メセン雑録。

                                        
さて、ここを見に来てくださる方の大半は、今どき奇特な刺好きサボ好きの皆さまと理解しているのですが、
私が同じく耽溺しているメセンたちについても、毎シーズン一度か二度は何かしらを書いてきました。
しかし、今年は夏の猛暑でたくさんのメセン、とりわけ大事にいていた小型コノフィツムを亡くしたショックから
立ち直れず、触れるのを避けていた次第。

炎熱地獄死屍累々の記をとりまとめて失敗を総括すべきかとも思ったのですが、写真も見苦しくなるし、
以前も似たようなことを書いた気がするのでやめました。かわりに、先日栽培場で撮ってきた写真を
並べてみました。メセンシーズンも最終盤ですが、サバイバーたちの近況報告です。



resize0897.jpg

resize0899.jpg



コノフィツム・マウガニー(Conophytum maughanii ssp. maughanii PV201 East Eksteenfontein)。
育苗箱を宝石箱に変えてしまう目の覚めるほど美しい植物。この産地は赤と緑がほぼ半々で、中間的な色は
出現しません。2011年にも同じバットを紹介していますが、そのときより各個体が大きくなりました。
一見ゼリーのようでか弱く見えるのですが、透明窓を持つコノフィツムは強光線や暑さに比較的強い。
遮光率30%の環境でこのバットはほとんど犠牲が出ませんでした。
一方、さらに濃赤色で稀少なHarras産アルメニアクム(C.maughanii ssp.armeniacum Harras)は、
同じ環境に置いているのに、かなり落ちが出ました。失地回復すべく種子を採ろうと試みていますが、
こちらは結実もしにくいようで子房が膨らんできません。



resize0923.jpg

resize0895.jpg
                    Conophytum burgeri SH409 Aggeneys
resize0880.jpg
                    Conophytum maughanii ssp.latum SB1108 Klipbok


同じくぶどう色に染まっているのはお馴染みブルゲリ(C.burgeri SH409 Aggeneys)と、
マウガニー・ラツム(C.maughanii ssp.latum SB1108 Klipbok)。
ブルも小さいものは結構死にましたが、総じてしぶとい。皮むきしなければことに丈夫(剥いちゃうけど)。
遮光少ないところは犠牲も出やすいですが、扁平の良い形になります。休眠期に棚下に置いた株は、
太ってスーパーボールのようになってしまった。
マウ・ラツムはの方は、年を経るほど扁平になってきて、外形的には別種の"r"atumかと思うような姿に。
色づきも若い頃よりも濃くなってきました。・・・好きなので、赤い植物ばかりアップしたくなります^^;。



resize0928.jpg
                    Conophytum stenandrum SB1986
resize0933.jpg
                    Conophytum pellucidum ssp.terricolor SH2271
resize0917.jpg
                    Conophytum obcordellum ssp.ceresianum CR1408


メセンは、2010年の猛暑でもかなり被害が出たのですが、その時は比較的日射の強い所に置いていた
葉もの、枝ものなどがやられました。けれど先の夏は、遮光していた棚で休眠中のコノたちの多くを
“永眠”させてしまったのです。出来る限り通風を心がけ、50%以上の遮光を施していても、
夏越しさせられなかったのは無念の限り。上の写真のように、秋に目覚めてくれさえすれば、
美しい姿を取り戻せるのですが、再び息吹きかえすことなく、紙屑のような姿のままの鉢も多々あります。

特に被害甚大だったのは小型のMinuscula系でした。
albiflorum、mirabile、swanepoelianum、turrigerum・・・。手に入れがたい貴重な種を多数喪失。
小型の足袋型も犠牲が多かった。暑さに弱い?ペルシダム(C.pellucidum)も結構逝きました。
反面、コノフィツムの難物とされるroodiaeの仲間は、絶滅に至ったのは2クローン(2産地分)で、
ほかは頭数こそ半減したものの、なんとか生き残りました。pubicalyxなどの微毛生ずる小型種や、
四角いキャラメルことangelicaeの類も棚下で大半が無事でした。
こうした面々は、とりわけ大事にしていたので、秋に動き出すのを確かめたときは嬉しかった。
ただし、例年より動き出すタイミングが遅かったです。



resize0882.jpg
                    Muiria hortenseae
resize0883.jpg
                    Gibbaeum album
resize0893.jpg
                    Diplosoma luckhoffii M.1778 Holrivier


一方、暑さに弱いとされる宝輝玉(Muiria hortenseae)、白魔(Gibbaeum album)には、
今夏犠牲が出ませんでした。2011年にこの2種の野生交雑種 Muiriogibbaeum muiroides を
全滅させた経験があり、栽培場の通風窓にいちばん近いあたりに置いていたことが幸いしたようです。
一方、多大な被害が出たのはディプロソマです。夏には地上部が枯れ、根茎で休眠する仲間ですが、
秋になっても発芽なく、ほぼ全滅。ルックホフィ(Diplosoma luckhoffii M.1778 Holrivier)は
10本以上が植わっていた筈ですが、この1個体しか蘇りませんでした。世代交代のために実生した
小苗ももちろん全滅です。まだ種が残っていたかとは思いますが・・・。



resize0903.jpg
                    Dinteranthus vanzylii 'Emerald'
resize0901.jpg
                    Dinteranthus pole-evansii



大型の玉型メセンでは、リトープスはご存じのとおり夏も丈夫なので問題なかったのですが、
同じ様な成長サイクルのディンテ(Dinteranthus)は2-3割がダメになりました。
これらは古くなると茎が伸びるのですが、この茎の部分が夏場に枯れたり腐ったケースが多い。
カットして挿し木するのが良いのでしょうが、適期を逃すと発根しないので難しいのです。
強光線でダメになることはないのですが、高湿度も重なると厳しいということでしょう。
収穫は、緑綾耀玉(Dinteranthus vanzylii 'Emerald')と南蛮玉(D.pole-evansii)が
どうやら結実してくれたこと。



resize0912.jpg

resize0913.jpg
                    Sphalmanthus sp. "noodle tufts" NW Sutherland M.1861



最後は葉ものメセンです。というか塊茎メセン。
スファルマンサスの不明種(Sphalmanthus sp. "noodle tufts" NW Sutherland M.1861)で、
メサガーデンの種を実生したもの。かなり沢山あったのですが、夏場にダメになることが多くて段々と減り、
この秋にはついにたった2株になってしまいました。
這い松のような枝振りはまさにミニ盆栽で、短く密生した多肉葉も面白く、ピカイチのメセンですが、
近年はメサのリストにも載らず、他園でもみかけません。絶種せぬよう、なんとか種を採ろうと試みるのですが、
この類はどうも授粉が難しく今年もトライはしたものの成果は??です。
どなたか、この類の授粉のコツ、ご存じでしたらお教え下さい。


とりとめなくなりましたが、今回はこのへんで。





テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

こんばんは~♪
いつも詳しい説明でとっても勉強になります。Shabomaniac!さんがうまくいかないなら私もしょうがないわ~な~んて諦められます・・・(ToT)/~~~自分だけのせいではない!猛暑が悪い!と思うので、負けずにこれからも栽培頑張りましょうね~(^◇^)去年秋からコノフィツムのお花が咲かないのが多くて・・・身体(球体)は元気なのでまっいいか~と思っているのですが、お花咲かなくとも死ななければいいですよね~♪っと至っていつもくよくよしない能天気な私です。これからもどうぞよろしくお願いいたします(^◇^)

こんばんわ。
メセンの夏越しの大変さが伝わってきますね。
うちは帝玉や日輪玉、紫勲、フォーカリア、照波などの
強健種だけなのですが…この夏も屋外の直射日光を耐えました。

しかしsceletium joubertiiはたぶん乾燥しすぎで枯らしました。
sceletiumとapteniaは近縁なので交配させたかったのですが、
現実はうまくいかないものですね。植物と対面すると難しさを思い知らされます。

こんにちは
思えば去年から猛暑に豪雪とすごい年でしたね
初めてサボテンを買ったのが去年夏なのですが、その青王丸にネジラミがついていたのを思い出します…
来年はエルニーニョの可能性があるそうで、冷夏になるかもしれないみたいです
来年こそは全てのメセンが夏を越せるよう応援しています

>takoyashikiさん
毎年毎年、猛暑が悪い!といいながら、たくさん植物を犠牲にしてきて、無策を反省しないといかんですね。コノの花はうちでも気まぐれです。たしかに今シーズンは咲かない株が多かったですね。
>おきでんん さん
sceletiumとapteniaの交配、出来たら面白い顔になりそうですね。コノフィツムのいろいろを掛け合わせてみようとするのですが、属間でも案外結実しないです。赤マウと色々、かけてみてるんですが。
>TouiYukiさん
今年は冷夏ですか。それはそれで、農作物に被害とか出そうで心配ですが、去年みたいな酷暑は勘弁して欲しいですね。ネジラミは、並べている他の鉢にひろがると厄介なので、注意して下さいね。

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる