マスタス・マニア。

      
エキノマスタス。はたして、この仲間は難物サボテンと言えるのか、言えないのか。
三十年つきあってきた私の結論は、やはり相当に気難しいサボテンだということです。
苦労はさせられますが、春が訪れるたび、美しい新刺と気品ある花に心を打たれます。




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                      Echinomastus durangensis SB46 Conejos,Durango, Mex.



たとえば、この白栄丸(Echinomastus durangensis SB46 Conejos,Durango, Mex.)。
実生から5-6年の苗ですが、二十世紀の終わりころ、メサガーデンから種で我が家にきて、
すでに3代目です。ここからあと4年くらいは、美しい姿で育ってくれますが、
3寸鉢がきつくなってきたくらいから、丈が伸びすぎたり、肌汚れが目立って来たり、
容色の衰えが隠せなくなってくる。自生地の写真にあるような、径10cm超えの見事な株を
維持するのは難しい。花つきはよいので、種を得ることは難しくなく、発芽も容易なので、
種の維持に問題はないのですが、いつも愛でているのは、このくらいのサイズの小株ですね。




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                  Echinomastus intertextus ssp.dasyacanthus KY0111 Manzano Mt.NM,USA



こちらは、たびたびこのブログでも取り上げてきている、桜丸&英丸グループ。
まずは英丸(Echinomastus intertextus ssp.dasyacanthus KY0111 Manzano Mt.NM,USA)。
なんども書いていますが、英丸はこのように刺が荒々しく乱れ触れると痛い型で、桜丸は刺が
球体に沿うのであまり痛くない、という区別。産地分布は、ロッキー山脈から東に英丸タイプが多く、
西側に桜丸タイプが多い。
といっても例外もあり、なんとなく太平丸の顔違い(花王丸とか小平丸とか)にも通ずる鑑賞上の
区分けという印象です。この株は、ニューメキシコのマンザノ山地の裾野で採種したもので、こちらも
すでに2代目。花はほとんど白で、柱頭も薄い桃色。刺は密で荒く、比較的小型です。
テキサス州・フランクリン山のコロニーも同じような型で、日本で桜丸・英丸として流通しているのは
こうした顔のものが多いと思います。




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               E.intertextus ssp.intertextus VZD695 Santa Gertrudis, Chihuahua, MEX



そしてこちらが桜丸(E.intertextus ssp.intertextus VZD695 Santa Gertrudis,Chihuahua,MEX)。
比較的最近、チェコの業者から取った種の実生で、'Minimus'と変種名もついていました。
刺は籠のように球体を包んでいて、あまり突出していないので触れても痛くありません。
産地は国境をまたいでメキシコのかなり南ですが、ロッキー(シェラマドレ)よりは西側です。
花はピンクが濃く、個体によっては薄いストライプが入ったりもして、派手な印象です。
メサガーデンのリストには以前から桜丸としてSB421(Presidio,Texas)というナンバーが載っています。
こちらと顔は似ていますが、花は白で柱頭も淡色。幼時は籠状刺ですが、長ずると刺は荒れてきます。
実際、私の手元には桜丸といえば、この SB421 しかなかったのですが、いま手元にロッキー西側の
タイプを置いて見比べると、かなり雰囲気が違う。そんなわけで、今ではSB421は桜丸というより、実は
ワルノッキー寄りの英丸なのではないかと考えるようになりました。古いアメリカの本などに出てくる桜丸は
アリゾナ産が多いのですが、SB421 型ではなく、おそらくこのメキシコ桜丸と同じ系統なのでしょう。
と、あまりにマニアック過ぎる話で恐縮ですが、地図とにらめっこして顔比べをするのが、産地データつきの
種を実生する楽しみでもあります。




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                   Echinomastus mariposensis VZD1132 Guevara Coahuila Mex.




そしてこちらも謎マスタスのひとつ。
藤栄丸(Echinomastus mariposensis VZD1132 Guevara Coahuila Mex.)。
この属の中では種子がとくに小さく、全体につくりも細やか。ガラス質の白刺とあいまって、
女性的な印象の植物です。マスタスのなかでは育てやすい、という人もいますが、私のところでは
細長くなりやすいので、美しい標本に仕立てるのは難しい。チェコから入ったこのタイプは、
花がゴールドのストライプというのが目を惹きます。これまであまり見たことのない型です。
国内では、メサガーデンのSB412(Brewster Texas)、SB1391(Encantada,Coahuila)の
2型が主に流通しており、前者はやや中刺が目立ちますが、花はどちらもくすんだ白~ピンク。
また最近、hispidus(SB452 Cuatrocienagas)と命名されたマスタスも、藤栄丸の1タイプ、または
近縁種と考えられます。しかし、かなり大型で刺も荒く花はストライプ入りのピンクと雰囲気は
かなりかけ離れています。花だけみれば、このVZD1132はヒスピダスに少し近い。
フルーティな花色で、とても気に入っているマスタスです。






テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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きれいな刺を維持して開花されていて、HNのマスタスを返上しなければと・・・。
うちでは環境が厳しすぎるのか5~6年目からやや衰え気味になる所も難物です。

ペディオ・スクレロもそうですが、根が頼りないので、できるだけ植え替えの期間を長くできるような土にしています。
今まで真夏には50℃以上になっていたこともありますが、もう少し風通しをよくします。

maniac !

"Echinomastus" 私のところは johnsonii を少し実生して
いますが、なかなかうまく育ってくれません!
このグループもまた厳しい環境で生育していると思いますが、
現地での個体数などはどうなんでしょうか? johnsonii しか
見たことがないのですが、自然の中の姿・・・たいへんに美しく
輝いていた感じでした。

>masutusさん
エキノマスタス、このくらいのサイズまでは綺麗に育つのですが、その後が・・・。うちで徒長気味に背が高くなるのも、株の勢いが衰えているからだと思います。この類は根が弱く発達しないので、大株を支えるにはあまりに貧弱な根だなー、と植え替えのたび思いますね。

>Yuccaさん
英冠、最初の3-4年は実にスローな印象です。ただ、やっぱり勢いよく育てないと、見ごろにならないうちに衰えるので、そのあたり難しいところ。最近、2月後半から水やりをはじめ、スタートダッシュを心がけています。いまの時期になると、成長期も最終盤ですね。


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