一点モノ⑥マミ・ラシアカンサ

    
久しぶりに、我が家のお宝植物です。
といっても、市場価値とはまったくリンクしませんが。。




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               Mammillaria lasiacantha SB414 Brewster Co,TX 20yrs from seed




マミ・ラシアカンサ(Mammillaria lasiacantha SB414 Brewster Co,TX =姫玉)。
種類が多すぎて、集める人がほとんどいなくなったマミラリアですが、
やわらかい白刺が密生する、いわゆる「白マミ」はいまも人気種の部類でしょう。
白鳥(Mammillaria herrerae)や春星(Mammillaria humboldtii)などは
大きく群生させると見ごたえがあり、品評会の常連みたいな時期もありました。
この種は、白マミのなかでは輸入株があまり導入されなかったこともあって、
マイナーな種類ですが、人が作ってないものを育てたくて、種を蒔いたもの。
それから20年くらい経って、いい具合の群生株になりました。
これまた、頭をはねて人工的に群生を作るのが好きではないので、たまさかの
自然群生株です。




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ラシアカンサの刺はツイードの上着みたいな、ちょっとガサガサした風合いですが、
触っても痛くありません。ほんのりピンクがかっていて、ちょっと人工物みたいな
白鳥などとは違い、利かん気な野生植物っぽさが表に出ています。
はちまきのように咲く花は、淡いベージュにマゼンタのストライプが入り、
キャンディーのような甘い雰囲気を漂わせます。ソメイヨシノよりも少し早く咲いて、
ハウスに本格的な春を連れてくる花ですね。




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            Mammillaria lasiacantha in habitat, Big Bend NP Brewster Co,TX               



アメリカ西部からメキシコにかけて広い範囲に分布するサボテンで、産地で
顔違いもいろいろあるようですが、このクローン、SB414は、米テキサス州の
ブリュースター郡産です。上の写真は、いぜん、同じエリアのビッグベンド公園を
訪ねたときに写した野生株で、刺の感じがよくにています。ただ自生地では
こんな大きな群生株はなく、せいぜいピンポン玉くらいのサイズでした。




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栽培はマミラリアのなかでは気をつかう方で、過湿で根腐れしたり、花殻から
傷みが入って倒れることもあるようです。うちにも数株あったのですが、
少しずつへって、この株だけになってしまいました。
今年もまもなく花を咲かせ、足踏みしている春を呼び込んでくれるはずです。










テーマ : サボテン・多肉植物・観葉植物
ジャンル : 趣味・実用

窓のある植物 Genus Fenestraria

    
多肉植物のなかには、「レンズ植物」「窓植物」といわれる一群があります。
葉の一部などが透明なレンズ、ないし窓状になっていて、ここを通って植物体の
内部に到達した光で光合成を行う植物を、そう呼んでいます。
こうした形態の植物は、オブツーサや玉扇・万象などのハオルチア属、
リトープスをはじめとするメセン科に多く見られ、いずれも透明感あふれる美しさで
人気があります。




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フェネストラリアは、Fenestraria rhopalophylla 1種だけからなる特徴的な属で、
レンズ植物の典型的な例です。ほぼ無茎で、根部からロゼット状に棍棒状の葉を
展開しますが、この棍棒の先端部が透明な窓(レンズ)に、なっています。
属の名前も"窓のある"、という意味ですが、植物全体の姿はイソギンチャクのようです。
欧米では、“baby toes”(赤ちゃんのつま先)と呼ばれますが、これは上側でそろった
葉先をそう見立てての愛称でしょう。




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          Fenestraria rhopalophylla ssp.rhopalophylla H4715 Chamais Gate,Namibia




自生地は南アフリカ・ナマクァランドからナミビアにかけての海岸沙漠で、冬に雨が
降る地域。よってフェネストラリアの生育期は秋から春で、典型的な冬型多肉植物です。
日本での栽培では、だいたい真冬の寒い時期に開花します。分布地域によって、
植物のサイズや花色などに変異があり、白花が基本種(Fenestraria rhopalophylla)で、
「群玉」という和名がついています。




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       Fenestraria rhopalophylla ssp.aurantiaca M1507.5 Beauvallon,Northern Cape,SouthAfrica




一方、黄色花の亜種もあり(Fenestraria rhopalophylla ssp.aurantiaca)、
こちらは「五十鈴玉」と呼ばれています。実際には、中間的なコロニーもあるようで、
同じ種の地域変異の範囲と考えるのが適切かも知れません。
また園芸種でオレンジイエローの大輪花を咲かせるファイアーワース(cv.Fireworth)も
とても魅力的な植物です。
同じメセン科には、よく似た姿、生態のフリチア属(genus Frithia)があります。
小さめのフェネストラリアという姿ですが、夏型(夏に水をやる)なので、
管理はまるで異なります。

でも、いったいなぜ葉っぱの先っぽだけが透明な窓になっていて、そこから光を取り込む
必要があるんだ?と思う人も多いと思います。実は多くのレンズ植物、窓植物は、
自生地では栽培下とはまったく異なった状態で生育しているのです。




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上の写真は、自生地でのフェネストラリアの姿です。
と言いたいところですが、実際は栽培環境を自生地の状態に近づけてみたものです。
植物体のほとんどは砂の中に埋まっていて、「窓」の部分だけが地表に覗いています。
じつは、多くの「窓植物」は、暑熱や乾燥の過酷な環境から植物本体を守るために、
地中にからだをうずめ、地表にちらりとみえる窓の部分から光をとりこんで暮らしているのです。
リトープスや、窓のあるコノフィツム、ハオルチアなども、自生地では土中にあらかた埋まった
状態で生きています。なので、根元から見えているような鉢植えでの状態は、
ちょっと恥ずかしく思っているかも知れません。イソギンチャク状に育ったフェネストラリアの
姿はたいへん面白いですが、じつは鉢植えならではの不自然な状態ということになります。




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                 Fenestraria rhopalophylla ssp.aurantiaca cv.'Fireworth'




実際、リトープスでもハオルチアでも、一定以上の深さの鉢にうえて、長く育てていると、
いつのまにか球体は地中に埋没していきます。しかし、フェネストラリアは、植え替え時に
埋めても、いつのまにか立ち上がってきてしまう傾向があります。徒長しやすい、ということ
かも知れません。そもそも雨量のとても少ない地域に生えているので、栽培するうえで
念頭におくべきことは「水少なめ」。とくに夏の休眠時期の水やりはとても危険で、腐敗に
繋がります。成長期も水やりは2週に1度程度でよく、多いと身割れが生じやすい。
夏の断水期を乗り切る上では、直射日光にさらすより、おそらく埋めたやった方が有利
だと思います。野菜のように根際から露出させるのは避けた方が無難です。

余談ですが、リトープスやハオルチア、また塊根植物などでも、日本で栽培する場合は
埋めると腐りやすい、という説明をよく見かけます。しかし、私の経験ではそうしたことは
滅多にありません。お芋は埋めたほうが元気に形よく育つし(鑑賞はできませんが・・・)、
リト、コノも変な時期に水やりなどしなければ腐ることはないと思います。




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フェネストラリア、透明な窓も美しく花も豪華なのに思いのほか普及していないようです。
休眠期は水を切り、成長期にはよく陽に当てる。気立ての良い植物なので、栽培場に、
ナミビア海岸沙漠のジオラマを是非作ってみてください。








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春を告げるサボテン(ツルビニカルプスⅡ)

   
先週はえらい雪が降るわ積もるわ、今世紀最強の大寒波がやってくるわで、
春の訪れも一気に遠のいたような気もしますが、健気に咲き続けてる彼ら彼女らに
報いてやりたいとこの稿を書いています。




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             Turbinicarpus ellisae = Turbinicarpus schmiedickeanus ssp.schwarzii var.rubriflorus




ツルビニ・エリサエ(Turbinicarpus ellisae)。
この属でも屈指の美しい種でありながら、あまり知られていない種です。
分類の上では、
・赤花昇竜丸(Turbinicarpus schmiedickeanus ssp.rubriflorus)、
・赤花烏城丸(Turbinicarpus schmiedickeanus ssp.schwarzii var.rubriflorus)
とされる場合もありますが、
栽培した上での感覚からは、後者の烏城丸赤花変異と考えると理解しやすい。
記載は1993年と比較的最近で、自生地はメキシコ・サンルイスポトシ州の
Cerros Blancos とされていますから、栽培下での交雑種ではないようです。
昇竜丸系の刺の魅力と、精巧殿やバラ丸の艶やかな花をあわせもった魅力的な
カクタスであることは間違いありません。




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                 Turbinicarpus graminispinus




グラミニスピナス(Turbinicarpus graminispinus)は、2011年に記載された
本属ではもっとも新しい種ですが、育てやすさも手伝って、種子からの繁殖苗が
比較的容易に手に入ります。特色は枯草に擬態しているとされる長い紙状の刺で、
老成した株では7-8cmの長さまで伸びて絡み合います。
原産地はメキシコ・ヌエボレオン州の南部の狭い地域で、ライムストーンの割れ目に
生えていて、枯草のように見える。所見の印象は北米難物種のトウメヤ・月の童子と
似ているな、というものでしたが、比べるとはるかに育てやすく、今後の普及が
期待できそうです。




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               Turbinicarpus booleanus = Turbinicarpus mandragora ssp.booleanus




最後は、これも分類上はややこしいブーレアヌス(Turbinicarpus booleanus)。
地下には肥大した塊根があり、サボテン本体は下部が細い軸のようになっているため、
塊根の本体、ふたつの玉を棒でつなげたような奇妙な姿になります。
私は根を埋めていますが、最近の流行のように塊根を露出させたら、かなり面白い
オブジェになるでしょう。原産地はヌエボレオン州のSan Roberto周辺とされています。

さて、ここからがややこしい話です。
ブーレアヌスに良く似た種に、有名な美針玉(Turbinicarpus mandragora)があります。
ハリーポッターにも出てくる魔術的植物、あのマンドレイクの名を頂く珍無類のカクタス。
その亜種とされる場合、Turbinicarpus mandragora ssp.booleanus ということに。
一方で、美針玉としばしば混同されるサブテラネウス(Turbinicarpus subterraneus)、
という種もありまして、ブーレアヌスはこちらの亜種として、
Turbinicarpus subterraneus ssp.booleanus と表記されることもあり、ややこしい。




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いったいどちらなのか。そもそも美針玉とサブテラネウスもしばしば混同されますが、
種子の形態などから、明らかな別種とされています。栽培するうえでは、本物の美針玉は、
メキシコ産のサボテンはいちばん栽培が難しいもののひとつで、お宝級の稀少品。
ブーレアヌスは、塊根と球体のバランスや、刺の生え方など美針玉にとても似ています。
花も透明感ある美しいピンクで、美針玉よりもあでやか。そして、ずっと育てやすい。
しかし、その育てやすさは、サブテラネウスにそっくり・・・。

・・・とかなんとか、頭が混乱してくるのは、マンドラゴラの魔術にかかってしまったからも。
ツルビニツルビニ、マンドラゴラ。ツルビニツルビニ、ブーレアヌス・・・。







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