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陽だまりの花。

町を歩く人たちの影法師が日に日に長くなり、夕方も5時といえばすっかり暗くなる季節です。
栽培場の周囲もすっかり枯れ野原。アリオカルプスの花も終わり、ハウスのなかもいたって静か。
そんななかで、メセン類と、冬型多肉・球根類が並んだ一角だけが、わずかに華やいでいます。
小春日和、それらの花たちを陽だまりに並べ、木枯らしよ今は荒ぶなと念じながら、シャッターを
切った数葉です。


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まずは、極く極くありふれた南ア球根、ベルテミア・カペンシス(Velthemia capensis)。
広義のユリ科、ヒアシンスの仲間だったと思います。このクローンは葉っぱがブルーがかっていて、
サンゴ色の花と美しいコントラスト。10月頃、葉っぱが出てきて、春には枯れて球根だけになる。
花どき以外は、意識の外に放置されているのですが、季節がめぐれば健気に咲きます。
同じ扱いで機嫌を損ねて咲かなかったり枯れたりする球根も多いので、とても丈夫な植物ですね。
この個体は、前回エントリーであげたシルバーヒルシードからとりよせた種を蒔いたもので、
10数年経っており、葉っぱにかくれた球根は大きい。でも、うまく育てれば3年くらいで咲くんじゃ
ないでしょうか。駄モノ多肉といわれればその通りですが、この花は好きです。


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とってもジミな、花がなければ哀れにさえ思える草姿ですが、花が咲いてもさらに寂しげで、
それが愛しい。ベンケイソウ科チレコドン属のスカエフェラヌス(Tylecodon schaeferanus)。
多肉植物としては、同じ属に万物想(T.reticulatus)や奇峰錦(T.wallichii)などの銘品が目白押し。
それらを栽培している人は多いかと思いますが、こいつはマイナーでしょうね。
スカエフェラヌスは、それら骨っぽい塊茎種の雰囲気を微かに残しつつ、へなへなと実に頼りない。
ですが、花はこの属では目立つ方で、いつともなく咲いていて、結構長いこと咲いています。
これでも輸入球ですが、枝が折れたり枯れ込んだり、来てから20年くらい経つのにまるで大きくならない。
ひねくれもの好みの多肉植物ではあります。


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赤花、白花、と来たので、こんどは安直に黄色い花。日本の野山の雑草のようですがレッキとした南ア産多肉。
オトンナ・ハリー(Othonna hallii)です。同じオトンナではヘレイ(O.herrei)が有名ですが、別の種。
ググってみましたが、日本語の詳しい記述は出てきませんでしたから、ほとんど看過ごされている植物だと思います。
なにを隠そう、私もメサガーデンのリストで、ヘレイと勘違いしてタネを購入、蒔いて育てたくらいだし。
塊根は小さいし潜ってるしでまるで目立ちませんが、秋になると、へら状の葉をロゼット状に拡げます。
それから、サーモンに添えるケッパーみたいな蕾をポコポコとのばし、小さい子どもが描いたお陽さまみたいな花が咲く。
とっても素朴。この雑草的な、ニガナかオニタビラコみたいな野の花の風情がなにやら懐かしいのです。
底意地の悪い冷気を抱いた11月の風が吹いても、ひょろ長い茎先でしなしなとなぶられるまま。
この感じが実にいいんだな。


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最後はホネ多肉。サルカウロンのパテルソニー(Sarcocaulon patersonii)です。ナミビア原産の本格的な砂漠植物。
花は、日本のフウロソウとそっくりですね。これは長年育てている輸入株で、とても大事にしてます。
樹脂を多く含み「ブッシュマンの蝋燭」という異名があります。よく燃えるんだろうけど、もちろん燃やしたことはない。
成長はとても遅く、秋になると葉をつけ花を咲かせるだけ。というか、実は水をたくさんやれば育つのですが、
茎が細長く徒長して無様になりやすいので、じっとガマンしてもらっています。そんなに寒いところの植物ではないはずですが、
ハウス内よりも屋外の方が好きなように見えます。関東海岸部のわが栽培場では、冬も雨よけだけで屋外放置。
水は成長期も月イチで、あとは夜露だのみ。ナミビアの海岸砂漠原産なので、自生地もそんな環境だと推察されます。


さて、こうして何枚かの写真をとっているうちにも、どんどん陽が傾き、風が冷たくなってくる。
あわてて植物をとりこんで、家にもどってコタツにもぐりこむ。
それでもって、長い夜更けは、例によって、来期実生の種子注文リスト、最終調整です。
やっぱり多肉も捨てがたいなぁ・・・などとまた悩みのタネも増えてますが。





プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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