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楽しみな蕾。

関東も、ようやく本格的に暖かくなって、桜も満開。
桜の美しい近所の公園の風景が毎年と違うのは、花見の酒盛りがほとんどみられないことです。
みな、そぞろ歩きつつ静かに花を眺めています。でも、考えてみれば、終わった後がゴミの山になるような花見は、
そもそも桜の風情に不似合いな気がしないでもない。


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               Echinocactus intertextus ssp. dasyacanthus  (KY0111 Manzano Mt. NM.)

これはソメイヨシノじゃありませんが、サボテンの桜丸(Echinocactus intertextus)。

こんなふうに、温室でも花が絶えない季節になってきました。マミラリアや、エキノマスタスなど、早春咲きの
サボテンたちははや盛りを過ぎて、これからいよいよ、主役のペディオ・スクレロの開花シーズンが始まります。
毎晩、仕事から帰ると、夜更けの温室で膨らんでゆく蕾たちを愛でる日々。
去年このブログでも愚痴りましたが、日中の在宅率は土日を入れても1割未満ですから、これらが誇らしく
花開くときには、立ち会えない可能性がとても高い。なので、晴れの休日に願いをこめて、パチリ、パチリ。


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                Toumeya papyracantha
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               Pediocactus peeblesianus               

まずは、定番の月の童子(Toumeya papyracantha)と飛鳥(Pediocactus peeblesianus)。
これらは花つきがよく、毎年たくさん蕾をつけます。何株もあるから、どれかの開花には立ち会えると思われる。
冬の断水期には可哀想なくらい縮みますが、3月下旬の一度の灌水で体積比で倍くらいに膨らんで、出蕾します。
月の童子の花は儚げな白だけですが、飛鳥の花色は、くすんだ白~ベージュ~黄色までいろいろあって楽しい。

つづいては、


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               Pediocactus bradyi sp.bradyi SB470
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               Sclerocactus parviflorus 'brackii' SB1011

写真上は、ペディオカクタスのブラディ(Pediocactus bradyi ssp.bradyi SB470 Cocomino,Arizona)。
ウインクレリ(ssp.winkrleri)スパイニィ(ssp.despainii)の兄弟種ですが、もっとも稀少な種。
アリゾナ州・グランドキャニオンの上流部、ナバホブリッジ(Navajo Bridge )あたりの断崖のギリギリの際に
生えています。栽培もやや難しく、花つきの良いほかの種と違って気まぐれにしか咲いてくれません。
さて、今年は花が見られるか。

その下は、毎年たくさんの花が咲く彩虹山“ブラッキィ”(Sclerocactus parviflorus 'brackii' SB1011)。
メサガーデン園主のブラック氏の名がついた小型タイプのパルビです。蕾がとても綺麗なので載せました。

そして今年とくに開花が楽しみなのが、つぎのふたつ。


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                Pediocactus simpsonii ssp.nigrispinus FH13
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               Sclerocactus parviflorus ssp.terrae-canyonae KY9707 Torrey,UT

上は月華玉ニグリスピナ(Pediocactus simpsonii ssp.nigrispinus FH13 Jefferson Co.Oregon)。
分布域の広いシンプソニーのなかで、より北方のワシントン州~オレゴン州に分布するタイプ。
もっとも寒冷地に生きるサボテンのひとつです。
刺は黒褐色で基本種より強く、ちょっと天狼を思わせます。大群生した株は、クマのぬいぐるみみたいな感じで
なかなか魅力的です。日本ではもっとも知られておらず、栽培されていない種類のひとつだと思われます。
大型に育つタイプなのに、栽培下では成長がとても遅く、この株は実生から十数年経っています。
今年、はじめて蕾をつけました。この属では珍しい、濃ピンクの花を拝めることを願ってやみません。

もう一枚は、黄緑花のスクレロ彩虹山、テラエキャニョナエです。
Sclerocactus parviflorus ssp.terrae-canyonae KY9707 Torrey,Utah)
こちらも彩虹山としては変わった素敵な花色で、ユタ南西部の限られた地域だけに生えています。
この株は十数年まえに採種、実生育成した株からの国内二世。自生株から数えると孫にあたる株です。
ちなみに数年後たずねたときに、親株のあった場所は住宅地になっていました。
この株、まだ直径6cmくらいと小さいのですが、はじめての蕾をあげてきました。これも楽しみな花。
とても上品で、綺麗なんだよね。

最後は、楽しみといえば楽しみだけど、しごく残念でもある、こんな蕾の出現・・・。


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               Agave uthaensis ssp.eborispina
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                flower spike of above plant

長年栽培の、アガヴェ・エボリスピナ(Agave uthaensis ssp.eborispina)です。

ロゼットの中ほどが伸びあがってきて、最初はやけに長い新葉だな、なんて思いましたが、もう間違いない。
出蕾です。

ご承知のとおり、センチュリープラント(century plant)などと呼ばれるアガヴェ類は生涯にただ一度だけ開花する。
百年に一度は大げさですが、開花を目の当たりにすることはまたとない機会に違いありません。
一方で、このいい具合に風格が備わってきたエボリは、この花を咲かせるとともに寿命が尽きることになります。
ほかのアガヴェはだいたい子吹きするんだけど、この株に限ってはなぜかまったく子が出ない。
エボリスピナの名に違わず、葉縁が象牙白色の豪壮な刺にかこまれる素晴らしいタイプです。
しかし、この春、花を愛でつつ今生の別れと相成ることは必定か。


楽しみな蕾には違いないけれど、眺めるほどに思いは複雑・・・。



テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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