パキポディウム・光堂 Pachypodium namaquanum


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                  Pachypodium namaquanum in full bloom




桜の花よりひと足早く、パキポディウム・光堂(Pachypodium namaquanum)が満開を迎えました。
種から育てて20年ほどの株で、高さは60cm。温室の特等席に巨体を納めています。
去年の12月に蕾を確認してから、かれこれ4か月かかっての開花です。




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                  The buds appeared in December




光堂は、学名のとおり南アフリカのナマクアランドが原産地で、成長期は秋から春(初夏)です。
同じエリアには、リトープス等のメセン類、冬型の塊根植物や球根などが生えています。
グラキリウスなどマダガスカル原産のパキポディウムは完全な夏型ですが、これらとは反対。
光堂が育てにくい、花が咲きにくいと思われているのは、この成長サイクルに理由があります。
夏型コーデックスは休眠期の冬は水を切って休ませますが、光堂にこれはあてはまりません。
一方で、しっかり成長・開花させるためにはマダガスカル原産種以上に冬の温度管理が重要です。




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                 In February, the buds are ready to burst !!




この写真は2月に撮影したものですが、12月よりも蕾がぐっと膨らんでいます。
12月から2月という、日本のいちばん寒い時期に、植物が十分な活性を保てるような環境を
維持することが必要です。光堂は耐寒性そのものが強く、氷点下になっても枯れませんが、
それは枯れないだけで、育つという意味ではありません。凍るような環境では灌水が出来ず、
水を与えなければ元気よく育たないし花も咲きません。
この株は、最低温度6度の加温温室で、陽の良く当たる場所に置き、12~2月も2~3週間に
一度灌水しています。それでも、日照時間が短かったり、寒い日が続いたりする年には、
蕾が落ちてしまうことも。この株が最初の花をつけたのは高さ20cmくらいの時ですが、
その後も毎年咲いているわけではありません。




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                 Just started blooming in March




今回、咲き始めたのは3月の初旬。満開になった今の時点でも葉は青々と茂ったままです。
これが寒さにあたって褐変したり落葉するようだと蕾も落ちることが多い。
秋から春に成長する冬型種は、休眠する夏型種以上に、冬の日照と暖かさ(暑さではない)が
必要なのです。花は黄緑色で、直立させたホタルブクロのような形状。内弁はあずき色。
短い花梗で群がり咲く感じは、ほかのパキポディウムにはない姿ですね。




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                   In full bloom, late March




光堂は、先週から今週にかけて、満開になりました。ぐるっと一周、輪になって咲く感じが、華やかなさを
引き立てます。蕾のなかには途中で萎んでしまったものもありましたが、合計で30輪以上の花が咲きました。
花弁の外側はもけもけしていますが、内側のあずき色に染まった部分には艶があり、精密な印象。
このままずっと眺めていたいくらいでしたが、今年はもう一株、少し小さ目の実生育成株が咲いていたため、
種とりに挑戦することにしました。私のところでは、光堂が二株が同時に咲くことはめったにないのです。




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               Hand pollination with thin line, like whisker of animal or fishing line




花は他のキョウチクトウ科の仲間と同様に独特の構造を持っています。
花弁の奥では雄蕊(付属体)が閉じ合わさったような形になっていて、中の雌蕊は見えない。
授粉は、作業がしやすいように、花弁を切り取りってからはじめます。筆などは使えないので、
細くてある程度の硬さのある糸状のものを中に差し込みます。糸の先に花粉をつけたら、
もう一つの花に同じように差し込んで花粉をつけます。雌蕊は閉じ合わさった雄蕊のさらに奥なので、
切開して露出させる人もいますが、よほどうまくやらないと傷つける恐れがあります。
そのため私はこの状態で糸を差し込んでコチョコチョするだけ。光堂はほかのパキポディウムより
結実しにくいようで、過去には成功していませんが、今回は沢山咲いて、沢山授粉したから・・・。
ちょっと期待しています。




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                   This plant is 20years old, grown from seed.




さて、花が終われば、ほどなく葉が枯れ落ちて、次の成長期までのインターバルに入ります。
春だ、成長期だ、と思ってじゃんじゃん水を与えると、実は休眠期に入るところだったりする訳ですね。
といっても、初夏の頃には新しい葉が現れて再び動き出すので、そのあたりが紛らわしいところ。
コノフィツムのように厳密に秋から春に動くのではなく、初夏に新葉を出すところがポイントです。
落葉したらしばらく水を切って、新葉が出てきたら灌水します。梅雨の長雨にはあてないように
温室内等で休ませ、7月下旬から10月までは屋外に出して、直射日光と風にたっぷりあてます。
それで20年、故障なく育ってきました。


さて、あとは結実を期待するのみです。











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