ロビビアの5月

   
五月は南米の花サボテン、ロビビア(Lobivia=Echinopsis)の開花シーズン。
にごりのなフルーティな色あいの花がたくさん咲くので、栽培場が一気に華やかになります。




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               Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara 3000m, Arg.




キャンディーのような濃厚なオレンジ色の花。なにか甘酸っぱい感覚を強烈に呼び起こします。
ロビビア・サルテンシス(凄麗丸・Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara3000m,Arg)。
凄麗丸という名前は、そのむかし昭和の花サボテン全盛期に伊藤芳夫さんがつけた名前っぽい響きです。
球体はやや小ぶりで、根は太い。ただし質が脆いので、地上に出して鑑賞するのには向いていません。
ロビビアの素敵なところは、同時に多数の花が咲くところで、この株も5cmほどの球体は3輪の花に
すっかり覆い隠されてしまいます。




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           Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.




つづいては、濃いイエローの花。どういう名前の種子を蒔いたかというと・・・
ハエマタンサ・ウアルフィネンシス・フェクセリ・・・あー絶対覚えられないし名札にも書ききれない!
原語で書くと(Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.)。
ロビビアは種内での変異が大きく、大きさや刺のつき方など、同じ種と思えないくらい違うものがあります。
それで亜種やフォルマがたくさんできたのですが、そもそも自生地の同じコロニーでも刺や花色がバラバラの
ことも珍しくなく、早い話が種分化の途上ということなのかも知れません。
園芸本位にみれば、美しい花をあれこれ楽しめるので必ずしも悪いことじゃないです。




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                    Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru'




最後は国産の園芸ロビビア、杏花麗丸(Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru')です。
農家の軒先サボテンとして昭和の昔から親しまれている白檀(Lobivia silvestrii)をベースにした
交配作出種と思われます。白檀はむかしはカマエケレウス属(Chamaecerus)として独立していたため、
白檀ベースの交配種はカマエロビビア(Chamaecerus×Lobivia)とも呼ばれています。
上の二種も含めて、ロビビアは高山植物的な気難しさがありますが、カマエロビビアは、白檀の丈夫な
性質を受け継いでいるので、とても育てやすいですね。

きょうは良く晴れて、たくさんの開花にも立ち会えて、いい休日でした。









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れぶっちゃ!その2

    
ギラギラ、猛暑の日々が続いていますね。
そこで、去年に続き、輝くような夏の花サボテンです。実は真夏というより初夏の花なんだけどそこは置いといて。
野草のような風情がかわいらしいですが、これが日本の野原に咲いているところを想像してみてください。
かなり派手で目立つでしょう。北岳の尾根筋とかに生えてたら面白いのなあ。
暑さで頭がやられて、まともな思考が出来ないようなので、あとは花に語ってもらいます。




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                 Rebutia pygmaea 'gavazzi' WR825 Cachacona Bol.




レブチア・ピグマエア・ガヴァジィ(Rebutia pygmaea 'gavazzi' WR825 Cachacona Bol.)。
不思議な色合いの赤花です。色の乗りがふんわりとしていて、そこはかとなく甘い。
レブチアのなかでも、ピグマエアの仲間は実にいろいろなタイプがあり、どれも花色が独特で、
これだけでコレクションが出来るくらいです。この仲間はいくじのない芋虫みたいに、にょろっと
育つものが多いんですが、このタイプは球体も小さく寸づまって、群生していく感じです。




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                 Rebutia senilis ssp.lilacino-rosea DH398 Medina Arg.




レブチア・セニリス・リラキノ-ロゼア(Rebutia senilis ssp.lilacino-rosea DH398 Medina Arg.)
つづいては、めずらしい花色のレブチアです。基本種は翁宝丸という和名があって、古くから栽培されていますが、
いかにもレブチアという感じのオレンジ花。対してこのタイプは、その名のとおり、ライラックピンク。
球体が見えないほど密生した白い刺に、この色が映えます。マミの月宮殿なんかに通じる上品な美しさです。




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                 Rebutia heliosa ssp.cajasensis RH243 Tarija Bol.



レブチア・ヘリオーサ・カジャセンシス(Rebutia heliosa ssp.cajasensis RH243 Tarija Bol.)
へリオーサは、この属のなかでは、最近もっとも人気がある種ではないでしょうか。みっしり密生した痛くない刺と、
花首のながい朱色の花。きれいに群生するし、花がないときも美しいので、持っている人も多いと思います。
カジャセンシスは基本種にくらべると刺がやや少なく、丈が低く育つタイプのようです。花の美しさは文句なし。
サボテンに興味がない人でも、咲いていればかならず目をとめます。レブチアの王様ですね。




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レブチアの種は、海外業者で1袋100円くらいで買えます。よく生えてよく育つので、1袋でじゅうぶん。
ぜひ、どんな花色か妄想しながら、蒔いてみてください。
うまくいけば、2年で咲きますよ。









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名前はまだない。

  
きょうは、あまり知られてない魅力的なサボテンを紹介したいと思います。
まったく痛くないし、丈夫で育てやすいし、なにより姿がいい。
でもまだほとんど日本では育てられていないと思います。和名もついていない。
それがこれ。




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なんの仲間に見えますか?
ルリ兜でも、無刺綾波みたいな、何かの種類の刺なしバージョンでもありません。
自生地でもこのままの姿です。草原の草に埋まって生えているので、刺のない丸出しの姿でも平気という話。




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              Parodia calvescens KVV1035  Rio Grande do Sul, Brazil




パロジア・カルベスケンス(Parodia calvescens N.Gerloff&A.D.Nilson 1994)。
ノトカクタス属がパロジア属に編入される前の名前、ノトカクタス・カルベスケンスと呼ばれることもあります。
艶々の肌、ごく扁平な球体、絶妙な曲線を描く低い稜、毛玉のような刺座。撫でたりさすったりしたくなる触感・・・。
なんとも魅力的なサボテンです。痛くなくて、触って気持ちいいサボテンって、それだけで貴重でしょう。
しかし、インターネットでこの名前を検索してみたところ、日本語では自分のブログくらいしか出てきませんでした。
私は新版のカクタスレキシコンでこの種の写真を見て衝撃を受け、海外から種を探して育てたのです。




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自生地はブラジルのリオ・グランデ・ド・スル州(Rio grande do sul)。五輪がひらかれるリオからは遥か南、
ウルグアイに接するあたりです。ノトカクタスの大半の種や、雪晃などもこのへんに生えています。
自生地は膝丈くらいある草原で、草に埋まるように生えていることもあるようです。

育ててみると、実生の小苗(3-4cmくらい)までは短い刺があります。長ずると、刺は脱落してアレオレが
大きな毛玉のようになってくる。なかには、ギムノ海王丸みたいな短く球体に張りついた刺が残る個体もあり、
それはそれで魅力的です。頂部はふかふかの綿毛に埋めつくされて、ロホホラみたいな印象も受けます。
花はノトカクタスらしい黄花で中央部が赤いため、ちょっと兜を思わせます。この仲間によくあるように
やたら子吹きする性質はないらしく、端整な姿を長く維持できるようです。
個体差があるので顔違いを集めても面白そう。




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ノトカクタスは、花屋さんで売っている青王丸やスミレ丸の仲間です。しかしこの種は、1994年、比較的最近
記載されたものです。新種が好きな日本人ですが、94年といえば既に南米便の輸入株は途絶えていていた頃なので、
日本にも入ってこなかったのでしょう。わざわざ大金をはたいて、ノトカクタスを輸入しようという物好きがいなかったのかも。
分類上さらに細かく見ると、かつてのウィギンシア属・マラコカルプス属(Wigginsia=Malacocarpus)の範疇に
入るものに見えます。え?そんなサボテン知らないって? 地久玉とか、白剣丸とか、昔はそれなりに人気があって、
育てている人も結構いました。扁平で、黄色い花が咲くディスコカクタスみたいなサボテンです。




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カルベスケンス。
学名の意味は「裸出した」ということだそうで、刺のない無防備な球体のことを指し示すものと思われます。
このサボテンは姿が魅力的なだけでなく、長所はとても丈夫で育てやすいこと。なにしろ、ノトカクタスですから。
栽培では、春~秋までたっぷり水を与えて、強すぎない陽射しのもとで育ててやれば、成長も早くて3、4年で
刺のないこの姿に到達します。ブラジル産ですが、寒さにも弱くない。関東なら軒下でも越冬するレベル。
たくさん育ったら、糠漬けにしてもキューリみたいにポリポリ美味しくいただけそうです。
なのになぜ、みんな育ててみないんだ?







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