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新刺コレクション。

     
この週末も関東は天候に恵まれました。
温室の大物コーデックスを幾鉢か、十年ぶりくらいに植えかえたら、腰が痛くなってしまった。
難物サボテンたちには、ことし2度目の水やり。これ今季の水やりはおしまい。運が良ければ秋にもう一回。
辛すぎるようですが、春先の一度の灌水だけで元気な株は新刺を伸ばして春を謳歌しています。




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                      Sclerocactus whipplei SB472
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                      Sclerocactus polyancistrus SB1773
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                      S.spinosior ssp.blainei 'Schleseri' SB1015




この季節のスクレロはほんとうに綺麗。
短い期間に急速に成長するので、鮮やかな色の刺が束になって出てきます。
ふだんは渋い味わいの白虹(Sclerocactus whipplei SB472)も、ごらんのとおり。
白紅山(Sclerocactus polyancistrus SB1773)は紅白のカギ刺がからみあって禍々しいほどの美しさ。
黒白の長い刺が乱舞する黒虹山ブライネイ(S.spinosior ssp.blainei'Schleseri' SB1015)も、
新刺の色合いが加わっていっそう鮮やかに見えます。
この季節は、痛んだ株が倒れる時期でもあります。秋から冬にかけて根が致命的に傷んだ株は
春の灌水で膨らむと同時に、腐りも進行して歪んだり変色したりしてダメになる。
きょうは泣く泣く5、6鉢を片づけました。




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                     Echinocactus polycephalus Las Vegas NV
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                E.xeranthemoides ''from golden spine plants MarbleCanyon AZ              




大竜冠(Echinocactus polycephalus Las Vegas NV)も、ごつい新刺を伸ばしています。
毎年こうして刺座が増えているはずなのに、大きくならぬ。いちばん古い実生が二十年でげんこつサイズ。
これでも5~6年くらい経っているんじゃないかと思います。でもことしは調子が良さそう。
竜女冠(E.xeranthemoides MarbleCanyon)の実生は、山で黄色い刺の個体から種を得たものです。
山では純黄色の個体は1割くらいですが、実生苗の黄刺出現率は3割程度でした。
ちなみに赤刺個体の実生からは1割くらいしか黄色い刺は出ません。大竜冠よりずっと育てやすい植物ですが、
それでも待ちきれず実生接ぎしてブーストかけたのが、下の写真の株です。新刺も混じり気のない純黄色で美しい。




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                         Ferocactus johnstonianus
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                        Ferocactus lindsayi SB 535
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                        Echinomastus acunensis CR137
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                         Echinomastus johnsonii KY9802 Mohave co.AZ
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                         E.johnsonii lutescens Meadview




つづいては黄刺つながりで、フェロ・ジョンストン玉(Ferocactus johnstonianus)の新刺。
チェコ人が島で採ってきた種の実生で、2本だけ生えたもの。この種も黄刺といいつつ赤が混じるものが多く、
純粋な黄刺は珍しいようです。この株も微妙に赤が混じっているけれど、それはそれで綺麗ですね。
同じフェロでいちばん渋い味わいのリンゼイ(Ferocactus lindsayi SB 535)は新刺もたまらなく渋い。
エキノマスタス・アキュネンシス(Echinomastus acunensis CR137)もドバっと刺が出てきます。
近縁種の紅簾玉(E.erectocentrus)はとてもご機嫌がとりにくい木ですが、こちらは気のいいサボテン。
この英冠(Echinomastus johnsonii KY9802 Mohave co.AZ)は実生5年くらいの若苗で刺の紅いタイプです。
黄花英冠(E.johnsonii lutescens Meadview)はこうしてみると前二者の中間的な植物のように見えますね。




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                     Sclerocactus glaucus ' wetlandicus' SB1873 Duchesne Co,UT




最後の一枚は、ウェットランディクス(Sclerocactus glaucus ' wetlandicus' SB1873 Duchesne Co,UT)の古木。
いまは、メサガーデンのリストでもグラウカスに統一されましたが、ユタ州の離れた場所に分布しています。
実生同期の大半は丈が伸びて形崩れしてしまったのに、この個体はうまい具合に下部が収縮して姿を保っています。
グラウカスの仲間の新刺は、スクレロのなかでいちばん控えめ。ほんのり紅に色づく感じがなんとも言えない。

さて、この美しい季節は、駆け足で過ぎてしまいます。あとは梅雨をスキップして暑い夏になればいいのに。











テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

やっと春。

     

先週はじめに、北米難物サボテンに今年最初の水やりをしました。
春先になってぐずついた天気が続いたので、なんとなく機を逸してしまい、
本来なら2月後半くらいが望ましいのだけれど、だいぶずれこみました。
それから数日後に撮った写真です。




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                 Group of Pediocactus few days after the first watering in this season
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                  Pediocactus bradyi SB470
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                  Sclerocactus polyancistrus SB1773




難物種に限らず、サボテンや多肉植物は灌水に敏感です。
休眠・断水期のあとの一度の灌水で、一気に根先をのばし、吸水して膨らみます。
ペディオ(Pediocactus)、スクレロ(Sclerocactus)などの自生地は、
まとまった雨は季節に一度か二度降れば良い方という環境ですから、
鉢栽培の植物もたっぷり鉢底から水が流れるくらい灌水してやれば、
その一度だけで刺をのばし、開花し、結実まで至ります。




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                  Escobaria marstonii M.383.15 House Rock Valley AZ
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                  Pediocactus knowltonii SB304, San Juan Co. NM




この4枚の写真は、この春の一度の水やりの前と後の比較。
地表面より下にもぐっていたマルストニー(Escobaria marstonii)は、すっかり
地上に顔を出しました。おなじくノウルトニー(Pediocactus knowltonii)も、
表面の小砂利をはねのけて、丸々と膨らみ、蕾も一気に育ち始めています。
どちらも同じ個体ですよ、念のため。
こうした植物にとっては、今頃から開花結実の5月くらいまでが短い生育期で、
あとは元の写真のように縮んで地中に没することで、照りつける日射や炎熱、乾燥から
身を守っているわけです。春以外、山に探しに行っても見つけられないのも当然ですね。




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                  Toumeya papyracantha RP91 Otero Co, NM  
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                  Sclerocactus parviflorus 'cloveriae' SB744 San Juan Co. NM 
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                  Echinomastus intertextus ssp.dasyacathus KY0222 El Paso TX
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           Pediocactus simpsonii ssp. nigrispinus  RP05 Yakima, Washington Co.




膨らんだだけでなく、さっそく新刺を伸ばしているもの、小さな蕾が一気に育ち、
開花に至ったものもあります。それより前から灌水している多くのメキシコ原産の種や
南米種などは、もう少しゆっくりした動きです。寝起きですぐ開花するさまをみると、
北米難物種がいかに短期集中的に動く植物なのか、よくわかります。




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          Echinomastus intertextus ssp.intertextus VZD695, Santa Gertrudis, Chihuahua




サボテンたちにはこの時期の晴天がいちばん大事なのですが、なかなか晴れ間が続かない。
先週は寒の戻りもあり、いちど開花した桜も一気に花ほころぶには至っていないようです。
花見の宴を楽しむゆとりもなさそうな春ですが、きょうは束の間の晴れ間にしばし温室で
過ごせたのは幸せでした。









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ジャンル : 趣味・実用

難物サボテンのダメになりかた。

      
週末は土日とも雨。
せっかく珍しく1日半は休めるのに。
そう思ったら、なんだかじめじめしたことが書きたくなってきました。スミマセン…。
今回は、丹精した難物サボテンが、どんな風にダメになってしまうか、てな話をします。




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                     Sclerocactus parviflorus 'cloveriae' SB744
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                    Pediocactus simpsonii RP20



難物、と言われるペディオ・スクレロ(Pediocactus&Sclerocactus)も、育て方の工夫次第でちゃんと育つし、
美しい花も咲く。というわけで、今年の春もこんな素敵な眺めを楽しむことができました。
クロベリアエ(S.parviflorus 'cloveriae' SB744)と月華玉(P.simpsonii RP20)、どちらも見ごろの株です。
色々な方の目に触れるブログは、こういう美しい写真を載せて楽しい話をするところなのであって、
枯れた植物とか、ネガティブなテーマは避けるべきなのかもしれないなー、と認識はしつつも、
一方で失敗体験の共有は、植物栽培で試行錯誤を続けている人にとっては、多少なり役立つんじゃないか、
と思ったりもするわけです。で、こういう見ごろの株がその先どうなるかというと・・・




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                    Sclerocactus brevispinus SB1743



水をやらず、あまり育たないようにするのが、栽培の秘訣。みたいなことをよく書いてますが、
元気よく育っているサボテンを見ると、よし頑張れ、もっと刺伸ばせ、みたいな気分になるのは致し方ないところで、
しかしあとで必ず後悔することにもなります。こんなふうに水を吸い過ぎて身割れするくらいならまだいいのですが・・・




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                    Sclerocactus brevispinus SB1743
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                    Sclerocactus polyancistrus SB1773




こんなんなってきたら、もうヤバイ。スクレロは肉質が柔らかく伸縮の激しいサボテンですが、
ねじれたり、極端に傾いてきたりするのは、根先のどこからか腐りが入って、それが球体の内部まで
入り込んだ結果です。ほどなくぐしゃっといくか、場合によっては数年生き延びることもありますが、
元の姿に戻ることはまずない。休眠期に縮むと変形が戻る場合もありますが、ふたたび水を吸うと
ねじれも復活します。そして、特に病気になったり腐ったりしなくても、スクレロやペディオを長い期間、
美しい状態に保つのは難しい。下の写真は見ごろを過ぎた?難物サボテンです。




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                    Sclerocactus .parviflorus 'havasupaiensis' RP123
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                    Echinomastus unguispinus  GL607
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                    Toumeya papyracantha RP50




この仲間は、実に徒長しやすいのです。私の栽培場は通年素ガラスで遮光もありませんが、日照時間は
建物の関係で遮蔽物のない場所に比べれば7割くらい。でも、決定的に陽当たりが悪いというわけでは
ありません。それでも、自生地の植物に比べると、実生栽培苗は長細く、ひょろひょろに育ちやすい。
実生から開花苗となり、その後3~4年くらいまでは、良いバランスで育ってくれることが多いですが、
そこから先になると、上に伸び始める。とくに彩虹山、白紅山などの大型種でその傾向は顕著です。
上の彩虹山ハバスパイエンシス(S.parviflorus 'havasupaiensis' RP123)はとくに極端な例で、
まだ開花しないうちからこんな柱のようになってしまいました。綺麗な刺は出ているんですけどね。
エキノマスタスもやっぱり上に伸びる。この紫宝玉(Echinomastus unguispinus GL607)は、
実生10年くらいまでは良いバランスでしたが、そこから先、径は太らず丈ばかり伸びるようになった。
丈が伸び過ぎて水があがらなくなったのか、枯れてしまった月の童子(Toumeya papyracantha RP50)は
実生から15年くらい。この春、最後の種をつけて天寿をまっとうしましたが、晩年は寝たきりでした。




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                     Pediocactus simpsonii SB 741
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                      Sclerocactus wetlandicus SB1323
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月華玉(Pediocactus simpsonii SB 741)も、柱になりやすい種類です。せっかく花が咲くようになったと
思ったら、すぐに背が伸び始めてこんな姿になってしまった。高さ20cmもあり、支えなしに立てない。
ウェットランディクス(S.wetlandicus SB1323)も実生10年くらいまでが見頃でしたね。
で、あきらめきれずにこんな風にカットしてみる。何度も書いていますが、ペディオ・スクレロは
発根は良いのです。頭は挿し木して再生、子が出たらかいて挿し木してまた育て直し。やれやれ。
ペディオ、スクレロは、ほんとうに見ごろが短いなーと思うこの頃。
20年くらい前に一斉に実生した苗は、みなピークを過ぎつつあります。次世代を育てておいて
よかったなと。下のグラウカス(Sclerocactu glaucus SB141)は、実生1世と2世、親子です。
親木の方には、少々くたびれが出てきているのが、わかりますよね。




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                    Sclerocactu glaucus SB141




いつもうまく育った植物ばかり並べていると、素晴らしい植物ばかりが並んだ栽培場を
想像されるかも知れませんが、実際にはこういうひとたちも棚の端っこのほうに並んでいます。
こうなっても、枯れてしまうまでは捨てることが出来ない性分なので、見た目に「完璧な温室」が
実現したことは一度もないわけです。
私の栽培環境の限界なのかなー、とも思います。拙ブログにしばしばコメントを寄せて戴いている
masutus名人のところでは、難物サボテンは自生地さながらに、丈低く刺も密に育っていますが、
屋上の半屋外栽培が秘訣のようです。屋内(温室・ハウス)と、屋外(無遮光フレーム含む)では、
植物の育ち方に決定的な差が出ます。多肉植物のパキポディウムなども、路地で育てるとがっしり
腰の低い野生株を変わらぬ姿のものに仕上がります。サボテンも同様で、刺の発生などはまるで
違う植物のようになりますね。この理由がどこにあるのか、昼夜の温度差なのか、通風なのか、
それとも光線なのか。いまだによくわかりません。







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プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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