刺サボたちの、その後。

サボテンといえばトゲ、トゲといえばサボテン。
そのトゲ美の最たるもの、フェロカクタス(Ferocactus)属を美しく育てるための
格闘の日々について、以前ここに書きました
カギは、強光、炎暑、乾燥。そして夜間の温度低下。これがすべて達成できれば、自生地ばりの色鮮やかで
雄々しい刺姿が再現できる筈ですが、言うは易く行うは難し。

私の栽培場は都内低地の小ガラス室と、同じく関東南部の田舎にしつらえたビニールハウスと、
2カ所あるのですが、どちらも美トゲ栽培には向いてない。ことに後者は、強い日照や風通しの良さに期待したのに、
これが予想に反してぜんぜんダメ。もとが田圃ゆえに、土から上がってくる湿度が甚だしく高くてうまくいきません。



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                  かつての「天蓋フレーム」と、その当時のフェロカクタス


で、刺ものは都会の狭小地に、上のような木造高層フレーム?を構築して何とかこんな程度にはそれらしい刺に
育てていたのですが、その後これが耐震強度の不足で取り壊しになり(このあたり旧エントリーに詳述)、
一から出直しとなったのでした。新たな置き場所は、さんざん迷ったのですが、都内の小ガラス室に移しました。
前に建物があるため、秋~冬は正午前後しか陽が射しませんが、最南面なので春~夏は最も強く陽が当たります。
棚がやや高く、ガラス面に近いところで栽培できるのも長所です。ただ、都内の我が家もかつて沼があった
場所の近くゆえ湿気が多く、また建物が接近しているので風通しもあまりよくありません。



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                    現在の、ガラス小温室のフェロカクタス


こちらがその栽培棚雑感。ごくふつうのガラス温室ですね。
出来る工夫として試みたのが、無遮光ガラスを磨き上げ日照を最大限取り込むこと。さらに天窓開放の設定温度を
引き上げ、40度を超えるまでは閉め切ること(高温を実現するため)。以下、あれから約1年半育ててみた、現状。



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写真の2枚の赤刺金冠竜(Ferocactus Chrysacanthus)は、同じ個体です。
上は高層フレームでの栽培時。下が現在です。蜜の分泌の多い個体で、以前も多少はスス黴びが出ましたが、
いまは刺座がかなり黒く汚れています。鑑賞上許せるギリギリの感じ。この、刺座がカビて黒く汚れるというのが、
関東低地でのフェロカクタス栽培では最大の困難だと思うのですが、これを防ぐには徹底した乾燥と強光高温環境
しかない、と思っています。実はこのカビが出てしまうのは、9-10月の秋の長雨のタイミング。雨による湿度上昇に
加え、私の栽培場では日照時間がガクンと減り、高温が実現出来なくなります。加えてフェロは、結実期の晩夏~
秋に多くの蜜を分布するため、カビが出やすいのです。もう一枚の写真の紫禁城(Ferocactus diguetii)なども、
新刺は美しいですが、少し下に回ってくると、刺座が汚れてきてしまいます。



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一方で、まずまずの状態を維持している個体もあります。
同じ金冠竜でも、上の黄・赤の2株は、蜜の分布量がやや少ないためか、刺座の汚れはさほど酷くなっていない。
刺の出具合も、それほど悪くなっていない。というか、これは元々信州のスゴ刺個体ほどではなかったので
驚くにはあたりませんが、ともかく天蓋→地べたでの、刺落ちは見られません。
下の写真は刈穂・神仙(Ferocactus gracilis)ですが、こちらも刺の強さはまずまず満足の作です。
けれどもよくみると、刺座は少し汚れが増えている。アルコール噴霧なども試みましたが、効果は実感出来ず。
ともあれ、"劣化"をこの程度に留められた最大の理由は閉めきりによる高温維持だと考えています。
夏の最高温度記録は軽~く50度超え。当然、日焼けも続発し、太平丸などはとても置けないことが判明しました。
綾波なんかも、夏の夕方には肌に白いやけどがうかびあがる(翌朝には回復する)。まあ、ギリギリの環境です。



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                 「超高温密閉栽培」・・・扇風機を回しても、日焼けの犠牲者が・・・


温室を閉め切りにして激しい高温環境にする、というのは、その昔「伊丹式高温蒸し作り」として伝えられてきた
やり方に少し近い。これは最近の遮光ビニールハウスでの蒸し作りとは異なり、無遮光の丈の低いフレームで、
無遮光高温環境とし、通常なら確実に焼け死ぬところを、度々のシリンジ加湿でなんとか焼かずに育てる、という
かなりハードで、かつ高い技術が求められる栽培法です。この方法では、刺サボもよく育ったそうです。
ですが、私にはそんなことは時間的にも技量的にも出来っこないので、かわりに強力な扇風機を設置しました。
密閉高温下でも、空気が動くことで植物体表面の温度は多少下げることは出来るというわけです。
しかし、上の日の出丸(Ferocactus latispinus)のような、可哀想な例も出てきます。
回復しないレベルの日焼けを蒙っているのに、それでも刺座にはカビがついてる。
この種は蜜が多いので仕方ないところがありますが、まあ、この環境での限界、といったところかも知れません。



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                   「ポリカ簡易屋外フレーム」の試行


最後に、もうひとつのチャレンジ。
こちらは、関東南部の田舎栽培場です。日照豊富で、スペースにもゆとりがあるので、大きく育つ刺サボテンには
ぴったりの筈ですが、これがなかなかうまくいかない。元々田圃だった場所のためか、土からあがってくる湿度が
甚だしく高いのです。なので、ハウスにおいた刺ものはあっという間にカビだらけになってしまいます。
ロホの綿毛や兜の刺座さえも黒っぽく汚れてしまうくらい。

なので、屋外にこんなスタイルの超簡易、極く通風のよいフレームを置いてみました。拙ブログにも度々、
コメント頂いている、関西のmasutus名人のアイディアで、透明素材はポリカ板を使っています。
いまのところ、通風がよいせいか、刺座のカビはあまり出ない。ただ、写真(右側のサボ)の鯱頭のように、
刺色がかなり褪せてしまうのです。なぜか?どうも結露が激しいためのようです。地理的環境ゆえなのか、
元が田圃だからか、この栽培場では、春秋の夜温がさがる時期には、草木も栽培棚も、雨が降ったのか?と
疑わせるくらい、結露でぐっしょり濡れそぼります。毎朝毎晩、頭上灌水しているような状態ゆえ、
刺色が褪せてしまうのです。ただ、現在は草地の上に網棚をおき、小さなベニヤ板を敷いた上にサボテンを
並べているだけなので、もっと大面積で土からあがる湿気を遮断するなど、改善の余地がありそうです。
今後このあたりの壁を破れれば、刺サボ栽培に新たな活路も拓けそうです。

きょうは久々のお休みだったんですが、雨で花も見られず、水やりもあたわず・・・で、パソコンのなかで
サボテンと戯れていた次第。




テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

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