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ボルネオ紀行①キナバル山麓



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ボルネオと言えば、キナバル山。
東南アジアの独立峰で最も高い山(標高4095m)として有名です。
ほんとうは登頂したかったけど、子ども連れで日程的に難しく、
今回はその近辺の林を歩きました。




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熱帯といっても標高1000mを超えるエリアで、この夏の首都圏の
暑さに比べればずっと過ごしやすい。宿泊したロッジには暖房も
置いてあって、実際に夜は使いました。いわゆる熱帯雲霧林の
植物が、日本の極端な寒暑が苦手なのも頷けます。




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林内は、着生植物が目立つものの、南日本の森林と雰囲気は
そんなに変わらない。屋久島あたりの感じです。
落ち葉の厚みがかなりあって、低標高の熱帯雨林と少し違う。




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          Phyllagathis elliptica



目立っていたのは、ちょうど開花中のノボタンの仲間。
もう少し時期が早かったらもっと綺麗だったと思いますが、
葉色やテクスチャも面白く、見栄えのする植物です。




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          Argostemma sp. (Rubiaceae



アカネ科のこの類と思われる植物はいくつかあるようで、
集合した花序が目を惹きます。
なかでも、艶のある濃緑の葉に、銀粉を散らしたような
大変美しいものがあり、記憶に残りました。




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          Anoectochilus aff.reinwardtii



今回の旅のめあてのひとつだった、美しい地生ラン。
いわゆるジュエルオーキッドにも出会えました。
アノエクトキルス(Anoectochilus)は、日本の南西諸島
にも分布するキバナシュスランの仲間。
落ち葉に埋もれるような赤褐色の葉は、よく見ていないと
気づかずにスルーしていしまいますが、いちど見つけると、
目に飛び込んでくるようになりました。葉色や模様には
バリエーションがあり、探すのがとても楽しい。




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           Schismatoglottis sp.
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           Piptospatha sp.



水辺では、いわゆる水槽水草の仲間も見つけました。
湿った場所には、葉模様の美しいサトイモ。
スキスマグロッチス(Schismatoglottis)でしょうか。

最初クリプトコリネ?と思いましたが、インスタグラムで
戴いた助言によれば、ピプトスパサ(Piptospatha)では
ないかということ。葉のつけねは山葵のような太い茎があり、
流れのなかの岩にも、ガッシリしがみついています。
渓流域にあたりますが、水温は日本の山中の川と違って、
それほど冷たくはありません。




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湿度は高いはずなのに、不快ではなかったのは、やはり
山裾の涼しさ。林内では他にも面白い植物やキノコなどに
色々と出会いました。
残念だったのはキナバル山のシンボルともいえる巨大な
ウツボカズラ、ネペンテス・ラジャ(Nepenthes rajah
に会えなかったこと。これはさらに標高の高いエリアに
生えていて、本格的に山を登らないと見られません。




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歩き始めて数時間で激しく雨が降ってきて、散歩も
中断せざるを得なくなってしまい、後ろ髪を引かれながら
キナバル山麓を後にしました。次に訪ねたときには、
山を登ってネペンテス・ラジャに会いたいと思います。











テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

歩いて眺める植物図鑑。

    
今回は、夏休みに子どもを連れて行った山で撮った野の花、山の花です。
2、3時間の散策で、やたらたくさんの花を見ることが出来ました。
それには理由もあったのですが、まずは写真を並べてみます。




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入笠山は、南アルプスの前山にあたる山で、標高1,955mと、植生の変化を
楽しめるくらいの高さはあります。しかも、スキー用のゴンドラでほとんど
山頂付近まで運んでくれるので、山登りとは言えず、野原の散策という感じ。
いつも海ばかりなので、たまには山に行きたい、という子どもたちの希望を
入れて、車を長野まで走らせました。あ、長野といっても、サボタニ園には
行ってませんよ、ねんのため。




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ゴンドラの山頂駅から少し歩くと湿原がひろがっていて、ここでたくさんの
花に出会えます。着いたときは一帯に霧がたちこめて、幻想的な感じです。
花たちもしっとり濡れそぼって、晴れの日とは違った美しさ。「入笠湿原」
「御所平」と花を見ながら登っていきます。




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          ヤナギラン(Chamerion angustifolium アカバナ科)
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          サワギキョウ(Lobelia sessilifolia キキョウ科)
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          ウメバチソウ(Parnassia palustris ニシキギ科)
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          エゾリンドウ(Gentiana triflora ssp.japonica リンドウ科)
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          ツリフネソウ(Impatiens textori ツリフネソウ科)
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          ホソバトリカブト(Aconitum senanense ssp.senanense キンポウゲ科)
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          クサレダマ(Lysimachia vulgaris ssp.davurica サクラソウ科)




とまあ、数百メートル歩くあいだに、これだけの花を見ることが出来ます。
8月下旬でこれだけ咲いていますから、もう少し早く訪れればもっと色々
咲いていたかも知れません。




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          マルバダケブキ(Ligularia dentata キク科)
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          ハナイカリ(Halenia corniculata リンドウ科)
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          ハクサンフウロ(Geranium yesoemse ssp.nipponicum フウロソウ科)
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          シシウド(Angelica pubescens セリ科)




この「湿原」はネットでシカの食害を防ぐためネットで囲われていて、
入山者はゲートをあけて中に入り、また出ていく形になっています。
湿原を抜けて、樹林帯のなかを歩いていくと、ほどなく山頂。




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すると、にわかに晴れてきて、視界がいきなりひらけました。
南北の日本アルプスを見はるかし、眼前には八ヶ岳。素晴らしい眺めでした。
帰り道は、燦々とそそぐ陽射しの下、同じ花を見ながら下りていきます。




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          マツムシソウ(Scabiosa japonica マツムシソウ科)
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          コオニユリ(Lilium leichtlinii ssp.maximowiczii ユリ科)
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          キキョウ(Platycodon grandiflorus キキョウ科)
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          アカバナシモツケソウ(Filipendula multijuga ssp.ciliata バラ科)
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          エゾリンドウ(Gentiana triflora ssp.japonica リンドウ科)
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あとで調べたのですが、じつはこの入笠山一帯では、動物などから植生を
保護するだけでなく、定期的な草刈りや、一部では植栽も行われているようです。
やけに色の赤いシモツケソウや、コオニユリなどは自生のものではない、という
記述もネット上にはあります。さすがに湿原内に外からの植物を植栽することは
ないでしょうが、かなり人の手の入ったお花畑、という印象もあります。
これだけの範囲でたくさんの花をみることができるので、山につくった植物園、
歩いて眺める植物図鑑、と思えば、ポジティブに楽しめそうです。
ぜひいちど。









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ジャンル : 趣味・実用

ソテツとシダの島②

   
「金作原(きんさくばる)原生林」は県道79号線で島の北側にまわり、大和村付近から山に入っていきます。
県道からの分岐点には案内の標識もたっているので迷うことはありません。
道もほとんどは舗装路で、最後の数キロだけ未舗装部分があるだけなので、それほどハードな道行きではない。
さて、ここにつくまでにもたくさん目にする奄美のシンボルツリー?がヒカゲヘゴ(Cyathea lepifera)です。
ヘゴ類は鑑賞価値も高いので、育てている、或いは育てたことがある方もおられるのではないでしょうか。




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                    'Kinsakubaru' virgin forest Amami Oshima




金作原遊歩道の素晴らしいところは、この巨大な木性シダを真下から見上げながら歩けること。
ジェラシックパークとか言うのは嫌なんだけど、子どもたちは素直に恐竜が出てきそうだと言ってました。
ヒカゲヘゴの特徴は、葉柄が脱落したあとの、八の字のような紋様です。これは八丈島・小笠原などに分布する
マルハチ(Cyathea mertensiana)とよく似ています。厳密な表現とは言えませんが、シダ植物が全盛だった
古生代の生き残りなとと言われます。でもまあ、想像力をかきたてる姿であることは、間違いない。




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                    ヒカゲヘゴ (Cyathea lepifera




鬱蒼とした密林に生えるヒカゲヘゴですが、大きな葉は木々の梢の上で展開し陽光をたっぷり浴びています。
これがこの種を栽培する際にネックになってくるところ。高温多湿(蒸れるくらい)で、なおかつ直射日光が必要。
葉っぱには強い陽光をあてるけれど、幹の部分は日陰にして常に湿らせておくというのはなかなか困難で、
ふつうのハウスや温室では乾きすぎてしまう。温泉でも湧いている場所に、天井の高~い温室でも作らないと、
この種はうまく育てられないでしょう。ときに観葉植物として出回っていますが、長く育てるのは困難です。
筆者もかつて、毎日幹に霧吹きしながら3年ほど育てましたが、次第に衰弱して枯れてしまいました。




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                    ヘゴ(Cyathea spinulosa




よく見ると、この森にはもう一種類、ヘゴがあります。こちらは"ヒカゲ"がつかないヘゴ(Cyathea spinulosa)。
葉柄の脱落痕が長いため、幹の八の字マークがありません。全体に小ぶりで、地味な印象のヘゴですが、
丈が低いので植物全体が暗い森のなかに生えています。幹がつねに湿っているくらいの湿度が保てれば、
こちらの方が小ぶりで栽培向きかも知れません。でも、市場で見かけることはあまりないですね。

さて、奄美大島はシダの島と書きましたが、ヘゴ以外にも観賞価値の高い様々なシダが生えています。




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                 シマオオタニワタリ(Asplenium nidus
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                 リュウビンタイ(Angiopteridaceae lygodiifolia
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                  ヒリュウシダ(Blechnum orientale
  



大きな木の中ほどには、だいたいシマオオタニワタリ(Asplenium nidus)がくっついています。
こちらも観葉植物としておなじみですが、地元では新芽を蕨やコゴミのように食べたりもするそうです。
湿った斜面に陣取るのは、こちらも栽培下でおなじみのリュウビンタイ(Angiopteridaceae lygodiifolia)です。
なかには人の頭くらいの巨大な塊根のものも。この植物はきわめて丈夫で、私の家にも、15年以上生きている株が
あります。葉っぱを拡げると直径2m以上になるので、たいへんな場所とりですが、緑濃い美しいシダです。
下の写真のヒリュウシダ(Blechnum orientale)はちょうど美しい新葉を展開しているところでした。




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                カゴメラン(Goodyera hachijoensis ssp.matsumurana
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                ツルラン(Calanthe triplicata




金作原の林床には、シダ以外にも興味深い植物がいろいろ見つかります。
この網目の葉模様は、カゴメラン(Goodyera hachijoensis ssp.matsumurana)です。
林床を飾る美しい地生ランで、国産のジュエルオーキッドと言ってもいいくらい。ここでは個体数も大変多いので
特に探さなくても見ることが出来るでしょう。実はこの仲間は房総半島でもみられるそうなので、こんどこちらでも
探索してみようと思います。そして薄暗い林内を照らすような白い花は、ツルラン(Calanthe triplicata)です。
エビネの仲間ですが大柄で見ごたえのある植物でした。もう少し小ぶりの花の咲いていないエビネも沢山見ました。




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今回、金作原を歩き回ったのはわずか2時間ほど。見つけた植物はすべて遊歩道沿いに生えていたものです。
もしハブ対策で足元をしっかり固めて密林を縦横に歩けば、もっと素敵な出会いもあったかも、と物足りない気持ちを
残してきたので、きっとまた訪れることになるのかな。


インスタグラム(instagram)、↓こちらです。

        shabomaniac_2016

ここに載せきれない写真など、アップしています。

















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プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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