バロニー・ウィンゾリー

      
パキポディウム・バロニー・ウィンゾリー(Pachypodium baronii ssp.windsorii)。
5月の末から咲き続け、いまも花があります(写真は5月)。




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       Pachypodium baronii ssp.windsorii left about15yrs from seed right over20yrs from seed 




ウィンゾリーは、パキポディウムのなかでも、最近特に人気があるようです。
パキポはどれも花つきよく、初夏の棚をにぎやかに彩ってくれますが、黄色花、白花がほとんどで、
赤い花はバロニーだけです。また、草体と花茎の長さのバランスも、この種がいちばん収まりが良い。

基本種のバロニーは、すんなりとしたボトル状で、亜種であるこのウィンゾリーの方は基部が丸々と膨らみ、
ハッキリした壺型に育ちます。そのためか、ウィンゾリーを求め栽培する人が多いようで、バロニー・バロニーは
あまり見かけません。写真のウィンゾリーは、ともに種から育成したものです。




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それぞれ「2代目」と「3代目」で、元親は輸入株でした。親は基部が夏みかんサイズで真ん丸に膨らみ、
高さは30cmほどしかない見事な株で、手に入れたのは三十年くらい前だったと思います。残念なことに
越冬に失敗して十数年前に昇天しましたが、その子が右側の株で実生約二十年。左の株は十五年弱、
といったところです。それぞれ、同期の株が数本ありましたが、乞われて放出したり、寒さで駄目にしたり、
いま残っているのは同じようなサイズの株がもう1本だけです。




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「2代目」は親株にくらべるとスレンダーですが、基部はすんなりとしたボトル型で、この株は花つきが
やたら良い。それで、この株についた種を蒔いたのが、「3代目」です。
こちらは、ぽっこり壺型にふくらんだ幹が株立ちとなり、ビザールな良い姿になりました。これで塊茎の
サイズが8cmくらい。株の高さ30cm弱です。
いずれも、生育期は外にだして直射日光雨ざらしです。温室・ハウス栽培では茎が伸びあがり、
刺々の間隔も間延びしてだらしなくなります。
いちばん下の写真、小さい株は2007年に撮影した「3代目」。ここから十年弱でこのサイズまで育ちました。




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パキポディウムは、稀に自家受粉するので、毎年とはいかなくても、一株でも、ときどき種がつきます。
花の構造が特殊なので、人工授粉はなかなかやりにくく、コノフィツムの授粉のように釣り糸を差し込んで
コチョコチョしてみたりするのですが、成果は甚だ心もとない。むしろ屋外で虫に頼った方が効率が良い
気もします。ロスラーツム系統のパキポに比べても、バロニーは花数が多い割に結実しにくいようで、
我が家でも数年に一度しか種がつきません

ちなみに、基本種のバロニー・バロニー(Pachypodium baronii ssp.baronii)ですが、こちらは我が家に
三十年以上育てている山木があります。現在高さが1mほどに達していますが、基部の太さは15cmくらいで、
ウィンゾリーとは雰囲気が異なります。葉っぱも大きく、分枝はかなり大きくなってからでした。
なんというか、より雄大で大型のコ―デックスです。ウィンゾリーと比べると、花つきがわるいため、
今ままで一度しか結実したことがありません。実際、市場をみても、実はバロニー・バロニーの方が
ウィンゾリーよりも稀少種と思われます。




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栽培するうえでは、夏はほんとうに丈夫で、梅雨に雨ざらしでも腐らせたことはいちどもありません。
大敵は寒さで、属中もっとも抵寒性が乏しい。パキポはいずれもですが、最低温度15度くらいは確保したい
ところです。冬場、寒さで落葉すること自体が、大変なストレスなんだと思います。
と言いつつ、うちの温室は10度以下に下がることもあるので、時々耐えきれず枯れてしまう株もあります。
そうでなければ、今頃バロニーの森が出来ていたはず・・・。


最近、山採りのパキポが大量に入ってきていますが、バロニー系統は厳しく保護されているようで、
輸入株はみかけません。ウィンゾリーの産地はマダガスカル北部の岩山ですが、今なお残っている野生株は
ごくわずかのようです。せめて、自分のところで繁殖して、かつて山木を枯らしたことの罪滅ぼしにしたいもの。
ウィンゾリー、今年は種がついたようです。






テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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こんばんは。以前実生について回答いただきましてありがとうございました。
御HPに後押しされ、おかげ様でパキポ他色々な種子を春に初輸入しては大量に播き続けております。
しかし、素晴らしいウィンゾリーですね!この様な立派な栽培株を見たことがありません。
ウィンゾリー、バロニー種子、株もなんとか手に入れることができましたので私も参考に育てていきたいと思います。
ただ、株はいまだに葉が生えてこないんですよね。。
台風後の天気に期待ですね!

>tetraさん
コーデクスは実生からの育成が難しいものが多いですが、パキポは種からで山木と遜色ない株が育ちます。バロニー、ウィンゾリーの種、なかなか得難いと思います。カッコいい木に育つといいですね。パキポはこれからの暑い夏が一番の成長時期です。

Shabomaniac!さん、こんにちは。

素敵なウィンゾリーですね。
私のところにはバロニーが一株、実生からのものがあります。
2013年にメサから種子を一袋買って播き、一粒だけ発芽しました。

寒さに弱いと聞いていたので、最初の一年間、知り合いのガラス室(20℃に加温)に預けたところ、
旺盛に育ちすぎて恐ろしいくらいでした。
昨年からは自分のハウスに移し、程よく?ゆっくり育っています。
きっと冬の寒さがこたえるのでしょう(^_^;)

一株でも結実可能とはつゆにも知らず、バックアップを作ろうと、
小さな脇枝を実生のP.グラキリスに接いでみました。
とりあえず成功したようにみえるので、今後、はたしてボトル型になってくれるかどうか…?
いつかはタネを採ってみたいものです。

あ、その前に花を咲かせなくちゃ…ですね。

No title

>noriaさん
バロニーはじめ、パキポは温度さえ保てれば栽培しやすいと思うんですよね。むかしはブレビカウレは寒さに強い、なんて本に書いてありましたが、体験的にはロスラーツム系に比べても寒さに弱いと思います。ブレビカウレのラメレー接ぎ、というのは見たことがありますが、バロニーのグラキリス接ぎというのはどんな姿になるのか・・・興味深いです。

No title

Sabotenmaniacさん
はじめまして。
素晴らしいウィンゾリーですね。
はじめてこの様なウィンゾリーを拝見させていただきました。
今年からウィンゾリーにを育てています。
購入先から真夏は腰水栽培が良いと聞きましたが
Sabotenmaniacさんは如何でしょうか。
また、水やりの頻度はどの程度でしょうか。
真夏とはいえ水をやりすぎると間延びしてしまうのではと心配しています。

No title

>3260さん
夏場のパキポは水を欲しがりますが、実生1年目の苗以外は、腰水は必要ないかと思います。塊茎2-3cmの小苗であれば、この時期、水切れしないように週に2-3回与えてもよいと思います。私のところでは5cm以上の苗は、屋外直射の棚に置きっぱなしで雨水のみです。ここしばらく雨がないので、球体にシワが寄っていますが、一雨で吸水してもとに戻ります。

No title

Sabotenmaniac様

こんにちは。
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
早速参考にさせていただきます。

No title

興味深く拝見させていただきました。今年、ウィンゾリーとバロ二ーをそれぞれ2.3回程、種播きをしたのですが、1苗も発芽しませんでした。播種の温度や時期、設備などのコツがあれば教えていただけないでしょうか?

No title

> パキポコレクタさん。
バロニーに限らず、パキポの種は高温期に、煮えない範囲で高温越水播種でよく発芽します。夏場、煮えてしまうと死んでしまいますが。それ以外で出ない場合は種の問題の可能性が大。この仲間は自家受粉するので、シイナが出ることもあり、売られている種子に発芽能力がない場合もあります。

はじめまして。

はじめまして。

自宅で主にバラを育てているんですが、最近、リトープスやサボテン類に興味が芽生えて、いろいろなところにお邪魔して勉強させていただいております。

もし差し支えなければ、ブログリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
どうかよろしくお願いいたします。

No title

>ひでさん

ようこそ。私も、園芸の原点は、子どもだった時分に父親が育てていたバラです。
同じく刺のあるサボテンに惹かれるのも、なにか繋がりを感じるからかも知れません。
リンク張っていただければ幸いです。

No title

またも古い記事へのコメントですみません。
数日前にバロニーが1つだけ発芽し、何とかうまく育てて行きたいと意気込んでいるのですが、
発芽後どのタイミングで屋外管理に移行すれば良いのかわかりません。
私の住んでいる地域は青森県で、現在は最高24度・最低20度くらいの日が続いています。
発芽までは自作のミニ温室で、爬虫類用のパネルヒーターで温度調整していました。
現在発芽から4日目で、双葉が開ききった段階です。
お時間のある時にアドバイスいただけるとありがたいです。
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