花のいのちは短くて・・・

サボテンの花はきれい。

よくそう言われます。たしかにその通りだけど、その寿命は実にみじかい。
ふつう長くて2~3日。種類によっては朝ぱあっと開いたのが、午過ぎには萎んでいます。
でも、こういう種類は、朝、出かけるまえに見られたりするから、まだいい。
だいたいのサボテンは、太陽が高い時間帯にだけ、花弁をひらき、夕暮れ前にしぼみます。
それで終了。

・・・これは勤めに人には、なかなかつらい。
毎晩、仕事からクタクタで帰り着くと、蛍光灯をともした温室で、植物たちとつかの間の逢瀬。
小さな蕾が日ごと毎膨らんでいくさまに胸ときめかせます。

「お、いよいよ、明日あたり咲くな。・・・ん?まてよ、あすはまだ水曜日か・・・」

で、金曜の夜。すっかり萎れた花がらを前に、

「ああ、やっぱり週末まで、保たなかったか・・・」

・・・落胆の極みです。
さらに私の場合、主な栽培場が家から離れているため、朝晩にちょいと覗くことさえ叶いません。

例えば私は、ウチワサボテンの仲間が大好きで、遠隔栽培場に何株か育てているんですが、
この仲間、花が咲いているときこそ、その魅力は最大限に発揮されますが、あとは場所はとるし、
刺は痛いしで、なかなかの厄介もの。
大げさに言うと、年に数日の花見のために育てているようなものです。
たとえば、


opfragilisS.jpg

このオプンチア・フラギリス(Opuntia fragilis SB1423 Nebraska,USA)。米ネブラスカ産ですから
寒さには強い丈夫なサボテンです。植え替えや水やりのたび、この痛そうな刺で攻撃してきますが、
黄色い花を満開に咲かせてくれると、すべて許す気持になっちゃう。
これは先月中頃のようす。この蕾なら、あと1週間くらいかな。ワクワク。



punaboniaeS.jpg

Maihueniopsisglomeratadjf185budS.jpg

続いて、小さな玉を寄せ集めたようなマニアックな姿は、オプンチアの仲間で、南米アルゼンチン原産の
プナ・ボンニアエ(Puna bonnieae=Tephrocactus bonnieae)。わりと最近発見された種類で、
姿も変わっているので、知る人ぞ知る稀少人気種。花は茎節の何倍もある桃白色の大輪だよ♪♪ 
そしてその下の、ぱつんぱつんに膨らんだ蕾は、
マイウエニオプシス・ヒッケニイ(Maihueniopsis darwinii ssp. hickenii DJF185)。
今にも咲きそうだけど、ってことは、みられないってことかなぁ。



maihclavaribudS.jpg

tephgeomebud2S.jpg

さらにさらに、珍種系のオプンチア類がぞくぞく蕾をあげています。
写真上は、和名「茸団扇」などともよばれるプナ・クラバリオイデス(Puna=Maihueniopsis clavarioides)。
地下に大きい塊根があって、これで実生7-8年経ってます。うねうね這い回り、太ると茸みたいな姿になる
地上茎節は、調子が悪いと枯れるけどまた出てくる。花は大輪で色も渋くって綺麗だから、今年も見たいなあ。
写真下は、紫色のサッカーボールが積み重なったような、キテレツな姿で、こちらも大変人気がある種類。
テフロカクタス・ゲオメトリクス(Tephrocactus alexanderi ssp geometricus)。なんと蕾が三つ!
こんな珍妙な姿で、花も咲かせようっていうんだから、こいつは見ておかないと・・・。



redopuntiaS.jpg

最後は、路地植えのウチワ、紅花ウチワ(Opuntia bergeriana)。この種は起源不明のおそらく雑種で、
伊仏のリビエラ地方に多数生えています。色んなタイプがありますが、うちのはとりわけ刺が凶暴。
実はこれ、前に桐生の島田群仙園さんのところを訪ねた際、同行した当時小学1年生の息子が、路地に
ころがっていた茎節を欲しがり、島田さんに「刺が危ないからよした方がいいよ」と言われるもきかず、
持ち帰ったもの。息子も開花を楽しみにしていました。いままで咲いたことがなく、はじめての出蕾!


・・・てな具合で、膨らんでゆく蕾を期待に胸も膨らませながら、写真に収めつつ思うのは、
はたして花が開いている姿をこの目で見ることが出来るのか?ということ。
サボテンの花は、晴れないと咲かないわけだから、これから次の休みまで、あらかた雨降りなら、
蕾のまま待っててくるな、なんて都合のいいこと考えたりもしつつ。

しかし・・・。

世の中、だいたいそういうもんです。ハイ。
にわかに仕事が忙しくなり、この次の週末も、その次の週末も・・・
栽培場を訪れることすら、叶いませんでした。

ひとつき近いブランクを経て、久々にビニールハウスのむっとした暑気のなかに首を突っ込みます。
花は・・・花は、あらかた終わっちまったんだろうなぁ。
スカッと晴れあがった初夏の空が、なにやらかえって恨めしい。目に飛び込んできたのは・・・。


opfragilisafterS.jpg


あ~あ。
すっかり萎れた花ガラを、茎節にいっぱいくっつけた、フラギリス。みっともねぇなあ。
このあとも、以下同じ光景がつづく。・・・とくに見ても、楽しくないので、割愛、割愛。

こういう時は、勤め人の我が身がじつに恨めしい。
家が商いやってるとか、財産持ちで半分寝て暮らせるとか、そういう家に生まれたかったなぁ。
なんて言ってもしょうがねぇか。分にあわない旦那衆の道楽みたいなこと、やってるんだから。

でも、お天道様は、こういう私にもほんのちょっとだけ心配りしてくれたりもするもんで。



Maihueniopsisclavarioidesfl0S.jpg

MaihueniopsisclavarioidesflupS.jpg

なんと、プナ・クラバリオイデスがちょうど咲いてました。この種は一日しか咲かないから、実に幸運。
どうして、あそこまで膨らんでいた蕾が、ひとつき近くそのままだったのか。
ずーっと雨降りだった訳でもないのに・・・。それほどまでに俺に艶姿を見せたかったのかい?
この花の色を私は、はちみつ色と呼びたい。うーん、スウィート。実にういヤツ。

そしてそして、


redopuntiaflupupS.jpg

長男が丹精してた、紅花ウチワも!
じつは私も花を見るのは初めてですが、カップ状の鮮やかな赤い花はじつによく目立ちます。
まだ、咲いてない蕾もたくさんあって、出蕾から開花まで、案外時間がかかるようです。
刺が痛いだけじゃないんだね、あんたも。
息子も大喜びでした。


とまあ、確率的には半分以下だったけど、ここ最近の休日率が消費税以下だったことを思えば、
ラッキーだったと言うべきかも知れません。
とはいえ、実らなかった恋ほど、未練は募るもので、来年こそはこの時期こんなに働くまい、
などと、無駄な心づもりを決めたりするのでした。



コメント

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クラバリオイデスの花だけでも見られて良かったですね。
私のところでも、今年初めて1輪咲いてくれました。
ゲオメトリクスは育てている人も少なく、開花となれば、なお珍しいですが、この魅力的な種類に関心が集まらないのが、不思議です。

赤花団扇は息子さんの愛培品とのことですが、サボテンを次世代に託すことが出来るのは羨ましい限りです。
自分の死後は育んできたサボテンが悲惨なことになってしまうだろうと想像している愛好家が多いし、私もその1人です。
ネットの力を借りて、横のつながりを太くしておくしか、手は無さそうです。

>queiitiさん
ゲオメトリクスは全植物のなかでも、とりわけ奇天烈な姿の植物ですよね。流通がふえればもっと人気も出そうですが・・・。今年は、うちにある2クローンが同時に出蕾し、採種のチャンスだったんですが・・・こうしているうちにも花は終わってしまってるでしょう(涙)。
ちなみに赤花ウチワ、小学生の息子は所有権を主張するわりには、あまり世話はしません。周辺の草むしりくらい。興味が続いてくれるといいんですが^^;。

この前プナ・ボンニアエを初めてここで見て(名前も初めて知りました)
とってもほしーー!!って思っていろいろ探しました。
(と言ってもネットで、です)
オークションで発見したのですが
何人かの方がすでに入札されててこれは無理っぽいなぁって思って
羨ましげに眺めてるだけに終わりました(TT)

ゲオメトリクスもいいですねー!!
ほんとたくさん流通してほしいです!!
色といい形といい命中しました(^^)
ぜひぜひ花を見ていただいてついでに写真も撮っていただいて
載せて頂けると嬉しいです。
なんとしても見たいですね!

オプンチアいろんな感じのがあるんですね~。
正直、衝撃です。
ボンニアエなんて蕾がたまらなく面白いです(^^)
ほしぃ・・・。


これらは実生されたのですか?

へんてこは面白い。

へんてこサボテン好きで毎年2種類前後撒いてます。発芽率は難物クラスで思わしくありません。其処が好きなわけで?発芽したときは感激も一入。今年もマイフィニア撒きました。ゲオメトリクス順調に育って良いですね。私も4年ほど前に撒きましたが思い通りに育ってくれません。

>l-marshさん
ボンニアエいいでしょ?ホントは花(今年はみれず><)もすごく綺麗。最近はけっこう売っているようになりましたね。ゲオメトリクスなんかも西沢サボテン園あたりでは扱ってるかもしれません。写真の株はどっちもメサガーデンからの輸入カキ子です。実生もしてますが、この類、輸入種子は発芽率がやたら悪くて芽が出たらラッキー、という感じなので。プナの種は発芽したことありません。
>sileriさん
テフロ系は、pHの高い土は嫌うようです。いわゆる園芸用土、みたいなほうがかえってうまく育ったり。ただ成長は遅いですが。
マイフェニアあたりは、sileriさん栽培場ではとてもうまくいきそうですね。岩木山の写真、まえにみて、パタゴニア思い出しました。笛吹の仲間は水が大好きで、性質もサボテンぽくないんですよね。



実は西沢さんのところはチェックしてましたwww
それで、ボンニアエはあった!って思って注文したら
「売り切れてました」って返信がきました(T T)
ゲオメトリクスはなかったです。

実生難しいのですね・・・。
私は実生やったことないので完全に駄目にしてしまいますね~(^^;
結構みなさん輸入されてるんですね(^^)

ボンニアエ、、、そのうちまた会えると信じて・・・。
今度オークション出てたら頑張ってみます!
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