南タイ 植物の旅 (前篇)

今回はサボテン・多肉を離れて、去年タイ南部を旅したときに出会った植物たちの話。
フラワーマーケットの様子は去年書いたのですが、今回は主に野山の草木を紹介したいと思います。
なんだ、違うカテゴリーか、とスルーしないで是非おつきあい下さい。サボテン・多肉好きのマインドにも響く、
素敵な植物が登場します。



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                    Grammatophyllum speciosum



タイでは時おり庭先にこのランが植えられています。これはたまたま通りかかってみつけました。
「世界最大のラン」と言われるグラマトフィルム・スペシオースム(Grammatophyllum speciosum)。
私がみたものは、どれも株径2m程度(それでも十分大きい)でしたが、最大では高さ7-8mに達するとか。
マレー半島~パプアニューギニアの熱帯林に分布する着生ランということなのですが、こんなデカいものが
木にぶら下がっているというのはどんな状況?花はさほど大きくはなく、植物本体に比べるとおとなしいくらい。
このラン、サイズ的に日本では植物園以外での栽培は不可能と思われますので、花をじっくり楽しんできました。



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                    Durio zibethinus



今回は、バンコクからマレー半島を南下する旅でした。季節は8月後半。
現地ではちょうどこいつのシーズンだったらしく、トゲトゲの果実を満載したトラックが街道をぶんぶん
走っておりました。露天でも山積みにされて売っている。サボテン好きとしては、このトゲトゲに萌える。
ドリアン(Durio zibethinus)。キワタ科の高木で、もともとマレー半島の原産ですから、このあたりに
生えていたはずですが、一帯に果樹として植えられています。かつては日本でも果物の王様とか呼ばれて、
千疋屋や高野フルーツで万としていた超高級果実ですが、独特の風味で日本では苦手な人が多い。
どういう味、香りかと言うと、ニンニク+はちみつ+バター。ともかく強烈なのです。



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                    Artocarpus integra



今回、旅をプランしてくれたタイ在住の友人は食べられず。なのに私が好きなので、用意してくれました。
んー、かぐわしい。ちなみに下の写真は、ジャックフルーツの仲間でコパラミツ(Artocarpus integra)。
これもぼわんとした味の果物で、とくに美味しいと思わないが、沖縄で食べる沖縄そばのスープが、いい具合に
気候にマッチするのと同じ感じで、熱帯で食べると悪くない。とかいいつつ、このたびは食べずじまいでした。



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                     Bauhinia sp. N Ranong Thailand



半島をだいぶ下り、ラノン(Ranong)の手前あたりで川沿いに見つけた日本の葛のような植物。
南タイに来たら是非見たい!と思っていたゴールデン・バウヒニア(Bauhinia aureifolia)か?
と色めき立ちました。しかし、友人に尋ねると、バウヒニアはバウヒニアでも、これは別モノとのこと。
たしかにほんのり色づいてはいるけれど、黄金にはほど遠い。自生地はマレーシア国境に近い最南部だと。
残念・・・。



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                  Cryptocoryne albida in shallow river bed



同じ川沿いで、水草マニアに人気のクリプトコリネ・アルヴィダ(Cryptocoryne albida)を見つけました。
サトイモ科の水生植物で、熱帯魚と一緒に水槽で育てている人も多い。これらの愛好家も、東南アジアを
旅して、様々な水生植物、渓流植物の自生地を探索するそうです。ちょうどサボテン・多肉の故郷を私たちが
旅するように。水草園芸は、野生種を楽しむところや、葉姿のディティルにこだわるところなど、サボタニの
世界と通じるところが多々ある気がします。このクリプトも、葉の微妙な色づきや、フリンジの具合など、
視点を近づけて観察すると、なかなか奥が深そうな植物。クリプトコリネはマレー半島には沢山あって、
このあと他の川や、湖沼などでも見ることが出来ました。



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                    Dischidia rafflesiana



熱帯林は着生植物の宝庫でもあります。だから、サボテン探しみたいに地面ばっかり見ていてはダメで、
樹上や梢を見上げながら歩きます。この木の幹にはりついたアケビみたいなツルは、ガガイモ科の着生植物。
その名もアケビモドキ(Dischidia rafflesiana)。サボテン・多肉にどこか通じる鑑賞上の魅力あり。
アケビのような丸々と太った中空の葉と、通常の葉、2種類の葉があり、前者は中にアリが棲みついている
いわゆる「アリ植物」でもあります。ひと枝落としてみたら、中から赤いアリがわらわら出てきて、刺されそうに
なって大変でした。これは栽培したことがありますが、乾燥にも直射にも寒さにも弱いので、なかなか難しい。
水苔かヘゴにくっつけて、温室内の日陰(そんな場所があれば)に吊しておくのが良いでしょう。

そして、旅の前半のハイライトが、この出会い。



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                    Bauhinia aureifolia



あの黄金のバウヒニア(Bauhinia aureifolia)、マメ科のツル性常緑樹です。
街道沿いの、片田舎の民家。庭先から屋根を覆うように巨大なツルが生い茂っているのを見つけました。
すべての葉が黄金色になるわけではなく、着花した枝の先の方につく葉が、キラキラした微毛に覆われ、
ビロードのように輝きます。黄金、と呼ばれていますが、実際は赤銅色、新品の十円玉のような金属光沢です。
遠くから見ても目に飛び込んでくる美しさですが、近くてみると、さらに美しい。



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この葉を数枚持ち帰って、額に入れて壁に飾りました。輝きは失われず端正な葉型とあいまって工芸品のようです。
花も咲いていました。派手ではないですが、黄金の葉たちに包まれるように咲いていると、典雅な趣き。
同じ木に果実もなっており、マメ科らしい、靴べらのようなサヤは、これも黄金のビロードに包まれています。
この黄金の微毛は、葉も果実も、乾燥ではげ落ちることがなく、輝きが持続するため、古の王朝に献上されるなど、
珍重されたと言いますが、学名の記載はわずか30年前。こんな特色ある植物が最近まで見過ごされてきたのなら、
まだまだ、東南アジアの熱帯林には、未知の植物が隠れていそうです。

次回もタイの植物紀行。深南部の密林で、今回の旅の目的でもあった塊茎インパチェンスを探索しました。



テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

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沙漠植物、栽培、探究。

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