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コピアポアの植え替え。


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 家から出られないから、植え替え作業が進むわ、と思っている方も多いかと。私も長く放置してきたコピアポアたちを植え替えてます。サボテンの多くは少なくとも3年に一度くらいは植え替えないと調子を崩すものですが、コピはサボテンのなかでも最も「植えっぱなし」に耐えてくれる植物。今回、植え替えたものは、なんとみな10年くらい同じ鉢のなかに植わっていました。
 コピアポアといっても、黒王丸系統(Copiapoa cinerea complex)しか育てていない人にはわからないところですが、実はそれ以外の大半の種は、地中に巨大な塊根を発達させます。なので、10年もそのままにしておけば、鉢の中は根っこでいっぱいになっているわけです。今回、植え替えの主役は、上の写真のような黒王系コピではなく、も少し地味ながら渋い風格を備えた塊根コピたちです。




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   Copiapoa multicolor=C.pendulina KK1394 Coquimbo



 まずはこちら、コピ・ムルチカラー(Copiapoa multicolor KK1394 Coquimbo,Fray Jorge 200m)。ペルーのKarel Knize氏からの種子を蒔いたもの。このナンバーはのちにペンデュリナ(C.pendulina)に改められましたが、南方系のコキンバナ(C.coquimbana)に含まれる種ですね。播種から25年以上経過していて、最後に植え替えたのがいつなのかも思い出せない。このあたりの渋いコピは、育てている人も少なく入荷もないので大事にはしているのですが、植え替えるのが大変だとわかってるのでずーっと後回しにしてきました。コロナがなければ今年もそのままだったかな。
 さてやるか、と決心してみても、しかし、うーん、どうやっても鉢から出ない。焼きものならば割れば良いのですが、プラなのでノコギリの登場です。根を傷めないように一週ぐるりと切って、取り出すと鉢の中はほとんど根っこだけ。いったい土はどこにいったんだ?不思議です。一回り大きな鉢に植えてやって、いっちょあがり。でもこれでだけで1時間近くかかってしまった。




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   Copiapoa cupreata=C.echinoides KK1382 Vallenar,800m



 続いて、根鉢がガチガチになってるクプレアタ(Copiapoa cupreata KK1382 Vallenar,800m)。この名前もいまはエキノイデス(C.echinoides)になってます。人気のあるドゥラと同じ種です。この根鉢、指先ではどうにも崩せないので、高圧で水をかけて古土を洗い流します。すると、やっぱりこちらも塊のほとんどが根っこでした。うーん、本当に土はどこ行ったんだ。これも種子から20年経過しています。花は咲くようになったけど、植物本体の大きさはやっと拳骨くらい。自生地の1メートルあるような群生はいったい何年かかってるんだろう。




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   Copiapoa grandiflora  PV1934 North of Esmeralda
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   Copiapoa laui FK1053 Los Lomitas
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   Eriosyce napina FK75 Huasco



 こちら、一番上の写真はグランディフロラ(Copiapoa grandiflora PV1934 North of Esmeralda)。コピアポアの中でいちばん大きな花を咲かせる種。地上部は控えめですが、地中の根っこは大きく長い。これを植えてやるには長い鉢が必要。根を切る人もいますが、なんとなく塊根があるものは鉢の中の塊根を想像して楽しむのが趣味なので、深い蘭鉢の登場になります。
 コピ最小種のラウイ(C.laui FK1053 Los Lomitas)もやっぱり植物の本体は根っこであることがよくわかります。ラウイやヒポガエア(C.hypogaea)、フミリス(C.humilis)などの軟質の小型コピは、塊根と植物の接続部分がこういう風に細くくびれていることが多い。実はこれには理由があって、グアナコ(Guanaco)などの餓えた動物に地上部を喰いつかれたとき、このくびれた部分でブチっと千切れることで、地中の塊根が掘り出されることなく、温存できるのです。そこからまた、芽吹く。植物の本体は地中にある根っこというのはそういうことです。栽培下でもこれは再現できて、上部を挿し木、根からは仔が出ます。
 最後の写真はエリオシケ・豹頭(Eriosyce napina FK75 Huasco)。やはり塊根が地上部より大きい。この類もかつては難物視されていましたが、根を養生すれば丈夫な植物。塊根を除去すると体力が奪われるのか、機嫌を損ねることが多い。




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   Copiapoa cinerea WM232 Taltal
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 せっかくなので黒王丸(Copiapoa cinerea WM232 Taltal)も植え替えてみました。これも7、8年植え替えてません。根鉢はぎっしりに見えますが…ほぐしてみると、根はこんな感じ。さっぱりしたもんで、多少ガッシリした根ではありますが、塊根ではありません。コピでは黒王丸の仲間のほか、ソラリス(C.solaris)や黒士冠(C.dealbata)など、何種かは塊根を作りませんが、それ以外のほとんどは大なり小なり根が太ります。
 最後にサンプル的に根を出した状態のコピたちを並べてみました。左上は黒王、右下は黒士冠、右上はコキンバナ(竜爪玉)系統の新タイプ、アンディナ(C.coquimbana ssp.andina JA688)、左下も同じくコキンバナ系統の新種アルガロベンシス(Copiapoa algarrobensis FK530)です。黒王、黒士には塊根がない。なので、鉢も選ばず植え替え簡単。塊根があるコキンバナ系統は、大きな鉢じゃないと植わらないので、一苦労です。




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 なんしても、コピアポアの実生苗は生育が遅い。この黒王で実生10年ほど経過しています。実生3年くらいで一度植え替えて、あとはそのまま、今回で二回目の植え替えということですね。どんどん植え替えればもっと大きくなるでしょうが、じっくり育てたほうが風格は出てくる。即席に山木が欲しくなる気持ちもわかりますが、あの姿まで、種子から50年かけて自分の手で育て上げるというのも、またこの上もない贅沢な道楽かと。

























テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

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ゴムハン

こんにちは~

見事な根っこです。
小型種の根っこが細い根(茎?)につながっているのはちょっと意外でした。
確かに動物に食われたときはその方が再生しやすいですね。

根詰まりで抜けない時はホームセンターで売っているゴムハンマーで鉢をたたくといいです。
ゴムが意外と硬いので陶器の鉢だと思い切りたたけないですが、それでも手でたたくよりだいぶ楽です。
普通のハンマーだと軽くたたいても割れかねないですし。
プラ鉢なら遠慮なくたたけます。

うちでは300円ほどの小さめのものを使っています。

No title

>イセゴイさん

植物本体と根のジョイントが細い種は、植え替えの時にも頭がポロっととれやすいです。ゴムハンマー、良いですね。今回みたいに根が太ると鉢が変形してどうやっても出ませんが^^;。
プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物を中心に、世界中の面白い植物を栽培中。主に種子からの育成に力を入れています。植物とのつきあいは、幼少時代から40年。著書:
「珍奇植物 ビザールプランツと生きる」
(日本文芸社)
「多肉植物サボテン語辞典」
(主婦の友社)

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