奇想天外に花が咲く。


奇想天外(Welwitschia mirabilis)の花が咲きました。
花、といっても裸子植物ですから、サボテンや多くの多肉植物のような色鮮やかなものじゃない。
ですが、種を蒔いてから10年以上を経ての処女花なので、それなりに感慨深いものです。



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                     Welwitschia mirabilis grown from seed



知ってる人には不要なので、以下は最小限の説明。
奇想天外はナミブ沙漠原産のとてもかわった植物で、深い根に支えられた塊茎から生涯一対の葉を
コンブのように伸ばし続けます。葉は皮のように厚いですが、いわゆる多肉植物のように水分を
貯めて乾燥に耐える性質ではなく、地中深く、常時湿った土の層まで根を伸ばしているとされます。
ソテツやマツなどと同じ裸子植物で雌雄異株。自生地の古株は樹齢1000年以上を生き続けています。
検索すると色々出てきますが、その姿はまさに沙漠のモンスターですね。

葉が伸び続けるだけで育ててもつまらない、という人もいますが、コルクのようにひび割れた塊茎と、
のたうつブルーの葉には激しく存在感があり、自生地個体の異様さは栽培株からも十分伝わってくる。
なによりこの特異な植物が東京のガラス室でちゃんと育つ、ということだけでも凄い感激があります。
しかも、花までを咲くと言うのですから。



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                     Welwitschia mirabilis 12years from seed



お、と思ったのは初夏の頃でした。
塊茎の突起部分から花序らしきものがにょきにょき伸びてきた。実はこういう現象は、うちにある
いくつかの株で、何年か前から幾度が起きています。しかし、花序らしきものがあがりかけても、
結局は途中で終わってしまい、開花に至らない。しかし今年は最初から勢いが違いました。
この株はうちでも古参の株のひとつで、2001年、長男誕生の記念に蒔いた株だと記憶しています。
塊茎の径は8cmくらい。葉幅は付け根で10cm、いちばん広いところで12cmくらいです。
ちぎれた部分を切断してしまったので正確な葉長は不明ですが、残せば片側1m以上はあったでしょう。



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さらに1か月くらい後に撮った写真です。ここまでくれば花が咲いたと言えるかな、という感じ。
でも、雌雄の別もまだわかりにくい。丸っこいので雌か?いや、小さいので雄では?と見解が分かれる。
この時点では直径1cm足らず、長さ2cmほど。ただ、花序がとても短いのと、花そのものの数が少ないので、
雌かな?と期待していました。ソテツなんかもそうですが、種がとれる(可能性がある)雌株のほうが、
なんとなく有り難い気分になるものです。
そんな訳で、いつにもましてマメに水やりをして大事に大事に見守って、さらに1か月後・・・。



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                    female strobili of Welwitschia mirabilis 



雌株だったようです。小さな松毬の様な形状で、サイズは人差し指の先っぽくらい。自生地の写真で
見るような赤茶色ではなく、灰緑色で、よく見ると蜜のようなものを分泌しています。
今年、雄花を開花させた熱川バナナワニ園の清水さんが雄花序を送ってくれたので授粉も試みました。
蜜に付着した花粉を引き込むとのこと。もしももしも、種子がついたりしたらどうしよ!と期待が
膨らみますが、うちの雌花はコーンがまだ開きはじめておらず、うまく花粉がかかったかは不明。
でも、栽培下で種子が採れ、そこから2世が育てば栽培の環が完結したことになりますが・・・。



テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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はじめまして。

奇想天外、やっぱり良いですね。
昔種蒔いて一年位育てましたがその後枯らしてしまいました。発芽率は抜群でしたが・・・。まだ売ってるんですかね。ちなみに鉢の深さはどれ位でしょうか?
今後ともよろしくお願いします。

奇想天外の開花、おめでとうございます。
開花までの経過、ワクワクしながら拝見させていただきました。
地中深く水まで根を伸ばして高温乾燥に耐えているそうですね。
奇想天外な家宝として1000年先にも育て継がれている・・・なんて、いいですね。
どうか結実しますように・・・。

こんにちは。

この植物今まであまり興味がなかったのですが、よく拝見するとひび割れた塊茎がとても魅力的ですね。
それから最後の写真ではコーンが少し色付いて気持ち開いていませんか?
この後の結実期待の楽しみもあっていいですね♪

Shabomaniac!さん、こんにちは。
奇想天外、うまく結実するとよいですね。
経過報告を楽しみにしています。

私も奇想天外を3年前に初めて手に入れました。それもタネです。
ワニ園の清水さんに教えられたとおりに播いたら、意外にすんなり育ってビックリ。
今は結構見られる姿になっています。
ようするに「砂漠の植物」、という先入観を捨てれば、
決して育てにくい植物ではないということなんですね。

ところで、永いこと同じジャンルの植物ばかりをいじっていると、
知らず知らずのうちに栽培に癖がついて、他所ではなんでもない植物が
ミョウに作りにくくなってしまうことがありますね。

私はそうならないために、時々‘浮気’をするよう心掛けてます。
今年はついにチランジアに手を出してしまいました。(^_^;)。
この類の栽培は、アンデス系のサボに共通する部分がある、と想像していましたが、
わが家の環境に置いてみると、もっと‘湿った風と柔らかい光’が必要…
ではないかと思うようになりました。
今から冬の置き場を心配しています。。。

>mkkmkgbさん
ようこそ。奇想天外、昔から深鉢が推奨されていましたが、何mもあるものは用意できないし、実際には鉢底で根がぐるぐる巻くので、普通の鉢でも良いようです。うちの植物はふつうのテラコッタやプラの鉢に植えています。開花の株は径高とも25cmくらいのテラコッタです。通年水は切らさず、寒がらせなければ丈夫な植物だと思います。種は毎年Silver hill seedで売っていますよ。

>masutusさん
ここ数年、毎年咲きそうになるのに開花に至らず・・・だったので嬉しかったですね。花といっても、松笠みたいなものですから、鮮やかさとか華やかさとはほど遠いのですが・・・^^;。しかも実生から十年以上かかっているので遅いほうだと思います。実生苗の根の伸びはもの凄いスピードなので、稀な降雨の機会を逃さず、一気に深い地中まで根を伸ばすのでしょうね。サボテンもそうですが、それぞれ植物のの生き伸びる戦略には感嘆させられます。

>saeさん
奇想天外、手元に置いてみると何とも味わいがある植物です。実生の小さいうちはあまり面白くないですが、5年くらい経つと、仰るように塊茎がヒビ割れてきて、葉っぱものた打ちはじめるので、風格が備わってきます。コーンのひとつは、その後さらに開いてきたのですが、あまり種が入っているようには見えず。残りに期待です。

>noriaさん
結実すれば嬉しい限りですが、ここまで10年以上かかってますから、ダメでも落胆せず気長に次のチャンスを待とうと思います。奇想天外、昔の平尾さんの本にはメセンと同じ管理を、と書いてありましたが、実際は生えている場所・環境が近くても生きる仕組みはかなり違うのが面白いところです。エリオシケと一緒に生えているチラン、同じハウスに置いてもすぐに干涸らびてしまいます。浮気すると、新たに発見することは多いですね^^。

こんにちは。

奇想天外、初めての種まきをおとといにしました。ドキドキものです
まだ芽がでないのかなあとか、もしかしたら種のまき方がおかしかったら芽がでないしどうしようとか
どきどきしながら芽がでるのを待っています。こちらは種がとれたのでしょうか
どうなんだろうかと 人ごとなが それもドキドキしてます。

>りいのすけさん
お返事遅くなりました。奇想天外、寒さには強くないので、今から発芽した苗は最低温度15度くらいは保ちたいところです(できれば最高温度は25度くらい欲しい)。本葉がある程度育てば、ぐっと丈夫になります。
我が家のに種がついたかどうかは・・・まもなくご報告する通りです(涙)。

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