どんな鉢を使うか。


               
サボテンや多肉植物を植える鉢、選ぶのも、買うのも、結構苦労しませんか?
鉢は植物を育てる装置にすぎない、と考えて、見てくれは一切気にしないと割り切るか。
それとも、いやがおうでも植物と一緒に目に飛び込んでくるものゆえ、鉢と植物をセットで鑑賞の対象とするのか。




resize0859.jpg
                       我が家で使っているさまざまなタイプの鉢
               
resize0923_201503011108048ea.jpg
                       価格と性能で、やっぱり主力は黒のプラ鉢に・・・



私は、どちらかといえば、前者でした。
春蘭とか万年青などは、金銀の筆で彩られた錦鉢などと言われるものが使われることもあり、鉢だけでも
ウン万円のものが珍しくない。こうした鉢に植えられた古典植物は、なぜか風格ありげに見えるので、
これはこれで良いのだと思います。
しかし、サボテンの場合はたとえ栽培下であっても、思い描くのは自生地の原野の眺めであり、人工的な
意匠はむしろ夾雑物になる、と感じてしまいます。なので、植える鉢のデザインは極力シンプルな方がいい。
背景として、主張しすぎない、目立ちすぎない方がいい。それから、栽培の上では土が温まる方がいい。
ということで、今も昔も主力は黒のプラスチック鉢です。
昔は乾きのよい駄温鉢(赤茶の素焼きで、上の部分のみ鉢巻のように釉薬がかかっているやつ)が推奨されて
いましたが、今は大半のサボテンがプラ鉢に植えた方が成績良好なことがわかっています。




resize0889.jpg
                       黒プラ鉢(PLポットと呼ばれるタイプ)
resize0896.jpg
                      こちらはラン鉢タイプ。やや深くて根の発達するもの向き




黒のプラ鉢はいろいろありますが、私はこのいちばんシンプルな、やや深めのタイプを多用しています。
だいたいのサボテンにマッチします。「PL鉢」という名前で、5号サイズでも100円ちょっとくらいだったかな。
根の長くなる南米ものや牡丹類などは、ラン鉢型のより深い鉢を使います。ただ、黒のプラスチック鉢は業者向け、
という印象なのか、近くのホームセンターなどではあまり扱われていません。よって、通販で入手することになります。
例外的によく売っているのが「菊鉢」と呼ばれるもので、サイズあたりの値段が安く、8号でも300円とか、そのくらい。
ただ、4号以下の小さいものはありませんね。どちらかというと大型種を植えるのに使っています。




resize0902.jpg
                  さまざまなタイプの黒プラ鉢。栽培本位には具合が良いが・・・
resize0916.jpg
              黒プラ鉢はホームセンターなどではあまり見かけないが、この菊鉢タイプはよく売っている




ただ、実生苗の育成過程はプラ鉢で良いとしても、丹精して大きく(その植物なりに)綺麗に育ったものは、
多少なり、見栄えのする鉢に植えてやりたいとも思ったりもします。眺めるとき、鉢を視界から完全に消し去ることも
できないですしね。
で、サボテンの良さを損なわず、かといってプラスチックの安っぽさもなく・・・というとどんな鉢になるのか。
ちょっと前まで、サボテン界の定番は、猫足(三本足)の黒塗り観音鉢(楽焼鉢)でした。クラブの品評会などに
出展される立派なサボたちは、だいたいはこの鉢に植わっていたものです。思いっきり「和」のテイストですが、
最近のガーデニング流行りでよく見かけるようになったテラコッタの欧風鉢なんかよりもしっくりくる気がします。
しかし、それでも、ちょっとデコラティブ過ぎるというか、園芸改良されたサボテンには合うけれど、野生種にはどうかな、
という印象があってあまり使っていませんでした。値段も高いしね。
あるとき、縁があった陶芸家の方がたいへん凝った渋いデザインの焼きもの鉢をいくつか下さったことがありましたが、
いざサボテンを植えてみると、大袈裟過ぎるというか、鉢に植物が負けるというか、鉢の意匠が滑ってしまうというか、
ともかくいまひとつでした。人間の美意識が先行すると、サボテンに身をかわされてしまうような気がしたのです。
そんなわけで、よく使っているのがこちらです。




resize0861_201503011022327d0.jpg

resize0865_20150301114134894.jpg
                       「烏泥ラン鉢」・・・いまは窯元が減り入手困難に
resize0856.jpg
                  北米難物サボテンには、鑑賞上も栽培上も最適な「烏泥ラン鉢」




凝ったところがひとつもない、プレーンなラン鉢。いってみれば黒プラPL鉢のやきもの版といったところでしょうか。
私はかれこれ二十年以上、気に入った植物はだいたいこの鉢に植えてきました。我が家からさほど遠くない処にある
「エイシン」という鉢屋さんで扱っていて、そこでは「烏泥ラン鉢」という名前でした。シンプルな造形で、鉢高はやや深め。
おもに3~4号をペディオ・スクレロなどに使っています。これらのサボテンは鉢土が比較的早く乾くことを好むので、
焼き鉢が栽培上もマッチするし、見た目もいい。余分な意匠がなくプラスチックの安っぽさもない。素材は土だしね。
鉢屋さんによれば、この鉢はスミレの愛好家がよく使うそうで、そもそもスミレ愛好家がどのくらいいるのか判りませんが、
かなりニッチな市場には違いない。そのせいか、数年前に窯元がやめてしまい入荷がなくなりました。
なので、いまはいぜん買った古いものを大事に使っています。




resize0872.jpg
                       堅焼きの山草鉢と、素焼きのラン鉢
resize0922.jpg
           難物の中でも特に気を使うスクレロ・月想曲などには例外的に素焼きラン鉢も使うが・・・




同じようなもので、素焼きラン鉢や山草鉢の類を代用していますが、前者は乾きすぎるので管理が難しい。
ただ、北米難物のなかでもとくに繊細なもの、たとえば天狼とか、月想曲などには、あえて使っています。ほんとうに
土の乾きが早くて、夏場は水をやった翌日には乾いてしまいますが。
後者の山草鉢はいろいろなタイプがありますが、概して値段が高すぎる。デザインは抑え気味で良いものもあるけれど、
鉢の深さが足りないものが多く、やっぱりいまひとつ。




resize0881.jpg

resize0921.jpg
                       ダイソーの百円均一「角鉢」。育苗用には良好




寄せ植えには、以前は平たい育苗箱を使っていましたが、最近は百均ダイソーで売っている「角鉢(商品名)」をよく使う。
育苗バッドは底網で、棚にベタっと置くことになり、底面から害虫が侵入しやすい。ひと鉢、ネジラミなどがつくと、
灌水でながれて広がるおそれがあるのです。この百均各鉢のすぐれたところは足がついているところで、底面を棚から
離して置けます。上の写真、ダイソー角鉢のとなりで、鉢を並べる受け皿に使っているのが、いわゆる育苗箱ですね。




resize0907.jpg

resize0915.jpg
              黒プラスチックの「観音鉢」に植えた自生地種子実生・大鳳玉(白点ありが一定比率出現する)    




同じような理由で、最近見直しているのが、黒プラの「猫足(三本足)」観音鉢です。形としてはサボテン界定番のやつ。
当然ですがプラスチックなので割れない軽い、値段が安い。足があるので虫もつきにくい。ということで使い始めたたところ、
中サイズくらいのサボテンをこの鉢に植えると、何だかちょっと良いものに見えたりする(気のせい?)。
レギュラーの黒プラ鉢は、100%育成用、という印象ですが、こいつにすると、ちょっと鑑賞価値がアップするような・・・。
感覚が古いのかな。




resize0925.jpg
                    「烏泥ラン鉢」に植えつけた白花姫牡丹




で、いまでも、昔から使っている烏泥ラン鉢を探すのですが、このネット通販全盛の時代であっても、見つからない。
やっぱり窯元がひとつしかなかったのか、園芸センターでもネットでも入手することが出来ません。
烏泥ラン鉢は、サボテンだけでなく、多肉植物でいえばコノ・リトなどメセン類にも最適で、これらにも使っています。
流行のハウォルチアにも合うので、そういう意味でも、まだまだニーズはありそうなのですが。
そもそも焼きものの鉢、とくに和鉢は貴重品となり、烏泥鉢以外でもサボテンにしっくりくる鉢がまるで見つかりません。
ガーデニング系のかわいい鉢は輸入品が売られていますが、これらは草花向けの印象が強い。比較的よく見かける
東南アジア産の濃いめのテラコッタ鉢も、ソテツや塊根類にはあうんだけれど、サボテンには大雑把すぎます。

4~5号くらいで、ちょっと深めで、ツバはあまりひろがっていなくて、濃い色の堅焼き鉢。ないかな~。
皆さんは、どんな鉢をお使いですか?







テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

こんばんは

Shabomaniac!さん、こんばんは。Itonneです。
サボテン用の植木鉢、私も悩みますね。
いまうちにあるものは普通の黒プラ鉢のものがほとんどです。
ダイソーの角鉢は良さそうですね。使ってみようと思います。
観音鉢は、私もサボテンが豪華に見える気がしますよ。
菊鉢に植わっている金鯱がかわいらしいですね。うちでも菊鉢は手に入りやすさから、いくつかつかってます。
ブログの更新楽しみにしていますね。

Shabomaniac!さんこんばんは。
自分は野生ランもやっていることもあり、気に入っている個体には山野草用の焼き締め鉢やエビネ鉢をつかっています。それ以外のもの(気に入っていないわけではないのですが・・・)には黒のプラ鉢を使っていますが、やはり山野草用の鉢は水の管理がしやすいですね。

ところで、同じものではないと思いますが、山野草や盆栽のお店で烏泥ラン鉢を売っているのを見ます。「烏泥」ではなく「ウ泥」という表記のことが多い気がします。

こんばんは。

屋上は温度が上がるので、鉢の側面に日が当らないように四角のプラ鉢や縁がほとんどないPL鉢をくっつけて並べ、置き場面積も減らしています。
プラ鉢では通気性の良い培養土でカバーしていますが、素焼きラン鉢や烏泥ラン鉢などで難物が健やかに育っている写真を見ていると、やはり居心地よさそうですね。

私もシンプルで主張しすぎない鉢を好んで使っています。あと、鉢を並べたときに、ある程度統一感があった方が好きなので、似たような材質・デザインのものばかり使うようになりました。

好きな黒プラ鉢はたくさんあるのですが、2.5号だとLBH-2.5、3号だと丸萬のパオ懸崖は作りも頑丈で個人的に安っぽさを感じません。写真四枚目のラン鉢は、4号のものを愛用しています。
あと最近では、プレステラ深鉢を良く使います。見た目は丸鉢の方が好きなのですが、なにしろスペースを有効活用できて使い勝手が良いので、半分くらいはこれになりました。

一度流通しなくなった陶器鉢は、もう作ってないケースが多いのでしょうか。生産終了したと思われる素焼き鉢を再購入したくて、探し回ったことがあります。結局、窯元見つけることができ、直接連絡して倉庫に残っていた分を売っていただきました。

殆どのサボテンはなぜか和鉢との相性が良いと感じます。写真の烏泥ラン鉢はぴったりですね。

私も一部の苗用に蘭用や山野草用のを買うか迷ったことがあります。結局安物にしましたがネットなどで見ていて「これはあの苗植えたら似合うだろうなー」なんて思う事もありますね。でも重い鉢より安物のプラ鉢の方に一つ利点があります。パーライトやバーミキュライトを多用するためかもしれませんが、軽い鉢だと水やり後に水分の状態を鉢の重さで判断できるんです。ぱっと手に取って「まだ重いな・・」なんてやってます。

今週末も雨・・・。まったくついてないです。きょうは寒いし天気も悪かったですが、来週末は仕事で出来そうもないので、ハウスのサボテンに無理やり灌水しました。一週間前に水をやった北米難物は、大半順調に膨らんで来ていますが・・・。でも、アリオカルプスまで水やったのはまずかったかな。

>Itonneさん
栽培成績と手軽さを考えれば、黒プラ鉢がいちばんですね。どんなサボテンを植えてもまずまず合うし。ダイソーのプラは以外に質がよくて、長く使っても劣化して割れることがあまりないですね。Itoneeさんは今はどんな種類のサボテンをどんな感じで育てているのですか?

>KITAさん
山野草やランの鉢は、サボテンにあうものが多いですね。中球くらいの標本を渋い色のエビネ鉢に植えると実にカッコよく見えます。「烏泥」ではなく「ウ泥」で検索すると、たしかに出てくる件数が増えますね。ヤフーショッピングに「陶器の鉢屋 利器」という店をみつけて、ここに使えそうなラン鉢がありますね。

>masutusさん
屋上で陽当たり風通しも良好ならばプラ鉢でも難物よく育つと思います。うちでも、調子の良い時はプラの方が成績良好です。ただ滞水が心配なものは、成長遅くなるのと引き換えに安全な素焼きを使っている次第。使うのは、天狼、月想曲、英冠、飛鳥斑鳩、ブラディ系、などなど。いずれも小苗はプラで育成しています。

>Portさん
おしゃれな洋鉢系統は、デザインが甘すぎたり、柄があると浮いてしまったりでサボテンにはあわないですね。なぜ和鉢にあうのか?和鉢にあう、と感じるのは私が日本人だからなのか??考えてしまいます。海外の栽培家は大半、事務的なデザインのプラ角鉢が多いですね。びっしり、隙間なく置いている栽培場をよく見ます。

>TK-Oneさん
私のところも大半はプラ鉢です。ただ、長年の栽培でまさに見ごろを迎えた難物とか、奮発して手に入れた輸入塊根とか、ちょっとシックな鉢に植えてやりたくなってしまいます。多種の植物を植えこんで自生地風景を再現する場合なんかは、盆栽用の平鉢なんか使ってみると良かったりして・・・。

はじめまして

はじめまして。パキポの実生にチャレンジしようと色々検索して辿り着きました。
鉢や土、管理など色々と参考になり大変勉強になります。
サボテンの事は全然わかりませんが画像見て数の多さに圧巻です。。
嫁には内緒ですが私も海外から種を取り寄せているのですがすごい数になってしましました。。どうしましょ・・・^^;

よろしければ伺いたいのですが、種を播く前に数時間(一晩)水につけてから播種されていすか?
そろそろ種が届くので、消毒&ベンレートで初播種にチャレンジしようと思っています。

鉢は材質やサイズ等、いろいろ試しました。彼らを毎日観ることが日課になっているので、ついつい水を与えてしまいます。黒プラ鉢も3号迄なら乾きもそこそこ良いですが、それ以上は思いの外乾きません。多湿の時期には1ヶ月以上濡れてます。素鉢も4号以上では乾きが遅いです。自生地の山サボテンは根がカピカピに乾燥してます。此を観るとサボテンには水は必要ないんじゃ無いかと思ってしまいます。

昨年末から難物を中心に素鉢に植え替えてます。サイズは可能な限り小さく。全サボテンを徐々に植え替えるつもりです。根を温めるのは黒鉢が圧倒的ですが、温めすぎも考えものです。

>tetraさん
はじめして。パキポの実生は高温が必要なので、春本番、暖かくなってからが良いです。蒔く前に種を水に浸ける、soakingですが、私はやっていません。実生時に、種はほぼ水につかったような状態(鉢を腰水する)ので、ほぼ同じような状態になります。粉をまぶす消毒もしておらず、腰水に一定量(規定の1/3以下)の殺菌剤(ホーマイ)を溶いてカビとコケを防いでいます。

>sileriさん
そうですね、サボテンの顔をみるとつい水をやりたくなりますね^^;。やき物の鉢は根腐れしにくいので、難物サボテン向きではありのですが、サボテンは根先から給水するので、柔らかく焼いた素焼きなどだと鉢裏にくっついた根の給水部がすぐに乾いてしまうのが難点(根が動かない)。本来は、鉢の外縁からでなく、中心部から乾いてくれると都合がよいのですが・・・。

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる