Bromelia galaxy

多肉植物なのか。それとも、観葉植物なのか。
そんな区別はリクツとして甚だ愚かしいのだけれど、愛好家のジャンルという意味では、ブロメリアは長いあいだ、
そして今も、じつに微妙な地位にある植物です。

サボテン好きのなかで、ブロメリア(bromeliaceae=パイナップル科)をたくさん集めている、という人は多くない。
よって、このブログを読んで下さる皆さんからは、このネタは面白くないぞ、とスルーされてしまう怖れもあります。
一方で、多肉ファンにとっても、アロエやアガベなどロゼット好きの延長でブロメリアを集める人はいても、
これがメインで、ほかにハオルチアとエケベリアも少々、なんて人はあまりいそうもない。

しかーし。
北はアメリカ合衆国から中米、南米の隅々に至るまで、およそサボテンのあるところにブロメリアあり、といえるほど
自然界では一緒にいる両者。サボの自生地写真に写り込んでいるの、しょっちゅう見かけますよね。
ブロメリアは、サボテンたちの最良のアソシエイトプランツ、というわけなのです。



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という私も、実は最近まで、この仲間をほとんど育てたことがありません。
いわゆるエアプランツと呼ばれるチランジア属(Tillandsia)が大流行する以前から、「多肉本」に脇役的にちょびっと
掲載されていた、ディッキア(Dyckia)、ヘクチア(Hechtia)、プヤ(Puya)といったトゲトゲ美葉の
ブロメリアには惹かれていました。しかし、サボファンやサボ業者ばかりとやりとりしていたので、
あれこれの入手が難しかったのです。

それが、あるきっかけで海外の愛好家さんとやりとりするようになり、拙宅生まれのマイナーサボたちとの取り換えっこで、
去年熱帯圏からわが栽培場にやってきたのが以下の面々です。一年経って、ちょうど形も整い色もあがってきました。
正直、あまり詳しくないので詳細な品種解説をするには至らないのですが、いくつかご紹介したいと思います。



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                    Dyckia marnier-lapostollei IMG_0881S.jpg
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                    D.brevifolia


まずは以前から馴染み深いディッキア2種。マルニエル・ラポストレイ(Dyckia marnier-lapostollei)は、
サボファンにも一時とても人気がありました。私もそのころ持っていましたが、冬に駄目にして、以来久しぶりの対面。
やっぱり大勢を虜にしただけあり、美しい。この株は、昔持っていたものより地肌が濃色で野性的な感じがします。
そして昔懐かしい剣山(D.brevifolia)。35年前の多肉本にも写真入りで出ています。解説文に「パイナップルの
仲間の多肉植物です」と記されていたのが印象深かった。以来、はじめて手元で栽培することになりました。
この個体は、微妙にロゼットが螺旋しているのが素敵。



IMG_0791S.jpg
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                    Dyckia sp.'wide leaf' IMG_0750S.jpg
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                    D.choristaminea


こちら、名札はSP.のみなのですが、上の剣山(D.breviflora)に近い感じの植物です。しかし、葉幅がより広くて、
色づき具合、葉裏のストライプも実に美しい。あまり大きな株ではないのに、とても存在感があります。これなら、
サボテン好きの心も捉えられそう。
もうひとつは逆に思い切り細葉のディッキア、コリスタミネア(D.choristaminea)です。
タイプが色々あるようですが、この個体は小型で葉っぱはとりわけ細く少しカールしています。ちょっとチランジアみたいな
雰囲気もあります。到着したときはかなり乾いていたので心配しましたが、なんの。発根半年で子吹き群生してきました。

最後にもうふたつ。いまのところ一番のお気に入り。



IMG_0801S_20120309183033.jpg
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                    D.platyphylla 'bronze'IMG_0835S.jpg
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                    Dyckia cv.'necked lady'(naked lady)                     


上は、プラティフィラ・ブロンズ(D.platyphylla 'bronze')という名前で到着しました。
より鮮やかな葉色、際立った刺を目指して、platyphyllaとdawsoniiなどをベースに作出された園芸種だと思いますが、
じっさいとても美しい。有名な美種、Brittle Star にも通じる、まるで作り物のような、サボ好きにはたまらない?
痛そうで硬質な葉です。まだ葉数が少ないのですが、もっとロゼットが密になってくると一層見ごたえある姿になりそう。
一方は、まるで痛くないトゲなしのディッキアです。名前は necked lady(naked lady)。そのまんまですね。
encholirioides X brevifolia の交配種だそうです。
鮮やかすぎる若草色の葉っぱは、ビニール製なんじゃないかと思うほど、艶っ艶。温室内で目立つこと目立つこと。
よくみると、葉には細かなストライプが入っていてこれもひと味加えています。一点の傷もなく美しく育てたい種類ですが、
寒がらせて葉先を少しだけ痛めてしまったのが悔やまれます。来年はもっと気をつけてやらんと。



IMG_0708S.jpg



とまあ、今回はいちばんサボテン寄り?の鑑賞価値をもつ、ディッキアの仲間からご紹介しましたが、
熱帯の園芸国からは、ほかにもオルソフィツム(Orthophytum)、エクメア(Aechmea)などカラフルな仲間も届いていて、
他にも、貴重な野生種子からの実生株も育てています。これらはまた次回に。
ブロメリアの星雲には、数多の輝けるロゼットが散りばめられていて、これも果てなき旅になりそうな予感。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

shabomaniac!さま
さすがですね。僕もサボだけでなくブロメリアかなり惹かれます。
昨年デッキアの輸入種子実生にチャレンジしましたがすべて失敗しました。
懲りずに今年もチャレンジします。
どれも素晴らしいですが、特にD.choristaminea気になります。

オルソフィツム(Orthophytum)、
エクメア(Aechmea)などの続編も楽しみにしています。


おはようございます。

私もこの手のブロメリアは興味あります。
もうちょっと小型のものが多かったらいいなと思いますが。

Dyckia sp.'wide leaf'というものですが、
Dyckia platyphyllaのワイドリーフとして出回っているものではないでしょうか?
うちにそっくりなものがあります。これがどうもうまく育てられません。
去年の夏に日焼けさせてしまい、何枚かの葉の一部が陥没してしまいました。
遮光下に移動し植え替えたのですが、以降調子を崩しています。
植替えがよくなかったのかもしれません。
植え替えの際に仔が出てきているのを確認したのですが、ちゃんと生えてくるか不安です。
Deuterocohnia属だけは多肉と全く同じ管理で年中生長を続けており元気です。凄まじく強健です。


そういえば、Encholirium agavoidesが以前から気になっています。流通することはなさそうですが。

ブロメリアもきれいな物がありますよね。集めてないですかうちにもちょびっとだけあります。画像どれも綺麗なんですがのD. choristamineaがめをひきますね。

はじめまして。
ブロメリアが主で、数本だけアロエとハオルチアを育てている者です。
この手のブロメリアが多肉か否かはさて置き、有機物豊富で肥沃な土を好み、乾燥を嫌う植物なので管理面では観葉植物と言えるのではないかと思っています。
しっかり根を張らすことさえできれば丈夫な植物ですね。
根を傷つけると死んだように動かなくなりますが…

写真のD.platyphylla 'bronze'の正体はD.'Keswick'でしょう。
かの'Brittle star'で有名なBill Bakerさんの作出と言われてます。
'Keswick'の今後の成長を楽しみにしています。

知らなかった

ブラジルがチランジアやブロメリアの本場とは知りませんでした。
パラナ州のロンドリーナで沢山見かけ驚きました。

私の知る範囲ですが、京都府立植物園の温室にプロメリアが各種植えられています。
初めて見た時、とてもパイナップル科とは思いもつきませんでした(w)。
でも、先日再訪したら、パイナップル様の小さな実が着いているものも確かに居ました。
私の見た限り、かなり温暖多湿の環境に置かれていたようで、サボ・多肉との難しそうに思うのですが……。
それにしても、Shabomaniac!さん、守備範囲が広すぎです(驚)。

ブロメリアの仲間、ツボを押さえれば楽なのですが、いったんこじらせるとご機嫌を取るのが極めてやっかい・・・そんな印象があります。
気に入った環境での育ちは異様に早く、実生苗は一年で3倍以上差がつくこともしばしば。数値化するのは難しいですが、ベストな環境がこれほどハッキリしている植物も珍しいかもしれませんね。

ところで、ブロメリアの仲間がサボテンたちの最良の‘アソシエイトプランツ’ならば、意外なコンパニオンプランツにシダやコケがありますね。イワヒバのなかまの ‘復活草’は菊水や花籠、ゲオヒントニアの自生地にばっちり写ってますし、南米のレブチアやロビビアは岩の隙間にコケと一緒に埋もれていたり、ツルビニの脇にシダがちらほら見えたり・・・。
羊歯、苔の生殖には水が欠かせませんから、そうしたサボには雨季にはそれなりの水分があるのだろうと推測しています。

痛そうなのの方が~好き?で~す!

サボテンとデイッキア、プヤ、ヘクチアは水やりしてもしなくとも寒くとも暑くとも意外と丈夫なのかしらと今年尽く尽く思いました。家では今年チランジアが水やりしなさ過ぎと寒さどちらか定かでないのですが大分痛んでしまいました(´ヘ`;)。チランジアと同じところで冬養生していたプヤ、デイッキア、ヘクチア達はカリカリでもへっちゃらで水やりしたら復活!してくれています。
チランジアって難しいのですね・・・硬くて痛い方が~お世話が楽で去年よりも好き~になりました。硬痛葉!昇格で~す!

shabomaniacさま 、初めまして。
毎日のように眺めながら楽しませて頂いています。
多肉ブロメリアは少し興味がありますが、日照を好むためにあまり栽培していません。でも葉っぱの附属物?の多様性に惹かれながらちらちらと見ています。
ブロメリアは多様な環境に適応しているようですが、そのような中で多湿な環境と乾燥地のものに興味が惹かれます。

>guritogureさん
これらのブロメリアはすべていただき物です。タイの恵まれた環境で育った苗なので、日本に慣れてくれるまで半年あまりかかりました。ヘクチアなど、種から自分で育てているものもありますが、まだまだ星の砂に毛が生えたくらいのチビッコです。この標本をお手本に育てたいところですね。

>Portholeさん
上から三つめのブロメ、ご指摘のように、Dyckia platyphyllaの広葉タイプという印象ですね。葉幅が広いぶん、日焼けし易いようでこの株も発根十分でない真夏に、多少葉焼けしました。十分発根吸水してからは、秋まで日よけなし雨よけなしの屋外で鍛えてみましたがタイに比べると成長速度は遅いようです。

>zilさん
choristaminea、最初チランかと思ったくらいで、ディッキアと名札がついているのが不思議な印象でした。発根してからはこれも丈夫で、乾いたサボテン温室で元気に育ってくれています。ちなみにチランも好きなのですが、遮光なしの乾いた私の温室では、あまりうまく育ってくれません。

>ELさん
はじめまして。コメントありがとうございます。ブロメリア初心者ですが、たしかに発根してからは丈夫で、成長も早い植物だと思いました。D.'Keswick'、検索してみました。いろいろ派生タイプもあり、実にカッコいい植物ですね。葉っぱがたくさん重なった姿になるよう育ててやりたいです。
P.S.リンク張らせていただきました^^。

>cooパパさん
ブラジル旅行、素晴らしいですね。あれだけ広い国に実に色々な植生があり、植物好きにはたまらない
場所です。サボテンでは、ディスコにユーベル、森林サボのいろいろ、もちろんブロメリアも。色々ご覧になったのでしょうか。ブログでのご報告楽しく拝読しています。

>アイハルさん
ブロメリア、雲霧林的な環境で着生生活するものから、サボテンと一緒に土漠に生えるものまで、成育環境は様々なようです。でも、わりと適応範囲は広いようで、ディッキアやヘクチア、プヤなどサボテンと同居させることが出来る種類は案外多いみたいです。ざっくり言うと、刺イタイ系はあうみたいですね。

>noriaさん
私の数少ない経験でも、一度元気に根を張れば丈夫だと思いました(あと、実生苗はナメクジに弱いですね^^;)。イワヒバ類は、サボテン自生地でしばしば見かけますね。一緒に植えたら楽しそうだと日本の園芸店で手に入れたものを寄せ植えしましたが、うまくいかず。乾燥地のものが手に入れば、と思いますが、こればっかりは種が手に入りませんから、難しいです。

>takoyashikiさん
私の経験では、チランがいちばん難しい・・・。毎日霧吹きしてやることが出来ないので、うまく育たないようです。寒さでは、古くからあるネオレゲなど、氷点下5度のハウスで3か月断水で何年も越冬しています。むしろディッキアなどの方が弱いので、写真の株は大事に加温室栽培しています。

>ミヤさん
ご訪問&コメントありがとうございます^^。多湿な環境と乾燥地のもの・・・たしかに極端な環境にある植物は、鑑賞上面白いものが多い気がします。現状サボ多肉中心ゆえ栽培は叶いませんが、湿性植物などにもとても興味があります。園芸植物広場、いつも拝見していますが、なかなか自分がコメントする水準に達していない気がして、リードオンリーになってしまい恐縮です^^;。

こんにちは!
ニクブロメ、集めるまでもなくいつの間にか沢山の種類が集まってしまいました。
ニク界隈にもファンがかなり居ます。
南米物、トリコーム付き、未記載種、興味津々です。
Dy.クリスタミネアは我が家のとタイプ違いの様にみう蹴られます。
我が家のは更に細い葉です。
折見て交換しませんか?

今ヘクチア属の紅葉が最高です。
http://blogs.yahoo.co.jp/rareplantsykt/35377706.html

>YKTさん
コメントありがとうございます。基本、刺おやじなのでサボテンばかり育てていますが、多肉もメセンやイモホネ系、ソテツ類などはいろいろ育てています。ブロメリアは書いたとおりごく初心者なので、ここにあげたくらいの種類しかもっていませんが、ハマリつつあります^^;。YKTさんが持っておられない種類はほとんど我が家にはなさそうですが、ここにアップした植物たちに子ができたら、早速にもお送りします。今後ともよろしくお願いいたします。
プロフィール

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Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

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