花咲く温室で

   
3月になると、水やりがはじまって、植え替えも本格化します。悪い虫も元気になるので
薬まきなんかもするし、実生の準備もしなきゃいけない・・・で、時間がぜんぜん足りない!
花もつぎつぎに咲くので写真を撮るのですが、これもけっこう時間がかかる。
でも、サボテンたちの晴れ姿をゆっくり眺めるのは至福のときなので、最優先です。




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               Ancistrocactus brevihamatus SB376 Val Verde Co.Texas




アンシストロ玄武玉(Ancistrocactus brevihamatus SB376 Val Verde Co.Texas)が
咲いていました。抹茶メタリック、とでもいえばいいのか、渋いけれど鋭い色彩の花です。
アンシストロカクタスは、最近は悪名高い難物属スクレロカクタスに編入されているので、
その名で種などが売られていることもあります。本家スクレロほどではないけど、やや難物。
春から初夏の成長期以外に水をやると、軟質のイモ根がすぐ腐ります。なので、同居人は、
同じくスクレロに編入されることもあるエキノマスタスの桜丸です。




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                Echinomastus intertextus   KY0222 El Paso,TX




その桜丸(Echinomastus intertextus KY0222 El Paso,TX)も開花しています。
私にとっては中学生のときに最初に種を蒔いて以来、特別な思い入れのある植物です。
編んだ籠のような緻密な刺。桜色の花にピンクの柱頭。毎春この花に向き合うのが
ソメイヨシノのお花見とおなじくらい、季節の恒例行事になっていて、このブログにも
ほぼ毎年登場してます。この株は自生地で得た種を蒔いたもので、ファインダーの
むこう側にテキサスの荒原を思いうかべたりしながら、かしゃり。




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                Eriosyce clavata  KK100 Islon, La Serena 300m




南米からは、錆びたスチールみたいな、重たくワイルドな風貌のエリオシケ。
これも開花期間のながいサボテンで、真冬からポツポツ咲き始め、少し前に満開となり、
いまが最終盤。エリオシケのなかでも、むかしネオポルテリア(Neoporteria)と
呼ばれていた仲間で、ひとつの花が2週間くらい咲き続けるのがサボテンでは珍しい。
このKK100には、クラバータ(Eriosyce clavata KK100 Islon, La Serena 300m)と
名前がついていますが、昔から暗黒王と呼ばれるタイプとはは肌の感じがかなり違う。
ネオポルには珍しい、まるでコピアポアのような肌合いと刺の植物で、成長も遅い。
いかついボディと透明感のある花がなんとも言えずいい感じです。




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            Mammillaria sanchez-mejoradae Nuevo Leon,Mexico




最後は正反対にふんわりやさしいマミラリアの白い花。
サンチェスメヨラダエ(Mammillaria sanchez-mejoradae Nuevo Leon,Mexico)は、
せいぜい親指くらいのサイズにしかならない小型のマミラリアで、ふんわりフェザーの
ような刺は、痛くないのでついつい触ってしまう。ほんのりピンクの小輪の花は、
けっこう長い期間たくさん咲いてくれますが、花粉をつけてもうちではなかなか
結実しない。稀少種なので、ちゃんと次世代を残したいのですが。
ことしは果実が稔ってくれるかな。







テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

インスタから見えてくる世界。

     

このブログと並行して、インスタグラムをはじめたのが約3か月前。
植物オンリーでほぼ毎日1枚ずつポストしてちょうど100枚になったので、その中から
反響の大きかったものを、何枚かこちらに掲載してみます。
なんだ、インスタのマル再かい、と思われたらその通りなんだけど、再録して並べると見えてくることも。

半分くらいはスマホで撮って出し、残り半分はデジタル一眼で撮影したものですが、
このサイズで正方形に切り出すと、案外違いがわからなかったりします。スマホのカメラは
色彩がきつめに出るので、一眼撮影分は、アプリ上で色の修正を多少行うことでトーンを揃えています。
過去100ポストのうち、もっとも好評だったのがこの一枚です。




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         Conophytum lithopsoides ''kennedyii'' SB631 ♡×1550




最も多くの人が♡マーク(いいね!のしるし)をつけてくれた写真は、開花中のコノフィツムでした。
♡1500というのが絶対値で多いか少ないかは別として、私の投稿では一番好評でした(2016.12/2現在)。
特別な珍種でもないし、巨大群生でもない。ただ、写真が伝える空気感、秋のひやり乾いた空気のなかで咲く、
スマートな花と、鮮やかな緑の肌の対比が、そのとき見た人の肌感覚とマッチしたのかも知れません。
マニアックな人だけが触れる場ではないので、開花中のメセンの写真はどれも好感度が高いようです。
そして、どちらかというと不人気傾向のサボテンのなかで、全体の2位になったのがこれです。




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          Discocactus horstii  HU 360  ♡×1027




夜咲の球形サボテンが一斉に開花している、というのがインパクトがあったのか、夜投稿したのがよかったのか、
わりと大勢の人が気に入ってくれた模様。こうした一斉開花は、ディスコカクタスに限らず、たくさんのサボテンを
育てているとしばしば経験することで、自然の妙を感じますね。ともあれ、サボテンはぜんたいにあまり人気がない。
とくに難物サボテンなどは、写真1枚でストーリーを伝えるのは難しいので、なかなか認知してもらえそうもない。




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          Eriospermum namaquanum  ♡×781




このあと3番目もメセンで、ランキングがメセンばかりになるので飛ばして4番目の謎球根、エリオスペルマム。
この属のアイコンともいえる付属器がない、平凡な葉っぱなのですが、フォルムと色合いが綺麗なのが好まれたよう。
地味なのでスルーされると思ったので意外でした。




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           Lithops terricolor C345A 'Speckled Gold'  ♡×737
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           Conophytum burgeri SH 409  ♡×709            




リト、コノ、とメセンがつづきます。ブルゲリは世界中のだれがみても奇妙でかわいらしい植物なんでしょうね。
タイとか中東とか海外からのコメントもたくさんつきました。純熱帯圏で冬型多肉を育てるのは大変だろうな、と。
インスタのユーザーは平均年齢が若いせいか、サボテンより多肉、なかでもエケベリアが圧倒的人気です。
いわゆる多肉ガーデニングっぽい世界。私はその範囲はカバーできていないので、投稿素材がありませんが。
メセンもまずまずの人気のようですが、特にコノフィツムなどは日本よりも韓国などに熱心な投稿者がいますね。




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           Agave victoriae-reginae variegata  ♡×625
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           Albuca namaquensis  ♡×583               




アガベ笹の雪に、クルクル葉のアルブカ。どちらもわりと普及している植物ですが、色鮮やかだったり、
形がユニークなものは好まれる。どちらもスマホで撮影したものですが、クルクルリーフになかなか
フォーカスがあわなくて苦労しました。そもそもフォーカスリングがついてないからね。
インスタの世界ではアガベやソテツ、ディッキアなどにも熱烈なファン層が存在します。
チランジア人気には驚きませんが、ディッキアが熱いのにはビックリ。私はマイナーだった頃から好きなので、
ちょっと嬉しかった。一方で、テレビに出るほど有名になったハオルチアは、その人気ほどには盛り上がって
いないように思えます。植物の値段も、ファンの年齢層も高いせいでしょうか。
そして、インスタ的ボタニカルライフの極みが、コーデックスです。




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          Othonna herrei (grown from seed) ♡×544
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     Pachypodium densiflorum 'crisped flower form' (grown from seed)  ♡×454




数多くのユーザーが様々な写真をポストしていて、そこには住宅やインテリア、車や食事、アート、ときには
休暇のリゾートでの過ごし方まで、生活風景の断片が写しこまれていたりします。洗練された暮らしの一角を、
エキゾチックな塊茎植物が彩る。そういうライフスタイルを共有する同世代が集っている空間、という感じです。
私の場合、部屋に植物を飾ることもありますが、なにしろ数が多くなってしまったので、大半はビニールハウスに
ビールケース並べてべニア板敷いて・・・てな状況で栽培しているため、インスタ的文脈では「農家さん」という
カテゴリーに入るようです。実際にそう呼ばれることもあり、種から育てるが信条なのでじつに光栄ですが、
ほんとうの農家さんの仕事っぷりも知ってたりするだけに、大変に恐れ多い。
いや、ほんと、都会的な、ただの趣味園芸家です(断言)。コーデックスの写真、殆ど畑で撮ってますけどね^^;。

最後にもう一枚。




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     Sclerocactus spinosior ssp.blainei  RP136 ♡×308 大健闘!




で、私のインスタグラム(instagram)は、↓こちらです。ぜひフォローしてみてください。

 
            shabomaniac_2016


パソコンでも見るだけなら見られるし、好きな種類の植物だけを選んで閲覧することも出来ますが、
おすすめしたいのは、いま世界で、どんな人たちがどんな風に植物たちと向きあっているのか、
暮らしのなかで楽しんでいるのか。スマホ片手に朝、昼、晩、休日、それぞれの人と植物の表情。
季節の移ろい・・・眺めているだけでも楽しいですよ。














テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

梅雨の花見。

              
きょうは梅雨の晴れ間でした。
毎日どんよりとした雲に覆われていて気づかなかったけれど、陽射しはすっかり真夏ですね。
今時分には、毎年デリケートな多肉植物に犠牲が出ます。
すでにプセウドリトス・クビフォルミス(Pseudolithos cubiformis・・・この属でも特に多湿に弱い)、
ムイリア・ホルテンセ(Muiria hortenseae)などが腐りました。水はまるでやっていないのに、
連日の高湿度のため空中で溺死してしまった感じ。難物サボテンの実生苗も、生える先から腐る。
温室にクーラー入れて除湿するわけにもいかず、処置なしです。

そんな季節ですが、花は咲き続けています。やっぱり蒸し暑いところのものが多い。
今回はすこしかわったところで、これなんか。




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                 Heliocereus speciosus ssp.bierianus, Pico Gallo,Mexico



ヘリオケレウス・花大名(Heliocereus speciosus ssp.bierianus, Pico Gallo,Mexico)。
まず育てている人はいないかと思われるマイナー森林サボテン。本来は赤い花が咲くはずなんですが、
このクローンは白花でした。いわゆる夜咲大輪種のように真っ白ですが、正午すぎ満開になり(曇天でしたが)、
夜には萎んでしまったので、夜咲でないことは確か。




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今年が処女花でしたが、とにかく沢山花が着きました。蕾は瑞々しくて、そのまま酢味噌でもつけて
食べてしまいたい風情。香りはほとんど感じられませんでした。花大名は、多くの孔雀サボテンの交配親に
使われていますが、そのものを育てている人は日本ではそう多くないでしょう。海外の業者などに、
たまに色々な産地の種子が出回ることがあり、これもそんなときに蒔いたもの。植物本体はトゲが痛くて、
危険なハンギングポットです。まあ、これくらい見事に咲いてくれるならいいか。




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                    Arrojadoa multiflora Santa Ana, Bahia,Brazil



熱帯ブラジル原産のアロハドア・ムルチカラー(Arrojadoa multiflora Santa Ana, Bahia,Brazil)。
プラスティッキーで特異な花を咲かせるアロハドアのなかでも、傑出した美花種です。
作り物のような質感の花は、黄桃のようなフルーティな色合いで、赤く染まった外弁が鮮やかさを添える。
しかも、その名の通り一か所にまとまってたくさんの花がつくので、なんとも見事です。




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自生地ブラジルでは、絶滅の危機に瀕しているサボテンのひとつですが、そういう傾向に加担するのが好きな日本人も
この種の野生株をかき集めたりはしていないでしょう。花が咲いていないときは毛むくじゃらの鉛筆みたいな姿だしね。
アロハドアはどの種も寒さに弱く、実生したときの兄弟苗は小さいときに冬越し出来ずに消えてしまいましたが、
この個体はキリン団扇に乗っかっていて生きながらえました。寒さに弱いことをのぞけば、栽培そのものは難しくなく、
梅雨どきにもかかわらず、こんな素敵な花束をプレゼントしてくれます。

それにしても、はやく梅雨明けないかな。









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沙漠植物、栽培、探究。

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