「5年間」 (5 years)


私くらいの歳になると、5年なんて月日はあっという間に過ぎてしまうのですが、
遠い昔を思い起こせば、小学校の6年間、中学高校の6年間の長かったこと。
サボテンたちにとっては歳月の重さとはいかほどのものなのか。
古い写真をあさって、いまの姿と引き比べてみました。



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                 This picture was taken five years before
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                 Discocactus & Melocactus at the age of five



上の写真は5年前の種まき、発芽状況。この年もいろいろ蒔いたのですが、
そのうちのメロカクタス(Melocactus)、ディスコカクタス(Discocactus)の最近の様子が下の写真です。
比較的成長の早いサボテンなので、ディスコなどは開花しはじめていますが、メロの花座はまだまだ。
これを蒔いたとき、保育園児だった娘がいまは小学校の3年生。ちょうど同じくらいの成長ペースでしょうか。



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                     Astrophytum coahuilense (2007)
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                               (2013)
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                     Gymnocalycium zegarrae 'saipinensis' (2007)
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                               (2013)



こちらは同じ個体がそのまま写っているので、比較対照が一目瞭然です。
白ランポー玉(Astrophytum coahuilense from old collected plants)は1年生→6年生に。
今年の冬に写した写真なので、この半年でさらにひとまわり大きくなっています。よく育つサボテン。
こまめに植え替えて水もたっぷりやれば、これよりずっと大きく育つものと思われます。
ギムノ・ゼガラエ(Gymnocalycium zegarrae 'saipinensis' KK736 Saipina,Bol)は
球径が1.5倍くらいになり、刺が増えて迫力が出てきました。おおらかで、美しいサボテンです。
しかしさらに5年後のサイズを考えると・・・スペース的にはしんどくなってきますね。



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                       various species of genus Copiapoa (2008)
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                                (2013)



このコピアポア(Copiapoa)の寄せ鉢は3年生→8年生です。思ったより成長が早い気がしませんか?
写っているのは右からコルムナアルバ(C.cinerea ssp.columna-alba JA79 Esmeralda)、
真ん中のフサフサ刺が稀翁玉(C.krainziana PV1955 Quebrada San Ramon)、
そして左の比較的小さいのが黒王丸(C.cinerea ssp.cinerea JA87 Quebrada San Ramon)です。
基本種の黒王丸は肌も最も白く刺も黒く、この属の一番人気ですが、成長も一番スローペースですね。
だいたい8年でこのくらいですから、見ごたえある開花標本株に育てるには、最低20年はかかる。
気が長くないと出来ない道楽です。

では、いわゆる難物サボテンはどうか?



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                    various species of genus Sclerocactus (2008)



9cmの角鉢にうえたスクレロカクタス(Sclerocactus)。どれも実生から正木で育てた個体で、
この時点で種から5-7年くらい経っています。いまどうなったかというと・・・



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                            (2013)



赤いバッテンのついたものは、昇天したサボテンです。
難物サボテンの場合、成長以前に、生かしておけるかどうかが最大の懸案だったりします。
これは偶然という側面もありますが、枯れた株で赤いバッテンは黒虹山(S.spinosior)、
黄色いバッテンはライティアエ(S.wrightiae)です。ほかに彩虹山(S.parviflorus)、
白虹(S.whipplei)、ブレビスピナ(S.brevispinus)が写っていますが、
それらはどうにか今も生きながらえている(生存証明の写真なくスミマセン)。
歴史が語りかけるのは、黒虹山とライティアエは難物中の難物である、ということか(大袈裟)。

もしちゃんと生き長らえたら、難物とはいえどのくらい育つものなのか?



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                       Echinomastus johnsonii ssp.lutescens (2008)resize0672.jpg
                              (2013)  



黄花英冠(Echinomastus johnsonii ssp.lutescens SB696 Clark County,Nv.)。
4年生→9年生。13cm角鉢植えで、元気に成長し続けています。
見てのとおり同じ鉢に植えっぱなしなので、少々キツくなってきた。
それでも、5年間も植え替えなしで平気なサボテンはそうありません。
ここらあたりで1本ずつ植えてやり、調子よく育てれば3年くらいで花が咲くかな、という感じ。
私の栽培は年に5-6回しか水をやらないという、石橋を匍匐前進で渡る式なので、
もっと勢いよく育てれば、倍くらいのペースで育つかもしれません。

最後はとても大事にしている植物。



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                         Pediocactus bradyi ssp.winkleri (2008)resize0671.jpg
                              (2013)



ペディオ・ウインクレリ(Pediocactus bradyi ssp.winkleri KY9811 Wayne co,Ut.)の5年間。
もともとは自生地で数粒得られた種からの実生育成苗です。5年前の時点で、既に実生から10年くらい
経っていた筈です。毎春、きちんと花を咲かせてくれて、種も何度か採りました。
ちなみに兄弟株は接ぎ木を経て実根にしたもので、こちらは倍のサイズに育ち薄桃色の花を咲かせています。
こちらは薄いクリーム色の花で、5年前は単頭でしたが、その後脇から子を出して、2頭立てに。
大きい方の球体で直径4cmくらいで、ほとんど大きくなってない。でもあなたはこのままでいい。

ほかの種類もそうですが、多くの小型サボテンはあるサイズに到達すると、そこから先は球径は大きくならず、
少しずつ古い表皮を下部にたくし込むようにして、光合成する部分を更新しながら生きていくようです。
何年も、変わらない姿。それを良しとして、急かさず向き合ってやるのが、長生きさせるこつなのかな。







テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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before and after

Shabomaniac!さん、こんばんは。
5年という月日は、けっこうなな時間ですよね。私たちには。
しかし、私たちの住む日本のように四季があり、雨もそれなりに
降る国にいると、1年は明確に分かります。 ところが、彼ら
Cactus の育つところはどうなのでしょうか?
America 西部の Mojave Desert あたりでは毎年同じ時期に
雨が降るとは限りません、そんな地域に育つと 年 という
単位が違ってくるのではないのでしょうか? 5年、10年が
1年だったりして。という感じがするのですが!

Pedi.winkleri 何とも愛らしいですね!
私も興味があり育てていますが、成長は極めて遅いですね。

こんにちわ。これらの成長に時間がかかるサボテンに
向き合う気の長さに脱帽します。私にはとても真似できないです。

年に5-6回しか水をやらないというのも驚きです。
私は季節を問わず2週間に1回程やるので
年に26回はやっている計算になります。
屋外で駄物だけを育てているから難物とは栽培法も全く違うみたいですね。

お久しぶりです。
私ももう四十路なのですが5年間って結構速くて「あれ?もう5年?」とか思ったりします。
コピアポアの実生苗が可愛らしいですね。やっぱり20年かかっちゃうんですね…。
ウィンクレリは派手過ぎず地味過ぎず、実に端正なお姿だと思いました。

こんばんは。
実生5年~8年の苗、どれも堅作りで素晴らしいですね。

それくらいで実生開花できるスクレロ・ペディオ、少し手強いところも好いですが、
一年のごく短い期間だけ生長する美しい新刺や別品の花にも醍醐味がありますね。
難物道に足を踏み入れて10年近くですが、
これから「誰でも歩める難物道」を拓けたらと思っています。

良いですねー。
Pediocactus bradyi ssp.winkleri綺麗ですね。いつかこの手の難物も栽培してみたいです。

コピアポアも順調に大きくなっていてうらやましい。やはり時間がかかるのですね。私は今年の6月にコピアポアを中心に蒔いたのですが、8月中旬の一番暑くなった週に全て溶けてしまい無念です・・。

Shabomaniac!さん、こんにちは。
5年間、自分に当てはめてみたら、あっという間のような結構いろいろあったような・・・。

サボ栽培再開したのが5年前。貴HPに刺激されて、もろもろのサボを播き始めたのがその1年後。
自分に難物は無理と諦めて、懐かしいサボを中心についあれもこれも・・・柱やウチワも播いてしまった(>_<)。
ハウスに犇めく苗を見ながら、5年後はどうなることやら…あんまり考えないようにしています(^_^;)。

ちなみに、草友に実生の上手な小球根マニアがいます。
ラケナリアなどタネから3~4年で満作の開花株に仕上げてしまうので、
真似のできない私などは、もっぱら眺めるだけ。
ところが彼曰く、『どうもラケは寿命が短い、10年持たない』とぼやいてます。
早く大きく育てるのと、寿命は反比例するのかもしれませんね。

>Yuccaさん
難物サボテンも存外自生地では早く育つと思われます。自生地の白紅山など凄い勢いで新刺出していますし、大竜冠なども春~秋、だいたい新刺が出ています。日本での育つペースでは巨大な群生など考えられないですよね。ウインクレリなど小型種は、10年程度で径の成長がストップするように思います。

>おきでんんさん
花屋さんに並ぶサボテンなどは、実生3年では開花サイズになり出荷されるようです。そう考えると、如何にも育ちが遅いですね^^;。私も非難物サボテンには年回20回くらい水やりします(栽培場が遠いのでそのくらいしかやれない)。一方でコピアポアの山木などは、10年で5-6回しか水やりしていません。

>roka79さん
自分では若いつもりですが、いつの間にか年とってますよね。笑いを取りに行くと、すなわちおやじギャグになってしまう><。コピはシュルツさんの本によると、自生地でもやたら成長遅く、黒王など10cmに育つのに数十年かかってるそうです。実生ならその半分くらいで届くかな。でも、育ちが遅いサボの方が省スペースで助かったりもします。

>masutusさん
硬づくり、は良いのですが、こじらせ、になってはいかんと、いつも思います。栽培下で、天狼や月華玉の育ちが異様に遅いのは、おそらく何らか問題(故障)があるのではないかと。本来は10年程度で親株に育つものではないかと思っています。かといって、水をやれば育ってくれるものでもないし、難しいですね。屋上フレームの寒暖差はひとつの解決策ではないでしょうか。

>Portさん
ウインクレリや月の童子、飛鳥などの小型ペディオは、難物とはいえ種から開花サイズまで育ってくれ、野生株に見劣りしない姿になるので、育て甲斐があります。大きく育つスクレロはなかなか難しいですが。メサガーデンの種が手に入るうちに是非蒔いてみて下さい。実生苗は暑い夏は棚下に避難が良いかも知れませんね。コピアポアは実は暑さと強い直射光が苦手なサボテンです。

>noriaさん
ながねん実生正木主義の20年計画、30年計画で実生してきましたが、だんだん歳喰って、早く育てたい願望も強くなってきました。いまやキリン接ぎ道の入門生でもあり、これらのムクムクと育つ感じも嬉しく眺めています。球根はサボと違って接げないですから、花がさくまで辛抱しなければいけませんね。貴重なブルンスの実生苗、葉っぱが出てきましたがまだ球根は1cmもないと思います。
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