Lonely Agave

ようやく満開を迎えました。

以前ご紹介した、我が家のアガベ・エボリスピナ(Agave utahensis ssp.eborispina )。
巨大なアスパラガスに、黄色い鈴を無数に吊り下げたような、不思議な花です。
でも、5月の澄んだ青空に、とっても映えます。
切り落とさずに咲かせてやって良かった、と思います。


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春先に、なんとなく成長点の様子がおかしいな、と気づいてから、ここまでふた月くらい。
その後、花梗はどんどんどんどん伸びて、ついには高さ2mあまり。軽く私の身長を超え、
先端部にはとても手が届きません。いっぱいに伸びきるまでは、蕾は硬く閉じたままでした。


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そしていまは、我が家の前の通りを歩く人が、いったい何?と覗きこむくらい、目立っています。
花をアップで見ると、こんな感じ。


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ほとんど、雄しべと雌しべだけから成るような花です。
展開したばかりの雄しべには、花粉が着いていませんが、数日経つと、触れた指先がまっ黄色に
なるくらい、花粉が充溢しています。これが遠目にも、陽光にキラキラ輝いて美しい。
香りはあまり感じませんが、蜂がけっこう集まってきます。でもおそらく、我が家の周辺に開花中の
エボリスピナが他にあるとは思えないので、彼らも花粉の運び屋さんとしての仕事は果たせないでしょう。


IMG_1913S_20110526141601.jpg


全体としての様子はこんな感じです。我が庭では狭すぎて、全体を画面に納められるほど、
植物と距離をとることが出来ません。よって道路に運び出して撮影したため、なんだか野暮ったい写真に
なってしまいました。縮尺感がつかみにくいですが、アガベ本体のロゼットは、差し渡し40cmほど。
重心が不安定で、長い竿が風になぶられるたびに、株もとまで一緒にグラグラと揺れています。

エボリスピナの花梗は、小型アガヴェとしてはかなり長い部類だそうで、縁結びの虫たちを少しでも
沢山集めようという必死の思いが形になったものと言えそうです。


IMG_2463S.jpg


立派な花を咲かせる一方で、精力を吸い取られた植物本体はみるみるやせ衰え、
下葉から枯れこんできています。花が終わったあと、生き長らえることはないでしょう。
この株は十年くらい前にまとまって入荷した株を購入したもので、幾度か脇芽が出たと思いますが、
見てくれが悪いのでごく小さいうちに掻き取ってしまっています。
今回、花梗があがってきた段階で、これを切断すれば沢山の仔が得られたと思いますが、
なんだか可哀想に思えて、それに開花にあたって子を出すかも知れないという期待もあって、
咲くに任せました。しかし、結果は仔吹き皆無。もちろん花仔の類もありませんでした。
象牙色に厚く縁取られた刺姿が実に風格ある株だったので、これで絶えるのは残念です。


IMG_2434S.jpg


どうやら関東では、まもなく早い梅雨入りを迎えそうです。
エボリスピナの故郷、ネヴァダの灼けた岩山では、長い雨降りの日々など考えることも出来ないでしょう。
あと幾日保つのだろう、という5月の青空の下で、この黄金色に輝く花を眺めていると、
一世一代の大花火を唯ひとり打ち上げて逝く姿に、哀れを感じそうになる瞬間もあります。
でも、余計な感傷はよしてくれ、という声が聞こえて来るような気がしないでもありません。
目の前では、黄金色の花穂が、音もなく風に揺れている。

身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留置ましアガヴェ魂。



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ジャンル : 趣味・実用

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