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神竜玉(Echinocactus parryi)


 神竜玉(Echinocactus parryi)。数あるカクタスのなかでも、間違いなく名品です。サボテンの中のサボテン、エキノカクタスの6種類しかないうちの1種。でも、王者金鯱や、芸の多様性で人気がある太平丸に綾波、難物の誉れ高い大竜冠の影にかくれて、知らない人は知らない種類かも知れません。栽培は難しくないですが、易しくもない。刺は強いが、太平ほど芸がないし、大竜冠ほどうねらないし、綾波ほど幅広でもない。では何が魅力なのか。




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   Echinocactus parryi  SB59  Samalayuca,Chih 



 目の前に置いて眺めてみるとわかります。これほど端然とした佇まいのカクタスはあまりない。くすんだ肌色の植物体は扁平から球形に育ち、最大で30cmほどになります。稜は高く、概ね13。豪壮な刺は黄~赤褐色で、四方にひろがり鷲の爪のように湾曲します。なんというか、このカクタスにはずっしりとした重量感があるのです。大きさ以上の存在感というか。花も大輪の黄色で花底部が赤く染まる見事なものです。ちょっとアストロフィツムを思わせますね。アストロも、かつてはエキノカクタスでした。




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 写真の株は種を蒔いて20年ほど育てている株で、径14cmくらい。同じとき蒔いた株がもう一本ありますが、どちらも故障なく、毎年春から夏にかけて3つか4つほど新しい刺座を出し、初夏から夏に何度か花も咲かせてくれています。大竜冠に通じる雰囲気があり、自生地の環境も似ていますが、比べるとだいぶ育てやすい。難易度で言うと、太平丸と同じくらいかな。暑さにも寒さにも強いですが、過湿は苦手なようです。春から初夏に数回水をやって、夏は休ませて、秋にまたなんどか水やりをする、というペースで育てています。かつて、ワイルド個体も輸入されていましたが、今でも残っているものがあるんじゃないかと思います。




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 エキノカクタスの各種は、いずれも分布範囲が広く、タイプ差が色々あって蒐集の対象にもなっているのですが、神竜玉は金鯱と並んで自生範囲が狭い稀少種です。自生地はメキシコ・チワワ州のシウダー・フアレス(Ciudad Juárez)に近いサマラユカ(Samalayuca)周辺に限られていて、その範囲は20,000平方キロメートル程度とみられています。自生範囲が狭いために顔違い、タイプ違いはあまり見られません。もちろん、たーくさん種を蒔けば、変わった個体も出てくるかもしれませんが。
 かつて刊行されていた専門「シャボテン」に、清水秀男さんが神竜玉の自生地を訪ねる旅を書いておられて、その植物の美しさに憧れて訪ねようと思ったこともあります。テキサスのエルパソ(El Paso)まで行きましたが、当時ファレスの治安が極端に悪くなっていて、越境を断念しました。いつか、自生地であってみたい憧れのカクタスのひとつです。










テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。
著書「珍奇植物 ビザールプランツと生きる(日本文芸社)」

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