キリン接ぎの収穫。

キリンウチワに接いだサボテンを「収穫」しました。
げんこつサイズまで育って、それらしい顔になってきた穂木を、
台木を2~3cm残してジョキっとはさみで切り離し、1本ずつ植えます。



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実生1年くらいの苗を接いで、2年半ちょっと育てていますから、
これで種からは4年くらいということになります。なんだ、あまり大きくならないんだなぁ、と
言わないで下さい。名人がこのキリンウチワで接ぐと、1年くらいでこのサイズに到達します。
私の栽培環境とやり方では、この程度というだけ。キリンの本来の威力はこんなものではない。
方法は、プランターに並べて植えた台木の先っぽの方をカットして、5ミリくらいの接ぎ穂を乗せ、
棚下に放置するだけ。とくに湿度を保つ養生などもしなかったので、活着率5割くらいでした。



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3年近く経ち、そろそろ台木が頭の重さを支えられなくなってきました。
神仙玉に太平丸、こいつらもそろそろ収穫しないといけない。
ごらんのように、台木のキリンには殆ど葉っぱが残っていません(葉が出ているのは脇芽)。
私の栽培場は冬場氷点下に冷え込むので、落葉してしまうのです。落葉すると生育ペースが
ガクッと落ちるので、威勢良く育ったのは実は最初の1年だけでした。
キリンは思いのほか寒さに強く、三角柱などは溶けてしまう環境なのですが、
茎は氷点下6度でも耐えてくれます。本当はビニール二重張りなどすれば、落葉も
防げるか知れません。

さて、台木をちょびっと残した穂木を1本ずつ植えてやると、なかなかどうして悪くない。
ちょっとした標本です。



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               Echinomastus intertextus 'Minimus' VZD695,Santa Gertrudis, Chihuahua



刺が球体にしっかり沿う旧来タイプの桜丸。
(Echinomastus intertextus 'Minimus' VZD695,Santa Gertrudis, Chihuahua)
以前紹介しましたが、花もストライプが入る濃色で、テキサス型とは雰囲気が違います。
このサイズになっても刺が暴れてこない。籠を編んだようにミッシリと詰まった感じ。



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                 Eriosyce multicolorispina KVV1031 Agna del Toro,Mendosa



エリオシケ・ムルチコロリスピナ(Eriosyce multicolorispina KVV1031 Agna del Toro,Mendosa)。
旧ヒルホカクタス系のエリオシケは比較的ご機嫌がとりにくいですが、接ぎ木ならキリンの顔色だけ
うかがっていれば良いので気楽です。ちょっと瑞々し過ぎるかな?



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               Coryphantha kracikii  KMR394 Ejido El Portento,Durango 'gold apine'



近年到来の強刺コリファンタ、クラシキー。
(Coryphantha kracikii KMR394 Ejido El Portento,Durango 'gold apine')
これは金刺タイプ、ということで蒔いたもの。焼きの入った金属みたいな渋いカラー。
同じロットのタネでもっと黒い刺も出ました。



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                Coryphantha tripugionacantha VCA098 El Chalihuey-Losmoros,Zacatecas



こちらも近年到来のコリファンタ。トリプギオナカンサ。
(Coryphantha tripugionacantha VCA098 El Chalihuey-Losmoros, Zacatecas)
コリファンタはキリンウチワ接ぎがあうようで、ムクムク膨らんで、肌艶も良いです。
下ろしたあと、萎まないとよいですが。

鉢土の中なので、見えませんが、短く残した台木からどんな感じで発根するのかは不明です。
切断面だけでなく、刺座からも根が出るそうですが、かなり短くカットしてあるので、どうか。



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                  Pygmaeocereus bieblii   Rio Santa Valley,Ancash,Peru



目下最新の南米稀少種、ピグマエオケレウス・ビーブリ。
(Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley,Ancash,Peru)
球体に密着する短いコルク質の刺。いかにも珍奇な佇まいのサボテンです。
ペディオカクタスの飛鳥や斑鳩をちょっと思い起こさせますが、ペルーの高地産。
正木では3cmくらいが最大なので、この株は既に巨大球。夜咲きの白花を続々咲かせています。
ただし、接ぎ木したので、本来備わるはずの塊根はありません。



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                 Eriosyce odieri ssp. monte-amargensis HJ 93 Chile



小型のエリオシケ、オディエリ・モンテアマルゲンシス。
(Eriosyce odieri ssp. monte-amargensis HJ 93 Chile)
本来成長が遅いタイプのサボテンは、キリンに接ぐとやたら子吹きする傾向があります。
この種も、単幹が基本なのですが、こんな感じの群生株に。ギリギリ不自然にならない範囲か。



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        Micranthocereus flaviflorus Koehres seed



こちらは、穂木が大きくなりすぎて倒伏してしまいました。
柱サボテンのミクラントケレウス・フラビフロルス。
(Micranthocereus flaviflorus Koehres seed)
もともと成長が早いものは、一層早く大きくなるようです。



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                 Echinocactus texensis VZD792 Palmillas, Zacatecas



接ぎ木する必要ないんじゃない?と言われそうですが、「剣峯」と呼ばれる型と期待している綾波。
(Echinocactus texensis VZD792 Palmillas, Zacatecas)
メキシコの南の方の猛烈な刺になるタイプとして蒔いてみたので、早く顔が見たかったのですが、
今のところ普通の綾波?こういう大型種は、下ろした後の成長がどうなのか気になるところ。
細い台木の茎から出ている根だけで、大きく育つ地上部とバランスがとれるのか、ということです。



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こうしてずらっと並べてみると、なかなか壮観。ほかにもロビとコピアポアが写っています。
手先が不器用なので、正木一辺倒の栽培をしてきましたが、種から3~4年でここまで育つなら、
多少活着率が悪くても、やってみるもんです。
というわけで、今年もキリン接ぎ決行。成長旺盛な盛夏に台木を育成中。9月早々には、
今年蒔いた実生苗を乗っけてみるつもりです。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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キリン接ぎは強力ですね。
団扇なので柱系のウイルスに感染しにくいのか、成長の速さでセルフメリクロンになってるのか意外にウイルスも少ないようで、いい台木です。

うちでは似た台木でPereskiopsis aquosaを使ってますが、接いだルエティが栄養を処理できないのか激しく子噴きして40頭になったりすごいです。
シャコバやテフロは相性が悪いようですが、牡丹類は乗ったので、北米サボ連を中心に実験してます。

見事な出来栄えです

Shabomaniac!さん、こんにちは

私も、接ぎ木は、数は少ないのですが、白紅山
や英冠など主に採種用親木づくりとして行って
います。竜神木を使っています。

キリン団扇の成果を初めて拝読しました。
好結果ですね。
寒さに強く、穂を選ばず、成長旺盛、それに永久
台木にもなるのでしょうね。
どれも見事な出来栄えに驚きました。

接ぎ木苗と言えば、昔、バイラス苗がはびこって
敬遠されました。
実生台木を育てて接げば何ら問題はありませんね。

ただ、サボテン仲間の中には、「接ぎ木はサボテ
ンでない」と言う者もおります。苦心惨憺、実生
正木で育てるのが本筋でしょうが、接ぎ木は何か
と重宝ですね。

やはりキリンウチワ接ぎの威力は絶大ですね!
去年は今時分に台木を手に入れたので実質接げず終いでしたが、今年はジャンジャン殖えたので5月連休明けからトライしてみました。
結果は勝率五割以下で、とほほ……。
それでも運良く着いたものは、ムフフの成長を見せてくれています。
まだ台木が余っているのですが、ちょうど良い実生苗がなくてどうしたものかと(w)。
来年はスムーズに接げるよう、台木の養成に合わせ播種時期を工夫したいと思っています。

Shabomaniac!さん、こんにちは

お使いの台木は、たぶんルリバキリンP.orteriのほうだと思います。
私としては本家のキリンウチワ(=P.diguetii 大型キリンウチワ)より、こちらの方が使いやすいです。

ここ数年、キリンを使った実生接ぎに没頭し、
「下手な鉄砲もなんとか・・・」で、数をこなしたおかげですこし判ってきました。

一番気になる穂木との相性ですが、
ルリバキリンは一部の種類を除き、たいていのサボテンにOK。
いっぽう、キリンウチワは選り好みが激しいようです。

ルリバ台は相性の悪い例はほんの数例、
それも「同属の他種はOKなのになぜ?」というのがほとんど。
袖ヶ浦→○、新橋→×  虎爪玉→○、英冠→×
毛柱(白雲錦、幻楽、吹雪柱など)→○、翁丸→×
と、いう具合です。
これらは接ぐと、一応は活着するのですが途中で生育が止まります。

まったく受け付けず、何度接いでも穂が萎んでしまうのは、
三角柱(台木用)、木の葉サボのブレオ(木の葉はこれしか試していません)、
そして球形ウチワのテフロ.weberiでした。
とくにテフロは他種がすくすく育つのに、訳が分かりません・・・。

接ぎ木に限らず、サボ栽培は自分で試さないと判らないことだらけです。

>さくさん
そうですね。三角は長く使われている台木を使うとウイルス斑など出やすいですが、キリンは挿し木挿し木で回している台木でもそういう経験がありません。そういう意味でも良質な台木です。欠点は、手先が不器用な私の場合、指先が刺だらけになって、あとで悩まされるくらいです。むかしは杢キリンをエンピツみたいに尖らせて大きめのサボテンにぶつりと刺す
接ぎ方がありましたが、こんどはこれも硬くなった茎で試してみるつもりです。

>Doremifaさん
スクレロやマスタスなど所謂難物サボテンでは、接いだものの頭をはねて、子を吹いてきたらそれをカキ子して挿し木、というやり方があります。この類は発根が良いので、スクレロなどは数年で実生正木の苗と区別がつかないようになります。古い英冠などは、正木なのかカキ子実根なのか自分でも判らない株も。私は他にも三角、龍神、袖ヶ浦も場合によって
使いますが、紐かけ出来ないので、もっぱら実生載せ接ぎ(たまにセロテープ止め)専門です。

>アイハルさん
私も実生接ぎの活着率は5割くらいです(下手なので^^;)。蒸し暑い雨の日なんかは成績が良いのですが、乾いた暑い日などは全滅することも。休みが少ないので、なかなか天気まで選べないんですよね。名人は1年経たない菊水でも接いでしまうのですが、私は最小で3mmくらい。それでも、カットするときは指先がぷるぷる震えてしまい、ひとつ
接ぐのに実生苗2-3本はダメにします。さらに活着率半分なので・・・1本仕上げるのに都合6本の実生苗が必要になります。

>noriaさん
キリン接ぎの伝道師、大名人を前に、このような記事お恥ずかしい限り^^;。こいつはルリバキリンなのですね。私の経験でも、マスタスは相性悪いです。活着しても著しく成長わるい。うちでは英冠も虎爪もダメで、桜丸はたまにうまく育つ。接合部の発達がうまくいかない場合が多いのでしょうか。大竜冠なんかも成長ペースが遅いです。牡丹類もあんまりで、途中で接合部がズレて成長止まったりします。塩梅が良いのはエリオシケ、ギムノなどの南米ものですね。あとは台木が爆殖するので、それも大きな長所ですね。

Shabomaniac!さん、こんにちは
オフ会で頂いてきた麒麟団扇に牡丹の実生苗を1ダース位載せた所、運良く二つ繋がり成長を始めました。
ただ載せればいいと思っていたので、殆どが落ちるかしなびてしまいました。
アドバイスしてくれた方もあり、失敗に懲りず再挑戦してみます。

>cooパパさん
1ダースで2本・・・でも、そのあとの育ちぶりがリカバーしてくれると思いますよ。切断面の状態、それから何よりそのあと置く場所(多湿)が大事みたいです。私も放置しているので、活着率思わしくありません><。
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