春ほころぶ。

やっとこさ、関東でも春らしい日よりになりました。
ともかく、やたら手強くて粘り腰の冬将軍で、去ったと思ったらまた舞い戻り、の繰り返し。
いま温室の日溜まりで花ほころばせているサボテンたちも、ひときわ嬉しげに見えます。

去年は、春のこの時期に地震があり、花どころではありませんでした。
以下順不同、咲いた花から先着順で写真を並べてみます。待ちこがれた春の到来を噛みしめつつ・・・。



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                 Echinomastus dasyacantus=Sclerocactus intertextus SB357 El Paso TX


春と言えば花。花といえば、桜。
こちらはサボテンの桜丸(Echinomastus dasyacantus=Sclerocactus intertextus SB357 El Paso TX)。
誰がつけた和名か、でもこのサボテンのほんのり桜色の花は、染井吉野よりはだいぶ早く咲きます。
例年3月上旬には開花するのですが、今年は10日ほど遅れての開花。桜前線のほうも北上が遅れ気味ですね。
濃い桃色の柱頭がアクセントですが、これは産地や個体によって違う。刺のあばれ具合にもバラエティがあり、
好みが別れるところです。ことしは同じ産地の個体が一緒に咲いたので、種もとれそうです。



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                 Echinocereus davisii KY96132 Brewster TX


エキノケレウス・ダビシー(Echinocereus davisii KY96132 Brewster TX)。
やはり早咲きのサボテンで、美花揃いの蝦サボテンのなかでトップを飾ります。
広く分布する青花蝦の仲間ですが、この種はテキサスの極く狭いエリアの石英平原に限って分布しています。
自生地はエスコバリア・ミニマ(Escobaria minima)と同じ場所で、コケに埋もれるように生えている。
この株は実生から15年あまりを経て大群生になりましたが、それでも3寸鉢に収まるくらいです。
小さくて地味な植物ですが、ぐっと目を近づけてみると黒白ツートンのツンツンした刺には自己主張があって、
光沢のある黄緑色の花には強烈な芳香・・・アメリカのキャンディーみたいな、ちょっとケミカルで甘い匂いがします。



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                 Mammillaria senilis SB497 Topia,Durango,Mexico


月宮殿(Mammillaria senilis SB497 Topia,Durango,Mexico)。
昔読んだ右田重雄さんのサボテン本には、サボテン界最高峰の貴品で栽培は極めて困難・・・と書いてありました。
その際立った特徴から、当時はマミロプシス(Mammillopsis)という別属に分類されていましたね。
純白のガラス刺に覆われた姿や、真紅のラッパのような花は、他のサボテンにはない高貴さを醸し出していて、
近づき難い憧憬の念を抱いたものです。しかし実際に種から育ててみると、蒸し暑さに弱く腐りやすい傾向があるものの、
それほど栽培の難しいサボテンではありません。であるならば、これを育て咲かせてみない手はないでしょう。
最近では、同じくハチドリを授粉者とする幡紫竜、竜珠など旧コケミエア(Cochemiea)属に近いものとされています。
もうひとつ、それが和名の由来なのかも知れませんが、この種はサボテンとしては珍しく夜も閉花しません。
月明かりの下、闇に浮かぶ白い刺と真紅の花の美しさ・・・私の写真術では表現出来そうもないですね。



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                 Sclerocactus brevispinus SB1743 Duchesne Co,Ut


そして、我が「難物棚」で今年一番に開花したのはこれ。
スクレロ・ブレビスピナ(Sclerocactus brevispinus SB1743 Duchesne Co,Ut)。3月初頭に満開を迎えました。
グラウカス(S.glaucus)に近い種類ですが、ユタ北部のバッドランドと呼ばれる寒くて暑くて雨降らなくて何も育たない・・・
絶望的に荒涼とした地に生えています。野生株はもっとペタンコで踏みつぶされたような姿で地面に這いつくばっている。
生まれながらに挫折することを運命づけられているようなところが、たまらなくカッコいいサボテンです。
産地の風景、生えている様子など月想曲(S.mesase-verdae)にも通じます。スクレロ中もっとも稀少な種類。
例年だとこの類で最初に咲くのは白虹(S.whipplei)やウインクレリ(Pediocactus winkleri)などですが、
今年はなぜかこれが一番に咲いた。咲いていたのはまだ寒波のさなかだったけど、その程度どうってことないんでしょう。



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                 Sclerocactus 'busekii' SB1086 Coconino Co,AZIMG_1297S.jpg
                 Pediocactus bradyi ssp.despainii SB1014 Emory Co. UT.
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                 Pediocactus simspsonii KY0214 Sevier Co,UT


ほかにも、日に日に蕾を膨らませているサボテンたちが沢山あります。
うちの温室の主役たち、難物サボテンは、これから5月いっぱいが短い開花・成長期。
大半がいま、ぱんぱんに吸水して、鮮やかな新刺を伸ばし、開花の秒読み態勢に入っています。
春本番、もうすぐそこですね。



テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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Spring has arrived.

Shabomaniac!さん、こんばんは。
蕾を上げ開花していく植物の姿を見ていると、ほんとうに気持ちが、
・・・いいですよね。そんな至福の時を春は、もって来てくれるんです。
なんといってもこの時期に開花する植物は、私たちの心を揺り動かします!
桜はもちろんですが、雑木林のクヌギやナラの花も、地味ですが
なかなか良いものです。
Sclero.intertextus, Echinocereus davisii  どちらもいい花ですね。
Southern Texas の至宝といったところですね。

Sclero.&Pediocactus の開花を待つ蕾の立ち上がりには
本当に心躍るという感じ、 しますよね。
冬が厳しいところに育っていますから!

花が綺麗です

こんにちは、いつもお世話になります。

関西でも、ここ数日の暖かさで、温室のサボテンも百花繚乱という
感じになってきました。遅れているのは紅鷹ぐらいです。写真を撮
ったり、交配をしたりで、温室に入る回数が多くなっています。

早春に新刺を眺めるのも生命の息吹きを感じて好いものですが、や
はり花は一番で、咲いてくれると嬉しくなります。実生の初開花は
感動ものです。

スクレロ・ブレビスピナは、淡い花色といい、八重の可愛い花びら
といい、上品なサボテンですね。
今日、輸入球の月華玉二本が開花したので交配しました。

どれも瑞々しくて輝いていますね!

月明かりの下の月宮殿、どうやったらそれらしく撮れるでしょうか?
ちょっと夢想してみようと思います。

でも、肝心の月宮殿が手元にありません(w)。
夜咲きのプシスで試してみましょう。

家にも月宮殿あるのですがいつも花芽は付き始めるもののその後大きくならずいまだ数年開花まで至っていません。なにかコツはありますか?たくさん大小ならんでいるのも真っ赤な花できれいですね。

遥かなる地より

とげ色と花色とも美しい桜丸、月宮殿、そして青磁肌に桜色の花の扁平brevispinus・・・私より遥かなキャリアを感じます。
参りました。
何とか開花はするのですが、難物の初心者の私には古いとげ色の維持はとても難しく感じます。
そのあたりのコツをこれからもShabomaniac!さんから学んでいきたいと思います。今後ともよろしく。

春爛漫

春の日差しを浴びて喜んでいる植物たち、羨ましいです。此方は前代未聞の猛吹雪の朝を迎えました。春とは名ばかり。今年は異常気象で愚痴が多くなりました。情熱だけではどうにもならない自然現象。

♪はーるよこい はーやくこい♪

>エキノケレウス・ダビシー
>コケに埋もれるように生えている

・・・ということは。
日陰でジメジメ?なところですか?(’’?)

今更話ですが、いつも詳しくいろいろ書いてあって、、、。
あの~。。。頭に全部入ってるんですか?
好きだと覚えられちゃうもんなのでしょうか。
すごいです~(^^)

うーん。私は好きだけど覚えられないです(^m^;;;


>アメリカのキャンディーみたいな、

海外のお菓子って独特な味しますよね。どうも苦手です・・・。

今晩はー 桜満開です

桜丸綺麗ですね―
いつもShabomaniac!さんの綺麗な写真に見とれてしまいます。

右田重雄著「サボテン園芸」 カラーブックス 保育社 定価280円 昭和47年モノ ですね。
今も机の棚上にあります。

大竜冠、入手大変に困難で「年に何回か動く」って書かれてあり凄く興味ありました。

月宮殿はサボテンを買い始めて間もない頃白いもふもふっとした毛の様な綺麗なサボテンを、
ひとつ欲しいと思って求めたことがあります。でも鉤刺があるとは知りませんでしたが(笑)
その月宮殿ですがサボテンのことをなにも知らないもので雨曝しで駄目にしてしまいました。
それも駄目になっているのに大分気が付かずにいました。
ある日持ち上げたら刺の部分だけ帽子のように取れたのです。
地肌の見えないサボテンは様子が分かりにくかったんだと思います。
今持っていればこんなに綺麗な花も多分見れたのに・・ですね。

今週は、例の爆弾低気圧やらなにやらでやたら忙しく、レスポンス遅くて恐縮です。
きょう1週ぶりに温室を見たら、前にみたとき大きな蕾だったものは、すでに萎れ花になっていました。まあ、これは過酷労働者兼園芸家の宿命ですね。

>Yuccaさん
桜も今週末が満開のようです。家の近くの公園は花見客がたくさん・・・(住宅街なので、幸いにも大騒ぎするひとはいません)。春はいいものですね。種を戴いて去年実生したパルビ、1本だけ発芽して大事に育てていますが、新刺をたくさん伸ばして幸せそうにしています。

>Doremifaさん
やっとコートがいらないくらいの暖かさになりましたね。スクレロ・ペディオ類は比較的早咲きなので、ちょうどいま満開期を迎えています。この時期、週末に是非とも晴れて欲しいと思うのは、ゆっくり花を鑑賞出来るから。月華玉、結実すると良いですね。実生は育ちもゆっくりですが、長く育てて開花に至るとかわいさもひとしおです。

>アイハルさん
ドゥランゴの山の上、疎林のなかの岩に生えている自生写真を見たことがあります。この場所で、人知れず月あかりを浴びているであろう月宮殿の花、鉢植えの向こう側に想像します。アイハルさんならその姿を写真で再現出来そうですね。私など、プシスの白花も、夜の自然光(風の)撮影は難くて苦労します。

>guritogureさん
月宮殿、以外に咲かせにくいです。いぜんスクレロ類と同居のときは咲きませんでした。2月下旬~3月の急激な温度上昇(昼の高温)が必要なようで、またこの時期は水も欲しがります。花が大きくて負担がかかるからか、うちでは6-7cmくらいの大きさにならないと蕾がつきません。ことしは春先、曇天が多かったので、花つきはいまひとつでした。

>masutusさん
スクレロだの、ペディオだの、を本格的に育て始めて、20年くらいになります。いちばん初期の実生苗は、ようやく標本っぽい姿まで育ちましたが、いまだに実生正木での開花に至らぬ種もあります。また、丈高く育つなどうまくいかないものも多々。良い姿に育てやすいと感じるのは、飛鳥斑鳩、ウインクレリ系、スクレロでは月想曲とブレビスピナ、小型タイプのパルビ、といったところです。桜丸などはすぐに立ち上がってしまうので、masutusさん栽培株の方がきっと良い姿だと思います^^;。

>sileriさん
異常は寒さの被害は、こちらでもなお続いていて、なんとか越冬したと思っていた植物が、今さらのように褐変したり、とろけてきたり、落胆をが重ねています。そんななか、健気に花を咲かせ、春を告げてくれるサボテンたちには、御苦労さまと言いたい感じ。せめて夏のほうは、異常な酷暑にならないと良いなぁ、などと願っているところです。

>l-marshさん
ダビシィの自生地、2度訪ねたことがありますが、一日は濃霧、もう一日は雨でした。石英の破片を地面に敷きつめたような場所で、石の隙間にはコケがつまっています。霧が発生しやすく、溜まりやすい地域(地形)のようでした。サボテン類のことは、調べて書くこともありますが、なんだかだいたい頭に入っているようで、ようするに、マニアック(日本語的には偏執狂?)ってことなんでしょうね^^;。

>遍路さん
私のタネ本、ずばりそのとおり、保育社のカラーブックスです。大竜冠の記述も鮮明に憶えています。月宮殿は右田さん指摘のほど難物には感じませんでしたが、大竜冠のほうは実際の成育時期が短くてつかみにくいです。あと、ツルビニ昇竜丸の項に「小指大でも数十年経っている」と書いてあったのも印象的。実際には実生2-3年でそのサイズになったので「なーんだ」と思いましたが、正木で硬く育てたらその後20年経ってもサイズが変わらないので、脱帽しました。

>saeさん
この手の刺の密集したマミなんかは、中身だけ枯れていて帽子みたいになっていること、私もよくあります^^;。この種類は、早春~春はたくさん水をやると喜びますが、梅雨明け~秋口までの暑い時期は、多湿で腐りやすいです。メキシコ産といっても標高の高い所に生えているので、寒さに強く暑さが苦手、という性質なんでしょうね。またいつか、是非育ててみて下さい^^。

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沙漠植物、栽培、探究。

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