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秋の芽吹き。

  
この季節に、萌芽を楽しめるのは、秋冬型植物が沢山ある多肉園芸ならでは。
メセンも、球根も、オトンナやチレコドンも、その多くが秋に萌え、冬から春まで栽培場を彩ってくれます。ことしの関東は雨降りが続く一方で、気温があまり下がらなかったからか、動きだしは例年より遅い。つい先日まで枯れ野にしかみえなかった棚で、ぼちぼち芽吹きがはじまっています。




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   Tylecodon wallichii



チレコドン・ワリチー(Tylecodon wallichii 奇峰錦)。
この属を代表する魅力的な種で、まっすぐ上に伸びる主幹には、葉の脱落した痕が突起状に残り奇観を呈します。輸入個体を見ることが多いですが、この株は実生苗で、種からまだ3年(4年目)。肌色のブルーも美しく、山木と遜色ありません。寒さにも強く、秋から春まで、日光によくあてて、適度に灌水すれば、10年待たずに良標本が得られそうです。




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   Tylecodon leucothrix



チレコ・レウコスリクス(Tylecodon leucothrix)。
こちらはややマイナーな小型種で、丈低く灌木状に育ちます。特色は微毛に覆われた葉。とくに、萌芽したばかりのときはとても美しくて、この植物を手元で眺められる幸福を感じます。これも種子から育てた株で、最初3年くらいは地下が塊茎状に肥大し、そのあと茎が立ち上がってくるようです。強い日射で管理して、なるべく低く育てたいですね。




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   Pelargonium caroli-henrici



カロリヘンリキ(Pelargonium caroli-henrici)。
最近ペラルゴの人気種になっていますね。去年の枯葉の中から、フキノトウみたいに新葉が出てきました。比較的新しい種ですが、ひところ種子がかなり出回ったし、実生でよく育つので、普及はすぐに進むでしょう。もちろん、普及に値する魅力ある植物です。整った形のロゼットは、白毛に包まれたようで、大変美しい。前年迄の枯れた葉が重なり残っている風情も悪くない。地下に円筒状の塊茎(塊根)が生じます。これで実生5年生くらい。春に咲く花もとても可愛らしく綺麗です。




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   Pelargonium appendiculatum



アペンディクラツム(Pelargonium appendiculatum)。
微毛に包まれた葉が美しいペラルゴニウム。前述のカロリヘンリキと似ていますが、さらに大型にわさわさと葉を展開します。このくらいのサイズ(実生5年)のうちは塊根は地中ですが、大きくなると分岐して地上にも露出するようになります。そうなると、コーデックスとしても大変魅力的な姿になるので、そこまでしっかり育ててやりたいと思っています。










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ジャンル : 趣味・実用

夏型多肉、充実の秋 /9.16 BB出品のお知らせ


 夏型の多肉植物は、生育期のラストスパート。開花のエネルギー消耗から回復し、酷暑を乗り越えて新たな葉を茂らせて、緑を濃くしています。多くは、この時期に一年で最も充実している様子です。私のところでは、大半の夏型多肉植物を、9月いっぱいまで屋外で雨曝し陽晒しの環境で育てています。この育て方のメリットについては何度か書きましたが、やはり太くガッシリした、野生株のような姿に育つという点に尽きます。温室育ち、ハウス育ちとは確実に違う姿になります。




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   夏を越え、通年で最も充実した時期を迎えたパキポディウム



 近年、マダガスカル等から大量に植物が輸入されるなかで、長い年月をかけて育った野生株がとても安い値段で売られていることに驚きます。値段の安いものは大事にしてもらえないので、輸入されても枯れていく植物も多いでしょう。原産地国の人たちにとっては、山に生える雑木に過ぎず、もしかしたら畑の野菜よりも価値の低いものに感じられるのかも知れません。実際に種子から育てると、時間も手間もかかって輸入するよりコストがかかるし、なにより今の盛り上がりに供給が間に合わない。それゆえ業者さんは輸入に精を出しても繁殖に力を入れる人は多くない。しかし、これだけ多くの植物が流通する今は、育成派の人にとってもチャンスと言えます。




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 この写真には山木が1本だけ写っています。あとはすべて実生育成株
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 これらはすべて種から育てた植物
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 実生3~4年苗



 たとえでいえば人気のパキポディウム。私のところにも長年栽培している輸入個体がありますが、その数は片手くらいです。十年ちょっと前までは、山木の入手はとても難しかったので、目的は種親の確保でした。だから、なるべく特徴のある、その種の魅力を発揮している株を選びました。既に枯れてしまったものもありますが、それらを種親に自分で育成した株が、いまは栽培場を埋めています。ある程度の大きさに育った株は、どれが山木でどれが内地球か、なかなか判らないでしょう。山木の姿は、自生地で種が落ちた場所が決定しますが、自分で育てる時にはその環境も変えていくことが出来ます。実生苗、若苗は、適応力も高いので、それぞれの顔を見ながら、理想の姿に育て上げていく楽しみがありますね。




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 ユーフォルビアやガガイモも実生から育てやすい
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 奇想天外は種子からしか育てられない



 もちろん、それには時間がかかる。でも、私たちアマチュアは、一刻も早く親木にして手放したいわけではないので、育てるプロセスそのものを楽しむことが出来ます。というかそれが一番面白い。手に乗るような若苗が、少しずつ立派な株に育っていくプロセスそのものが興奮の連続です。子どもを育てるのと同じで、幼い苗や若い苗には、その時代にしかない可愛らしさや魅力があって、ずっとこのままでいてくれよ、と思うことさえあります。とはいえ、こういう植物との向き合い方には、コストもかかります。これも子育てと同じです。完成した標本株を棚1つ分育てるには、その数倍の圃場、バックヤードが必要になります。完成株を買って来れば、素敵な鉢に植えつけて飾ればおしまいですが、それを自分で育てるとなると、場所も時間も数倍かかる。不経済な生産活動そのものです。でも、それだけの魅力があって、やめられないでいます。


 ところで、9月16日(月祝)に東京都 五反田TOCビルで開かれる国際多肉植物協会(I.S.I.J.)のビッグバザール(BB)に、私と、河野忠賢さん(@tadayoshi_kono)で、共同出品することになりました。繁殖した植物を中心に、私が面白いと思うものを、流行りのものも、流行っていないものも、持っていこうと思います。数は多くありません。お時間あればぜひお立ち寄りください。




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●CACTUS AND SUCCULENT BIG BAZAAR IN TOKYO
9月16日(祝)午前9時00分(予定)〜16時 東京都 五反田TOCビル
http://www.ne.jp/asahi/isij/japan












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一点モノ⑩ ヤトロファ sp.ソマリア(Jatoropha sp.Somalia)

  
 我が家の一点モノ、今回は銀色の太い枝を、低く横に這わせるヤトロファです。その姿は、まさに“Bonsai succulent”そのもの。枝振りの良い銀色の幹に太鼓型の緑葉が生えて、この属の中でも抜群の鑑賞価値です。



  
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   Jatoropha sp. Somalia



 じつは、二十年ほど育てているのに名前がわかりません。ネットでもリアルでも、同じ植物を見たことがない。入手時の名前は、Jatoropha sp. Somalia。ソマリア産のヤトロファ、という以外に情報がないのです。EXOTICAから自分で輸入したものですが、ESナンバーもついていなかった気がします。詳しい自生地を聞いても、わからないと言われた記憶があり、おそらくSPECKS氏自らが採集したものではないのかも知れません。ヤトロファ属じたいがマイナーな扱いなので、当時国内の業者さんは入れなかったようですし、これをわざわざ買ったのは私くらいなのかな。




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   What's the name of this plant ??



 見たところ、同じソマリア産のペラルゴニフォリア(Jatropha pelargonifolia)に近い植物に見えますが、より大柄です。最大の特徴は横へ横へと伸びていく銀色の幹で、枝振りはコミフォラのエイル(Commiphora sp. 'Eyl' )のような雰囲気です。丈夫な性質のようで、初夏から秋までは陽ざらし雨ざらしで問題なく育っています。ただし、最低温度が20度くらいに上がらないと元気に動かず、秋も早めに落葉するので、眠っている期間は長めです。寒さには強くないでしょう。断水休眠期、枝だけになった姿はまさに燻し銀の枯れ木のようで、それはそれで美しい。成長はかなり遅い方で、この株は横に伸びすぎた枝を幾度か剪定していますが、20年育てても目立った変化はありません。




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   3years from seed



 花はとても地味なので、咲いていても見過ごすことが多いのですが、気まぐれに自家授粉を試みたら数年前に一度だけ結実しました。そのとき、たった3粒!得られた種子を蒔いたのが、上記の株です。これで実生3年目。幹肌の銀色や、枝が横に這う性質がすでにあらわれてきています。




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渋い味わいですが、ビザール感たっぷりの沙漠の木。現状、同じ植物を育てている方が世界にどのくらいいるのかもわからないので、親子ともども、大事な標本として維持に努めています。もし、このヤトロファをお持ちの方、種名がわかる方がおられたら、ぜひ教えてください。



追記:本日、またヤフオクに植物(コーデックス・カクタス・アガベ等)を少しだけ出しました。興味ある方はID:soteyashi で検索してみてください。









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プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。
著書「珍奇植物 ビザールプランツと生きる(日本文芸社)」

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