もっと、コノフィツム!

     
最近、日本ではコノフィツムを育てる人が少なくなったんじゃないか、と思うことがあります。
かつては、多肉のど真ん中で、いまのエケベリア、ハオルチアに勝るとも劣らない人気でした。
しかし、インスタグラムなど眺めていても、「#多肉」で圧倒的に数多く出てくるのはエケベリア。
ハオルチアやコーデックスに比べても、コノフィツムはじめ、メセン類をポストする人は少ない様子。
といっても、韓国・中国からのポスト数はかなりあるので、日本では人気を失っているのかな、と。




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               Conophytum pellucidum ssp.pellucidum SB1059 East of Soebatsfontein
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               Conophytum irmae B&H2318 West of Anenousberg
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               Conophytum ectypum ssp. ectypum LAV29584 5km South of Umdaus



その理由を推察すると、ひとつは栽培が簡単ではないということ。秋~春が成長期で、この期間に
じゅうぶんな日照を確保する必要があり、風通しも求めることから、置き場所をかなり選びます。
また、ガーデニング、インテリア的な視点からは、どの植物も小さすぎて、生活空間に飾るのには
あまり適していないこと。環境が悪いとすぐに徒長したり腐るので、展示販売型の業者さんは
敬遠する傾向もあるでしょう。さらに昨今の関東関西の平野部では、夏の暑さがひときわ厳しくなり、
そもそも夏越しが難しくなっています。




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               Conophytum burgeri SH409 Aggeneys
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               Conophytum maughanii PV201 East of Eksteenfontein
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               Conophytum maughanii M1430.411 East of Pofadder



しかし、コノフィツムについて、昭和の時代から日本の栽培家は、世界に先駆けて新種を導入し、
繁殖させる知識と技術を持っていました。有名なブルゲリも、いち早く栽培法を確立して饅頭ほどの
巨大サイズに育てる名人が続々現れました。信州で数多作出された渦巻咲きなどの美花改良種は、
世界にも類を見ません。コノフィツムは、白点の美しい兜や玉扇・万象と並んで、多肉園芸における
「日本のものづくり」の象徴的な存在だったのです。それがいまや、日本で育てられる人がいなくなり、
韓国中国のコレクターのもとにどんどん流出しているのは、なんとなく寂しい気がします。




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               Conophytum obcordellum 'ursprungianum' TS603 Lokenburg
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               Conophytum cubicum NE of ksteenfontein(TL)               



コノフィツムの楽しみ方は、多くの種類や産地ごとの顔違いなどを集めて、コレクションしていくと
いうのがメインになると思います。ただ、ハオルチアのようにタイプの良否で選んでいくというより、
それぞれの趣味家が自分の好みを追求する傾向が強い。しかし、生産業者も時間とコストをかけて
多品種を育てて揃えるのは大変なので、基本はアマチュアの栽培家が自分で種から育てる園芸でした。
著名なハマー氏は、アマチュア出身の研究者兼栽培業者で、彼のような人たちが自生地を訪ね歩き
新種を次々導入しました。英国のアマチュア団体、MSG(メセンスタディグループ)も年に一度、
そうした種子の配布をしていて、これを目当てに会報を購読するのもセオリーでしたね。
米国の種専門業者、メサ・ガーデンが多種多量の種子をラインアップしていて、私にとってはこれが
最大のソースでした。いずれにしても、お金をかけるより、知恵を絞って時間と手間をかけないと
楽しめない園芸なので、ほんとに植物マニアっぽい人たちの世界でもあったと思います。




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ところが、そうした牧歌的なコノフィツムの世界も、じつは大きく様変わりしてきているようです。
先に日本では昨今不人気かも、と書きましたが、先日の某オークションをのぞいてみたところ、
ちょっとビックリするような価格(しかも入札されている)で、かつての市場価格の数十倍くらい。
これはどうやら国外、おもに中国・韓国の趣味家のニーズを反映したもののようで、去年あたりは
粒紋系の一部くらいが異様な高値をつけていたのが、ことしはさらに幅が広がっています。
メサガーデンも今年から園主がかわり、コノフィツムの種子はかつての5倍くらいに高騰しました。




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               Conophytum obcordellum 'ursprungianum stayneri' RR992 North of Ceres



そんな状況ゆえ、コノフィツムは入手難となり、気軽に育てるのはかなり難しくなってしまいました。
サボテン、多肉、ソテツに塊根、熱帯植物・・・長くいろいろな植物とつきあってきましたが、コノフィツムは
鑑賞の面でも、栽培技術の面でも、栽培者に知的な想像力を求める、とても奥行きのある仲間です。
小さくて栽培面積もとらないし、種から増やせるので万金を投じて完成品を集める植物ではありません。
人気が集中する種類は種子も入手難なので、多様な個性のなかから、自分だけのお気に入りを探して
育ててみるのがよいやり方かなと。私も、いま手元にある植物を大事に継代していきたいと思っています。












テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

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