続・花咲くオプンチア。


今回は、最近メジャー路線驀進中??のオプンチアです。タネマキストの皆さん、発芽状況は如何ですか?!
さて、オプンチア類の大半は綺麗に花が咲いてこそ、という植物なのですが、私のところではせっかく咲いても
撮影機会を逃してしまうことも多くて、なかなかここに載せられません。
これから紹介する3種類は、ことし私のめったにない休日にあわせてうまく咲いてくれたキトクな子たちですが、
同時に日本ではあまり知られていないマイナーサボの極み、でもあります。



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まずはごらんの黄花のオプンチア。すっきりレモンイエローではなくって、微妙にくすんだ色合いが南米ぽいです。
クムロプンチア・スファエリカ(Cumulopuntia sphaerica)です。
かつてはテフロカクタス(Tephrocactus)として扱われていたので、皆さんの栽培場にもテフロの名札が
ついたこの種があるかも知れません。チリからペルーにかけての広い範囲に分布しているため、サイズや刺などの
バラエティも様々で、数十に及ぶ異名が存在します。しかし、南米の玉型ウチワで、長短大小は違ってもこんな
球形~長卵型の茎節に、刺座が均等に散らばったちょっと粗雑な雰囲気のサボテンは、みなスファエリカと思って
良いでしょう。mirusとか、dimorphusとか、berteriとか、kuehnrichianaとか、rauppianusとか、
このあたりの異名はいまも使われていますが、園芸的なタイプ差を楽しむためには便利です。



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                    Cumulopuntia sphaerica "KK1831"??



栽培するうえでの性質は丈夫ですが、この種は花つきが極端に悪い。うちに幾つかのクローンがありますが、
毎年咲くのはこの子だけ。写真は花一輪ですが、これは今年の二巡目の開花で、その前はもっと咲きました。
これはペルーの業者 Karel Knizeから"KK1831"のラベルがついて送られてきたものだけど、このナンバーに
該当するのはCumulopuntia dactyliferus 。スファエリカとはちょっと顔が違う筈なのでラベルのつけ間違いかも
知れません。このクローン、開花性は良いのですが、茎節がかんたんにもげてしまう性質があり、気づかぬうちに
シャツの袖口にぶら下がっていたりする。花がないと到底美しいとは言い難いし、刺の凶暴性もかなりのものなので、
人気種になる可能性は乏しいでしょうね。

続いてはナゾの南米オプンチアです。



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現時点では未記載種ということになっていて、世界に数百人!は存在するであろうコアなオプンチアマニアの間では、
Austrocylindropuntia sp.Baker5/30 という名前で流通しています。この株はドイツの愛好家から
分けてもらったもの。園芸種かと思ったら、そうではなく未記載の野生種で、Baker氏(誰かわかんないけど)の
コレクションにあったもの、だそうです。
見た感じからすると、Austrocylindropuntia verschaffeltii の、刺がないタイプのように見える。
細くて華奢な茎節を連ねていく感じはよく似ています。



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                    Austrocylindropuntia sp.Baker5/30



長くて痛そうな刺がないので強面な印象はありませんが、バシラリスなどと同じで微少なチクチク刺が密生する
Glochid(芒刺)があるので、わし掴みにしたりしてはいけません。この株は刺座が黒く汚れてしまっていますが、
綺麗な状態だとなかなか鑑賞価値があります。花も小輪ですが、ショッキングピンクが目に飛び込んでくるので
インパクトあります。花付きは頗るよく多花性です。長く育てたら、しだれてきそうなので吊り鉢におあつらえ向き。
ウチワ人口の層が厚いヨーロッパでは、普及が進みつつあるサボテンだそうです。

最後はオプンチアの王道。兇悪極まる、刺しゃもじ。



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花は最高です。輝くグラデーションのアプリコットオレンジに、少しフリルのかかった大輪。実にゴージャス。
同じくドイツ愛好家から分けて貰ったもので、オプンチア・キモフィラ(Opuntia cymochila)という。
あまり聞いたことがない名前だと思いますが、19世紀に記載された由緒ただしいオプンチア。この株は、
花の綺麗なクローンをセレクトしたものではないかと思われます。
いまの最新分類、New Cactus Lexicon ではトルチスピナ(O.tortispina)のシノニムとされていて、
そのトルチスピナはマクロリザと(O.macrorhiza)とポリアカンサ(O.polyacantha)のハイブリッド
ではないか?と指摘されています。まあ、ほとんど暗号の羅列ですね。
いずれもアメリカ合衆国中西部を中心に分布するウチワサボテンで、私の難物サボテン探しの旅ではしょっちゅう
出くわす面々ですが、これらを同定するのは至難。花を見て綺麗だな-、で終わってしまう。
で、花だけを眺めているととっても素敵なんですか、全体像で見ると、



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                    Opuntia cymochila 'apricot flower'



恐ろしく攻撃的な刺です。この鉢に雑草が生えてきても、手出しすることが出来ない。鋭く尖った長い刺の根もとには、
しつこいチクチク、芒刺がびっしり生えています。およそ触りたくない。よって、この株も最初に大きい鉢に
茎節1枚だけ植えて、以降は植え替えせず。栽培そのものはきわめて容易。ニューメキシコ原産(とされる)なので、
寒さにはきわめて強く、氷点下8度まで下がる場所で、屋外雨ざらしで越冬させています。寒いと、茎節が
赤茶色になって縮みますが、これは自生地でも同じ。そもそも花付きは良いですが、春先に温度のあがるハウスに
取り込むと一枚の茎節にひとつ以上の蕾がつき、一斉に開花するので圧巻です。ちなみに今年は花時期に雨が
重なったこともあり、バラバラ断続的な開花になってしまいましたが、その分、2週間以上楽しむことが出来ました。
花の美しさでいえば、我が家のオプンチアでも、随一ですが、刺の恐ろしい様相は、この種の普及を長期間に
わたって妨げることになるでしょう。


はてこのエントリー、オプンチアの魅力を伝えることになったのかな。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

こんばんは。
団扇に熱を上げている私にも、十二分に魅力が伝わりました!
団扇の種子は5年前のものが発芽しました。まさか発芽するとは思いませんでしたが、放っておいてみるものですね。

Austrocylindropuntia sp. Baker 5/30はやはり特異な植物の様ですね。
赤い実がなるそうですが、もうご覧になりましたか?
それと、このA. sp.探しているのですが、なかなか出合えません。もしよろしければ、一枝、Pereskia lychnidifloraと交換していただけないでしょうか?

こんばんは。

凶暴ウチワとの付き合い方について
>最初に大きい鉢に茎節1枚だけ植えて、以降は植え替えせず。

これ、いいですね。
障らぬ神に崇りなし…さっそく真似します。

キリン接ぎの実生ウチワ類を露地植えすると、
とんでもないことになる(経験済み)ので、今度は大鉢植えにして。

あ、でもウチにはもう、大鉢を置くスペースが。。。(・_・;)

こばんは。
素敵なオプンチアの花を見られて幸せです!
私も家の大きな団扇の木の花が咲きますがレモンイエローでとても綺麗です。
今回はなんといってもAustrocylindropuntia sp.Baker5/30のこの花とその姿が気に入りました。

Cholla

Shabomaniac!さん こんばんは。
Opuntia は実に広い範囲に分布しているのですね。
たくさんの種が存在しその姿と形バラエティにとんでいますね。
どのくらいのファンの方がおられるのでしょうか?
私は、アメリカ合衆国産をいくつか栽培していますが、
なかなか花を咲かせるのが難しいものが多いです。
O.ramosissimaは、よいのですが、
 Silver Cholla(Cylindropuntia echinocarpa)
などは、親と違う姿になっています、あの白く輝く刺は
まだ出ていません。
創意工夫が足りないようです。

>利野塚さま
さっそくコメント戴いてありがとうございます(レス遅くてすみません)。オプンチアの実生はいつなぜ発芽するのか、つかみ所がないですね。何人かの方の栽培場では、Austoro.lagopusが発芽したとの話をきいてビックリ。私は100粒まいてもダメでした。Austrocylindropuntia sp. Baker 5/30、カキ子苗をお盆の休みにでもとってきてお送りします。
Pereskia lychnidifloraうれしいです。ほかにも交換できるものあるかも知れませんね。いぜんメール戴いていると思うのですが、HDのクラッシュで消えてしまったため、いちど空メール戴けると幸いです。このブログからリンクしているShabomaniac!ホームページにアドレスがあります。

>noriaさん
刺イタタを避けるためもそうですが、ウチワは大鉢が好きなものが多いです。しっかり根を張らせて成長期に入ったら水をたっぷり与える(温度も高める)と、蕾がたくさんつくように思います。とくに、いわゆるシャモジ型のOpuntiaはその傾向が強いですね。
ことしはキリン接ぎたくさんやろうと台木を30本くらい(noriaさんにくらべたら少な過ぎですが)用意しています。結構高い、20cmくらいの葉っぱがたくさんついたやつに接いで一気呵成、を狙っています。

>saeさん
お久しぶりです。ここに載せた黄花のウチワはかわっていて、一年に幾度も咲きます。きょうもまた咲いていました。sp.Baker5/30は、花がちょっと小さいですが、色合いは甘くて綺麗です。自生地ではどんな具合に生えているのだろう?と思いますが、草姿はしだれ気味で、ちょっとだらしない感じ。ハンギングバスケットがいいと思うんですが、そもそもそういう作り方をしたことがないので、目下は鉢上を這っています。

>Yuccaさん
Chollaの類はカッコよく育てるのは難しいですね。現地で大迫力の群落美をみせてくれるechinocarpaとか、bigeloviiなんかを盆栽作りできたら最高だな、と思うのですが、これなんかも棒みたいに上に間延びして、うちではそれらしく育たないです。ramosissima は、花つきが良いので気を良くしていたのですが、これも高くなるとだんだん倒れてきて、今ひとつの姿になってしまいました。これが現地のように育ってくれたら素晴らしいと思いますよ。
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沙漠植物、栽培、探究。

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