標高4000メートルから来ました。

    
春から夏にかけて、ロビビアがつぎつぎ咲いています。
私は花の綺麗なサボテンが好きなのですが、園芸改良された花サボテンは
野趣が足りないような気がするので、やはりここでも原種が好きです。

でも、インスタグラムなどではド派手な改良種以外は不人気なので、
コアな愛好家も見てくれているこちらにアップすることにしました。
まずはいかにもアンデスの野草、という雰囲気の一鉢。




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          Lobivia backebergii   R456 La Paz,Bolivia 4000m



ロビビア・バッケベルギー(Lobivia backebergii)。自生地は標高4000m。
あざやかな赤花も大輪ではないところが原種らしい。植物本体も然りです。
不規則に子吹きし、球体を積み上げるみたいな不整形な群生に育っています。
刺は長くて野生的ですが、疎らで、あっちゃこっちゃに向いて伸びています。
アンデスのアルティプラノで寒暑と甚だしい紫外線に堪えて生きる必然の姿。




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            Acanthocalum glaucum HUN515 San Fernando ,Catamarca, Arg.1636m



アカントカリキウム・グラウカム(Acanthocalycium glaucum)は、
ロビビア類屈指の優品です。とにかくコピアポアなみに肌が白い。青い。
濁りのないレモンイエローの花は、スロートが白くて、さらに明るい印象に。
花サボテン好きじゃなくても、育ててみてもらいたい素晴らしい植物です。




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           Lobivia ferox JK480 Challapata-Pazna, 3650m, Bol



ことし、目を惹いたのは、このロビビアの初開花です。
ピンクの花のフェロックス(Lobivia ferox JK 480)。刺は長く天を突き、
フェロックスそのものですが、狂風丸という恐ろしげな和名にはそぐわない
甘い色合いの花。基本白花のフェロックスに、どこかで赤花系のロビの血が
入ったのでしょうか。




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          Lobivia ferox ssp.potosina WR74 Diego-Cuchu, Ingenio Potos



そしてこちらはノーマル白花のフェロックス(Lobivia ferox ssp.potosina)。
ポトジナとよばれる短く太い刺のタイプ。水牛の角のような刺はかなり魅力的。
種をとって、刺のいいのを作ろうと思うのですが(ロビビアで刺改良なんてやろうと
するのは私くらいしかいないでしょうが)、なかなか咲きにくく実現していません。
この型には魔王丸という和名がついています。




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ロビビアは夏の陽射しが似合う陽性のカクタスですが、高地に生えているためか、
栽培はわりと難しい。私の多湿な栽培場では、梅雨や秋雨の時期に表皮が黒カビに
冒されることがあります。また、植えかえを怠るとすぐに調子を崩してしまう。
風通しのよい明るい環境に置いて、毎年鉢土を更新すると元気に育つようです。











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ジャンル : 趣味・実用

ピグマエオケレウス・ビーブリー Pygmaeocereus bieblii


このサボテンは夜、花ひらく。
端然とした植物の佇まいと、闇夜に朧に浮かぶ白い花には、幽玄な趣があります。




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               Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru



ピグマエオケレウス・ビーブリー。
(Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru)
2006年に正式記載された、まだ新種の部類ですが、南米の小型サボテンのなかで
もっとも鑑賞価値の高いものの一つでしょう。トリコケレウスに連なるグループで、
南米の柱サボテン類のなかで、もっとも矮小な形に適応を遂げたものですね。




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               Pygmaeocereus bieblii plants from Karel Knize



さて、こちらは昼間の姿。
象牙色の極く短い刺が球体を飾り、丁寧に編まれた籠のような姿のサボテンです。
北米原産のペディオカクタス飛鳥・斑鳩(Pediocactus peeblesianus)を
思い起こさせますが、実際の自生環境や生態も飛鳥・斑鳩に通じる処があります。
故郷は北米ではなく、南米ペルー中部の高原地帯。乾燥した緩斜面で石くれに
埋もれるように生えており、休眠期には太い塊根で球体を地中に引き込むので、
地上からは見えなくなります。




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上3枚の写真の植物は、10年ほど前にペルーの業者からコピアポアを取り寄せた際に、
「新種で、コピよりずっと価値のある植物があるぞ」、と送ってきたものですが、
当時はまだ種も出回っておらず、開封したときは小躍りするほど嬉しかった。
物好きな人に何万でも出すから分けてくれと言われても断ったくらいです。
球形は3cm足らずの極く小型種で、時には本体の数倍に及ぶ塊根があります。
この株はおそらく山木ですが、仔を吹いたくらいで、当時植えた鉢のまま殆ど
球径は増していません。




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花は夜咲きの大輪。この球体サイズにしては・・・という意味ですが、花首が細く繊細。
じつはこの株は上の輸入株ではなく、その種から育てた2世です。こちらはすでに
直径6cmくらいに育っていて、いわゆるトビ苗。同期の大半は3、4cmで止まってます。
栽培するうえでは、塊根があるので、過湿にならないように多少気をつかっていますが、
飛鳥・斑鳩ほど気難しくないし、暑さ寒さにも強く、育てにくいサボテンではありません。




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魅力はやっぱりこの極短の刺。長さや生え方に微妙な違いがあって、顔違いも楽しめます。
白く短く、星の砂をくっつけたみたいな感じは、ほかのどのサボテンの刺にもない魅力があります。
亜種としてクエハシー(P.bieblii ssp.kuehhasii)がありますが、こちらは球体のサイズが大きく、
刺も荒く、観賞植物としては基本種に分がありそうです(あくまで好みの問題ですが)。
また、ピグマエオケレウスには、このほかにも小型で精密な美しさを感じさせるサボテンが
いくつかあり、あまり知られていませんが、どれも栽培する価値のあるものばかりです。

南米の夜咲小型種としてば、ディスコカクタス・ホルスティ(Discocactus horstii)が
長年、最大の人気を誇ってきましたが、このビーブリーは強力なライバルになりそうです。








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ロビビアの5月

   
五月は南米の花サボテン、ロビビア(Lobivia=Echinopsis)の開花シーズン。
にごりのなフルーティな色あいの花がたくさん咲くので、栽培場が一気に華やかになります。




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               Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara 3000m, Arg.




キャンディーのような濃厚なオレンジ色の花。なにか甘酸っぱい感覚を強烈に呼び起こします。
ロビビア・サルテンシス(凄麗丸・Lobivia saltensis Seccseed1438 Sta Barbara3000m,Arg)。
凄麗丸という名前は、そのむかし昭和の花サボテン全盛期に伊藤芳夫さんがつけた名前っぽい響きです。
球体はやや小ぶりで、根は太い。ただし質が脆いので、地上に出して鑑賞するのには向いていません。
ロビビアの素敵なところは、同時に多数の花が咲くところで、この株も5cmほどの球体は3輪の花に
すっかり覆い隠されてしまいます。




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           Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.




つづいては、濃いイエローの花。どういう名前の種子を蒔いたかというと・・・
ハエマタンサ・ウアルフィネンシス・フェクセリ・・・あー絶対覚えられないし名札にも書ききれない!
原語で書くと(Lobivia haematantha ssp.hualfinensis fa.fechseri WR230 Catamarca 2500m,Arg.)。
ロビビアは種内での変異が大きく、大きさや刺のつき方など、同じ種と思えないくらい違うものがあります。
それで亜種やフォルマがたくさんできたのですが、そもそも自生地の同じコロニーでも刺や花色がバラバラの
ことも珍しくなく、早い話が種分化の途上ということなのかも知れません。
園芸本位にみれば、美しい花をあれこれ楽しめるので必ずしも悪いことじゃないです。




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                    Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru'




最後は国産の園芸ロビビア、杏花麗丸(Lobivia silvestrii cv.'Anzukareimaru')です。
農家の軒先サボテンとして昭和の昔から親しまれている白檀(Lobivia silvestrii)をベースにした
交配作出種と思われます。白檀はむかしはカマエケレウス属(Chamaecerus)として独立していたため、
白檀ベースの交配種はカマエロビビア(Chamaecerus×Lobivia)とも呼ばれています。
上の二種も含めて、ロビビアは高山植物的な気難しさがありますが、カマエロビビアは、白檀の丈夫な
性質を受け継いでいるので、とても育てやすいですね。

きょうは良く晴れて、たくさんの開花にも立ち会えて、いい休日でした。









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