難物サボテンのダメになりかた。

      
週末は土日とも雨。
せっかく珍しく1日半は休めるのに。
そう思ったら、なんだかじめじめしたことが書きたくなってきました。スミマセン…。
今回は、丹精した難物サボテンが、どんな風にダメになってしまうか、てな話をします。




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                     Sclerocactus parviflorus 'cloveriae' SB744
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                    Pediocactus simpsonii RP20



難物、と言われるペディオ・スクレロ(Pediocactus&Sclerocactus)も、育て方の工夫次第でちゃんと育つし、
美しい花も咲く。というわけで、今年の春もこんな素敵な眺めを楽しむことができました。
クロベリアエ(S.parviflorus 'cloveriae' SB744)と月華玉(P.simpsonii RP20)、どちらも見ごろの株です。
色々な方の目に触れるブログは、こういう美しい写真を載せて楽しい話をするところなのであって、
枯れた植物とか、ネガティブなテーマは避けるべきなのかもしれないなー、と認識はしつつも、
一方で失敗体験の共有は、植物栽培で試行錯誤を続けている人にとっては、多少なり役立つんじゃないか、
と思ったりもするわけです。で、こういう見ごろの株がその先どうなるかというと・・・




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                    Sclerocactus brevispinus SB1743



水をやらず、あまり育たないようにするのが、栽培の秘訣。みたいなことをよく書いてますが、
元気よく育っているサボテンを見ると、よし頑張れ、もっと刺伸ばせ、みたいな気分になるのは致し方ないところで、
しかしあとで必ず後悔することにもなります。こんなふうに水を吸い過ぎて身割れするくらいならまだいいのですが・・・




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                    Sclerocactus brevispinus SB1743
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                    Sclerocactus polyancistrus SB1773




こんなんなってきたら、もうヤバイ。スクレロは肉質が柔らかく伸縮の激しいサボテンですが、
ねじれたり、極端に傾いてきたりするのは、根先のどこからか腐りが入って、それが球体の内部まで
入り込んだ結果です。ほどなくぐしゃっといくか、場合によっては数年生き延びることもありますが、
元の姿に戻ることはまずない。休眠期に縮むと変形が戻る場合もありますが、ふたたび水を吸うと
ねじれも復活します。そして、特に病気になったり腐ったりしなくても、スクレロやペディオを長い期間、
美しい状態に保つのは難しい。下の写真は見ごろを過ぎた?難物サボテンです。




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                    Sclerocactus .parviflorus 'havasupaiensis' RP123
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                    Echinomastus unguispinus  GL607
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                    Toumeya papyracantha RP50




この仲間は、実に徒長しやすいのです。私の栽培場は通年素ガラスで遮光もありませんが、日照時間は
建物の関係で遮蔽物のない場所に比べれば7割くらい。でも、決定的に陽当たりが悪いというわけでは
ありません。それでも、自生地の植物に比べると、実生栽培苗は長細く、ひょろひょろに育ちやすい。
実生から開花苗となり、その後3~4年くらいまでは、良いバランスで育ってくれることが多いですが、
そこから先になると、上に伸び始める。とくに彩虹山、白紅山などの大型種でその傾向は顕著です。
上の彩虹山ハバスパイエンシス(S.parviflorus 'havasupaiensis' RP123)はとくに極端な例で、
まだ開花しないうちからこんな柱のようになってしまいました。綺麗な刺は出ているんですけどね。
エキノマスタスもやっぱり上に伸びる。この紫宝玉(Echinomastus unguispinus GL607)は、
実生10年くらいまでは良いバランスでしたが、そこから先、径は太らず丈ばかり伸びるようになった。
丈が伸び過ぎて水があがらなくなったのか、枯れてしまった月の童子(Toumeya papyracantha RP50)は
実生から15年くらい。この春、最後の種をつけて天寿をまっとうしましたが、晩年は寝たきりでした。




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                     Pediocactus simpsonii SB 741
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                      Sclerocactus wetlandicus SB1323
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月華玉(Pediocactus simpsonii SB 741)も、柱になりやすい種類です。せっかく花が咲くようになったと
思ったら、すぐに背が伸び始めてこんな姿になってしまった。高さ20cmもあり、支えなしに立てない。
ウェットランディクス(S.wetlandicus SB1323)も実生10年くらいまでが見頃でしたね。
で、あきらめきれずにこんな風にカットしてみる。何度も書いていますが、ペディオ・スクレロは
発根は良いのです。頭は挿し木して再生、子が出たらかいて挿し木してまた育て直し。やれやれ。
ペディオ、スクレロは、ほんとうに見ごろが短いなーと思うこの頃。
20年くらい前に一斉に実生した苗は、みなピークを過ぎつつあります。次世代を育てておいて
よかったなと。下のグラウカス(Sclerocactu glaucus SB141)は、実生1世と2世、親子です。
親木の方には、少々くたびれが出てきているのが、わかりますよね。




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                    Sclerocactu glaucus SB141




いつもうまく育った植物ばかり並べていると、素晴らしい植物ばかりが並んだ栽培場を
想像されるかも知れませんが、実際にはこういうひとたちも棚の端っこのほうに並んでいます。
こうなっても、枯れてしまうまでは捨てることが出来ない性分なので、見た目に「完璧な温室」が
実現したことは一度もないわけです。
私の栽培環境の限界なのかなー、とも思います。拙ブログにしばしばコメントを寄せて戴いている
masutus名人のところでは、難物サボテンは自生地さながらに、丈低く刺も密に育っていますが、
屋上の半屋外栽培が秘訣のようです。屋内(温室・ハウス)と、屋外(無遮光フレーム含む)では、
植物の育ち方に決定的な差が出ます。多肉植物のパキポディウムなども、路地で育てるとがっしり
腰の低い野生株を変わらぬ姿のものに仕上がります。サボテンも同様で、刺の発生などはまるで
違う植物のようになりますね。この理由がどこにあるのか、昼夜の温度差なのか、通風なのか、
それとも光線なのか。いまだによくわかりません。







テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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so far so good !

Shabomaniac!さん、こんばんは。
植物を野にあった姿のように育てる、・・・しかしそれは難しく、
私などはなかなかうまく実現できていません。
そこで私はよく思うのですが、現地でも条件が変わるとだいぶ違った
姿で育っています。どの株もすべて本物ですからいいとか悪いとかは
ないのでしょうが、次世代へつなぐ事のできるものが指名を果たした
ことになるのでしょう。とにかく生命力の飛び切り強いものが残って
いくのは間違いのないところではないでしょうか。
アメリカ西部の厳しい環境は、雨が多く晴れが続かない日本とは
まったくといっていいほど違います。同じ姿を再現するのはやはり
簡単なことではないですね。

No title

Shabomaniac!さんに比べ難物道15年のうちには老化するほどまで育てられた株はあまりありません。グラウカス2世の開花のようなシーンを夢見ていますが、うちで数少ない自家採種のパラディネイ2世は窓際栽培で生き延びましたが親株は夏の間の過乾燥で枯れてしまいました。
無遮光通風下では露天栽培のものが生き延びていて、フレームでの過乾燥はほどほどにと考えさせられました。

No title

>Yuccaさん
仰る通り、サボたちの故郷と日本とでは、環境が違いすぎますからね。ちゃんと育って花まで咲かせてくれるだけで感謝しなきゃいけないかも知れません。自生地の太平丸なんかは、遮るもののない、石の隙間にはさまったような株は刺が凄いですが、表皮にはシワがよって、焼け気味になっていたりします。木陰のものは青々と美しいですが、刺はおとなしいですね。

>masutusさん
丈が伸びてしまうのは、やっぱり環境要因だと思います。大型のスクレロや、マスタスなど、強光線の屋上フレームで、見事な刺に育てておられますね。木陰に生える月華玉系には過酷なのかも知れません。むかしSB氏が話していたので印象的なのは、スクレロは短命な植物だという説。自生地では、プビスピナやナイエンシスなどは10年そこそこ。月の童子などは10年生きないだろうと。そんなこともあり、種採り更新をまめにやっています。

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