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月の童子

Shabomaniac!という、同じ名前のホームページを長いことやっているのですが、
まとまった更新が出来ずに放置状態になっていました。
なので、ブログなら、脈絡なく散発的に書けそうという甘いもくろみで、はじめてみる次第・・・。



最初に何を書こうか、と思って、やっぱりこの植物からにしました。
「月の童子」 学名は Toumeya papyracantha


papy-flS.jpg


アメリカ南西部原産の小さなサボテンで、この写真がだいたい×3くらいのサイズです。
枯れ草のような痛くない刺のあいだから、春、溶けちゃいそうな白い花をたくさん咲かせます。
ですが、栽培が難しいと思われていることもあってサボテン屋さんではあまり売られていないし、
地味なので、品評会にも出ません。

私は子どもの頃、サボテン本でこの不思議な名前と姿を知ってから、いつか、会いに行ってやろうと思っていました。
それで、原産地のニューメキシコを訪ねたのが、10年ちょっと前のことです。


papy-belenhabitatS.jpg


ここが、「月の童子」の自生地です。

乾燥しているうえに、冬は氷点下10度以下まで冷え込む地域です。あたりにサボテンらしいものは、
ひとつも見あたりません。いったい、どこにあるんだろう?

教えてくれた人は、この茫漠とした草原に、散らばるように生えていると、言いました。
ただ、この見渡す範囲で数コロニーしかないだろう、とも。
ふつう、サボテンは岩山とか、崖とか、なにかしら探す手がかりのある場所に生えるのですが、
月の童子に限っては、そうではない。

この平原全体に、数個体から十数個体からなるコロニーが、いくつか散らばっている訳ですが、
東京ドーム10個分の面積を探しても、ない場所にはない、ということになります。
しかも、ありそうな場所、というのも特にない。
探すと言っても、なすすべない。

でもまあこの時は、同行の“先生”が「あのあたり、お探し」と指さしてくれたわけです。


papy2S.jpg


「月の童子」
むかしの人はいい名前つけます。

草丈20cmくらいの草原を、落としたコンタクトでも探すような感じで長い間歩き回って、
やっと出会えました。

ちょっと逆光で神々しい感じを演出して撮ってみました。
大きく見えますが、直径1cmくらいしかありません。雨の恵みのあとだったらしく、瑞々しく膨らんでいます。



papy1S.jpg


実際には、こんな感じで生えているわけです。枯れ草みたいな刺は、枯れ草に紛れるためのもので、というか、
枯れ草そのものにしか見えません。
しかも、必ずこうしたイネ科の草本の根方に生えてます。
よーく、よーく目を凝らさないと、というか、目を凝らしても判別できません。教えてもらわないと。
枯れ草と、月の童子の刺の区別がつきますか?

私の指がつまんでいるのは、果実です。このなかに、黒くてツヤツヤした丸い種子が詰まっています。


papy-cultjpgS.jpg

これは私のところの栽培株です。

種を蒔いてから10年ちょっと経っていますが、最初の5年くらいからあとは、大きさあまり変わりません。
なので植え替えもしていません。
冬場は、こんなふうに球体が縮んで刺が密になり、枯れ草っぽさが倍増します。
それがなんともいえず、良い味です。触っても痛くなくて、モシャモシャした感じ。

このサボテンは接ぎ木すると、間延びして雰囲気が台無しになります。成長期は3-5月のみ、と割り切って、
その期間も水は乾いたらやる程度で、あとの9か月は水をやらずに寝かせておけば、そう簡単には枯れません。
寒さにはやたら強いので、雨よけのあるベランダでも通年育てられると思います。


テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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