棚下の住人~コノフィツム栽培考。


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いちねんで最もお陽さまが低い冬至の日を挟んで、前後それぞれ3か月程のあいだ。
この場所は陽光が燦々とそそぐ、なかなか気持ちのいい場所です。
花を咲かせ、脱皮し、結実し、色づいて・・・ちょうどいま、十分に吸水したコノフィツムは、
たっぷりと陽光を浴びながら、体内で新球を育んでいるところでしょう。



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                  Conos living "under the bench"


棚の上には、いわゆる「難物」と呼ばれるサボテンたちが暮らしていますが、彼らが休眠する秋から春までは、
棚下の住人が温室の主役になります。この温室は難物サボテン向けに、一般のサボテンにとっては蒸し暑さが
足りないくらい開放していますが、それでもメセンの栽培環境としては暑い方でしょう。
なので、温室内の最下段、棚下に置くことは暑さ対策としては大変有効ですが、一方で3月半ばから9月上旬くらいまで、
晴れても、曇ってもかわらず日蔭になります。その間は晴れの日でも、雨の日の棚上よりも薄暗いのです。
我が家のコノフィツムの多くが、そんなイレギュラーな環境で一年を過ごしているせいか、一般的に言われる
作りやすい種、作りにくい種の別などが、案外あてはまらないように思います。

たとえば、私にとってもっとも育てやすいと感じられる種がこちら。



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                  Conophytum angelicae ssp.tetragonum M.1410.654 Oemsberg


アンゲリカエ(C.angericae)です。基本種、亜種(ssp.tetragonum)の別を問わず、まずダメになりません。
一般的にはクセがあり扱いにくい種類とされているようですが、我が家では実生も株分けも旺盛に育ち花を咲かせます。
薄くて透明感のある肌にキュービックなボディ。小さな灯し火のような花も実に魅力的で、大切に育てているのは
確かですが、それにしても、休眠から目覚めないこともないし、腐ることもない。茎が伸びてだらしない姿になったりせず、
小山のような密な群生に育ちます。とっても素直です。

ほかにも、うちでは育てやすいと感じるのは、たとえばこんなコノフィツム。



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                  Conophytum ectypum ssp.sulcatum M.1454.82 N SteinkopfIMG_9968S.jpg
Conophytum roodiae ssp.roodiae from left TS/PD759(Hoedberg),M.1450.67(NE Silverfontein),TS728


スルカツム(C. ectypum ssp.sulcatum)は、見たところ肉質も柔らかくて水っぽく、いかにも腐りそうですが、
これが年々立派な多頭立てになっていきます。
ローディアエ(C.roodiae)は「難物コノ」というところに惹かれて集めだしたのですが、たしかに易しいとは
思わないけど、ふつうに気配りしてあげれば、わりと美しく育ってくれます。



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                  Conophytum angelicae ssp.tetragonum M.1410.654 Oemsberg
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                  Conophytum roodiae ssp. roodiae M.1450.67(NE Silverfontein)


これらの種に共通しているところは何か?
まず、いずれも表皮が薄いのです。成育期になれば新球が旧皮をやぶって顔を出し、旧皮は極薄い紙のようになって、
自然に剥がれてゆきます。人工的な皮むきなどもほとんど必要ありません。
もうひとつは、秋の立ち上がりが比較的遅い(生長のスタートが遅い)ことです。この表現が正確でないとすれば、
成育開始時期を遅らせても問題が生じにくい、成長期間が短い種、とも言えるかも知れません。
実際、ローデアエなどはもっと早くから動きたそうではあります。
しかし、陽があたり始める時期が遅い棚下での環境に生長サイクルをあわせてくれている訳でしょう。

反対に難しいと感じるのは・・・



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                  Conophytum globosum RR200 4miles S of Garies                   IMG_9911S.jpg
                  Conophytum francoiseae LAV.25430 Augrabies


一般には栽培容易で入門向けとされる足袋型のコノフィツムなど、やや厚めの皮を持つ種類です。
これらは枯れることこそあまりないのですが、旧皮にしめつけられるように茎が伸びて、群生径10cmを超えた
あたりから、だらしなく倒伏する姿になりがちです。推察出来る理由としては、休眠に入る春先に陽が
当たらなくなるため、旧皮が乾ききるのに長時間を要すること。秋になっても、ゴビゴビにかたまった硬い旧皮が
全体にまとわりついて、新球の顔出しがうまくいかないのです。それに加えて、そもそも棚下ゆえに一年を通じて
光量が不足するため、徒長気味になっていることもあるでしょう。

また、人気種ペルシダム(Conophytum pellucidum)も、うまくいきません。
こちらは必ずしも、皮が厚い訳ではない筈ですが、やはり丈高く育ってしまい、群生すれば型が崩れます。



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                   Conophytum pellucidum ssp. neohallii SH92 Windhoek Farm


これは、うちでのペルシダム開花の様子です。こんな風に旧皮を被ったまま咲きますが、他の方のところでは
開花を迎える前に自然と新球が顔を出すと聞きました。いったい何が違うのか?
実この時期、棚下には日光が十分届いていません。ペルのように秋の動きだしが早い種は、生長初期に日照不足に
陥って徒長気味になるようなのです。同じような理由で、初夏の頃まで生長するリトープス(Litohpus)も、
棚下ではちゃんと育ちません。徒長して煙突状になったり、異常脱皮を繰り返します。
このため、今はリトープスはサボテンと並べて棚上栽培です。ところが、ペルシダムはサボテンと並んで夏場の
直射光に耐えられるほどは強くない。そこが難しいところです。



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                   Conophytum angelicae ssp.tetragonum M.1410.654 Oemsberg



そもそも同じ温室で、春~秋型のサボテンと秋~春型のコノフィツムの二毛作をやろう、ということ自体が虫のいい話。
うまくいけば「奇跡のリンゴ」ならぬ「奇跡のコノフィツム」みたいですが、棚下ナマクアランドの実現を目指しての試行錯誤は
まだまだ続くことになりそうです。





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