ブラキステルマ・竜卵窟の開花。

  
温室に一歩足を踏み入れた瞬間、目をつぶっていてもわかりました。
すべての植物のなかでも、最も不可思議なその花が咲いていることが。




resize3982_201805042103507b0.jpg
             Brachystelma barberae in full blooming



ブラキステルマ・バーベラエ(バルベラエ・・・Brachystelma barberae)。
和名は、竜卵窟(龍卵窟・・・りゅうらんくつ)。
ガガイモ科、最近の分類ではパキポなどと同じキョウチクトウ科に分類される、
地中性の塊根多肉植物です。
自生地は南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエなど、広い範囲にまたがり、
原産地では、イモは芋として、ときには食用にもなるようです。




resize3972.jpg

resize3974.jpg
           emerging bud from the top of the caudex




異変に気づいたのは、ひと月ほど前。気温が春らしくなり、
休眠から醒めたバーベラエの出葉のときでした。
私は塊根を地中に埋めて育てているので、
冬期は何も植わっていない鉢のようなのですが、その頂部から、
新葉と一緒になにやら新芽の集合体みたいなものが覗いている。
これは、どうみても蕾です。

バーベラエは、二十年くらい前までは多数輸入さえていて、
価格も手ごろでした。私のところでも、幾度か珍奇そのものの花を
咲かせてくれましたが、腐りやすいもので、いつしか消滅。
ところが最近では、国内外ともに大珍品になっているようで、
たまに出回るときも、とても手の出る値段じゃありません。
このバーベラエは、5、6年まえに国内業者から購入したもので、
そんなに高くはありませんでしたが、おそらく内地実生株で、
これまで一度も咲かず、ほんとにバーベラエ?と心配になったりも。
でも、この蕾の形は、たぶん間違いない。あとはちゃんと育つかです。




resize3976.jpg

resize3978.jpg
           “ready to burst”



それから2週間、蕾はしっかり充実し、この時点で既にタダモノではない。
イガイガと突出したそれぞれの蕾が、激しい自己主張を感じさせます。
地味な葉っぱが隠れるほどの大きさで、これだけの花を咲かせるには
株に体力が必要だろうし、塊根が小さいうちには咲かないのも道理です。
ちなみに。この株の地中塊根は8cmくらいで、芽点が二か所あり、
今回はそのうちのひとつから出蕾しました。




resize3985.jpg

resize3997.jpg
         bizarre cage-like flowers, give off a terrible smell....
 


さらに1週間。
温室に入ると、つんと花をつく刺激臭を感じました。
私の栽培場には、他にもガガイモやユーフォルビアなどの、“異臭系多肉”が
いくつかあります。ですが、そのどれとも異なる香気が漂っています。

見事な開花でした。
寄り集まった数十の花が、籠を編んだように球状に立ち上がり、存在感を
示しています。中心部を見ると、ガガイモ科らしい色彩と模様なのですが、
長い花弁の先端部がくっついたままで花開くことで、この珍無類の姿を
構成しているのです。
気になる独特の香りですが、私には熟成の進んだウォッシュチーズのように
感じました。家人からは、いたんだ果物とか、ぬか床、という形容も
ありましたが、ヒトには気持ちのよいにおいでないことは確かです。
でもまあ、この花の形と一体になって、ある種の昆虫を誘因するためなので、
珍しさを楽しもうと深呼吸したところ、子どもたちには変人扱いされました。
このにおいは、暖かい日中は周囲一帯に漂いますが、夜間は顔を近づけて
わかる程度に弱まるようでした(安心情報)。




resize3989.jpg

resize4002.jpg




最後に栽培について。
ブラキステルマ全般に、寒さには弱いので、冬期は10度程度を保ちます。
また落葉し休眠に入ったら、水を切ります。乾燥すると虫がつきやすいので、
水を切る前に殺虫剤を用いるのも一策です。
初夏から秋までの葉の出ている時期は水をほしがるので、葉っぱがしんなり
してきたら水をやります。。ただし、滞留すると腐りやすいので気をつけます。
真夏は通風をはかり、蒸れないとうに気をつけます。また、塊根を表に出して
育てる場合は、直射日光で焼けないようにして下さい。




resize4000.jpg
               Brachystelma barberae in full blooming




こんな管理で、うちでは5、6年かけて力を蓄えて、花を咲かせてくれました。

ありがとう。








テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

植え替えと鉢選び。

   
すっかり暖かくなってきたので、夏型コーデックスを露地に並べたり、
実生苗の植え替えなんかも始めました。




resize3965.jpg

resize3961.jpg




これから秋までは、パキポはみんな露地で陽ざらし雨ざらし。
老いも若きも、バロニーもグラキリウスも、みんな露地栽培。
梅雨や秋の長雨で腐るものも多少は出るけれど、節間が詰まって、
丸々育つので、露天放置は不可欠。パキポを栽培するうえで、
もっとも大事なメソッドと言ってもいいかも知れません。




resize3922.jpg

resize3927.jpg

resize3935.jpg
                Operculicarya pachypus 1 year old from seed




こちらは、オペルクリカリア・パキプス(Operculicarya pachypus)です。
去年の初夏、発芽したばかりの頃は、上の写真のようなささやかな感じ。
およそ1年がたったのが、真ん中の写真。たいして育ってない、ように見える。
なのになぜ植え替えるか。鉢を倒すとその理由がわかります。
親指くらいの太さの塊根が10センチプラ鉢の底まで到達しています。
この塊根が余裕をもって収まる鉢に植え替えるわけです。




resize3966.jpg

resize3956.jpg
               Pachypodium 'leucoxanthum'  4 years from seed




パキポディウムの白花ブレビカウレ(Pachypodium leucoxanthum)も
寄せ植えがきつくなったので、植え替えです。
実生から4年の苗で、去年から大半が開花しています。
輸入株のセルフ結実種子で、うちで咲いたものはすべて白花。
こちらは塊根がないので、鉢から出すとかわいいもんです。




resize3967.jpg




まだ育成途上ということで、プレステラの角鉢に1本ずつ植えます。
ちょっと大きめに育った苗は、堅焼きの朝顔鉢にあしらってみました。
パキポはキツキツの小さめ鉢に植えよ、と言われることが多いですが、
それは輸入球の場合だと思います。種から育てている苗であれば、
直径の倍以上の径の鉢に植えてやりたいところ。
もちろん、水はけの良い用土に植えて、陽当たりと風通しのよい場所で
育てることが必須です。




resize3925.jpg

resize3949.jpg




パキプスを植えつけるのは、こちらの鉢。
サボ友の藤原さんのお店「TOKY」で窯元に発注しているオリジナル鉢です。
実はこの鉢、私が長年愛用する烏泥ラン鉢がヒントになっているんです。
鉢の径と高さのバランスが程よく、地中部が発達する植物もうまく収まる。
寡黙な意匠で、どんな植物を植えても、その魅力を引きたててくれる感じ。
藤原さんと、「こういう和鉢の窯元はどんどん廃業してるんですよねぇ・・・」
なんて話をしてたら、じゃん、作りました!と。
しかも渋い釉薬使いで数倍バージョンアップしてます。




resize3970.jpg




で、早速試作鉢を頂いて、なにを植えようかと思案するうちに春が来て、
パキプスベビーの住まいになることに。塊根の頭をちょい地上に出して、
表面の化粧にはお魚飼育用の渓流砂を敷いてみたけど、どうでしょう。

さて、来週は種蒔きにこぎつけるかな。。







テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

芋の目覚め。

   
すっかり暖かくなりました(もう寒さ戻ってこないよね)。
例年より遅めな気がしますが、コーデックスたちも、
眠い目をこすりながら起きだしてきています。




resize3882.jpg
              
resize3883.jpg
               Pachypodium rosulatum ssp.gracilius
resize3885.jpg
               Pachypodium baronii ssp.windsori
resize3886.jpg
               Pachypodium .brevicaule ssp.leucoxanthum



パキポのなかでも早起きのグラキリウス
(Pachypodium rosulatum ssp.gracilius)は
すでに満開。あたらしい葉っぱも出てきているので、
徒長しないよう早く温室から屋外に出したい。
ウインゾリ(P.baronii ssp.windsorii)や、
白花ブレビカウレ(P.brevicaule ssp.leucoxanthum)も
蕾をあげてきました。
でも、外に出すのは気温がコンスタントに20度を超えるように
なってからですね。




resize3888.jpg
               Brachystelma barberae
resize3889.jpg
               Brachystelma chlorozonum
resize3887.jpg
               Dorstenia gypsophila



地味なイモたちも、地面の下でごそごそと春の準備を
はじめている様子。ブラキステルマ
竜卵窟(Brachystelma barberae)は
今年はあの奇天烈な花が咲いてくれるかな。
クロゾヌムもなかなか面白い花が咲く芋です。
ドルス・ジプソフィラ(Dorstenia gypsophila)には、
色の悪いちぢれた新芽と蕾が。もう咲き始めます。




resize3892.jpg
               Euphorbia decidua female flower         
resize3890.jpg
               Euphorbia decidua male flower



ユーフォルビア・蓬莱島(Euphorbia decidua)も満開。
上の塊根をちょっと出してうえているのは雌花(株)です。
雄花のほうももさもさに開花していたので花粉をつけてやる。
毎年結実するのに、無精しているうちに種がどこかに
飛んでいってしまう。




resize3897.jpg




これからが、園芸家にとって一年でいちばん忙しい時期。
植物を、植え替えたり、植え替えたり、植え替えたり。
種をまいて、種をまいて、種を蒔いて、薬もまいて。
そういう作業は楽しくてたまらないけど、からだがひとつしかない。
同じことを毎年ぼやいてます。






テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる