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アリオカルプス、満開の季節。

     
   
サボテンシーズンの終わりを告げる、アリオカルプス(Ariocarpus 牡丹類)の花。
結構派手な花が咲くのですが、ちょうどいま満開の時期を迎えています。




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かつて牡丹類は、成長が遅すぎるからと実生する人が殆どなく、メキシコ山採りの原産地球一辺倒でしたが、
ワシントン条約で輸入が難しくなって、種から育てる人も増えました。
育ててみると、遅いは遅いが、十年くらい待てば花も咲き始めるし、山木に見劣りしない姿に育つ。
栽培もとくに難しくない。私も20年くらい前から、いろいろ実生してきたものが、あらかた開花サイズに
到達したので、この時期のハウスはなかなか賑やかです。




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                    Ariocarpus Kotschoubeyanus 'kotschoubeyanus'
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                    Ariocarpus kotschoubeyanus 'macdowellii' SB283 Dr.Arroyo,NuevoLeon
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                    Ariocarpus kotschoubeyanus 'albiflorus' Tula,Tamaulipus



なかでも小型で成長がとりわけ遅いのが、黒牡丹・姫牡丹(Ariocarpus kotschoubeyanus)の仲間。
1番上の写真は黒と姫が混在する鉢です。二つがどう違うかと言えば、黒が大柄で、姫は疣も全体のサイズも小さい。
左下の方の数株、疣が大きく濃いピンクの花が黒牡丹(Ariocarpus kotschoubeyanus)。かつて輸入された
株同士で採種、実生育成したもの。本当は産地情報と紐づけして育てたいところですが、昔輸入された株には
産地データなんてついておらず、メキシコのどこから来たものかは不明。同じ写真の中で疣が小さく詰まっているのが
姫牡丹(Ariocarpus kotschoubeyanus 'macdowellii' SB283 Dr.Arroyo,NuevoLeon)で、輸入種子の実生です。
このタイプは花色にばらつきあり。濃いピンク~薄ピンクまでいろいろ出ました。ただ、疣のサイズやピッチは同じ。
おそらく多色花のコロニーと思われます。疣の表面に少しツヤがあるのも特徴で、真ん中の写真も同じタイプです。
いちばん下の写真は、いわゆる白花姫牡丹(A.kotschoubeyanus 'albiflorus' Tula,Tamaulipus)です。
こちらも古い輸入球同士で種をとって実生したもの。おそらく、Tula産と思われ、現在、自生地はゴミ捨て場に
なっていると見てきた人は語っています。この白花姫牡丹も、多色花のコロニーと言われますが、我が家の古い
輸入株からの実生は白花しか出現しません。kotschoubeyanus の仲間は広い範囲に生えていてタイプも様々です。
そもそも、黒とか姫とか人間の勝手な区分けなので、自生地には中間的なコロニーもあるでしょう。なんにしても、
顔違いが多い種は集めて楽しいですね。




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                    Ariocarpus agavoides near Tula,Tamaulipas
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                    Ariocarpus scapharostrus near Rayones, NuevoLeon



こちらは上2枚がアガベ牡丹(Ariocarpus agavoides)、下2枚が竜角牡丹(Ariocarpus scapharostrus)。
アガベという名がつくくらいで、どちらもサボテンらしからぬ姿で、地上部よりも地下のかぶら根の方がごっつい。
自生地ではほとんど地面に埋もれ、石くれに同化、擬態しています。この、ロゼット葉のように見えるものは、実は
葉っぱではなくて、茎節が変化したものですが、園芸的には疣と呼んだり葉と言ったりしていて、その大きさや形に
園芸的な価値を見出す人もいます。この2種は、分布範囲が限られているため、産地によるタイプの違いは大きく
ないのですが、葉幅が広いものとか葉が短いものとか、選抜して楽しむわけですね。
最近は新しいコロニーも見つかっていますが、この株(親株)の導入当時はアガベ牡丹はTamaulipas州のTula近郊、
竜角はNuevoLeon州Rayones近郊しか知られておらず、これらの株の故郷もおそらくそこでしょう。
写真のアガベ牡丹は、実生15年くらい経ったもの。親の輸入球はもともと3本あったものが、いまは1本だけですが、
子孫はたくさん生き残っています。竜角牡丹の方は、3本植えは実生15年もの。1本植えの方は、その親株の1本で、
輸入から20年以上経った山木。この十年くらいは大きさもあまり変わらず、葉が枯れた分あたらしく育つといった風。
何本かある中で、この細くて柔らかなキールの感じが一番気に入っている株。




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                    Ariocarpus retusus 'confusus' SB1426 Marmolejo,NuevoLeon
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                    Ariocarpus trigonus 'elongatus'  CSD45 San Antonio Tamaulipas



最後は比較的大型に育つレツーサ系のアリオカルプス。どちらも輸入種子の実生で、10~15年くらい経っている。
本来牡丹類という名はこの仲間の花牡丹か、玉牡丹あたりの姿につけられたものと思われ、黒牡丹や連山などは
ロゼオカクタス(Roseocactus)という別属でした。で、岩、花、三角など、レツーサ系は白~黄花が定番ですが、
上の2枚は赤花玉牡丹(Ariocarpus retusus 'confusus' SB1426 Marmolejo,NuevoLeon)と呼ばれるタイプで、
はっきりとしたピンクの花を咲かせます。葉っぱに丸みがなく先が尖っているので、かつて赤花三角牡丹という名前で
輸入されたこともありますが、しげしげ見ると、玉牡丹の系統に思えます。ちなみにこのコロニーには白花も
混じって生えているとのことで、我が家で実生したものも、3割くらいは白い花を咲かせています。
下2枚の写真は三角牡丹(Ariocarpus trigonus 'elongatus' CSD45 San Antonio Tamaulipas)。この種の特徴は
濃い緑色の肌と、黄色味がかった白花。わりと葉幅が広く、強く上にカールする感じが男性的な印象のサボテンです。
地味?に見えるからなのか牡丹類の中では冷遇されている印象ですが、もう十年、端整な大株に育ててみたいですね。




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こうした実生苗とともに、うちには四半世紀以上居座っている古い輸入株が何本かあります。「象牙牡丹」とか、
「青磁牡丹」とか「雅牡丹」とか、色々カッコいい園芸名がつけられて、導入されたけれど、肝心の産地情報がない。
ただ、だいたい同じときに2本ずつ買っていたので、子孫は雑種ではないと推定できます。
ここ十年あまり、産地データつきの種子をいろいろ蒔いているのは、同じような顔が出れば、それらの産地が
おおよそ特定できるかなと。そんなところもあります。






テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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