウ科に分類される、
地中性の塊根多肉植物です。
自生地は南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエなど、広い範囲にまたがり、
原産地では、イモは芋として、ときには食用にもなるようです。




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           emerging bud from the top of the caudex




異変に気づいたのは、ひと月ほど前。気温が春らしくなり、
休眠から醒めたバーベラエの出葉のときでした。
私は塊根を地中に埋めて育てているので、
冬期は何も植わっていない鉢のようなのですが、その頂部から、
新葉と一緒になにやら新芽の集合体みたいなものが覗いている。
これは、どうみても蕾です。

バーベラエは、二十年くらい前までは多数輸入さえていて、
価格も手ごろでした。私のところでも、幾度か珍奇そのものの花を
咲かせてくれましたが、腐りやすいもので、いつしか消滅。
ところが最近では、国内外ともに大珍品になっているようで、
たまに出回るときも、とても手の出る値段じゃありません。
このバーベラエは、5、6年まえに国内業者から購入したもので、
そんなに高くはありませんでしたが、おそらく内地実生株で、
これまで一度も咲かず、ほんとにバーベラエ?と心配になったりも。
でも、この蕾の形は、たぶん間違いない。あとはちゃんと育つかです。




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           “ready to burst”



それから2週間、蕾はしっかり充実し、この時点で既にタダモノではない。
イガイガと突出したそれぞれの蕾が、激しい自己主張を感じさせます。
地味な葉っぱが隠れるほどの大きさで、これだけの花を咲かせるには
株に体力が必要だろうし、塊根が小さいうちには咲かないのも道理です。
ちなみに。この株の地中塊根は8cmくらいで、芽点が二か所あり、
今回はそのうちのひとつから出蕾しました。




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         bizarre cage-like flowers, give off a terrible smell....
 


さらに1週間。
温室に入ると、つんと花をつく刺激臭を感じました。
私の栽培場には、他にもガガイモやユーフォルビアなどの、“異臭系多肉”が
いくつかあります。ですが、そのどれとも異なる香気が漂っています。

見事な開花でした。
寄り集まった数十の花が、籠を編んだように球状に立ち上がり、存在感を
示しています。中心部を見ると、ガガイモ科らしい色彩と模様なのですが、
長い花弁の先端部がくっついたままで花開くことで、この珍無類の姿を
構成しているのです。
気になる独特の香りですが、私には熟成の進んだウォッシュチーズのように
感じました。家人からは、いたんだ果物とか、ぬか床、という形容も
ありましたが、ヒトには気持ちのよいにおいでないことは確かです。
でもまあ、この花の形と一体になって、ある種の昆虫を誘因するためなので、
珍しさを楽しもうと深呼吸したところ、子どもたちには変人扱いされました。
このにおいは、暖かい日中は周囲一帯に漂いますが、夜間は顔を近づけて
わかる程度に弱まるようでした(安心情報)。




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最後に栽培について。
ブラキステルマ全般に、寒さには弱いので、冬期は10度程度を保ちます。
また落葉し休眠に入ったら、水を切ります。乾燥すると虫がつきやすいので、
水を切る前に殺虫剤を用いるのも一策です。
初夏から秋までの葉の出ている時期は水をほしがるので、葉っぱがしんなり
してきたら水をやります。。ただし、滞留すると腐りやすいので気をつけます。
真夏は通風をはかり、蒸れないとうに気をつけます。また、塊根を表に出して
育てる場合は、直射日光で焼けないようにして下さい。




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               Brachystelma barberae in full blooming




こんな管理で、うちでは5、6年かけて力を蓄えて、花を咲かせてくれました。

ありがとう。








テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

No title

5、6年育てた上での開花、素晴らしいです。おめでとうございます。こういう花が大きめのタイプはなかなか開花してくれないですね。
ブラキステルマ、成長期に特に問題なくても休眠の過程でトラブルが起きやすい気がします。
鉢で育った若いよく肥えた実生苗であっても、何年も冬を乗り越えた健康な株でも、休眠中に急に弱ることがあって、不安定な印象です。虫が一切いなくてもダメな時はダメなので。
ですので、ある程度まとまった年数を栽培して開花までもっていくのはけっこう大変だと個人的には思います。

竜卵窟、私が多肉栽培を始めた時はまず手に入らない状況でしたが、近年再び流通するようになりましたね。実生繁殖に成功した方に感謝です。
実は私も4年ほど前に本種の国内実生の小苗を入手し、育てています。
まだちょっと芋が小さいのですが、開花するのが楽しみです。また、実生にも挑戦中です。

No title

>Portさん
竜卵窟の花、1週間ももたずに散ってしまいました。自家授粉試みましたが、結実は難しそうです^^;。ブラキステルマは、過去に何本も駄目にしていますが、いずれも秋~春にかけてでした。ほんとうは休眠期間も15~20度を保って、ときどき灌水すると良いのでしょうね。うちは5度まで冷えるので完全断水ですが。ブログ拝見しましたが、実生育成は先は長いですが楽しみですね。

No title

Shabomaniac!さん、こんにちは。

竜卵窟の開花おめでとうございます。
私も松居さんの本(S.50年代!!)で白黒写真を見て以来、興味は持っていました。

でも、当時の開花写真の印象が強すぎてブラキステルマ属の代表種みたいに思いこみ、
じつはブラキの中でも特異な花を咲かせる種類と知ったのは最近の事です。

大半のブラキの花は大きくもなく、花弁の先もくっついてもおらず、
小さめのパッとしない花ばかり(ブラキファンのみなさんゴメンナサイ。。)なんですね。
ブラキを作るなら竜卵窟!(^_^)/

かくいう私は栽培経験が無く、急遽「栽培予定種リスト」に加えることにしました。
面白い植物に気づかせていただき有難うございました。

No title

>noriaさん

ありがとうございます。もう咲かないかと思ってました^^;。たまに市場に出回る山木らしき苗に比べると、芋は白くて滑々で、どうにも迫力がなかったので。今回の開花、たくさん蠅が集まっていましたが、残念ながら結実はないようですが、最近は探すと種も出回っているそうです。実生から10年はかからず咲くかと思います。入手の機会あればぜひ。
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沙漠植物、栽培、探究。

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