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元若手愛好家、群衆に呑まれる。

日曜日、東京・五反田で開かれた国際多肉植物協会(ISIJ)の新年会に出かけてきました。
といっても、昼から別の約束があったので、午前中の1時間ほどの僅かな時間でしたが。
私はこの会の発足当時からのメンバーではあるのですが、例会に顔を出すのは実に5年ぶりくらい。
仕事だ、家族行事だと追われて、残った時間は植物の世話で手一杯…という歳月に、すっかり足が遠く
なっていました。


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               2011 New Year Convention of ISIJ

まず会場についてビックリしたのは、人の多さ。新年会とはいえ想像以上の盛況ぶりです。即売ブースも
昔より随分増えていて、馴染みの業者さんでも、世代交代?が進んでいたり、人波に呑まれながら、
時の流れを感じました。


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               Exhibition and sale of various succulents

会のメンバーも、私がマメに顔を出していた10年あまり昔に比べると、すっかり入れ替わり知らない方が大半。
会長の小林さんはじめ、数人の古参メンバー以外は、誰が誰やら判らず、という状況でした。
なにより、その当時は自分のことを「若手」だと思っていたんですが、今回、20代30代のホンマの若者が
大勢詰めかけていて、圧倒されました・・・。趣味の老熟、古典園芸化がすすむ?サボテン界とは対照的に、
多肉の世界は若い人がどんどん入ってきてるんですね。

かくいう私も、生き物好きの小学生の息子を連れて行きました。
今回出かけてみようと思った理由のひとつは、彼が行きたがったから。実はこのエントリーの写真は、
大半彼が撮影したものなので、クオリティ等の諸問題はなにとぞご勘弁を^^;。


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               variegated Haworthia,Aloe&GasteiaIMG_1707S.jpg
               Haworthia picta 'SAKURAFUBUKI'

会場内で、数も多く目立っていたのがやっぱりハオルチア。人気あるんですね~。
今回は「ユリ科斑入り部門」の特別品評会があったそうで、上の写真はその展示品。
ハオやガステリアの美斑がズラリ。鮮やかな色がさすことで、もともとの透明感が引き立ってとても綺麗です。
このへんはサボ界にも通じる古典園芸的な世界かな。
ちなみに、もう一枚の写真は一般部門の品評会に出ていたハオルチアで、愚息が「葉面の輝きがスバラシイ」と
「1位」に投票したものだそう。だったらもちっと綺麗に写真撮れよ^^;。彼はお年玉で園芸種ハオの
「錦帯橋」買ってました。まあ私にはこの類の鑑定眼はないし、こういうのは確かにウチにはないね。


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               Copiapoa cinerea
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                Aztekium hintonii 'crested'

多肉の会だから仕方ありませんが、サボテンはやはり少数派。即売でも品物は少なめでした。
小林さんに「大盛況ですね」と言ったら、「サボテンやってる人あまりいないけどね」と言われトホホ。
出店ではコピアポアの輸入球が目を惹きました。お値段チョロっと映ってますが、自分で輸入したらたぶん
もっと高くつきます。最近は中国等の新興国市場が拡大過熱し、苗も種も国際的に激しく高騰してますから。
品評会で目立っていたのはこのアズテキウム・ヒントニーの綴化(Aztekium hintonii 'crested')。
稜が極めて多く、素晴らしく姿の良い株でしたが、多肉の会での評価はどうかな?
残念ながら、珍品難物系のサボテン実生苗は売店でも品評会でもほとんど見かけませんでしたね~。


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               various 'Cape bulbs'IMG_1728S.jpg


一方、非サボ領域では、ハオやエケなどといった王道葉多肉はむろん、ユーフォにメセン、塊根塊茎や
ブロメリアなど実に多彩。果ては蘭や食虫植物までと、千差万別の植物たちが一同に会していました。
なかでも目を惹いたのは球根類。これも多肉植物というより、花が綺麗で姿の面白い野草といった趣です。
こういう裾野の広さが、多肉植物園芸の世界を元気にしている気がします。新しいものへと好奇心が外向きに
拡がっていく感じが楽しい。参考出品の「くるくるバルブ軍団」は常に誰かが写真を撮っているという人気ぶり。
即売でもこの類は売れ行きがよさそうで、葉一枚のちっちゃなゲチリスが一鉢5K円もしてました。
くそー、こんなことならむかし沢山蒔いた実生苗を放ったらかしにして枯らすんじゃなかった(涙)。


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               Tecophilaea cyanocrocus               
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               Andorocymbium ciliolatum

個人的には、すっかり普及しましたが、チリ産球根のテコフィラエア(Tecophilaea)の花色違いの展示や、
こちらはまだ珍しい部類?南ア産球根のアンドロシンビウム(Andorocymbium ciliolatum?)の花が印象に残りました。
やっぱり花の綺麗な植物はそれだけで魅力的です。
いま、手持ちの球根は少ないんですが、色々眺めていると、なんとなく危険な欲求が頭を擡げてくるような・・・
これだから、例会はアブナイのだ・・・。しかし幸いにも、理性を破壊するようなやばい球根は既に売り切れ?
結局、多肉植物写真集の第2巻を買って、年会費納めただけで帰りました^^;。


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               Gethyllis sp.
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               Trachyandra sp.


今回、このブログを通じて知り合った方とご挨拶などしたのですが、他にもネットの世界では顔見知り、
という方がきっとおられたかと思います。ホントなら色々お話ししたかったんですが、この日はあまりに時間が
なくて、ちょっと残念でした。


いつのまにか若手からベテラン?の域に入ってしまいましたが、時々は集まりにも顔出さないとね。
今度どこかの会でお目にかかった時は、仲良くしてくやってください。よろしく^^。



信州にて②

先週のつづき、西沢サボテン園の訪問記です。
こちらは信州ならではの刺ものサボテンばかりでなく、コーデクス、塊茎多肉(Caudiciform plant)や、
ソテツ類の品揃えが豊富です。しかも大半、直に輸入しているので、数も揃っています。


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たとえばズラリと並んだヒネ生姜ならぬエビス笑い(Pachypodium brevicaule)。大きな輸入株がこれだけ揃うと
迫力があります。90年代からの20年くらいは輸入株はまず入らなかったのですが、産地マダガスカルの政情変化か?
ここ数年は結構な数が輸入されているようです。
なかで目に付いたのが、写真2枚目の株。お骨のように真っ白で、形もヤマトイモみたいにのっぺりしており、
妖しい魅力あり。店主いわく「特別な個体」とのことですから、お値段もスペシャルでしょう。


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同じくこちら、円盤状の塊茎はウリ科のジゴシキョス属(Zygosicyos)。緑がかった塊茎は扁平で形よく、丈夫で育て易い。
写真下の掌状裂の葉を持つのがトリパルチタス(Z.tripartitus)。もう一種がプベスケンス(Z.pubescens)です。
こちらもマダガスカルからの輸入株と思いますが、こんなに大きいものは滅多になく、迫力あり。
我が家には両方の種類がありますが、後者は20年くらい育てているものです。それだけ丈夫だと言うことですね。


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そして、ソテツです。これも最近になって南アフリカからの輸入がし易くなったため、オニソテツ類(Encephalartos)など、
結構な数が入って来ています。ソテツは売れ行きが良いようで、今回訪問時はストックはそれほどありませんでした。
写真下は大きな塊茎が立派なホリダス(E.horridus)。輸入が増えたせいか、かつて大変高価だった青葉ソテツの雄も
ちょっと値崩れ気味ですが、市場価格の乱高下に関わりなく素晴らしい植物、永遠の名品です。

そして、こんな凄いソテツも見つけました。


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エンセファラルトス・ヒルスタス(E.hirsutus)です!国内の園で見ることがあるとは思いませんでした。
青葉ソテツ、というか全てのエンセのなかで最高峰といっていいでしょう。ユージンマライシー(E.eugene-maraisii)と
雰囲気が似ていますが、より葉の密度が高く、しかも全体にうぶ毛が密生しているため、実物はぐっと量感があります。
輸入直後とあって葉数が少なめでしたが、しっかり仕上がったら最高のソテツになるでしょうね。
・・・なんて褒めちぎりましたが、実は値段を訊ねる勇気もなし^^;。あとでリストをみたら、価格の欄に「高価」、とだけ
書いてありました。おそろしい。でも、売り切れ、あのあと誰かこれを手に入れた人がいるんですねぇ。

さらに屋外の棚にも凄い塊茎が・・・


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上は、パキポディウム・グラキリス(Pachypodium rosulatum ssp.gracilius)の超巨大球。マダガスカルの原野が
目に浮かぶ素晴らしい姿!でも、負け惜しみを言うと、このグラキリスも先のエビス笑いも、種からの育成で野生株に
かなり近い姿に育てられます。ポイントは成長期、温室内に置かないこと。室内では茎が伸び上がってしまう。
野天雨ざらしで育てれば、塊茎太く丈の詰まったワイルド顔負けの株に育ちます。
これについてはいつか書こうと思いますが、西沢園さんもちゃんと屋外に置いてますね^^。
そして写真下は、ちょっと珍しい塊茎でマダガスカル産のマメ科塊茎、デロニクス・プミラ(Delonix pumila)。
赤い幹肌と太鼓のような緑葉が素敵です。うちにも実生した苗がありますが、太さはまだ親指くらいです。

なんや、眺めてばっかでなんも買わんかったんかい、おまいさんただの冷やかしかい、って言われそうなので、
最後は、私がえいやと買ってしまった苗をご紹介。ジミーな植物ですが・・・。


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まずは、ユーフォルビアのプリムリフォリア(Euphorbia primulifolia)。
むかーしむかし、当時の私にとっては大枚をはたいて買ったのに、長く育ててやれなかった記憶があって、
トラウマ克服のため?このたびあらためて購入。
こんどは天寿を全うさせてやる決意。ちっちゃいけど可愛らしい花が咲くんですよ。


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それからこのモサモサした葉っぱのまんなかのやつ・・・え?キンギョモじゃありませんよ。
メキシコ産の塊茎多肉、フォークイエリア・プルプシー(Fouquieria purpusii)です。この写真だと確かに
キンギョモにしか見えないけど、緑肌のカッコいい塊茎です。実は今年種を蒔いて、3本も出たのに暑さで全滅・・・
悔しいので思わず衝動買い。これも実生苗だろうけど、3年くらいは先回りしたね。
思いのほか高かったけど、抜きあげてから「やっぱなし」とは言えず、買って帰りました。
・・・しかしワシの購入動機ってネガティブな理由が多いな^^;。


とまあ、そんなこんなの信濃路の旅でございました^^。


信州にて①

もうふた月くらい過ぎてしまいましたが、夏の終わりに信州へ出かけたおり「西沢サボテン園」さんを訪ねました。
私の栽培場は、ほとんど自分で種から育てたものばかりで、業者さんから購入したものは殆どないのですが、
それでも、小さい頃からのならいで業者さんの通販カタログや、ネット販売を眺めるのは楽しいもの。
時には実生からの育成が待ちきれなかったりして、衝動買いもします。西沢さんのところは、日本の業者さんでは珍しく
フィールドナンバーのついた苗を扱っていたり、面白い輸入苗が入ることもあったりでよくお取引させてもらっています。


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サボテン屋さんを訪ねて、いちばん楽しいのは、こんなふうにカラフルなサボテンたちが賑やかにひしめく空間を歩くこと。
私の場合、同じ種類ばかり整然と並んでいる栽培場よりも、あれこれとりまぜてディスプレイされている方が
楽しい気持ちになります。こちらでは信州の園だけあってフェロカクタス(Ferocacatus)の色鮮やかな刺がまっさきに
目に飛び込んできました。赤、オレンジ、鮮黄色…どの刺も濁りなく、どの個体も根元まで鮮やかな色あい。


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私の住む関東沿岸部では、湿潤な気候ゆえフェロカクタスの刺座を黒いカビで汚さないように育てるのは至難の技。
それでも、サボテンの王たる「強刺類」をなんとかして綺麗に育てられないか、20年近くあれこれ試みてはきました。
刺の強さ(長さ太さ)は強い光線や昼夜の温度差などである程度実現できます。
しかし、刺座の黒いカビ…こればかりはどうにも。屋上温室など、地面の湿気から隔絶した場所で育てるしかない、
というのがただいまの結論。これについては、いつかまた書いてみたいと思いますが、サボテン栽培では環境要因が
いかに決定的か、思い知らされました。特別の装置を使わずとも、ふつうのビニールハウス栽培で、こんなに美しく
刺ものが育てられる信州は羨ましい限りです。


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刺モノだけではなく、ギムノの人気種、光琳玉(Gymnocalycium spegazzinii ssp. cardenasianum )の
刺の良いタイプや、真っ白な兜(Astrophytum asterias)など、選ばれた綺麗な株がところどころ集結しています。
兜にしても、私が栽培をはじめた頃には考えられなかった凄い白点密度、アレオーレの大きさですが、今やこのくらいが
平均的なんでしょう。中学生のころ、大決心をして購入した「テキサス兜」というのが、この写真の右側に写っている
白点が少なめで蕾の出ている兜みたいな、ほんわか顔でした。それでも、当時は「特濃白点」なんて但し書きが
あり、凄い個体だと思ったものです。・・・懐かしいなあ。思わず欲しくなる(もちろん右側の「テキサス風兜」)。
でも、こういう白点の少ないのはうちでも実生してたっけね。真っ白兜軍団の中にあるから、目を惹いたんだわな。


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この園ではネットのカタログにも時々出ますが、いわゆる難物サボテンの姿も。見知らぬ大都会の雑踏で友だちに
出会ったみたいな、少しほっとした気持ちになりました。この環境なら接ぎ木せずとも元気に育ちそうですが、
そこまで手はかけられないということでしょう、黒虹山ブライネイ(Sclerocactus spinosior ssp.blainei )、
綺麗な刺が出ていました。英丸やラウイなどのエキノマスタス(Echinomastus)は正木で育てられているようでした。


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最後に目にとまったのは、これも刺モノに入るのかな?テロカクタスの赤刺園芸種です。
緋冠竜(Thelocactus hexaedrophorus ssp.fossulatus)や紅鷹(T.bicolor ssp. heterochromus )は、
関東でも綺麗に育つ刺サボテン?として人気があります。我が家にも色々な産地の種子を実生した苗がありますが、
それら野生種は、ど派手なメイクで着飾った園芸改良種に比べると、いかにも楚々としていて、あっさりした感じ。
物足りなく感じる人が多いのもわかります。かくいう私も、この日はド派手メイクのキャバクラ嬢軍団?に惑わされて、
ひと鉢お持ち帰り。といっても、これ見よがしに太い刺とか、不自然に長すぎる刺とかは食傷気味で、
目にとまったのはこんな株。数ある中で、↓この子にいちばん惹かれました。


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刺と姿のバランスも悪くないのですが、気に入ったのは刺のいろ。
この種のもうひとつの和名である「多色玉」ということばを思い起こしました。紫がかった赤と、象牙色のグラデーションが
素敵です。とくに、色が移り変わっていくあたりのニュアンスが絶妙。
西沢園の親爺さんは「綺麗なの見つけましたね」と言ってくれましたが、こういう私の好みが一般的かどうかわかりません。
値段は並だったと記憶。でも、好きでやってる道楽なんだから、世間の好みに左右される必要もないと思っていて、
自分が気に入れればそれが最上の品です。まあ、わざわざ白点の少ない兜のタネを取り寄せて実生している変人の
言ってることですけど…^^;。


というわけで、サボテンはこのくらいで、来週は多肉植物を。実はこの園、塊茎植物や蘇鉄の品揃えも素晴らしいのです。


プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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