光堂の発芽と秋から動く塊茎植物。

   
ここ一週間くらいでめっきり涼しくなって、季節はすっかり秋。
夏型コーデックスの葉っぱがちらほら黄色くなって、そろそろ取り込み、越冬の準備をしないといけない。
一方で、秋冬型のコーデックスは芽吹いてきて、これから一か月くらいがいちばん元気に育つ時期です。
開花もはじまりまりました。




resize3456.jpg

resize3457.jpg

resize3459.jpg
                    Sarcocaulon patersonii




サルコカウロン・パターソニー(Sarcocaulon patersonii)は、日本でもみられるフウロソウの仲間で、
産地ではブッシュマンキャンドルと呼ばれています。樹脂に富んでいて確かによく燃えそうです。
ナミビアから南アフリカにかけての広い範囲に分布していて、タイプもいろいろ、花色もさまざま。
この株は古い輸入株ですが、正確な産地情報が付与されていないのが残念ではあります。
むかし、幹が黄色くてムチムチしたタイプのゴールドフォームというのが輸入されてきた時期があり、
これは別種の趣がありました。一見丈夫に見えますが、あまり寒がらせたり、暑がらせたりすると、
知らないうちに枯れ枝になっていることがあります。また、陽が弱いと枝が細くなり姿が乱れます。




resize3433.jpg

resize3432.jpg

resize3431.jpg
                      Tylecodon pearsonii




チレコドン・ペアルソニー(Tylecodon pearsonii)。白象という和名もあるらしい。
小型のつぼ型コーデックスは、エケベリアなどと同じベンケイソウ科なので、比較的育てやすいです。
むかしはルテオスカマタ(T.luteosquamata)という名前で輸入されることが多く、この株もその名前で
入ってきたもの。いまはシノニムとして、前者に統一されています。
同じ属の万物想(T.reticulatus)は、枯れた花枝を振りかざし冬型コーデックスの王様的な存在ですが、
ペアルソニーはその小型版。葉の脱落痕が刻印された枝が面白いのですが、ガラス越しの光では
細く長く伸びやすいので、霜が降りる夜以外は屋外の直射日光にあてて育てるのが理想的。
寒さには比較的強いです。




resize3464.jpg

resize3452.jpg

resize3463.jpg
                   Othonna retrorsa grown from seed 7-8 years




こちらは、キク科のオトンナ・レトローサ(Othonna retrorsa)。コーデックスといっても、
もしゃもしゃの葉っぱ(とその枯れたもの)に覆われていて、本体は見えません。枯草の塊りから
葉っぱが出て、花が咲きます。南アフリカの雑草といった風情で、秋の風に花がふわりとそよぎます。
この株は輸入株ではなく、私がタネから育てたもので7、8年経って、ちょうどいまげんこつサイズ。
小さいのは3年前の写真なので、意外に成長が早いのがわかります。基本、草で出来た団子なので、
山木も国産も区別がつきません。なので、できれば種から育ててやりたいもの。




resize3435.jpg
                 Pachypodium namaquanum, peak of growing period in early Autumn
resize3471.jpg
                 It took 8months to harvest seeds from budding




さて、パキポディウムのなかでは、この光堂(Pachypodium namaquanum)が唯一の純粋な秋冬型です。
マダガスカル産のデカリー等も秋に開花しますが、そもそも冬がない地域なので、冬型とは言い難い。
光堂の生育サイクルは、キフォステンマのセイッチアナなどとも似ていますが、春落葉して、夏~翌春
までが生育期です。いまの時期は最成長期で、青々と葉を茂らせて、キラキラと輝く新刺を伸ばします。
11月になったら温室に取り込み(関東)、暖かく過ごさせると、蕾が出てきて春に開花します。




resize3437.jpg

resize3439.jpg
                 Seedlings of Pachypodium namaquanum, just germinated
resize3436.jpg




去年、苦労して授粉、結実させた種子を先月末に実生したものがいまこのサイズ。フレッシュな種子でしたが、
30粒蒔いて12粒発芽。11本が成長軌道に乗り、ようやく、最初の刺がツンと出てきました。実にかわいい。
元親も種から育てた株なので、開花、結実、実生、そして発芽と、種から種へぐるっと一周したことになります。
このまま暖かく過ごさせて、冬も水を切らずに成長させてあげよう。
























テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

我が家の一点モノ⑤精巧丸


resize3394.jpg



      
我が家の一点もの。きょうは古い精巧丸(Pelecyphora aselliformis)です。
うちでは数少ない、セリで多少値がつくようなサボテン。
これは、輸入球がまだ入ってきていた頃に買ったもので、そんなに高価ではありませんでした。
学生のこづかいで手が出せるくらい。それからかれこれ四半世紀あまり我が家にいます。




resize3401.jpg

resize3393.jpg

resize3398.jpg
            Pelecyphora aselliformis old imported plant, growing 25yrs in my greenhouse




横からみるとなかなか立派なのですが、上から見ると、上弦の月、下弦の月みたいな形です。
実は、10年ほどまえにネズミに齧られて、こうなりました。かじりとられて残った1頭は、
挿し木で1本立ちになりましたが、削れた部分を補う新たな子吹きはなく、こんな姿のままです。
成長は遅鈍、そのうえ気まぐれで、花も少ししか咲かないことが多いのですが(下の方の写真)、
今年は植え替えたせいか、全頭開花して、なかなか壮観でした。やはり、世間の相場はともかく、
我が家の家宝のひとつではあるなと。




resize3379.jpg

resize3373.jpg




精巧丸は、メキシコ・サンルイスポトシ州(San Luis Potosi)の州都周辺、標高1800m前後の
石の多い丘陵地で、半ば地中に埋まる様に生えています。
学名のアセリフォルミスは、刺の様子がワラジムシ目の底生動物、ミズムシ(Asellus sp.)を
想起させることから名づけられたもので、そう思って眺めると、ワラジムシがびっしりついているように
見えてきてちょっとコワイ。英名はHatchet cactus で、こちらは刺座を斧に見立てています。




resize3387.jpg

resize3386.jpg
                15years from seed. very slow growing




どのくらい成長が遅いかというと、ネズミの食害もありましたが、25年かけても、株径で1.5倍くらいに
なったかどうかです。でも、種から育てるとさら気が遠くなる。
交配しても、なぜかなかなか種がつかないのですが、同時期に入手したもうひと株と並べているので、
たまに結実しています。で、株元に自然に発芽してきたのが上の写真の2本。
親株の根元で放置されていたとはいえ、これでも発芽して6、7年経っています。接ぎ木しないで大群生に
育てるのは、私にはムリそう。




resize3395.jpg




成長は遅いですが、あまり気をつかわなくてもよい丈夫な植物です。ごく普通のサボテン用土に植えて、
春から秋には、2週に一度程度水をやり、冬は断水して、氷点下5度くらいの低温に堪えてもらう。
弱点と言えば、アカダニに肌が汚されやすいので、来たなと思ったら殺虫剤を蒔くくらいかな。
この先、なかなか手に入れる機会もない植物だと思うので、この先も大きくしようなどとは思わず、
のんびり日光浴をさせながら、つきあっていこうと思います。












歩いて眺める植物図鑑。

    
今回は、夏休みに子どもを連れて行った山で撮った野の花、山の花です。
2、3時間の散策で、やたらたくさんの花を見ることが出来ました。
それには理由もあったのですが、まずは写真を並べてみます。




resize3326.jpg




入笠山は、南アルプスの前山にあたる山で、標高1,955mと、植生の変化を
楽しめるくらいの高さはあります。しかも、スキー用のゴンドラでほとんど
山頂付近まで運んでくれるので、山登りとは言えず、野原の散策という感じ。
いつも海ばかりなので、たまには山に行きたい、という子どもたちの希望を
入れて、車を長野まで走らせました。あ、長野といっても、サボタニ園には
行ってませんよ、ねんのため。




resize3299.jpg




ゴンドラの山頂駅から少し歩くと湿原がひろがっていて、ここでたくさんの
花に出会えます。着いたときは一帯に霧がたちこめて、幻想的な感じです。
花たちもしっとり濡れそぼって、晴れの日とは違った美しさ。「入笠湿原」
「御所平」と花を見ながら登っていきます。




resize3304.jpg
          ヤナギラン(Chamerion angustifolium アカバナ科)
resize3287.jpg
          サワギキョウ(Lobelia sessilifolia キキョウ科)
resize3290.jpg
          ウメバチソウ(Parnassia palustris ニシキギ科)
resize3291.jpg
          エゾリンドウ(Gentiana triflora ssp.japonica リンドウ科)
resize3294.jpg
          ツリフネソウ(Impatiens textori ツリフネソウ科)
resize3295.jpg
          ホソバトリカブト(Aconitum senanense ssp.senanense キンポウゲ科)
resize3303.jpg
          クサレダマ(Lysimachia vulgaris ssp.davurica サクラソウ科)




とまあ、数百メートル歩くあいだに、これだけの花を見ることが出来ます。
8月下旬でこれだけ咲いていますから、もう少し早く訪れればもっと色々
咲いていたかも知れません。




resize3279.jpg

resize3297.jpg
          マルバダケブキ(Ligularia dentata キク科)
resize3281.jpg
          ハナイカリ(Halenia corniculata リンドウ科)
resize3329.jpg
          ハクサンフウロ(Geranium yesoemse ssp.nipponicum フウロソウ科)
resize3316.jpg
          シシウド(Angelica pubescens セリ科)




この「湿原」はネットでシカの食害を防ぐためネットで囲われていて、
入山者はゲートをあけて中に入り、また出ていく形になっています。
湿原を抜けて、樹林帯のなかを歩いていくと、ほどなく山頂。




resize3327.jpg




すると、にわかに晴れてきて、視界がいきなりひらけました。
南北の日本アルプスを見はるかし、眼前には八ヶ岳。素晴らしい眺めでした。
帰り道は、燦々とそそぐ陽射しの下、同じ花を見ながら下りていきます。




resize3321.jpg
          マツムシソウ(Scabiosa japonica マツムシソウ科)
resize3312.jpg
          コオニユリ(Lilium leichtlinii ssp.maximowiczii ユリ科)
resize3310.jpg
          キキョウ(Platycodon grandiflorus キキョウ科)
resize3300.jpg
          アカバナシモツケソウ(Filipendula multijuga ssp.ciliata バラ科)
resize3318.jpg
          エゾリンドウ(Gentiana triflora ssp.japonica リンドウ科)
resize3333.jpg




あとで調べたのですが、じつはこの入笠山一帯では、動物などから植生を
保護するだけでなく、定期的な草刈りや、一部では植栽も行われているようです。
やけに色の赤いシモツケソウや、コオニユリなどは自生のものではない、という
記述もネット上にはあります。さすがに湿原内に外からの植物を植栽することは
ないでしょうが、かなり人の手の入ったお花畑、という印象もあります。
これだけの範囲でたくさんの花をみることができるので、山につくった植物園、
歩いて眺める植物図鑑、と思えば、ポジティブに楽しめそうです。
ぜひいちど。









テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

shabomaniac!

Author:shabomaniac!
沙漠植物、栽培、探究。

最新記事
全記事表示を読む

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
Excite自動翻訳
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる