ピグマエオケレウス・ビーブリー Pygmaeocereus bieblii


このサボテンは夜、花ひらく。
端然とした植物の佇まいと、闇夜に朧に浮かぶ白い花には、幽玄な趣があります。




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               Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru



ピグマエオケレウス・ビーブリー。
(Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru)
2006年に正式記載された、まだ新種の部類ですが、南米の小型サボテンのなかで
もっとも鑑賞価値の高いものの一つでしょう。トリコケレウスに連なるグループで、
南米の柱サボテン類のなかで、もっとも矮小な形に適応を遂げたものですね。




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               Pygmaeocereus bieblii plants from Karel Knize



さて、こちらは昼間の姿。
象牙色の極く短い刺が球体を飾り、丁寧に編まれた籠のような姿のサボテンです。
北米原産のペディオカクタス飛鳥・斑鳩(Pediocactus peeblesianus)を
思い起こさせますが、実際の自生環境や生態も飛鳥・斑鳩に通じる処があります。
故郷は北米ではなく、南米ペルー中部の高原地帯。乾燥した緩斜面で石くれに
埋もれるように生えており、休眠期には太い塊根で球体を地中に引き込むので、
地上からは見えなくなります。




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上3枚の写真の植物は、10年ほど前にペルーの業者からコピアポアを取り寄せた際に、
「新種で、コピよりずっと価値のある植物があるぞ」、と送ってきたものですが、
当時はまだ種も出回っておらず、開封したときは小躍りするほど嬉しかった。
物好きな人に何万でも出すから分けてくれと言われても断ったくらいです。
球形は3cm足らずの極く小型種で、時には本体の数倍に及ぶ塊根があります。
この株はおそらく山木ですが、仔を吹いたくらいで、当時植えた鉢のまま殆ど
球径は増していません。




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花は夜咲きの大輪。この球体サイズにしては・・・という意味ですが、花首が細く繊細。
じつはこの株は上の輸入株ではなく、その種から育てた2世です。こちらはすでに
直径6cmくらいに育っていて、いわゆるトビ苗。同期の大半は3、4cmで止まってます。
栽培するうえでは、塊根があるので、過湿にならないように多少気をつかっていますが、
飛鳥・斑鳩ほど気難しくないし、暑さ寒さにも強く、育てにくいサボテンではありません。




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魅力はやっぱりこの極短の刺。長さや生え方に微妙な違いがあって、顔違いも楽しめます。
白く短く、星の砂をくっつけたみたいな感じは、ほかのどのサボテンの刺にもない魅力があります。
亜種としてクエハシー(P.bieblii ssp.kuehhasii)がありますが、こちらは球体のサイズが大きく、
刺も荒く、観賞植物としては基本種に分がありそうです(あくまで好みの問題ですが)。
また、ピグマエオケレウスには、このほかにも小型で精密な美しさを感じさせるサボテンが
いくつかあり、あまり知られていませんが、どれも栽培する価値のあるものばかりです。

南米の夜咲小型種としてば、ディスコカクタス・ホルスティ(Discocactus horstii)が
長年、最大の人気を誇ってきましたが、このビーブリーは強力なライバルになりそうです。








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ジャンル : 趣味・実用

ロビビアの5月

   
五月は南米の花サボテン、ロビビア(Lobivia=Echinopsis)の開花シーズン。
にごりのなフルーティな色あいの花がたくさん咲くので、栽培場が一気に華やかになります。




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               Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara 3000m, Arg.




キャンディーのような濃厚なオレンジ色の花。なにか甘酸っぱい感覚を強烈に呼び起こします。
ロビビア・サルテンシス(凄麗丸・Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara3000m,Arg)。
凄麗丸という名前は、そのむかし昭和の花サボテン全盛期に伊藤芳夫さんがつけた名前っぽい響きです。
球体はやや小ぶりで、根は太い。ただし質が脆いので、地上に出して鑑賞するのには向いていません。
ロビビアの素敵なところは、同時に多数の花が咲くところで、この株も5cmほどの球体は3輪の花に
すっかり覆い隠されてしまいます。




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           Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.




つづいては、濃いイエローの花。どういう名前の種子を蒔いたかというと・・・
ハエマタンサ・ウアルフィネンシス・フェクセリ・・・あー絶対覚えられないし名札にも書ききれない!
原語で書くと(Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.)。
ロビビアは種内での変異が大きく、大きさや刺のつき方など、同じ種と思えないくらい違うものがあります。
それで亜種やフォルマがたくさんできたのですが、そもそも自生地の同じコロニーでも刺や花色がバラバラの
ことも珍しくなく、早い話が種分化の途上ということなのかも知れません。
園芸本位にみれば、美しい花をあれこれ楽しめるので必ずしも悪いことじゃないです。




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                    Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru'




最後は国産の園芸ロビビア、杏花麗丸(Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru')です。
農家の軒先サボテンとして昭和の昔から親しまれている白檀(Lobivia silvestrii)をベースにした
交配作出種と思われます。白檀はむかしはカマエケレウス属(Chamaecerus)として独立していたため、
白檀ベースの交配種はカマエロビビア(Chamaecerus×Lobivia)とも呼ばれています。
上の二種も含めて、ロビビアは高山植物的な気難しさがありますが、カマエロビビアは、白檀の丈夫な
性質を受け継いでいるので、とても育てやすいですね。

きょうは良く晴れて、たくさんの開花にも立ち会えて、いい休日でした。









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れぶっちゃ!その2

    
ギラギラ、猛暑の日々が続いていますね。
そこで、去年に続き、輝くような夏の花サボテンです。実は真夏というより初夏の花なんだけどそこは置いといて。
野草のような風情がかわいらしいですが、これが日本の野原に咲いているところを想像してみてください。
かなり派手で目立つでしょう。北岳の尾根筋とかに生えてたら面白いのなあ。
暑さで頭がやられて、まともな思考が出来ないようなので、あとは花に語ってもらいます。




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                 Rebutia pygmaea 'gavazzi' WR825 Cachacona Bol.




レブチア・ピグマエア・ガヴァジィ(Rebutia pygmaea 'gavazzi' WR825 Cachacona Bol.)。
不思議な色合いの赤花です。色の乗りがふんわりとしていて、そこはかとなく甘い。
レブチアのなかでも、ピグマエアの仲間は実にいろいろなタイプがあり、どれも花色が独特で、
これだけでコレクションが出来るくらいです。この仲間はいくじのない芋虫みたいに、にょろっと
育つものが多いんですが、このタイプは球体も小さく寸づまって、群生していく感じです。




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                 Rebutia senilis ssp.lilacino-rosea DH398 Medina Arg.




レブチア・セニリス・リラキノ-ロゼア(Rebutia senilis ssp.lilacino-rosea DH398 Medina Arg.)
つづいては、めずらしい花色のレブチアです。基本種は翁宝丸という和名があって、古くから栽培されていますが、
いかにもレブチアという感じのオレンジ花。対してこのタイプは、その名のとおり、ライラックピンク。
球体が見えないほど密生した白い刺に、この色が映えます。マミの月宮殿なんかに通じる上品な美しさです。




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                 Rebutia heliosa ssp.cajasensis RH243 Tarija Bol.



レブチア・ヘリオーサ・カジャセンシス(Rebutia heliosa ssp.cajasensis RH243 Tarija Bol.)
へリオーサは、この属のなかでは、最近もっとも人気がある種ではないでしょうか。みっしり密生した痛くない刺と、
花首のながい朱色の花。きれいに群生するし、花がないときも美しいので、持っている人も多いと思います。
カジャセンシスは基本種にくらべると刺がやや少なく、丈が低く育つタイプのようです。花の美しさは文句なし。
サボテンに興味がない人でも、咲いていればかならず目をとめます。レブチアの王様ですね。




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レブチアの種は、海外業者で1袋100円くらいで買えます。よく生えてよく育つので、1袋でじゅうぶん。
ぜひ、どんな花色か妄想しながら、蒔いてみてください。
うまくいけば、2年で咲きますよ。









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