春を告げるサボテン(ツルビニカルプス)

           
年があけて日が長くなりはじめ、ツルビニカルプスの花が咲くようになると、春が近づいてきたことを実感します。
ツルビニは、小さいのに風格があるし、花も美しい。場所もとらず、刺も痛くない。
性質も温和で親密な気持ちで向き合える植物です。




resize2589.jpg

resize2595.jpg

resize2591.jpg
                  Turbinicarpus valdezianus  P267 Saltillo,Coahuila




バラ丸(Turbinicarpus valdezianus)は、そもそも小さいツルビニのなかでも最も小さい種で、
球径は1~2cmくらいで、高さも数センチ。小指ほどのボディが鮮やかなピンクの冠で飾られる花時は最高です。
接ぎ木したりして大群生をつくる人もいますが、私の場合はあえて人間のスケール感に引き寄せることはせず、
本来のサイズ感で楽しんでいます。小さいサボテンにはよくあるパターンで、地中には、地上部分と同じかそれ以上の
塊根が発達します。けれど柔らかい根なので残念ながら地上に出すのには向いていません。また、太く長い根を
大事にする必要があるので、小さく浅い鉢では納まりが悪い。よって、鉢と植物(地上部)のバランスをとるためにも、
何本か寄せ植えすることになります。もしかしたら、石なんかを配しても面白いかも。




resize2584.jpg

resize2585.jpg

resize2587.jpg
                    Turbinicarpus hoferi  Aramberri, Nuevo León




菊水?と思った人もいるかも知れません。じっさいこの種が見つかった当初は、菊水の亜種ではないかとする人もいたくらい。
ホフェリ(Turbinicarpus hoferi)は、菊水ほどではありませんが、生育も遅く渋いあじわいのツルビニです。
もう少し大きくなると、同じツルビニの姣麗丸(Turbinicarpus lophophoroides)と似た雰囲気になってきます。
種も菊水(Strombocactus disciformis)とは異なり、実際には違う種であることは明らかですが、ストロンボカクタスじたい、
ツルビニと属間交雑が成り立つ近しい関係にあるので、他人のそら似とはちょっと違うかも知れません。
このホフェリ、導入された当時はとても人気がありましたが、最近はあまり見なくなりました。発見当初に自生地が荒らされ、
稀少になっているそうなので、栽培個体も種の保全をはかっていきたいところです。




resize2597.jpg

resize2538.jpg

resize2598.jpg
              Turbinicarpus schmiedickeanus ssp.andersonii Guadalcazar SLP




三つめは、これも比較的あたらしい種、アンダーソニー(Turbinicarpus schmiedickeanus ssp.andersonii)。
といっても、すでに導入から二十年以上経っているかな。いまでもメジャーなアロンソイとほぼ同時期に発見されて、
一時はこちらの方が稀少種として人気があったかも。導入当初は、みつけたイタリアのサボテン屋さんの名前から
パナロットイ(T.schmiedickeanus ssp panarottoi)と呼ばれていました。私は当時、イタリアのサボテン雑誌に
寄稿した返礼にその人由来の種をもらいました。なので、いまもうちの株にはパナロットイの名札が立っています。
基本種の昇竜丸に比べて、扁平な球体、端整な刺、ストライプの入る花。悪くないのですが、群生しにくいせいか、
徐々にマイナー種なっていったようです。

小さくても風格あるツルビニカルプス。都会の園芸にはぴったりだと思いますが、長くつきあっていて感じるのは、
寿命が比較的短いのではないか、ということ。種から2、3年で開花しますが、5年目くらいから大きさが変わらなく
なり、15年くらいするとなんとなく勢いがなくなってくる(老化?)。こうした傾向は、小型のサボテン全般にあります。
ツルビニは、花もよく咲き実生も容易なので、世代交代をはかるのがよいと思います。








テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

No title

やはりツルビニ達は花をすぐ咲かしてくれる主人思いのサボですね
ベランダという悪条件でも耐えてくれて花もすぐ咲かしてくれる
彼らには本当に助けられています
それに小さいので増やしまくれる!...これから都会でブームが来るかも?!

実は管理人様にアドバイスをいただきたいのですが、、
私も今年から主に蔓性の芋と単子葉芋をメインに人生初の実生を
始めようと思っています
蔓性は生長が著しく用土を「食べている」のが目に見えてわかるので大好きです
単子葉はなにより丈夫で地上部の下部が太るので見せ芋に
しなくても自然な姿で楽しめるところが気に入りました
ダシリリオン ユッカ ノリナ ボウカルネア カリバナス
ドラセナ 太れるアロエ ススキノキ
ウリ科 ヤマノイモ科 ガガイモ科 アデニア属 フォッケア属
ラフィオナクメ属
おまけでロフォフォラ属 ブロスフェルディア属 パキポディウム属
アデニウム属 トリコディアデマ属 エスコバリア属 アダンソニア属
これらがメインなのですが実生の際何か気をつけることはありますか?

No title

Shabomaniacc!さん、ツルビニはいいですね。

>ツルビニは、小さいのに風格があるし、花も美しい。場所もとらず、刺も痛くない。
>性質も温和で親密な気持ちで向き合える植物です。

おっしゃるとおり!!
ささやかでも充実したコレクションを楽しむにはピカイチのサボだと思います。
ただ、、国内で苗を全種揃えるには「時、既に・・・」の感も否めませんが。
ここは輸入種子に頼るしかありませんね。

ちなみに私は金剛丸ソックリさんの巨大化した「国産アロンソイ」より、
ちんまりした「野良アロンソイ」が好きです。。。<(`^´)>

No title

明るい陽射しのなかのツルビニの開花、心地よく拝見させていただきました。
姿も自生地のように扁平で、最高の環境と思われます。

それぞれの説明も興味深く読ませていただき、今年も実生に励まねばという気持ちになりました。

No title

>さぼちゃんさん
もりだくさんの実生計画ですね!多岐にわたっているので一概にはご助言できませんが、アガベ科の仲間は概して丈夫。ただ大きくならないと見ごたえが出てこないので、時間はかかります。アデニアなどは発芽の悪いこともあります。フォッケアや亀甲竜などは冬型なので私は晩夏に蒔いています。ブロスは極微小な種子なので、最初の1年は乾かさないよう、それでいて苔に負けないよう管理するのが難しいところです。

>noriaさん
日本人(含むアジア人)は、皆で同じものを育てるのが好きなので、マイナー種は消えてしまいやすいですね。私も肥培で巨大化したアロンソイより、小柄で芸の細かいツルビニの方が好きです。そういえば、メサガーデンが新装開店しましたね。といっても、ウェブショップ上は昔と変わない様子。種の価格高騰はビックリするくらいですが。

>masutusさん
実は、うちではたくさんあったツルビニのいくつかが天寿を全うして?消えてしまいました。小型で短命なサボテンや多肉は、世代交代をはかららないとなくなっちゃいますね。難物系も、月の童子なんかは寿命10年、もって20年だと旧メサの園主が語っていたのを思い出します。

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる