春咲きメセン。

             
今週も休める土曜は雨降り。一週間ほとんど雨だったような印象です。
急に暖かくなったり、また冷え込んだり。晴れ間はごくわずか。この春はどうも様子がおかしいです。
サボテンの花の咲いているところになかなか立ち会えません。
そんなわけで、春先に撮ったメセンの写真をあげておきます。

ここを訪ねてくれるかたは大半、サボファンだと思われますが、お目に留まれば幸いです。




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                     Monilaria chrysoleuca ssp chrysoleuca N of Nuwerus




キラキラ葉っぱが美しいモニラリア。
これはクリソレウカ(Monilaria chrysoleuca ssp chrysoleuca N of Nuwerus)です。
葉っぱは秋に出て春に枯れる。毎年ひと節ずつ、ボール状の茎節が積み重なる。
ちょっと塊茎っぽい楽しみ方もできるメセン。サーモン色の花が咲く、という筈なのだが、
ノーマルな白花でした。これは'03年実生とあるので、十二歳、中学一年生ですね。
きょうの時点では葉っぱは枯れ落ちています。




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                    Cheiridopsis peculiaris SB770 Steinkopf,Little Namaqualand




メセンの三絶、といったらこれは外せない。
ケイリドプシス・翔鳳(Cheiridopsis peculiaris SB770 Steinkopf,Little Namaqualand)。
奇天烈な葉姿と、すーっとのびあがって上品に咲く大輪の黄花。
自生地では赤い平石に紛れて生えています。こんなに面白い姿なのに、案外育てられていない。
ケイリドとしてはやや育てにくいですが、リトープスやコノフィツムより気持ち早めに秋の水やりを開始し、
気持ち遅く休眠入りさせてやれば問題ない。春の強い陽差しで、いい具合に赤茶色に焼けます。


はやくすっきりした天気になってくれ!





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ジャンル : 趣味・実用

Garland

あれから、3週間。しばらくぶりに、家で過ごした休日。
その日の空は綺麗に晴れわたって、見上げるのが眩しいくらいでした。
デッキのうえに放り出した草メセンの鉢が、ながい冬を越えてちょうど満開を迎えていました。
この花は、いっぱいの陽射しを浴びたときだけ、大きく開きます。



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ドロテアンサス(Dorotheanthus)、という属名をきいてピンとこないひとでも、
リビングストン・デイジー(Livingstone Daisy)と聞けば、得心するかも知れません。
いわゆる花ものメセンで、同じ仲間のマツバギク(Lampranthus)と比べても、いっそう艶やかな花。
多肉植物園芸というよりも、草花ガーデニングの対象というべきものです。
この株は、bellidiformis の園芸改良種で、メサガーデンの"mix Mabel's special"(M.1484.86)を
蒔いたもの。秋に、テラコッタ鉢にぱらぱら直蒔きしたものが、あんばい良く育ってくれて、
ちょうどいま、とりどりの色を散らした花輪のように咲いています。



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メセンとは言っても、一年草の草花なので、この花が終われば枯れてしまっておしまい。
平気で何十年と生き続けるサボテン類と向き合っている身からは、いくらか儚くも思えます。
じつは種を蒔いたのも気まぐれで、そのまま放置して忘れていたというのが正直なところ。
そんな扱いが申し訳なくなるくらい、見事に咲きました。



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それにしても、なんと甘い色ばかりを選んで咲くことか。
原色なのに、どぎつくはない。花叢に顔を近づけて、ずっと見ていると、いつのまにか非現実の世界に
誘われるようです。いろいろなことを、ひととき忘れ、夢中で写真を撮りました。



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知らなかったのですが、和名は紅玻璃草。ぐはりそう、と読むのでしょうか。
玻璃とは、透き通った水晶や硝子の謂。陽射しをうけて、キラキラと輝くこの花には似つかわしい。
やがて太陽が西に傾くと、花はひとつまたひとつと閉じて、色とりどりの花冠はいつのまにか消えていました。





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海の生きもの、のようなもの。

"怪奇玉"に"玉藻"。そんな名前の多肉植物をご存じでしょうか。属名は、ディプロソマ(Diplosoma)。
で、この属名をネット検索すると同名のホヤの仲間がたくさん出てきます。
ホヤ・・・海の生き物のあれです。うーん、でも、雰囲気は似ていないこともない。

この属(植物のほうね)の透明感の高い葉は、ごく軟質で水分含有量が高く、bladder cell などと呼ばれる
水泡状の組織が多くあり、キラキラと輝く姿は本当に海の生き物のように見えます。


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ディプロソマ属を構成するのは2種だけで、ひとつがルックホフィ(Diplosoma luckhoffii 怪奇玉)。
同じメセンのコノフィツム属(Conophytum)にも同名の種がありますが、これはまったく別ものです。
もうひとつがレトロベルサム(D.retroversum 玉藻)ですが、前者の方が有名かも知れません。
といっても、検索しても殆ど日本語の情報は出てこないので、マイナーな多肉には違いないですが・・・。

ルックホフィはかつてモーガニエラ属(Maughaniella)とされていたため、メサガーデンのリストでは、
旧いほうの属名で記載されています(去年まで。今年は掲載なし)。ちなみにこの種のメサの説明書きが
面白くて「休眠期には視界から消滅する」だって。


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               Diplosoma luckhoffii M.1778 Holrivier

これはルックホフィ(D.luckhoffii M.1778 Holrivier)の2月頃の姿です。
わざわざ2月、と書いたのは、この仲間は、秋口すずしくなってきた頃に発芽すると、数ヶ月で開花サイズまで
成長します。そして春先のメセンシーズンの終わり頃、たよりない桃色の花を咲かせると、そのまま溶けるように
消えてしまいます。といって、一年草ではありません。小さな黒褐色のサヤ状のものが地中に残され、
再び秋の訪れとともに新葉がサヤを破って姿をあらわします。宿根草のような感じ。
もっとも、夏のあいだにひっそりと死んでいって、秋に再び目を覚まさないこともしばしば。
そもそも短命で、4-5年で枯れてしまうため、種による更新がかかせません。


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ルックホフィの故郷は、南アフリカ・西ケープ地方のクナースフラクテ(Knersvlakte)一帯の石英平原と
されています。上写真の植物の産地Holrivier も検索してみるちょうどそのあたり。
このエリア、珍奇なメセン親指姫(Dactylopsis digitata)をはじめ、色々興味深い多肉植物があるところ。
付近は塩性土壌が多い場所ですが、この種の自生地がそうだという記述もあります(親指姫も同様)。
ますます海の生きものっぽいですが、私の栽培経験では、塩を与えても与えなくても育つことは育つ。

ところで、このルックホフィには実はちょっと違ったタイプ(姿)のものがあります。
それがこれ。


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                Diplosoma luckhoffii M.1777 "thick blistery leaves"

こちらは、メサガーデンから、カタログ番号M.1777 "thick blistery leaves"という説明のみで
流通している種から育てたもの。先のHolrivier産のコロコロした姿にくらべると、ちょっとタビ型コノフィツムを
思わせる姿で、より大柄です。その分、肉質の柔らかく脆い感じやキラキラ感も強調され、同種としてはかなり
印象が異なります。
栽培上は、先のコロコロタイプよりも大柄なぶん育てやすい。というか、生き延びやすい。
この植物(種子)には、自生地データが与えられていないのですが、かなり顕著な違いがあります。
どなたかこの植物の由来などご存じの方がおられればご教示下さい。


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花もこんなふうにやや大きく、花筒が長く伸びる。この属は植物本体の大きさにくらべ花と果実が大きいのですが、
このタイプはそれが顕著です。生きるエネルギーの大半が、子孫を残すことに費やされている印象。
大柄なのに、グニョグニョしているものだから、海中の岩肌にしがみついて揺れているホヤ類のように見えなくもない。
もっとも、ホヤと共通する属名Diplosomaの意味は「ふたつに分かれた身体」といった意味らしく、
両者の珍無類な姿をとくべつ表象するものではないのですが。

そしてディプロソマのもう一種、というか元々のディプロソマ属が、これ。


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               Diplosoma retroversum M.1484

レトロベサム(D.retroversum M.1484玉藻)です。こちらは前種よりも多少かたいゴムのような感触の葉を、
地面に這わせるように、横拡がりに展開します。葉には例のキラキラが散らばっている個体と、なくてスベスベの
個体があります。同じサヤの種から双方が発生します。
生育パターンはルックホフィと同じで、秋に目覚めて初葉、春に花が咲いた後は溶けて視界から消えます。
開花の時期は多少遅め。栽培は、ルックホフィより少し大きい分たけやさしい・・・気がします。
自生地は、よりケープタウン側のピケットバーグ(Piketberg)周辺で、さらに局限的に生育しているため、
絶滅が危惧される植物のひとつだということ。


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写真上は、実生7年まで(多分)育った超大株。次の年は目覚めませんでした。
この種は、自生地の写真などを見ると、真っ赤に色づいていて、それがまた痛い感じで素敵なのですが、
私の栽培環境では常に濃緑色です。光の強さなのか、土壌成分によるものなのかわかりませんが、赤くはならぬ。
踏み潰されたタラコみたいな姿もなかなか魅力的なので、なんとか再現したいものではあります。


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ディプロソマは、栽培が難しいとよく言われます。なにしろ、毎年ゼロに近いところから葉っぱを伸張させて
開花に至るわけですから、スタート時期がまず大事。秋口になるべく早く涼しくなる場所に置いてやり、
水をやり始める。種蒔きする場合も同様で、秋遅くからの育成では、夏越え出来るサイズまで育たないうちに
休眠時期が訪れてしまいます。また、葉が出ている生育期間中は水切れさせないことも大事。自生地では、
雨に加えて、結露が表土を毎日湿らせている筈です。寒さには強いですが、冬じゅう成長させたいので、
氷点下にならない環境のほうが望ましいでしょう。そして、春、葉っぱが溶けてサヤだけが残ったら、激しい
直射日光は避けて、風通しのよいところで夏越しさせる。水はやらない。私のところでは、一部のコノフィツムと
同じ棚下に置いています。生育期は、もちろん直射日光が必要。
あとは、寿命が短いので、種をとって更新する。幸い自家授粉することが多いので、数株あれば、いくつか
カプセルが出来るはずです。種は、殆ど粉末と言っていいくらいに小さい。でも、ちゃんと発芽します。


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サボテンや多肉ばかり育てているので、植物は長い時間をかけて少しずつ育っていくもの、という印象を
持ってしまうのですが、草花には、春に生まれて秋に死ぬ(個体として)、という生活環のものも少なくありません。
涼しくなると、むにゅむにゅと柔らかな葉肉をのばし、早春の頃、柄に見合わぬ大きな花を咲かせたら、
消えてしまう。そんなDiplosomaの生き方には、儚さよりはむしろ、なにか動物的な命の生々しさを感じます。



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沙漠植物、栽培、探究。

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