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ロビビアは南米高山難物種か?

 

 例年よりかなり早い梅雨入り。日照が足りなくなるし、温度もあがらずじめじめ。乾燥地の植物たちにとってはあまりありがたくありません。週末、5月に咲くものが多いロビビアの花の写真を慌てて何枚か撮りました。原種のロビを集めたくて、今世紀の初めごろに沢山蒔いたのですが、あまり残っていない。ある意味、難物サボテンとも言えます。




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   Lobivia pentlandii 'hardeniana' R298 Potosi,Bolivia (Syn: Echinopsis pentlandii)



 青玉、または艶槍丸、という名前がついています。Lobivia pentlandii 'hardeniana'(R298 Potosi,Bolivia)。Walter Rausch氏のフィールドナンバーがついているので、比較的古くから栽培されていると思われます。写真の株は、花こそ綺麗に咲きましたが、植物本体の色が黄色っぽくなっています。数年前までは濃い緑色でもっと長い刺が出ていました。5年くらい植え替えていないので、土が古くなって肥料切れを起こしているようです。ロビは代謝が盛んなので、2、3年植え替えないだけで調子が悪くなりますね。この種もそうですが、大きな塊根が育つので、深鉢が必要なのも世話が焼けます。




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   Lobivia saltensis ssp.zapallarensis WR16 (syn.Echinopsosi saltensis)
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   Lobivia arachnacantha ssp.torrecillasensis MC5060 (syn.Echinopsosi arachnacantha)



 赤いロビが2種類咲いています。左側は Lobivia arachnacantha ssp.torrecillasensis(MC5060 Torrecillas, Santa Cruz, Bolivia)。虹光丸、紅光丸などの名前もありますが、アラクナカンサという名前の方が親しまれているかも。右側は Lobivia saltensis ssp.zapallarensis(WR16 Salta,Argentina)。どちらも小型の刺が強くないロビで、おそらく石ころの隙間などに草や地衣類と一緒に埋もれるように生えている類です。こちらも植え替えしていないので、かなりストレスを受けた状態。がんばって咲いてくれたので、植え替えてやらないと。




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   Lobivia jajoiana v.paucicostata R217 (syn.Echinopsosi jajoiana)




 最後はロビでいちばん有名なもののひとつ、紅傘丸ことフフイアナ(ヤヨイアナ)の青肌タイプ(Lobivia jajoiana ssp.paucicostata R217 Jujuy,Argentina)。大輪の花は花底部が黒く染まり、同色の雄蕊とともにとても印象的な花です。基本は赤花ですが、黄色やオレンジ、ピンクのタイプもあり、昭和の花サボテンの大家、伊藤芳夫さんも本種を交配親に多数の美花サボテンを作出しました。栽培にはクセがあり、湿度が高いと芯が止まったり肌が汚れたりしやすく、頻回の植え替えに加え、強い日射と通風が必要です。拗れないように順調に育てないと枯れたり、見苦しい姿になってしまいます。




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 ロビビアの多くは、アンデスの標高3000m以上の岩山や草地に生えていて、強い紫外線といつも風が吹いている環境を好みます。北米高山種と言われる難物サボ、スクレロやペディオよりもずっと高地に生えているわけです。むしっとしたハウスで耐えてくれるのが不思議なくらいで、ちょっとしたはずみで調子を崩しやすい。そして成長が早いので、頻繁に植え替えたりカキ子したり、形を整える作業も必要です。かつての花サボテンブームのときも、伊藤名人が推奨したこともあって、基本は接ぎ木して育てる人が多かった。しかし、本種の魅力は花だけではなく、様々な表情を見せる刺や、太い塊根に支えられ地面に蹲るような草姿そのものにあります。まさに、アンデスの高山植物で、そういう意味では焼き鉢に石くれなどをあしらいつつ、正木で育てたい植物。毎年、花を見るたびに、よししっかりメンテするぞ、と心を入れ替えるのですが…。












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ジャンル : 趣味・実用

ディスコカクタス・ホルスティ (Discocactus horstii)


 ディスコカクタス・ホルスティ(Discocactus horstii HU360)。 
きょう、猛暑の温室で蕾を上げていました。花が素晴らしいのは言うまでもないですが、すっと蕾をあげた姿も実にいい。酢の物にしたら美味しそうです。違うか。




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  Discocactus horstii HU360 

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 ホルスティは1970年代に記載された比較的新しい、といっても半世紀ほど前にデビューしたカクタス。深く刻まれた稜、その稜の背に張りついたごく短い刺。そして艶のある深い色彩の肌。同じディスコカクタス属だけでなく、ほかのどの属、どの種とも似ていない独特の姿です。適度に栽培が難しいこともあって、発見されて以来ずっと高い人気を博し続けています。小さいところも、場所のない都会の栽培家にはうれしいところ。




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 この株は、10年ほどまえに最初のデリバーでもあるユーベルマン氏のナンバーがついた種子を蒔いたもの。もともと成長が遅いですが、私のところでは育て方もあって一層遅くなる。接ぎ木してミカンみたいに膨らませると、精密な魅力が薄まってしまいます。そもそも野生下ではせいぜい径5cmくらいです。
 播種から5~10年を経て開花サイズに達し、頂部に花座を形成し始めると成長は鈍ります。花つきは悪くありませんが、一夜限りの花で、案外見過ごしてしまうことも多い。きょうは温室で蕾をあげていたので、しっかり花をみるために家のなかに持ちかえりました。




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 濁りのない、純白の花。絹のようなテクスチャ。香りも素晴らしい。未熟な柑橘系のトップノートから、ほんのりと甘やかさが立ち上がってきます。サボテンの花の芳香のなかでも格別に上品な香り。月あかりに舞う蛾になった気分…。

 ホルスティの故郷はブラジル東部、ミナスジェライス州(Minas Gerais)のグランモゴル(Grão Mogol)近郊の石英平原です。自生地の写真などを見ると、真っ白な砂を敷き詰めたような場所で、その白砂になかば埋まるように扁平な球体を潜めています。この風景は、すべてのカクタス自生地のなかでもとくに興味深いもので、いつか栽培下でも再現してみたいと思います。ディスコカクタスは寒さに弱いものが多いのですが、ホルスティはそのなかではやや耐寒性がある部類。といっても、冬期の最低温度摂氏20度が保てないなら、ほぼ断水して休眠させるのが安全です。その場合でも5度は保ちたい。




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 あすの朝になれば、夢から覚めたように、白い花はすっかりしおれて跡形もありません。そこがまた良いのです。






















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標高4000メートルから来ました。

    
春から夏にかけて、ロビビアがつぎつぎ咲いています。
私は花の綺麗なサボテンが好きなのですが、園芸改良された花サボテンは
野趣が足りないような気がするので、やはりここでも原種が好きです。

でも、インスタグラムなどではド派手な改良種以外は不人気なので、
コアな愛好家も見てくれているこちらにアップすることにしました。
まずはいかにもアンデスの野草、という雰囲気の一鉢。




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          Lobivia backebergii   R456 La Paz,Bolivia 4000m



ロビビア・バッケベルギー(Lobivia backebergii)。自生地は標高4000m。
あざやかな赤花も大輪ではないところが原種らしい。植物本体も然りです。
不規則に子吹きし、球体を積み上げるみたいな不整形な群生に育っています。
刺は長くて野生的ですが、疎らで、あっちゃこっちゃに向いて伸びています。
アンデスのアルティプラノで寒暑と甚だしい紫外線に堪えて生きる必然の姿。




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            Acanthocalum glaucum HUN515 San Fernando ,Catamarca, Arg.1636m



アカントカリキウム・グラウカム(Acanthocalycium glaucum)は、
ロビビア類屈指の優品です。とにかくコピアポアなみに肌が白い。青い。
濁りのないレモンイエローの花は、スロートが白くて、さらに明るい印象に。
花サボテン好きじゃなくても、育ててみてもらいたい素晴らしい植物です。




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           Lobivia ferox JK480 Challapata-Pazna, 3650m, Bol



ことし、目を惹いたのは、このロビビアの初開花です。
ピンクの花のフェロックス(Lobivia ferox JK 480)。刺は長く天を突き、
フェロックスそのものですが、狂風丸という恐ろしげな和名にはそぐわない
甘い色合いの花。基本白花のフェロックスに、どこかで赤花系のロビの血が
入ったのでしょうか。




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          Lobivia ferox ssp.potosina WR74 Diego-Cuchu, Ingenio Potos



そしてこちらはノーマル白花のフェロックス(Lobivia ferox ssp.potosina)。
ポトジナとよばれる短く太い刺のタイプ。水牛の角のような刺はかなり魅力的。
種をとって、刺のいいのを作ろうと思うのですが(ロビビアで刺改良なんてやろうと
するのは私くらいしかいないでしょうが)、なかなか咲きにくく実現していません。
この型には魔王丸という和名がついています。




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ロビビアは夏の陽射しが似合う陽性のカクタスですが、高地に生えているためか、
栽培はわりと難しい。私の多湿な栽培場では、梅雨や秋雨の時期に表皮が黒カビに
冒されることがあります。また、植えかえを怠るとすぐに調子を崩してしまう。
風通しのよい明るい環境に置いて、毎年鉢土を更新すると元気に育つようです。











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プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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