ピグマエオケレウス・ビーブリー Pygmaeocereus bieblii


このサボテンは夜、花ひらく。
端然とした植物の佇まいと、闇夜に朧に浮かぶ白い花には、幽玄な趣があります。




resize3238.jpg
               Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru



ピグマエオケレウス・ビーブリー。
(Pygmaeocereus bieblii Rio Santa Valley, Ancash, Peru)
2006年に正式記載された、まだ新種の部類ですが、南米の小型サボテンのなかで
もっとも鑑賞価値の高いものの一つでしょう。トリコケレウスに連なるグループで、
南米の柱サボテン類のなかで、もっとも矮小な形に適応を遂げたものですね。




resize3241.jpg

resize3243.jpg
               Pygmaeocereus bieblii plants from Karel Knize



さて、こちらは昼間の姿。
象牙色の極く短い刺が球体を飾り、丁寧に編まれた籠のような姿のサボテンです。
北米原産のペディオカクタス飛鳥・斑鳩(Pediocactus peeblesianus)を
思い起こさせますが、実際の自生環境や生態も飛鳥・斑鳩に通じる処があります。
故郷は北米ではなく、南米ペルー中部の高原地帯。乾燥した緩斜面で石くれに
埋もれるように生えており、休眠期には太い塊根で球体を地中に引き込むので、
地上からは見えなくなります。




resize3244.jpg




上3枚の写真の植物は、10年ほど前にペルーの業者からコピアポアを取り寄せた際に、
「新種で、コピよりずっと価値のある植物があるぞ」、と送ってきたものですが、
当時はまだ種も出回っておらず、開封したときは小躍りするほど嬉しかった。
物好きな人に何万でも出すから分けてくれと言われても断ったくらいです。
球形は3cm足らずの極く小型種で、時には本体の数倍に及ぶ塊根があります。
この株はおそらく山木ですが、仔を吹いたくらいで、当時植えた鉢のまま殆ど
球径は増していません。




resize3236.jpg

resize3233.jpg




花は夜咲きの大輪。この球体サイズにしては・・・という意味ですが、花首が細く繊細。
じつはこの株は上の輸入株ではなく、その種から育てた2世です。こちらはすでに
直径6cmくらいに育っていて、いわゆるトビ苗。同期の大半は3、4cmで止まってます。
栽培するうえでは、塊根があるので、過湿にならないように多少気をつかっていますが、
飛鳥・斑鳩ほど気難しくないし、暑さ寒さにも強く、育てにくいサボテンではありません。




resize3240.jpg




魅力はやっぱりこの極短の刺。長さや生え方に微妙な違いがあって、顔違いも楽しめます。
白く短く、星の砂をくっつけたみたいな感じは、ほかのどのサボテンの刺にもない魅力があります。
亜種としてクエハシー(P.bieblii ssp.kuehhasii)がありますが、こちらは球体のサイズが大きく、
刺も荒く、観賞植物としては基本種に分がありそうです(あくまで好みの問題ですが)。
また、ピグマエオケレウスには、このほかにも小型で精密な美しさを感じさせるサボテンが
いくつかあり、あまり知られていませんが、どれも栽培する価値のあるものばかりです。

南米の夜咲小型種としてば、ディスコカクタス・ホルスティ(Discocactus horstii)が
長年、最大の人気を誇ってきましたが、このビーブリーは強力なライバルになりそうです。








テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

コメント

非公開コメント

No title

Pygmaeocereus biebliiいいですよね。
私もケーレスから亜種クエハシーと一緒に注文して蒔きました。
産地データがないのは少し残念でしたが…。
発芽率もよく、成長もそんなに遅くないようで順調に大きくなっています。
夜咲きの白花が見られるのを楽しみにしています。
来年はピグマエオケレウスのほかの種類も蒔いてみようと思います

ところで南米の夜咲小型種というと
ディスコカクタス、セティエキノプシス奇想丸などが
思い浮かぶのですが、他にお勧めの種類などはありますか?
エキノプシス(ロビビア)系でも探してみようと思っているのですが…。

No title

shabomaniacさんこんにちは
フェロカクタスの一通りの種類の種子を蒔こうと思うのですが
鯱頭以外でトゲを退色させず豪壮に育てるのに
大変な苦労が伴う種類はありますか?
日の出丸や赤城は充分格好良く育てるのが可能なほうですか?

No title

Pygmaeocereus biebliiは屋外でも枯れなかったから確かに暑さ寒さには強いと思います。
1株だけ咲いたのでPygmaeocereus akersiiとの相互交配を試しましたが不結果に終わりました。

No title

Shabomaniac!さん、こんにちは。

P. bieblii いいですよね。
私は6年ほど前にサクシードで売り出された種子を買いました。

‘very rare plant, fat stem with strong but short variable spines, deep taproot, white scented flower, few seeds!’

と解説があって、思わずポチッと…(^_^;)。 たしか5粒で2ドルちょっとだったと記憶してます。
当時はどれだけ貴重種か分からないまま、例によって発芽苗をキリン接ぎし、特徴が出るにつれ大コーフン。
ペルーのAncash, Rio Santa Valley で見つかった新種!!だと知ったのは数年後でした。

私が「タネマキ」に深入するきっかけとなった罪なサボです。

No title

>AZさんさん
ピグマエオケレウスは小型で花も綺麗、塊根もあって面白い植物ですね。種が出回ってからは植物そのものもよく見るので、育てやすい植物なんだと思います^^。太い塊根で夏場にぐっと地面に潜るような感じに育てたいですね。

>フェロまきさん
フェロで刺色が褪せない、刺座が汚れない(長野とか以外で)種類はないんじゃないでしょうか。鯱頭などはまだ良い方で、私は日の出とか真珠とか赤鳳とか、ほぼ諦めています。とくに日の出は難しいと感じます。文鳥丸とかリンゼイとか、刺のあまり太くない系統の方が楽な気がしますね。

>おきでんん さん
akersiiとの間では種はつきませんでしたか。見かけもかなり違うし、分化が進んでいるということなんでしょうね。刺が痛くないサボテン、というのは、一般にも人気が出そうな気がします。

>noriaさん
飛鳥斑鳩もそうですが、この手の短刺は魅力的ですね。花もいいし、スターの素養がある種だと思います。自生地、Ancashと言えば、もう少し標高が高いところでnoriaさんがフロッコサスをご覧になったあたりでしょうか。



No title

>shabomaniacさん

わかりました
神仙玉を蒔いてみます

ありがとうございます
プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる