FC2ブログ

コーデックス・メセン(Sphalmanthus/Phyllobolus)

   
 リトープスやコノフィツムなど、メセン科の多肉植物といえば、丸っこいものをイメージしますね。でも実は、その他に、いわゆる草メセンと呼ばれるような、茎があって葉っぱがあって・・・という形の植物がたくさんあります。
 そのなかで、今回は塊根、コーデックスをつくるメセンの仲間のひとつ、スパルマンサス属(Sphalmanthus)を取り上げます。現在は、親指姫(旧ダクチロプシス=Dactylopsis)などとともに、フィロボルス属(Phyllobolus)に統合されていますが、旧名で流通することの方が多いので、ここではスパルマンサスと呼んでおきます。インスタグラムに写真をポストすると反響が大きいので、多くの人にアピールする魅力があるのでしょう。




resize5136.jpg

resize5138.jpg

resize5154.jpg
     Sphalmanthus sp. Eenriet  (M.1861.25) 




 海藻のミルのような不思議な姿のこの種は、正式記載がなく産地名でエエンリエット(Sphalmanthus sp. Eenriet)と呼ばれています。草体と花も面白いですが、最大の魅力は、メセン科らしからぬゴツゴツと不整形な塊根・塊茎でしょう。まるで石から生えているように見えます。この属のコーデックスは、地中に生じるイモから、半分地上に出る深緑色の塊茎まであり、この種は後者に近い。これで7-8年経っている株です。葉茎にはモニラリア属(Monilaria)等と同様のキラキラと輝く水泡状の粒々があり、産毛が密生しています。




resize5124.jpg

resize5142.jpg

resize5145.jpg
     Sphalmanthus tenuiflorus (M.1861.123) Quaggaskop



 
 こちらはこの属の代表種ともいえるテヌイフロラス(S.tenuiflorus)。上記のエエンリエットとよく似ています。学名のテヌイスは、細いという意味ですが、その名の通り、糸状の細い花弁が不思議な印象を与えます。基本は上の種と同じ黄緑花ですが、特定のコロニーの実生からは、写真のような桃色花が一定確率で出現します。黄緑色の花も海中植物っぽさを強く感じさせて魅力的ですが、こちらのピンク花も妖しい美しさです。実生からの出現率は10%くらいでしょうか。また、海藻のような茎葉はとても軟質なので、大きく伸びると栽培下では倒伏してしまいます。この茎葉が生じるのは秋~春の成長期だけで、夏の休眠中はコーデックスだけになります。




resize5105.jpg

resize5157.jpg
     Sphalmanthus sp.'noodle tufts' (M.1861) Sutherland




 ちょっと雰囲気が違うこの植物は、同じスパルマンサスですが、やはり正式記載がなく、かつてメサガーデンのリストではM.1861という番号が振られて'sp. noodle tufts'(麺の塊)と呼ばれていました。サザーランド(Sutherland)産で、塊根はなく、やや太い茎を分岐しながら伸ばし、先端部に沢山の短い葉が束状につく面白い植物です。塊根が出来ない分、持久力が乏しいので夏越しが難しく、写真の株も去年の夏に枯れてしまいました。なので写真は去年のものを記録として残しておきます(涙)。




resize5097.jpg

resize5100.jpg
     Sphalmanthus resurgens (M.1811.6) S Calvinia



 
 最後は、この属でいちばんコーデックスが肥大するレスルゲンス(S.resurgens)です。塊根は扁平で大きく育ち、葉は短く、ちょっとアボニア・クイナリア(Avonia quinaria)を思わせる姿。これもコーデックスはゴツゴツと地上にも盛り上がってくるので、存在感たっぷり。葉の落ちた休眠期は石の置物みたいになりますが、それもまた一興です。




resize5113.jpg




 この仲間、塊根型は休眠期にしっかり断水しておけば、まず大丈夫です。秋からの成長期は寒さにも強いし、水切れするとすぐ葉が萎れてしまうので、凍らない温度を保ちつつ、鉢をカラカラにしないように管理しています。問題は、繁殖です。基本が塊根性だけに、枝挿し葉挿しで殖やすのは困難です。といって、山木の輸入は見たことがないし、種子から育成するしかありません。しかし、その種子もあまり出回らない。今年のメサガーデンのリストには、何種が掲載されるでしょうか。稀少なほど欲しくなる、という意味でも、マニアの食指が動く植物と言えそうです。










テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

春咲きメセン。

             
今週も休める土曜は雨降り。一週間ほとんど雨だったような印象です。
急に暖かくなったり、また冷え込んだり。晴れ間はごくわずか。この春はどうも様子がおかしいです。
サボテンの花の咲いているところになかなか立ち会えません。
そんなわけで、春先に撮ったメセンの写真をあげておきます。

ここを訪ねてくれるかたは大半、サボファンだと思われますが、お目に留まれば幸いです。




resize1001_20150411225324b2c.jpg

resize1002_20150411225330885.jpg

resize1004.jpg
                     Monilaria chrysoleuca ssp chrysoleuca N of Nuwerus




キラキラ葉っぱが美しいモニラリア。
これはクリソレウカ(Monilaria chrysoleuca ssp chrysoleuca N of Nuwerus)です。
葉っぱは秋に出て春に枯れる。毎年ひと節ずつ、ボール状の茎節が積み重なる。
ちょっと塊茎っぽい楽しみ方もできるメセン。サーモン色の花が咲く、という筈なのだが、
ノーマルな白花でした。これは'03年実生とあるので、十二歳、中学一年生ですね。
きょうの時点では葉っぱは枯れ落ちています。




resize1018_20150411225603e97.jpg

resize1013_20150411225609db5.jpg

resize1016.jpg
                    Cheiridopsis peculiaris SB770 Steinkopf,Little Namaqualand




メセンの三絶、といったらこれは外せない。
ケイリドプシス・翔鳳(Cheiridopsis peculiaris SB770 Steinkopf,Little Namaqualand)。
奇天烈な葉姿と、すーっとのびあがって上品に咲く大輪の黄花。
自生地では赤い平石に紛れて生えています。こんなに面白い姿なのに、案外育てられていない。
ケイリドとしてはやや育てにくいですが、リトープスやコノフィツムより気持ち早めに秋の水やりを開始し、
気持ち遅く休眠入りさせてやれば問題ない。春の強い陽差しで、いい具合に赤茶色に焼けます。


はやくすっきりした天気になってくれ!





テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

Garland

あれから、3週間。しばらくぶりに、家で過ごした休日。
その日の空は綺麗に晴れわたって、見上げるのが眩しいくらいでした。
デッキのうえに放り出した草メセンの鉢が、ながい冬を越えてちょうど満開を迎えていました。
この花は、いっぱいの陽射しを浴びたときだけ、大きく開きます。



IMG_4570bS.jpg



ドロテアンサス(Dorotheanthus)、という属名をきいてピンとこないひとでも、
リビングストン・デイジー(Livingstone Daisy)と聞けば、得心するかも知れません。
いわゆる花ものメセンで、同じ仲間のマツバギク(Lampranthus)と比べても、いっそう艶やかな花。
多肉植物園芸というよりも、草花ガーデニングの対象というべきものです。
この株は、bellidiformis の園芸改良種で、メサガーデンの"mix Mabel's special"(M.1484.86)を
蒔いたもの。秋に、テラコッタ鉢にぱらぱら直蒔きしたものが、あんばい良く育ってくれて、
ちょうどいま、とりどりの色を散らした花輪のように咲いています。



IMG_4566S.jpg

IMG_4867S.jpg



メセンとは言っても、一年草の草花なので、この花が終われば枯れてしまっておしまい。
平気で何十年と生き続けるサボテン類と向き合っている身からは、いくらか儚くも思えます。
じつは種を蒔いたのも気まぐれで、そのまま放置して忘れていたというのが正直なところ。
そんな扱いが申し訳なくなるくらい、見事に咲きました。



IMG_4763S.jpg

IMG_4759S.jpg

IMG_4762S.jpg



それにしても、なんと甘い色ばかりを選んで咲くことか。
原色なのに、どぎつくはない。花叢に顔を近づけて、ずっと見ていると、いつのまにか非現実の世界に
誘われるようです。いろいろなことを、ひととき忘れ、夢中で写真を撮りました。



IMG_4859S.jpg



知らなかったのですが、和名は紅玻璃草。ぐはりそう、と読むのでしょうか。
玻璃とは、透き通った水晶や硝子の謂。陽射しをうけて、キラキラと輝くこの花には似つかわしい。
やがて太陽が西に傾くと、花はひとつまたひとつと閉じて、色とりどりの花冠はいつのまにか消えていました。





テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。
著書「珍奇植物 ビザールプランツと生きる(日本文芸社)」

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる