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コピアポアの箱庭


コピアポアは、いまやサボテン界でいちばんの人気グループ。
多くの人が、チリ・アタカマの荒涼とした沙漠で生き抜いてきた
野生株の風格ある姿に惹きつけられているようです。
私も長年、山木のコピアポアの荒々しい肌や刺に魅入られ、
自ら輸入して、育ててきました。でも、野生株を育てることには、
いつも罪悪感があり、最近は種からの育成をメインに切り替えて、
欲しい気持ちを満たすようにしています。




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          various Copiapoa species grown from seeds, about7yrs



これは、うちにあるコピアポアの「箱庭」です。
種から育てた何種類かのコピアポアが植えこんであります。
これで7-8年経っています。実生の小苗のときに植え替えて、
そのまま5年くらい放ったらかし。この粗放栽培が、コピアポアの
“らしさ”を引き出すコツのように思えます。




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               Copiapoa columna-alba form Pan de Azúcar
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               Copiapoa cinerea  Mt. Perales form



上は孤竜丸(Copiapoa columna-alba form Pan de Azúcar)。
やっと500円玉くらいのサイズですが、肌の白さは山木に負けない。
同じときに蒔いて、まめに植え替えた同級生は、もっとずっと大きく
育っていますが青々しています。比べるとこの株の方が白く扁平で、
山木の姿に明らかに近い。たくさん水をやれば、適応して早く大きく
なるけれど、自生地での彼らのライフスタイルとはまるで異なるので、
姿も違うものになる、ということなのでしょう。
下は黒王丸(Copiapoa cinerea Mt. Perales form)。
いわゆるマウンテンフォームと呼ばれるタイプで、刺が荒々しく強い。
さらに大きくなるとどんな顔になるのかとても楽しみな株です。




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               Copiapoa humilis ssp. longispina AW91 S of Caldera
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               Copiapoa haseltoniana 'gigantea'  PV2018 Taltal



開花中のフミリス・ロンギスピナ(Copiapoa humilis ssp. longispina)。
基本種より肉質が硬く、硬いタイプのコピの血が入っている印象。
これは鉢の中に大きな塊根を形成している筈です。このタイプの
コピにも、独特の魅力がありますが、輸入球はあまり見かけません。
そして、金刺の美しいギガンテア(Copiapoa haseltoniana 'gigantea' )、
肌は鶯色です。山木も、肌色は真っ白ではなく青みがかっていますが、
孤竜丸と一緒の環境で育てても同じように白くはならないようです。




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市場に流通するサボテンの大半は、いまや専業栽培家が繁殖育成した
ものになっています。しかし、成長遅鈍なコピアポアに関しては、今も
輸入球が幅をきかせています。原産地国が緩くて、大量の山木の採取が
看過されていることもありますが、種から育てるととても時間がかかり、
プロの算盤勘定にはあわなそう。でも、アマチュアの栽培家にとっては、
そこも魅力です。10年かけてそれらしい雰囲気が出て、15~20年で
鉢上げして一本立ち。さらに10年、20年・・・50年もかければ山木に
勝るとも劣らない姿に仕上がるはずです。




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               Copiapoa cinerea  ZJ143 Antofagasta, 15years from seed



そんなに長くは待てないって?いやいや、生きていれば、時間なんて
いつのまにか過ぎるもんです。なにより、頑丈な性質のコピアポアは、
簡単に腐ったり枯れたりしません。
五十年、百年と、しっかり栽培者の人生に同伴してくれるはずです。
その間、ますます美しく、風格溢れる姿に育ってゆく・・・。

最高だと思いませんか。






テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

トロピカルなサボテンたち (書評「サボテン全書」)

   
いや、暑い。外にいると流れる汗が止まらない。

台風が通り過ぎて、猛暑が戻ってきます。温室作業を午前の2時間ほどで切り上げて、
午後からは、図書館へ涼みに行きました。そこで見つけたのがこの本です。



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「サボテン全書 All about CACTUS」
パワポン・スパナンタナーノン著、飯島 健太郎(監修)、 大塚 美里(訳)。

400ページ写真1000枚以上のずっしり重い大著で、前から気になってたけど、
タイ国の本の翻訳版、なおかつ高価なので、手が伸びなかったもの。
でも、借りて読めるならありがたい、シメシメ、と思って借りてきたのですが・・・

結論から先に言うと、実に素晴らしい本でした。
掲載されている植物と写真のクオリティがとても高い。
全部黒バックで、濃厚な色彩で写しとられたサボテンたちは、いかにも熱帯風。
自生地ルックとか、野の草の味わいとか、いつも私が求めていることとは反対ですが、
どのサボテンも美しく、解説も訳文もしっかりしているし、情報も詰まっています。
国内で以前刊行された「原色サボテン事典」(これも役立つ本だけど)と比べても、
標本のクオリティ、写真の技術が素晴らしい。
中を少し覗いてみましょう。以下はアマゾンの中身拝見のページへのリンクです。


●緋牡丹錦の群像

●兜についての考察


図鑑という名前ですが、サボテン概論みたいな導入になっていて、自生地の写真や
繁殖や病虫害、さらに土づくりなど、栽培法についてもわりとしっかり書いてある。
ただし、常夏の国、タイでの栽培を前提としたもの。
タイの本ということで予想するとおり、兜をはじめてとするアストロフィツム属、
および関連の園芸種についてはたっぷり紙幅を費やして紹介されています。
スーパー兜の登場でおったまげた世代としては、その末裔たちがここまでの多様性を
獲得したのか、と改めて感服。一本も育ててないけど、ちょっと興味が湧いた。
同様に、タイといえばお馴染みのギムノの斑入り、緋牡丹錦の色々、いろいろな、
バリエーションが色彩豊かにページを飾っています。このあたりは予想どおり。


●アリオカルプス、日本人好みの標本株


一方で、アルファベットのAからはじまって、ひととおりサボテン科各属全体を
展望しようという意図もあり、人気がない仲間、などと断りながら、柱サボテンの
各属なども紹介されていたり、リプサリスなど着生サボテンも無視していない。
人気のコピアポアも、黒王丸一点買いじゃなくて、マイナーなものも網羅している。
特に最珍品のデコルティカンス(C.decorticans)が載っていたのはビックリ。
アズテキウムのページに、立派な株の写真を載せつつも、「盗掘株の子孫」と
記されているあたりも、愛好家の心の軋みを感じさせて味わい深いです。

やっぱり、と思ったのはフェロカクタス(Ferocactus)で、すごくあっさりと
4ページくらいしか記載がありません。本来タイの人が好みそうな派手な姿の
神仙など赤刺系が登場しないのは、熱帯では美しく作るのが難しいからでしょうね。


●渋めの南米サボたちも・・・


私として気になるのは、いわゆる北米高山種といわれる難物サボテンの扱いですが、
こちらもやはりというか、記載は薄め。エキノマスタス(Eechinomastus)は2ページ
割かれていますが、桜丸(E.intertextus)として出ている写真がちょい怪しい。
ペディオ(Pediocactus)は1ページのみで、スクレロ(Sclerocactus)は
扱いがありません。これもタイでの栽培には向かないからでしょう。

でも、月の童子(Toumeya papyracantha)と、雨林サボテンの大珍品、
ストロフォカクタス・ウィッティー(Selenicereus=Strophocactus wittii)が
隣りあったページに載っているのはちょっと感動しました。
結局、アマゾンでポチリとやってしまうことになりそうです。





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ハウスで山堀り。


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梅雨が明けたら、とたんに猛暑です。
ここ数年仕事が忙しくなり、遠くにある栽培場に通える回数が
少なくなっていて、ハウスのそこここに、力尽きた植物たち、
気息奄々でうずくまっているサボテンたちの姿が。
(※以下、枯れた植物の画像も出てきます)




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     I found some cacti were in critical condition without repotting.



自分の管理能力を超えて植物を増やし過ぎたツケですが、
栽培場の荒れた状態を放置するのもよろしくないので、
意を決して「ダメな鉢」を外に運び出しました。
それが実にこんなにたくさん!




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     Most of them are can't be saved, but few of them may be helped.



大半のサボテンは少なくとも2~3年にいちどは植え替えて
やりたいところですが、これらの鉢はおそらく5~10年近くも
そのままの状態でおかれていました。
多くは、鉢土がカチカチに固まって新根の成長が妨げられ、
水をやっても吸収・成長できない状態になっています。
渇ききった状態で直射日光に炙られミイラ化しているものも。




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     They look like a plants in their habitat.



これらの鉢は、一見するとすべて枯れてしまっているようにも
見えますが、よくみるとまだ助けられそうなものも混じっています。
上のギムノ・ラゴネシーの鉢などは、自生地みたいに見える。
ガッチリ硬くて扁平、肌色もくすんで、国内のビニールハウス育ちに
見えません。鉢から出してみると、なかなかの風格です。




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               Gymnocalycium ragonesei
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               Turbinicarpus jauernigii
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               Ariocarpus retusus
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               Acanthocalycium thionanthum
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                Mammillaria sempervivi



十円玉みたいに扁平なギムノ・ラゴネシー。
成長点が凹んでコマ型になったツルビニカルプス。
扁平で肌は白みがかって、枯れ感たっぷりのアリオカルプス。
地上部より根部が大きく、荒れた刺のアカントカリキウム。
ほとんどの疣が枯れて、お煎餅のようなマミラリア・・・。




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       Plants rescued and repotted            



かつて目にした、自生地の山から掘り起こされて送られてきた
荒木、原産地球と見まごう風貌です。
そこで、発根管理よろしく、新しい鉢と土に植え直しました。
ここから、ふっくら元の姿に戻るかどうか。
でも、今のワイルドな雰囲気も、ちょっとは残るといいんだけど。









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沙漠植物、栽培、探究。

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