この花、なんの花?

     
秋から春にかけ成長する冬型球根のなかでも、シーズンの終わり、つまり春を迎える今頃開花するものがあります。
多肉、コーデックス界隈では、球根といえばブーファン(Boophane)やハエマンサス(Haemanthus)など
ヒガンバナ科が人気ですが、これらの多くは、夏の終わりや秋口、葉の出る前に咲くものが多い。
きょうは春の陽ざしを浴びて花盛りを迎えているアヤメ科やユリ科の球根をいくつかご覧ください。




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                    Babiana rubrocyanea




まずはアヤメ科の球根、バビアナです。花色の鮮やかさ、バラエティでは、ケープ球根のなかでも傑出しています。
葉っぱはふつうの草花なので、多肉マニアからはあまり注目されませんが、これが野生そのままの植物なのか、
と思うほど鮮やかな花を咲かせます。このルブロキネア(Babiana rubrocyanea)は外弁が青紫で中央部はピンク。
寒さにも強く、氷点下5度以上に冷え込む無加温ハウスでもあまり葉枯れせず、花もよく咲きます。
バブーン(ヒヒ)が好むという球根の成長はゆっくりですが、少しずつ分球して増えていきます。夏は完全断水。




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                     Ornithogalum pruinosum




こちらも多肉というより花もの球根として知られているオーニソガラム・プルイノサム(Ornithogalum pruinosum)。
花弁は純白で、中心部のレモン色が冴えて美しい。白い花ってやっぱり綺麗だなぁ、って思わせてくれる上品さ。
小ぶりのニラみたいな葉っぱは、ほんのり青くて質感もいいですが、肉厚ではありません。しかし自生地は南アフリカの
Steinkopfあたりの過酷な乾燥地帯です。自生地画像を検索すると多肉植物と混生していたり、ブーファンみたいに
大きな球根を地上に露出していたり、じつに魅力的あふれる球根。もっと大きくしたいな。




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                   Ornithogalum sp. 'Neopatersonia'




最後は、謎の球根です。十数年まえに南アフリカからまとめて球根を輸入したときに入ってきたものですが、開封時、
ハエマンサスだのブルンスビギアだのに気をとられて、名札をロストしてしまいました。以来ずっと名無しなのですが、
花はなかなか面白い。アルブカ・ブラクテアタ(Albuca bracteata 海ネギと言われるやつ)に形は似ていますが、
あんなマッシブな球根は出来ません。十年以上経っても数センチの小さい球根。葉っぱは細長く自立できない感じで、
海ネギに似ています。で、この花です。ちょっと蝋細工みたいな硬い感じもあって、エビ茶の目立つ花です。

同定できるかた、ぜひご教示ください。

→ ご指摘戴いて調べたところ、アルブカとともにオーニソガラムに包摂されることが多い
  ネオパターソニア属(Ornithogalum sp. 'Neopatersonia')の花に大変よく似ていることが判りました。
  ただし、臙脂色の花はネット上でも見つけられませんでした。

















テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

CapeBulbs

  
秋が終わり冬になると、わが多肉ハウスは山かげにあるため、日照時間は午前10時から午後2時半くらいまでです。
暖房設備がなく夜中は毎晩氷点下近くまで気温も低下するので、冬に元気よく育ちたい植物には申し訳ないかぎり。
メセンなどは寒さをものともしない強さがあるのですが、コーデックス系や球根葉物は2月頃には葉先が枯れたりして、
成長が鈍る。いまは、厳寒期ぎりぎり手前でつぎつぎと開花しています。




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               Massonia echinata



もっとも寒さに強い部類の球根はマッソニア・エキナータ(Massonia echinata)です。この属の植物は全般的に
大変丈夫で、真冬に灌水して鉢が凍っても死なないくらい。ケーブバルブと呼ばれる中で、マッソニアはとりわけ
耐寒性が強い植物。プスツラータはじめ、花鉢として結構普及しているものも多いですが、そもそも区別が難しい。
このエキナータの名前でもいくつかのタイプが流通しています。




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写真の株について記載すると、かすかな条理をきざんだ幅広の葉を対に広げ、まんなかから蝋のような光沢のある、
白い花を咲かせます。一見、細い花弁のようにみえるのは直立した雄蕊で、先端の青い(黒い)部分に花粉がついています。
真ん中あたりにある、先端に花粉がついていない黄色っぽくみえるのが雌蕊です。
授粉するのは齧歯類と言われていて、花のまんなかに顔を突っ込んで花粉だらけになりながら、蜜を吸うらしい。
想像すると可愛らしい。彼らを呼ぶためなのか強烈な芳香があり、いい香りなのですが、あまりに強い香りなので、
花どきにハウスに入ると頭がクラクラしてきます。顔を突っ込むのは、私にはムリ。




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               Gethyllis linearis



つぎは、人気のクルクル葉っぱ球根です。いろんな種類のクルクルがケープ地方に生えているんだけれども、
これはゲシリス・リネアリス(Gethyllis linearis)。この仲間は葉っぱが巻いたりうねったり毛がはえたり、
なんかしら普通であることを拒むような気配があります。なかでもこいつはへその曲がり具合がもっとも甚だしい。
たいへん成長の遅い球根で、10年くらい育てていますが、去年秋にぬきあげた時は小指くらいしかなかった。




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               Gethyllis barkerae



これはゲシリスの花です。葉っぱの出るまえ、夏の頃に咲く。この属はどの種も同じような花ですが、これは
上のリネアリスではなくて、バルケラエ(Gethyllis barkerae)という種の花。くるくるじゃなくて、もしゃもしゃ
毛がはえるタイプの葉っぱです(写真はいつかまた)。私の趣味では、こちらの方が面白いように思う。
ゲシリスも寒さには強い方で、そのかわり芽吹きも遅く、夏場灼熱のわがハウスでは、10月半ばにやっと動き出す。




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               Veltheimia capensis



最後は、むかしから育てられているのに、最近あまり見かけなくなった種類。葉も花もとても美しいので見直したい。
ヴェルセミア・カペンシス(Veltheimia capensis)は、比較的大型の球根で、徳利状にふくらむ球根部の雰囲気は
ちょっとブーファンにも通じます。ふくらんだ部分を地上に出して植えてもよい感じ。というか、育てていると、
地上部分も膨らんできます。花はサンゴ色~藤色で、房状に咲いてほかにない不思議な印象を与えます。




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花だけでなく、葉っぱもいい。ブルーを帯びた葉は、縁がフリルのようにウェーブしていて、観賞価値を高めています。
丈夫ですが、寒さにはそんなに強くない。冬に枯らしたことがあります。また、夏場に湿らせると腐りやすい。
私のところの株は、十年以上まえに種を輸入して育てたもので、これまで十株以上、外に出して残るはふた株のみ。
種をとろうと思ったのですが、花の構造がややこしくてうまく授粉できたか、心もとありません。



今年の冬は、穏やかでありますように。









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秋の打ち上げ花火。

忙しくて一週更新をスキップするうちに、夏は暮れて、もうすっかり秋です。
サボテンたちがしだいに成長ペースを落としてゆくのと入れ替わりに、メセンなどの多肉植物や、
球根植物たちが動き始めています。

うちの球根類で最初に花を咲かせるのが、ブンルスビギア(Brunsvigia)。
南アフリカ原産のヒガンバナ科の球根で、夏場は葉っぱが地上から痕跡を消すので、鉢の表面には
何もなくなってしまいます。なので、訪れた人はみな、この鉢をまえに怪訝な顔をする。
でも、そのぶんだけ、開花はドラマチックです。



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                      Brunsvigia bosmaniae 'white flower'



ブルンスビギア・ボスマニアエ(Brunsvigia bosmaniae)。
この属でもっとも有名な植物でしょう。乾いた大地に無数の花茎が立ち並ぶ光景は、
ケープ地方の代表的なスペクタクルとしてしばしば紹介されるので、検索したら沢山ヒットすると思います。
太い花茎から花火のように展開される花はたいへん豪華なので、はじめて見た人はみなビックリ。
花が立派なだけに、球根がそこそこのサイズにならないと咲かないし、
開花球になっても、なかなか毎年は咲いてくれません。我が家には、自分で蒔いた実生苗、
輸入の開花苗もほかにあるのですが、ことしは戴きもののこの株だけが花をつけてくれました。



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この種はふつう桃色の花を咲かせるのですが、この個体は白花です。
そもそも自生地でエキスパートが採取した種子を実生した、確かな苗を戴いたものですが、
これが産地的な変異なのか、通常の桃花コロニーの中の花いろ変わり的なものなのか、わかりません。
ですが、なんとも清楚で美しい。プレミア感たっぷりのボスマニアエです。
ほんとうは出蕾から順に写真を撮っておきたかったのですが、晴れた昼間にこの植物と向き合えたのが
この日だけだったので、写真はこれがすべてです。



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                       Brunsvigia littoralis



つづいては、ブルンスビギア・リトラリス(Brunsvigia littoralis)。
こちらは南アフリカからの輸入球で、毎年咲いてくれます。
ブルンスビギアの葉っぱは、上のボスマニアエもそうですが、ふつう地面に貼りつくように展開します。
ハエマンサスやマッソニアなんかと似たような感じです。ですが、この種はすこし様子が違う。
葉っぱを上に伸ばします。クリナム(Crinum)とかアンモカリス(Ammocharis)みたいな感じに。
といいながら、葉っぱの写真がなくてごめんなさい。蕾は、魔法使いの手みたいでちょっと不気味ですね。



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咲くと、真っ赤な花は印象的ですが、微妙にバラけた感じの花序がなんともいえない。
そこはかとない寂寥感を演出してくれます。齢を重ねたフラメンコダンサーみたいな。
ボスマニアエのようなゴージャス感はありませんが、日本の里山に咲くヒガンバナに通じる、
不思議な雰囲気があります。



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ブルンスビギアは、栽培も難しくないし、花も葉姿も魅力的なのですが、成長が遅い球根で、
なかなか手に入りづらい。種子も寿命がごく短いので、なかなか出回りません。
なので、どこかで見かけたら、ぜひ一鉢手元においてみてもらえたら、と思います。
秋風立つ頃に、遠い夏の日の打ち上げ花火、しみじみ眺めるのも乙なものです。




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沙漠植物、栽培、探究。

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