密林の愉悦。


もうもうと砂塵舞う乾燥地の植物から、今回はガラッとトーンを変えて、薄暗くジメジメした熱帯の密林に
生えている植物の話題です。日頃、沙漠植物ブログとしてやってるので、一見して、あれ?今回はちょい違うわ、
興味の対象外だわ、と思われた方も多いと思いますが・・・。もしお時間あれば覗くだけ覗いてみて下さい。



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陽射しの入らない部屋の中。半透明の衣装ケースのなかに入っているのは、主にサトイモ科の熱帯湿性植物です。
上には観賞魚用の蛍光灯を置いてます。下にはホットカーペットが敷いてある。最近では、サボテンをこうした
水槽&人工照明で見事に育てる方もいらっしゃいますが、我が家のサボタニ類は基本的に屋外温室オンリーなので、
置き場所的に競合しないのが良いところ。ただし、人の居住空間は浸食しますが^^;。

では衣装ケースのフタ、あけてみましょう。



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なんだ、よくある観葉植物じゃん。・・・ある意味そのとおり。
でも、花屋さんで売っているポットサボのなかに、コピアポアやスクレロが混じっていても、マニア以外の人は
見過ごしてしまうように、一見よくある観葉植物を掻き分けてゆけば、その先には奥深い世界があるようです。
なんていう私も、まだとば口に立っているくらいで、その一端に触れたばかりですけどね。
はまったきっかけは、去年の夏のタイ旅行の際、現地の密林で時折みかけた葉紋様の面白いサトイモ類。
旅の案内をしてくれた友人は、こうした美葉サトイモや水草のエキスパートでもあり、後日その時見た植物や、
美葉サトイモの有名種をセレクトして送ってくれたのです。



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メインは、美葉サトイモを代表する属のひとつ、アグラオネマ(Aglaonema)。
この仲間は、古くからいわゆる観葉植物として育てられていますが、最近はよりマニアックな原種が、
水草愛好家を中心に水槽(腰水)栽培の対象になっています。産地違いや微妙な差異をコレクションする
楽しみ方は、サボテンや多肉の趣味にも通じるところ。しかし、水草栽培が原点ゆえ熱帯魚や爬虫類飼育と
地続きで、一般的な園芸世界とは案外行き来が少なく、その面白さは意外に知られていないようです。
そんなわけで、今回はその一端をご紹介出来ればと思います。



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                       Aglaonema rotundum


アグラオネマ・ロツンダム(Aglaonema rotundum)。
この種は、マレー半島からスマトラなどにかけて分布し、艶のある葉とピンクの葉脈が美しい。
これは大型になるタイプですが、ほかにスマトラ産の、小型でピンクの筋がよりくっきりしたタイプもあり、
珍重されます。以下紹介する2種をあわせて「御三家」などと呼ぶそうです。いずれも葉姿に特徴があり、
サボテンの斑ものや、ハオルチアなどの楽しみ方に通じるところがある。
このロツンダムに限っても、大型小型、丸葉に長葉とバラエティも多様でコレクションの対象になります。



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                       Aglaonema cv.'metallica'


で、その「御三家」ふたつめがこのメタリカ(Aglaonema cv.'metallica')。
こちらは園芸改良種、もしくは野生種の特異個体を選抜したものと思われ、元になった植物は
シンプレックス(Aglaonema simplex)ではないか、という見立てが主流です。
その名のとおり、濃色の葉にはちょっと金属光沢ぽい独特の質感があり、ブリキ細工のようにギザギザした
葉縁とあいまって、異様な存在感がある植物です。



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                       Aglaonema pictum 'tricolor'


最後はピクツム・トリカラー(Aglaonema pictum 'tricolor')。
インパクトある多色迷彩模様の葉は、この仲間の真打ちに相応しい。トリカラー=3色の意ですが、
よく見るとさらに中間的な色合いの斑も入りまじり、実に複雑怪奇なモザイク模様です。
じっと凝視めていると密林の奥深くに誘われ、帰り道を見失いそうになります。
ハオルチアにおける玉扇・万象のような存在で、この種の顔違いだけを追い求める人も多数いるようす。
アンダマン海の島々などに、様々な葉模様のタイプ違いが自生しており、サボテンのように採取ナンバーが
ついた個体も色々出回っています。
写真の株は、タイで長く栽培されている典型的なタイプとのことで、正確な産地は不明ですが、
この葉っぱの派手派手しさは、珍奇植物をあれもこれもと育ててきた私にとっても、衝撃的でした。
その後、ある島に生える特異なタイプも送って戴いたのですが、これはこれで別種と思うくらい
雰囲気が違う素晴らしいもの。この種だけで何十クローンも栽培する人の気持ちがよくわかります。



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さて、最後は簡単に栽培について。とは言っても、私じしん人さまに教えるほどにはほど遠い段階。
乾燥地の植物ばかりを相手にしてきた人間にはなかなか手強い相手です。
これらは湿性植物、というか、正確にいえば、熱帯雨林内の渓流沿い植物、とでも呼ぶのが正確で、
常時しめっているけれど、通常は水没しない、というような場所に生えているようです。
なので、多くの水草愛好家が、水槽内の腰水環境で上手に育てているのです。私は栽培をはじめた
去年の秋冬は、腰水こそしたものの。水を加温しなかったためなかなかうまく育ちませんでした。
今年は夏場は、屋外の終日直射日光があたらない場所で腰水栽培し、旺盛に成長しました。
で、今はご覧頂いたように、衣装ケースに入れてホットカーペットの上に置いています。



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サボテンと違い、夏場はもりもり育つので、既に衣装ケース×2と、水槽ひとつを占めていますが、
まだまだ深みにはまっていく予感があります。そして好きになったらお約束の自生地旅への渇望も。
アンダマンの島々に渡って、密林でこの迷彩の魔王に対面したいものです。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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うわっ!こういう道にもはまってたんですね。
実は我が家でも亀水槽(60×45×45)の陸地代わりにブロックを入れてそこに数種の植物を植えつけています。放置栽培で大きくなったら適当に切り戻す感じでやってますけどどんどん勝手に増える。でもサトイモ系は一気に成長して株も分かれて「増えすぎだー!」なんて思っていたらある時期に一気に枯れたりします。株の寿命みたいのがあるのかな?それとも病気なんでしょうかねえ?なんだか昔に返ってクリプトコリネあたりをまた栽培してみたくなってきました。

はじめまして!

サボテンも人工照明で育てている人がいるんですね。
植物栽培用のledでも育つのでしょうか?

shabomaniac!さん、大変ご無沙汰してます。
サトイモ科の葉姿、とても素晴らしいですね。食虫植物にも手を出し始めたため、我が家の置き場所は残り少ないのですが、こちらにも触手を伸ばしそう…(苦笑)。ところで以前、shabomaniac!さんにお譲り頂いたEulophia petersii ですが、あれから2株仔吹きして、この寒さの中でもポリカトンネルの中で元気にしています。(水は切っていますが)このまま放置しても大丈夫なのでしょうか?
お仕事がお忙しいようですが、お体に気を付けて、また私達をマニアックな世界に誘って下さい。楽しみにしています(笑)

Shabomaniac ! さん、こんにちは。

迷彩柄のアグラ・ピクツム、最初ホマロメナHomalomena wallisiiかと思いました。
アグラは東南アジア、ホマロは南米と、産地はずいぶん離れていますが外見は似てますね。

妖しい室内ジャングルゾーン、人工環境下の室内栽培というと、押し入れの中での秘密の植物栽培・・・
なんていうケシカラン妄想が働くのですが、こちらはさらにマニアックで危険な香りがします。

いくら成長が遅いと言えども、そこはサトイモ科ですから・・・
居住空間、侵略されないようお気を付けください (^_^;)

サトイモの方に触手を伸ばしていましたか…。
確かにタイでは民家の庭にサトイモ科の色んな植物がよく植わっていましたし、水辺にも生えていましたね。
私はシダ類に惹かれましたが…。
しっかし、これは栽培風景の見た目がヤバいですねw
どうしても放置気味になってしまうことがある私のような人間には管理は無理でしょうか。

お返事遅くなり恐縮です。。

>TK-Oneさん
もともと、植物はなんでも好きで節操ありません^^;。むかし、水草(温帯)でビオトープ的なものを試していたこともあります。クリプトの延長で上陸する形でアグラオネマなど育てる人も多いそうです。検索すると、これはこれでマニアックな人たちが大勢いますね。突然の腐敗、私のところではまだ経験ありませんが、トリカラーの愛好家の間では深刻名な問題みたいです。

>さぼてん初心者さん
これについては、TK-Oneさんさんが専門で、実生苗などをledなどで育てておられます。ここからリンクで繋がっている画像掲示板に色々投稿して下さっています。私は人工光線ではサボテンには光量不足ではないか、と思っていましたが、順調に育っているとのことで、環境の作り方次第みたいです。

>NewComerさん
サボテン多肉と食虫植物には趣味的親和性がありますよね。ただ、求める環境はまるで異なるので何度か手を出しては挫折しています。豪州や南アの塊根ドロセラとか、すごく魅力的でなんどか入手したのですが、うまく育ってくれません。小型のコノフィツムみたいなもんか、と思ってもうまくいきません。E petersiiですが、うちには状態悪いのを残したので残念ながら・・・という状況です。開花したら是非画像アップして下さい。楽しみにしてます。

>noriaさん
ピクツムとホメロメラ・ワリシー、たしかに似ています。両属の違いよくわかっていませんが、ワリシーの方が育てにくいです。上から3枚目の写真の真ん中やや右の小さい株がそれです。実は私がタイの渓谷で見つけたものもホマロメラで、同じ写真の左側のモサモサしたものがそうです。室内栽培で言えば、私が小さい頃、母がセントポーリア(当時はそう呼んでいた)を蛍光灯の下でいくつも育てていたのを思い出します。当時はブームでしたが、今も残っているのかな。

>roka79さん
熱帯のシダ類も魅力的ですよね。実はこのプラケースのなかに、タイで見つけたアリシダもひと鉢入っています。透明感のある緑の茎が面白いものですが、風通しが悪いと元気がなくなるので、ときどき外に出しています。プラケース栽培や水槽栽培も、いわば腰水(あるいは蓋つき密閉)なので、灌水回数は週一ペースです。サボテンほどではないですが、それほど手間はかかっていません^^;。


No title

はじめまして。
ラスタと申します。

以前の投稿について、質問させて下さい。
ご回答よろしくお願い致します。

ホットカーペットは、一日どれくらいの時間ONにしていますか?
衣装ケースの代わりにガラスの水槽にしても、水槽内は温まると思いますか?

No title

私のところのホットカーペットはタイマーがないので、12月~2月はつけっぱなしです。ちなみに部屋には暖房が入ってきません。以前はガラス水槽も使っていたのですが、量が増え、大きくて値段の安い衣装ケースに落ち着きました。ご参考になれば幸いです。

No title

回答ありがとうございました。

2年ほどアグラオネマを15鉢ほど常温で育てていましたが、ほとんど成長もしないし、枯れもしない状態で、とくに冬場は寒いおもいをさせていたので、水槽の購入を検討していました。

いろいろ考えて、よこ60×奥行30×高さ40の水槽と必要な道具を注文しました。
ここにきて自分の好きなアグラオネマが分かってきたので、好きなものだけをそこで大切に育てたいと思います。ちなみに好きなのは、元祖系、アンダマン、キャッスルあたりです。最近はやりの十万円以上で売買されているような白っぽい高価なものは全く興味がありません。

また、質問させて下さい。
ありがとうございました。
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沙漠植物、栽培、探究。

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