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花ざかりコノフィツム。

コノフィツム、リトープスといったメセン科の多肉植物ほど、
季節季節でドラスティックな変化を見せてくれる植物はありません。
しかし、私などはその極端さゆえメセンの仲間を栽培することなく、敬遠していました。


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          Conophytum burgeri RR1265

たとえばコノフィツム。サボテンや多くの草花が我が世の春を謳歌する季節になると、瑞々しくカラフルだった
植物体は色褪せ萎びた皮ばかりになってしまいます。どう見ても、鑑賞には向いていない姿・・・
生きてるのか死んでるのか判然としない、萎びた物体を、恭しく鉢に植えこんだまま拝む日々が半年は続くことに。
いくら小さくて場所をとらなくってもそれじゃ経済効率が悪すぎるだろ、こんな地代の高い都会でさ、という具合でした。


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            Conophytum lithopsoides ssp. arturolfago RR964

転機になったのは、同じ様な貧乏性から思いついた「キャスターつき収納可能棚」を温室に置いたこと。
棚はふだんは通路を塞いでいますが、ひとが中に入るとき、または植物を日にあてないで良い時には、スライドさせて
従来の固定棚の下に滑り込ませます。ゆえに高さのある植物はおけません。そこでコノフィツムの登場と
相成った訳ですが、彼らの多くは夏の休眠期にはそのまま棚下でお過ごし戴くことも可能と考えたからでした。


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            Conophytum auriflorum R133

そんなわけで当初私のメセン栽培は、夏場完全日陰の棚下栽培から始まりました。9月くらいになると「棚下棚」を
ズルズル引っぱり出し、水をやります。するとすぐに、瑞々しい新球が姿を見せ、花をつけてくれるという訳です。
キレイな時ばかり顔をあわせていると、良いところばかりが見えてきます。次第にコレクションの数も増えました。
だんだんわかってきたのは、夏場棚下でうまく育つコノフィツムはごく一部だということ。具体的には、
アンゲリカエ(Conophytum angelicae)やスルカツム(C.sulcatum)など、休眠期に旧皮の下ではあまり動かない
仲間はうまく育ちますが、秋の目覚めが早いペルシダム(C. pellucidum)などは徒長してしまいます。
なので、今ではサボテン同居組(一部のコノフィツムとリトープスなど)と夏場棚下組にわけて栽培しています。


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            Conophytum pellucidum ssp. neohallii
            
そうやってそれなりの環境を整えて育てるうちに、コノフィツムをキレイに長い間育てることが存外難しいことに
気づかされます。ローディアエ(C.roodiae)やルゴサム(C.rugosum )など「難物」といわれる種があったり、
易しいとされるペルシダムなどでも一頭一頭を美しく育てつつ年々分頭する群生株を姿よく保つのはなかなか難しい。
ブルゲリ(C.burgeri)やマウガニー(C.maughanii)など透明窓を有する品種は割と育てやすいと思っていましたが、
サボテン棚に同居していたため、今年の猛暑では随分斃れました。
サボテンとは35年つきあって、だいたいの性格はのみこめましたが、メセン類とはまだ10年足らず・・・
まだまだ彼らの心模様はつかみきれていません。


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            Conophytum chrisolum CR1266IMG_0830S.jpg
            Conophytum roodiae ARM1236

一年のこの時分、満開の花を飾り我が世の秋?を謳歌するコノフィツムたち。その晴れ晴れとした姿を
目の当たりにすると、夏場シワシワに縮こまった旧皮の裡側で、この美しい花を咲かせるための支度を怠りなく
整えていた彼らのけなげさに、少しばかり胸を打たれます。
サボテンの裏作扱いにして申し訳なかったな、と思うと同時に、裏作でも何でも、縁が出来たのは幸せだった、と。

花盛りのコノフィツムを前に、無粋なつぶやきでした^^;。




プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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