小さな花。

やっとポカポカした陽気になってきたと思ったら、次の日からは冷たい雨に逆戻り。
すでに屋外に並べてしまった夏型多肉が、寂しそうに濡れそぼってます。
このまま腐ったりしなきゃいいんだけど・・・。

さて。
きょうは、春先から撮りためてきた花の写真を気晴らしに並べてみます。
タイトルの「小さな花」、って言うのは、正確には正確じゃなくて、正確に言うと、
小さなサボテンの小さいけど球体と比べれば大きな花、っていうことで。

まず一枚目。


rebcintiafl0S.jpg

シンチア・ナイツェイ(Cintia knizei)。
ボリビアなどの標高4000m 近い高地に生育する極く小型のサボテンです。
ペルーのサボテン業者、Karel Knize氏が90年代に記載した新種で、導入当時は結構もてはやされました。
でも、当時の輸入株、日本じゅうでどのくらい生き残ってるかな。
最近はレブチア属に編入されて、正しい名前はレブチア・シンチア(Rebutia cintia)に。

この鉢が3寸鉢(9cm)だから、実に小さいでしょ。球体の径が1cm もないです。
花はとうぜん、球体よりも大きい。


rebcintiaflS.jpg

この株は当時、そのKarel Knize 氏から手に入れた輸入株がつけた種子を実生したもので、
これで種から5年以上経ってます。
花の感じは、同じく最近レブチア属に編入された、かつてのワインガルチア属 (Genus Weingartia) に近い印象。
濃いめの山吹色で、梅の花のような雌しべのようすも風情がありますな。
決して大きな花ではないんだけども、球体が極小なので、大輪にも見えまする。
この種でいちばん大きな部位は根っこでありまして、地下には球体の数倍の塊根が埋まってます。
なので、若干多湿は苦手ですが、栽培の難しい種類じゃありません。


つづいてはこんなの、


IMG_6321S.jpg

小型サボテンの代名詞みたいなもので、有名なギムノ羅星丸(Gymnocalycium bruchii GN162-442)。
産地によっていろんなタイプがありますが、GN162-442という番号が、採取地データと照応していて、
それによるとこの個体は、アルゼンチンのPortezuelo産。
写真の株は直径1cmくらいで、花は4cmくらいあります。純白の超大輪がステキ!
園芸的には肥培して大群生させるのが常道なんだけど、うちの粗放環境では、永らく単頭のままっす。
・・・いいんだってば。そのほうが花だって豪勢に見えるんだから。


ecfpenthacanthusflS.jpg

こちらはお馴染みのエキノフォスロカクタス。小型種というより、こんな小さいうちから花が咲くんだなと。
最近、もっとも旺盛に現地を歩いているチェコの人たちが、メキシコはツーラの町の川岸でみつけて、
「あ、これ新種かも」と、気軽な感じで新亜種として記載したもの。この類の分類は難しすぎて私にはわからん。
で、その記載名が、
ペンタカンサス・ツーレンシス。
Echinofossulocactus=Stenocactus penthacanthus ssp.tulensis CH238)
写真の株も直径1cmあるかないか。咲いたときはびっくり。
この場合、色気のない素朴な花がいい味出してると思うのはワシだけか?


最後は、いまやド有名種になったこの子たち。


mamlfl0S.jpg

マミラリア・ルエッティ(Mammillaria luethyi)。
昨今だいぶ普及したけれど、幻のなかの幻、数々の伝説に包まれてきたサボテンです。
半世紀もまえにメキシコの田舎町のホテルロビーでコーヒーの缶に植わっているのをある専門家が見つけたものの、
出所がわからないうちにその株は枯れてしまう。その後、90年代に入って再発見された後も、
原産地で撮られた数葉の写真がその珍奇な姿を知らせるだけで、自生地も公開されていない、究極の稀種。
どうどう?凄そうでしょ。マニア心くすぐるでしょ?最近じゃどこでも売ってるけどね。

だけど、こうしていま向き合ってみると、珍しさだけじゃなくて、シンプルにとても素晴らしい植物だと思います。
おそらくすべてのマミラリア、いやすべてのサボテン、いやいや全世界の植物のなかでも、もっとも鑑賞価値に
優れたものの一つだと。

これ、ヒトの改良の手が加わっていない、野の花だからね。
植物好きなら誰でも好きになっちゃうくらい可愛くてキレイでしょ。刺もなくて痛くないし!栽培難しくないし!
ということで写真をさらに追加追加。


mamlfl5S.jpg

mamlfl1S.jpg

毎年、この花を見るたび、完成度の高さに圧倒される。
紫がかった桃色の花弁は底部が純白で、そこに鮮黄色の雌しべがとっても映える。
ちょっとクロッカスみたいな雰囲気で、小さな植物体が見えないくらい群開する。
じっさい自生地でも、球根植物のように植物本体はほとんど地中に埋没させて暮らしていて、
花どきじゃないと見つけられないんじゃないかと。

球体も、マミラリアとは言うものの、他の種とはかなり異なった姿で、珍奇そのもの。
小型サボテンの常で、大きな塊根があり、それがこれだけたくさんの大輪花を咲かせる力の源。
栽培では根っこを太らせてやることが大事かと。


mamlfl2S.jpg

うちの個体は、ずいぶん前に接ぎ木で入手した苗をバラしたものだけど、既におっきい塊根が出来てます。
たくさん咲いても、同一クローンなので、残念ながら種がとれまへん・・・。
ときおり、種が海外業者で売りに出されるので、蒔いたことがありますが、発芽せず。
このサボテンを実生でいっぱい育ててる、ってヒトがいたら是非とも教えて下さい。
それこそ花変異とか、いろいろ出てきたら面白いなーって思うんだけど。


さて、週末はなんとか晴れてくれますように・・・。
じゃないと、植え替えに種まきに・・・作業が追いつかないんだよう><。




コメント

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綺麗な花ですね。

「日々の泡」のguritogureです。

早速書かせていただきました。うちの羅星丸と違い渋い感じがします。産地が違うと随分違いますね。シンチアの花とってもかわいらしく僕も欲しくなります。サボテンの花が咲くと日ごろの世話のご褒美のように感じ、栽培意欲いや物欲がわきます。早く家のサボたちも花がたくさん咲くようになって欲しいです。その前にからさないように技術を身につけなければ・・・

>グリトグレさん。
早速のコメント、ありがとうございます。
花が咲くのは嬉しいものですよね。まだ中学生のころ、自分で種をまいた、たしかカブトだったと思いますが、はじめて開花したときの不思議な感覚、いまも覚えています。大げさにいうと、神さまの領域が垣間見えたような・・・。
こちらのブログに「日々の泡」、リンクさせて戴きました。当方のも繋いで戴ければ幸せです。

ワインガルチアがレブチアに統合されたんですか。初耳です。
ルエッティ、塊根が出来るんですか。芋好きにとっては聞き逃せない話題です。また一つ、欲しいものリストに載せなくては。

>quietiiさん
CITESが準拠してる(つまり善し悪しは別として世界標準)のHunt博士(TheNewCactusRexiconの著者)流の分類だと、ワインガルチアもスルコレブチアもシンチアも、みなレブチア属になります。同じような例だと、にロビビアもトリコケレウスもアカントカリキウムもみんなエキノプシス属に入ります。少し前に統合された大エリオシケ(むかしのヒルホやホリド、ネオポル、チレニアなどをひとまとめ)も、最初は違和感ありましたが、もう慣れましたねー。まあ、学名は整理のための概念と割り切ってます。
あーややこしや^ ^。

Shabomaniac!さん。

フムフム?結局は生息地が同じあたりとをひっくるめてと、言うことでしょうか?属名沢山有ると、コレクションしたとき沢山集まった気がして気分が良いです。もっとも、サボテン始めた当初思えば、刺物と綿系の2系統しか無いと思ってました。

>sileriさん
自生地の近いのをまとめた、というよりも、特徴の近い(遺伝的に近い)ものをまとめたら、同じエリアに生えているものばかりになった・・・ということなんでしょうね。で、なにをもって属の境界にするかってのも(大きくまとめるか細かく分けるか)単に捉え方の違いでしかないように思えます。サボテンたちにしてみりゃ、知ったこっちゃない。
でも、分類ってのはじつに奥のフカイ学問で、なんというか禅問答の愉快に似てます。自生地を歩きまわり、同じコロニー内の甚だしい個体差や種間交雑種のカオスを目の当たりにすると、空間時間の広がりのなかで、種とはそもそも何なのか?さえわからなくなって・・・。ロビやレブチアなんて個体差雑種のカオスそのもので実に面白いですよ。



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