ソテツとシダの島①


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去りゆく夏の後ろ姿を惜しみつつ、8月の小旅行の記録を。
奄美大島は年間3000ミリ近くの降水量があり、それに伴って日照時間は短く、多湿な気候です。
しかし、あの台風10号も島を手前にひきかえしたため、幸運にも私が訪れた数日間はすべて晴れていました。




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               Coral reef off the coast of Kuninao village, Amami Oshima




今回の旅はサンゴの海で泳ぐ、というのが主題でありました。
海のなかの生態系は、珍奇植物の世界と感性の通じあうところ極めて大だと、実は思っていまして、
果てなき青のなかを漂いながら、「あ、サルコカウロン!」などと声をあげる(正確には心の声)こともたびたびでした。
このときは、最近案じられているサンゴ白化の兆候は目立っていませんでしたが、水温はとても高くて、海の中が暑い。
ウエットスーツをきているスクーバ・ダイバーがかわいそうでした(こちとら気楽な素潜らー)。
で、海からあがれば、




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近くの斜面地には、しばしばソテツの群落が。これまた、スルーするわけにはいかないです。
なかでも、この龍郷町・安木屋場は、海沿いの山がほぼすべてソテツに覆われています。地元の人によれば、
元々生えていたところに、食糧にするため(幹からデンプンをとる)さらに植林されたんだそうです。
当方視認の範囲でも数千本以上生えていると見ましたが、主催者発表では参加者6万とのこと。ほんまかい。




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            large population of Cycas revoluta, near Ankiyaba village, Amami Oshima




ソテツ(Cycas revoluta)は、私にとって珍奇植物道の原点のような存在です。幼い頃、祖父母の家の庭に
八丈島からとりよせた、という巨大なソテツが植えられており、ほかの植物とはまるで違うその葉幹には、
なんというか、ある種の畏怖の念を覚えていました。恐る恐る、そのいかめしい幹肌に手を触れた遠い記憶。
いま、奄美のソテツ山を目の前にして、いまにも歩き出しそうな巨大な彼らがひしめいているさまを見ると、
あの頃の感覚を思い出します。植物なのに、なにか動物的なものを感じてしまうのです。今にも動き出しそうな。
ほんとうは、このソテツ山に分け入って一株一株を愛でたかったのですが、あまりの暑熱で遠望するのみに終わりました。
いえ、本当はどこか彼らに近づき難さを感じていたのかも知れませんね。




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                  cycad nursery in Tatsugocho, Amami Oshima
 



この近くに「黄金ソテツ」と看板をかけた店があったので、宿への帰り道のぞいてみました。いわゆる金冠ソテツは
沢山ありましたが、葉全体が黄色く染まる「黄金」はみあたらず。店の老人にきくと、昔は扱っていたが、
みんな売れてしまった。奄美の山には「黄金」は生えていないが、離島にいけば今でも生えているとのこと。




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                  Cyathea lepifera
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                  Osteomeles anthyllidifolia ssp.subrotunda




奄美の名物、ヒカゲヘゴの小苗や、外国産のソテツも少しだけ置いてありました。
そして、上の写真をみて、あれ?オペルクリカリアでは?パキプスでは?と思った人はいませんか。
実は私も一瞬、おお!と声が出てしまいました。
よくよく見ると、南西諸島の海岸に自生するテンノウメ(Osteomeles anthyllidifolia ssp.subrotunda)。
話をきかせてもらったお礼に、この東洋のパキプスと、小さい金冠ソテツを買って園を後にしました。




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折角なので、海からあがったその足で有名な原生林「金作原(きんさくばる)」を訪ねてみることにしました。
ホテルで、「金作原(きんさくばる)」にはどうやって行くの?と訪ねたら、「ガイドなしではたどり着けない
悪路の果てにある」などと言われました。ガイドブックにも詳しい道順は載っていない。
サボテン探しで岩が転がるガタガタ道を100マイル以上走り続けたこともあるので、よっしゃーという感じで
走り出しましたが、県道から曲がる場所には案内板がたっているし、悪路というかただの未舗装路で、
難なくたどり着くことが出来ました(写真は未舗装路に入る手前ですね)。




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                at the entrance of Kinsakubaru virgin forest                                 



奄美は全体に山がちで、沖縄でいえばやんばるのような雰囲気です。うむ、ハブの棲み処という感じ。
よく晴れた一日でしたが、金作原の密林に入っていくと、じっとりと湿気を感じます。
この原生林では、おもしろい植物をいろいろとみることが出来ました。
長くなったので次回に続けます。


インスタグラム(instagram)、↓こちらです。

        shabomaniac_2016

ここに載せきれない写真など、アップしています。












テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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No title

わあ!素敵な旅ですねー!
わたくしも蘇鉄を培養している身です。
わたくしの場合は多肉から入ったワケではなく、盆栽から入りました。
我が国では江戸時代にはすでに盆栽の盆器の中に蘇鉄を植えて愛でる文化があり、それは浮世絵なんかでもビジュアルで確認出来ます。
わたくしのは小さい内から枝分かれし易い喜界島(奄美の北東部に位置します)産の蘇鉄です。
オウゴンソテツは新葉は確かに明るい黄金色なんですが、古葉になるにつれ緑色になってゆくらしく(それでも普通の蘇鉄よりは明るいみたいだけど)、蘇鉄盆栽に興味を持った時期に真っ先に探しておりましたが、今はこの喜界島産の蘇鉄で満足です。
大きくなりますからね…都内マンション暮らしには小型がお似合いです。(枝分かれし易い喜界島産でも蘇鉄ですから大きくなりますけど、まあ成長速度は総じてゆっくりですので)

こちらの記事にも書かれているように、温暖化の影響で海水温が下がらず、赤色をしたサンゴが真っ白、つまり死サンゴの面積が広がりつつある報道を先日観ました。
大変嘆かわしいことです。
小さなところ、大きなところ、意外なところで様々な弊害や変化が出てきてますね。
サボテンや多くの多肉はさほど気を使いませんが、盆栽などは以前のような培養だと夏場必ず枯れる者が現れます。肥培率高くして遮光しないといけなくなりました。

No title

まさか日本にパキプスが、って違うww
実はこのブログで植物旅行のお話楽しみにしてます
そしてここの影響でサボテンのトゲに興味が湧いてきました
東京 南向き ベランダ こんなんでもサボテンを作り込むことはできますか?

No title

このブログは文章に嫌味がなくて好きです
ありがとうこざいます お体に気をつけて末長く続けてください

No title

>肉盆魚さん
最近は海外のソテツが人気ですが、日本のソテツで葉芸などを楽しむのも良いですね。ただ、奄美でいくら見て回っても変わった木には会えませんでしたが。それだけ、古くから選抜された園芸ソテツは貴重なものなのだと思いました。黄金ソテツは、関東などで栽培しても色が出にくいことがあるみたいですね。

>まさか日本にパキプスが・・・
いや、ほんとに似てます。葉っぱの大きさも同じです。ベランダでのサボテン栽培ですが、南向きなえらば大半の種類が育つでしょう。真っ赤の刺のフェロなどは、屋上やベランダなど、土湿から隔離した場所のほうがススカビなどがつかず美しく育つように思えます。成長期に6-7時間日照があればだいたい問題なく育ちます。

>ブログは文章に嫌味がなく・・・
ありがとうございます。自己主張するよりも、植物の魅力を先に届けたいと思っています。子どもの時分から植物を育てており、園芸界は年かさの人が多いために自分は若手のように長年感じていましたが、いつのまにかそうでもなくなりました。健康、気を付けます。。

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