初夏のいちにち、老眼に泣く。

                       
よく晴れて、汗ばむような初夏の陽気。温室のなかは炎暑です。
きょうは今年花つきよかった英冠(Echinomastus johnsonii)が3株同時に開花していました。
すべて実生育成苗ですが、いずれも播種から10年以上経過しています。
でも、この日がくるから、実生はやめられない。
この3株、残念ながらすべてコロニー違いなので、授粉は見あわせましたが。



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                  Echinomastus johnsonii in bloom, all seed grown plants



サボテンも人も、元気になれる季節ですが、うかうかしていると、すぐに梅雨が来る。
春(というか初夏)の実生も、この時期を逃すとなかなか難しくなります。
晴れて気温が上がらないと発芽がよろしくないので、梅雨入りまでに2週間は欲しいのです。
そんなわけで、きょうの午後はずっと種まきでした。



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いいかげん蒔くものがなくなってきたので、今年はレブチア・ピグマエア(Rebutia pygmaea)系、
ピルツ園では「メディオロビビア」として扱われていますが、これらをだいたい20種類くらい。
というか、産地違いの同じ種類と考えた方がいいかも知れません。
それから、スルコレブチア(Sulcorebutia)、ワインガルチア(Weingartia)などの新しい名前の
ものをあわせて20種類くらい。このあたりが今年のメインです。丈夫な小型種なので、ホムセンの
「種まき用土」を種まきトレイにざーっと入れて、消毒もせずにバラ蒔き。これで大丈夫です。

このほか、変わったところでは、刺なし王冠竜(Ferocactus glaucescens 'inermis')とか、
春雷(Echinocactus palmeri,Nuevo Leon long spine form)、なんてのも蒔いてみました。
あとは、マミ春星のフィールドデータつきも蒔いたのですが、これは鉢をひっくり返してアジャパー。
とにかく不器用なので、こういう事故はつきものです。



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多肉では、去年久しぶりに結実したパキポ・ウインゾリ(Pachypodium baronii ssp.windsori)や、
頂き物のヨシュアツリー(Yucca brevifolia)などは大きめの角鉢に蒔きました。
種は黒いコインのような面白いもの。ユッカ類は根が這うので、少し覆土しました。
ヨシュアツリーを育てるのは実は初めてなので、楽しみです。
たくさん買ったエケベリアは、秋の方が具合がいいので、今回は先送り。9月にメセンと一緒に蒔く。

そして今年は北米難物サボテンも、20種類ほど実生。我が家の第1世代の標本たちが、
枯死してしまったり形が崩れたり、世代交代が必要になってきたので、少し多めに蒔きました。
その際、ちょっとひと手間かけてみました。



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その道具がこちら。種(あたりまえか)、ピンセット、そしてマチ針。
発芽率の低い、北米難物サボテンの播種前の処理として、種子のアゴのように尖った部分を、
針先でピッ、と皮を剥ぐ(傷つける)と、成績があがることは以前から知られています。
写真は白紅山(Sclerocactus polyancistrus)ですが、右の針先が示している部分、
尖ったアゴを削り取ってあるのがわかるでしょうか?
この手法、私もかつて幾度か試みたことがあるのですが、まずもって作業が大変むずかしい。
ピンセットで種を挟んで針先でピッ、とやるのですが、その際に種をすっ飛ばして紛失したり、
潰したり、削りすぎてしまったり(発芽不良になる)。・・・なにより恐ろしくめんどくさい。
今回、久しぶりに試みたら、まず老眼でよく見えない。案の定、種の1/3くらいをロスト。
そして20鉢分、300~400粒を作業するのに、5時間くらいかかりました。ふぅ~。
でも、これで出てくれなかったら泣くよ。
ちなみにこれら難物サボの実生は、親株と同じ用土を鉢の下半分、上半分は「種まき用土」です。
本当はさらに、根が這い回らないので発芽後すぐの移植が不要という、覆土ならぬ、"覆小石"を
試したかったのですが、日没時間切れでそこまで出来ず。これ、何センチくらいが良いのですかね。



さて、あと2~3週間、いいお天気の日が続いてくれますように。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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こんにちは。
スクレロカクタスの種の一部を傷つける方法を一週間ほど前に一品種ですが試してみたところでした。
10粒トライして3粒傷つける時にだめにしましたので、7粒蒔いたのですが4粒今のところ発芽しています。
これは時間は掛かりますが良い方法ですね。

こんばんは。
英冠の3株同時開花、さすがですね。
赤花の英冠はうちでは未だ開花せずです。
3株、よーく見ると刺の出方が違いますね。

Yucca brevifoliaは去年9月に蒔いて、二日目から発芽し、発芽率75%でした。
「黒いコイン」が封印のようにひと月ほどは一本一本に紐で繋がっている様は面白いです。
銀灰色の葉が今は20cm以上になっています。

北米難物サボテンの種子の針先でアゴの皮を剥ぐ方法、よくわかりました。
次の種まきで使わせていただきます。
覆土は私の場合5mm少々ですが、"覆小石"は発芽一年ほどから土が見えなくなる程度しています。

Three sisters

Shabomaniac!さん、こんばんは。
Echinomastus johnsonii , 3株そろって咲いているすがたは、
心和みます。彼らの育っている環境も、かなり厳しい場所
ですから、でも日本の気象条件はそれ以上だったりして!
Yucca brevifolia 種まきの時が来たのですね、発芽率は
ひじょうに良好だと思います。Mojave の広い範囲に生育していますが、
やはり地域によって個体差があります。
親の姿に近づけるようにといろいろやっていますが、
なかなかうまくいきませんね! 成長はゆっくりですので花の
咲くのは、うまくいっても50年、100年かかるのかな?
 私の代ではむりですね。

北米難物種子の皮剥、お疲れ様です。
こういう細やかな愛情の注ぎ方が、Shabomaniac!さんの栽培結果に現れることになるのですね。
同じく老眼の私には御苦労が身にしみて肯けますが、とても私には出来そうにありません(w)。

難物の発芽の気まぐれさと根の這い回りには苦労させられます。
3月半ばに室内で播いたものたちも二ヶ月近く経ってから発芽するものもありました。
先に発芽したものが腐っていきそうなので、室内ボックスの多湿環境から解放してやらないと。
本当は発芽した順に植え替えてやるのが良いのでしょうが、とてもそこまで手が回りません。
Shabomaniac!さんを真似て、表土の下に成球用の用土を仕込んでおきましたので、外のフレームに移して、後は自然に間引きされていくのを見守るつもりです。

>saeさん
7粒蒔いたて4粒発芽すれば、確率は高いですね。やっぱり針ピッキングは効果ありなんでしょうか?うちでも、白紅山など、どんどん発芽しているので、効果はあるように思えます。
>masutusさん
実生のときは覆小石ではなく覆土なんですね。今回は土をかぶせなかったので、根が這い回ってけっこう大変なことになっています。今回はいちいち植え直していますが、こんど(来年?)は5mmの覆土、試してみます。
>Yuccaさん
ヨシュアツリー、なんとか幹が立ち上がるくらいに育ててみたいです。自生地の若苗は試験管ブラシみたいで可愛いですよね。すでに続々発芽しています。こいつも根が這い回るので、早期の植え替えが必要そうです。
>アイハルさん
難物サボの根が這い回るのは困りますね。放っておくとすぐ根が赤くなるので厄介です。自生地では土の割れ目みたいなところで発芽する場合が多いようなので、そういう性質なのかも。覆土は是非試してみる価値がありそうです。
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